2023年8月31日、日本・東京 - 化学業界のグローバル・リーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、レーザーによる直接配線形成技術(Laser Direct Structuring、以下LDS)を用いてアンテナが組み込まれる家電製品および電子部品のハウジングやカバーの成形に適した、新しいLNP(tm) THERMOCOMP(tm) WF006Vコンパウンドを発表した。この新材料は形状の複雑な小型部品の設計を実現するとともに、生産の迅速化やシステムコストの削減が可能なことから、フレキシブルプリント回路(FPC)アンテナなど既存の選択肢に代えてLDSアンテナの導入を促進するものである。LNP THERMOCOMP WF600Vはガラス繊維で強化されたコンパウンド材料であり、無充填のポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂やポリカーボネート(PC)樹脂と比べ2倍以上の引張弾性率を有し、小型・薄肉部品の成形に適している。また、優れた表面品質による美しい外観が実現でき、加えて、優れた信号利得とLDS性能を提供する。このLNP THERMOCOMP WF600Vコンパウンドは、従来の材料と比べて耐薬品性と加水分解安定性に優れ、反りが少ないといった特徴を備えている。
SABICのスペシャリティー事業部でLNP & NORYLビジネス・マネジメント・ディレクターを務めるJoshua Chiawは、「アンテナは、スマートフォン、スマート家電、GPS端末など無線接続を伴うアプリケーションに不可欠なコンポーネントです。LDSは、これらのアンテナを実現する重要な技術です。SABICの新しいLNP THERMOCOMPは、LDS一体型アンテナの設計、生産サイクルタイムや外観の最適化に役立つことから、多くのアプリケーションで採用が広がっています。このたび発表した新しいコンパウンドは進化を続けるコネクテッドデバイスの要件に対応し、対象を絞って新たなソリューションを提供するというSABICの継続的な取り組みを示すものです」と話している。
◆LDSアンテナを最適化するSABICのコンパウンド材料
LDSプロセスは、特殊な添加剤を用いたポリマーで成形した部品の3次元表面に、アンテナ設計を直接転写することが可能な技術である。転写されたアンテナは、レーザーによるパターンの活性化および化学めっきが施された後、回路に接続される。この技術によって、複数部品の統合、スペース要件の最小化、試作の簡素化、費用対効果の高い大量生産を実現することができる。
LNP THERMOCOMP WF600Vコンパウンドは現行材料の課題を解決するとともに、歩留まり損失やリワーク、後の工程で発生する追加コストを回避することができる。一部のガラス繊維強化材料は無電解めっき工程で使用される化学薬品によって侵食されるため、繊維が部品の外側に移動し表面仕上げに影響を与えることがある。また他材料の場合、異方性による反りの発生が懸念されるほか、一部の樹脂は過度の吸湿によって誘電安定性が低下するという課題も指摘されている。
このコンパウンド材料は、優れた耐薬品性、低反り性、低吸湿性を発揮することで、これらすべての問題を克服する。さらに、この材料は耐衝撃性とレーザー溶接性にも優れている。
SABICのスペシャリティー事業部でAPAC地域フォーミュレーション&アプリケーション担当ディレクターを務めるJenny Wangは、「LDSによる一体型アンテナの製造には、樹脂特性のバランスを慎重に検討する必要があります。SABICの材料開発者は、3Dモールド接続デバイスをはじめ、一体型アンテナの製造プロセスに関する豊富な経験を活かし、これらの要件を満たす新しいLNP THERMOCOMPコンパウンドを開発しました。この特殊コンパウンドは、アンテナの性能、誘電特性、表面外観の向上に寄与します」と話している。
この新しいコンパウンドの製品情報に関する詳細は、SABICマテリアルファインダーのウェブサイトを参照。
https://materialfinder.sabic-specialties.com/
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーである。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っている。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしている。
SABICの2022年の純利益は165.3億サウジ・リヤル(44.1億米ドル)。2022年の総売上高は1,984.7億サウジ・リヤル(529.2億米ドル)。2022年末の総資産は3,130億サウジ・リヤル(834.6億米ドル)。2022年の生産量は6,100万トン。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用している。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,948件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有している。
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。
SABICのスペシャリティー事業部でLNP & NORYLビジネス・マネジメント・ディレクターを務めるJoshua Chiawは、「アンテナは、スマートフォン、スマート家電、GPS端末など無線接続を伴うアプリケーションに不可欠なコンポーネントです。LDSは、これらのアンテナを実現する重要な技術です。SABICの新しいLNP THERMOCOMPは、LDS一体型アンテナの設計、生産サイクルタイムや外観の最適化に役立つことから、多くのアプリケーションで採用が広がっています。このたび発表した新しいコンパウンドは進化を続けるコネクテッドデバイスの要件に対応し、対象を絞って新たなソリューションを提供するというSABICの継続的な取り組みを示すものです」と話している。
◆LDSアンテナを最適化するSABICのコンパウンド材料
LDSプロセスは、特殊な添加剤を用いたポリマーで成形した部品の3次元表面に、アンテナ設計を直接転写することが可能な技術である。転写されたアンテナは、レーザーによるパターンの活性化および化学めっきが施された後、回路に接続される。この技術によって、複数部品の統合、スペース要件の最小化、試作の簡素化、費用対効果の高い大量生産を実現することができる。
LNP THERMOCOMP WF600Vコンパウンドは現行材料の課題を解決するとともに、歩留まり損失やリワーク、後の工程で発生する追加コストを回避することができる。一部のガラス繊維強化材料は無電解めっき工程で使用される化学薬品によって侵食されるため、繊維が部品の外側に移動し表面仕上げに影響を与えることがある。また他材料の場合、異方性による反りの発生が懸念されるほか、一部の樹脂は過度の吸湿によって誘電安定性が低下するという課題も指摘されている。
このコンパウンド材料は、優れた耐薬品性、低反り性、低吸湿性を発揮することで、これらすべての問題を克服する。さらに、この材料は耐衝撃性とレーザー溶接性にも優れている。
SABICのスペシャリティー事業部でAPAC地域フォーミュレーション&アプリケーション担当ディレクターを務めるJenny Wangは、「LDSによる一体型アンテナの製造には、樹脂特性のバランスを慎重に検討する必要があります。SABICの材料開発者は、3Dモールド接続デバイスをはじめ、一体型アンテナの製造プロセスに関する豊富な経験を活かし、これらの要件を満たす新しいLNP THERMOCOMPコンパウンドを開発しました。この特殊コンパウンドは、アンテナの性能、誘電特性、表面外観の向上に寄与します」と話している。
この新しいコンパウンドの製品情報に関する詳細は、SABICマテリアルファインダーのウェブサイトを参照。
https://materialfinder.sabic-specialties.com/
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーである。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っている。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしている。
SABICの2022年の純利益は165.3億サウジ・リヤル(44.1億米ドル)。2022年の総売上高は1,984.7億サウジ・リヤル(529.2億米ドル)。2022年末の総資産は3,130億サウジ・リヤル(834.6億米ドル)。2022年の生産量は6,100万トン。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用している。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,948件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有している。
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。