2023年8月30日、日本・東京 - 化学業界のグローバルリーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、耐薬品性に優れた新しいコポリマー製品「LNP(tm) ELCRES(tm) CRX9416U」「同CRX9016E」「同CRX7416U」を発表し、LNP(tm) CRXコポリマーの製品ポートフォリオを拡充した。LNP CRXコポリマー製品は、モビリティ分野をはじめとした各種産業分野の顧客に対して、過酷な薬品および環境条件下における高い耐久性を提供し、部品材料の新たな選択肢となるものである。この新しいLNP CRX製品は特殊ポリカーボネート(PC)コポリマーをベースとしており、優れた耐薬品性と耐候性(UL746C F1等級、低温延性、高耐熱性および高耐湿性)を兼ね備えている。これらの特性は、電気自動車(EV)の充電ソケットや屋外で使用される蓄電池のハウジングなどに用いられる各種部品の耐久性向上に寄与する。
耐久性の向上は部品の耐用年数を延長できるため、原材料、エネルギー、水といった資源の消費量を低減することで、サステナビリティ目標の達成に貢献する。加えて、顧客ブランドに対する評価を高めるとともに、コストのかかるリコールや保証クレームを最小限に抑えることができる。LNP CRXコポリマー製品ポートフォリオに加わったこの新製品は、こうした耐久性とサステナビリティに対するメリットによって、医療機器や家電製品をはじめとするさまざまな市場分野のアプリケーションに最適な選択肢となる。
SABICのスペシャリティー事業部でLNP & NORYLビジネス・マネジメント・ディレクターを務めるJoshua Chiawは、「サステナビリティ目標の達成に向けて重要となる要素の1つは、製品の耐用年数を延長する新たな方法を見つけることです。耐久性はリサイクルほど注目されていませんが、アプリケーションのライフサイクル全体を通した環境負荷を低減することができます。SABICのサステナビリティ戦略は、当社の熱可塑性樹脂にリサイクル、アップサイクルおよび再生可能材料を取り入れるだけでなく、早期の処分や廃棄の防止に役立つ高耐久性材料の開発にも重点を置いています。私たちは、より多くのお客様における耐久性に優れた製品の設計を支援するため、新製品や新たな用途開発によってLNP CRXファミリーを拡充して参ります」と話している。
◆耐久性、耐薬品性に優れたPCコポリマーのポートフォリオを拡充
LNP CRXコポリマーは強力な化学薬品に対する高い耐薬品性を特徴としている。実際、同ポートフォリオの最初の製品は、強力な殺菌剤を用いて繰り返し洗浄される医療機器に向けて耐薬品性を強化したグレードであった。その後、LNP CRXコポリマーの製品ファミリーは拡大を続けており、モビリティ分野で使用されるモーターオイル、ガソリン、テレピン油、苛性ソーダやブレーキ液に加え、ブレーキ液やタールリムーバーなどの産業用化学薬品、家電製品に影響を及ぼすローション、日焼け止め、手指消毒剤やスキンオイルなどに対しても耐薬品性を発揮する。
これらの非晶性コポリマーは、多くの場合、難燃性(FR)ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート(PC/PBT)ブレンドなどの結晶性材料と同等の耐薬品性を発揮するほか、難燃性PCや耐衝撃性を改良した難燃性ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(PC/ABS)ブレンドなどの非晶性樹脂を上回る性能を発揮する。
さらに、すべてのLNP CRXコポリマー製品は非臭素/非塩素系の難燃性を有し、射出成形および押出成形において良好な加工性を提供できる。また、屋外用途での適合性に関するUL 746C規格において、紫外線(UV)および水中浸漬の要件を満たしている(F1等級に準拠)。
SABICのLNP CRXコポリマー3製品は低温延性(-60度Cまで)とF1等級を備え、その他の特長は以下の通りである。
・ LNP ELCRES CRX9416Uコポリマー樹脂:本製品は2023年後半の販売開始を予定。1.5mm厚でUL94 V0に準拠する射出成形グレードであり、Vicat B120法(ISO306)で測定した耐熱温度は145度C。UL認証を受けたカスタムカラーにも対応予定。
・ LNP ELCRES CRX9016Eコポリマー樹脂:黒色の押出成形用グレード。1.5mm厚でUL94 V0に準拠し、低収縮性、長期延性、Vicat B120法(ISO306)で測定した耐熱温度は145度C。
・ LNP ELCRES CRX7416Uコポリマー樹脂:カスタムカラーに対応する射出成形グレード。1.0mm厚でUL94 V0に準拠するほか、非常に高い流動特性(MVR 13g/10分)を備えており、薄肉や複雑形状の設計が可能なことから材料使用量の削減が可能。本製品は他の2つのグレードに比べて耐熱性が低く、Vicat B120法(ISO306)で測定した耐熱温度は131度C。
LNP(tm) ELCRIN(tm) CRXブランドで提供されるこれらの材料はバイオベースの製品も利用が可能であり、化石ベースの製品と同等の性能を備えている。バイオベース製品は、食物連鎖と競合しない非化石廃棄物由来の再生可能原料を使用しており、ISCC PLUSの認証を取得している。このバイオベース製品は、化石ベースの製品と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を最大38%削減することができる。
SABICのスペシャリティー事業部でテクノロジーディレクターを務めるLuc Govaertsは、「LNP CRXコポリマー製品ファミリーは、当初、殺菌剤への耐薬品性が求められる医療機器分野に向けられていましたが、他の市場で要求される厳しいニーズに応える新グレードの追加によって、同製品群は着実に成長を続けています。SABIC独自のコポリマー技術が活かされた最新製品はEVの充電インフラ、EVや電動自転車のバッテリーといった高耐久性が求められる用途において、化学薬品や過酷環境に対する優れた耐性を発揮します。これらの高性能で高耐久性を備えた材料は、顧客製品の寿命延長に貢献します」と話している。
LNP CRX製品に関する詳細は、SABIC Material Finderウェブサイトを参照。
https://materialfinder.sabic-specialties.com/
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーである。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っている。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしている。
SABICの2022年の純利益は165.3億サウジ・リヤル(44.1億米ドル)。2022年の総売上高は1,984.7億サウジ・リヤル(529.2億米ドル)。2022年末の総資産は3,130億サウジ・リヤル(834.6億米ドル)。2022年の生産量は6,100万トン。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用している。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,948件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有している。
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。
耐久性の向上は部品の耐用年数を延長できるため、原材料、エネルギー、水といった資源の消費量を低減することで、サステナビリティ目標の達成に貢献する。加えて、顧客ブランドに対する評価を高めるとともに、コストのかかるリコールや保証クレームを最小限に抑えることができる。LNP CRXコポリマー製品ポートフォリオに加わったこの新製品は、こうした耐久性とサステナビリティに対するメリットによって、医療機器や家電製品をはじめとするさまざまな市場分野のアプリケーションに最適な選択肢となる。
SABICのスペシャリティー事業部でLNP & NORYLビジネス・マネジメント・ディレクターを務めるJoshua Chiawは、「サステナビリティ目標の達成に向けて重要となる要素の1つは、製品の耐用年数を延長する新たな方法を見つけることです。耐久性はリサイクルほど注目されていませんが、アプリケーションのライフサイクル全体を通した環境負荷を低減することができます。SABICのサステナビリティ戦略は、当社の熱可塑性樹脂にリサイクル、アップサイクルおよび再生可能材料を取り入れるだけでなく、早期の処分や廃棄の防止に役立つ高耐久性材料の開発にも重点を置いています。私たちは、より多くのお客様における耐久性に優れた製品の設計を支援するため、新製品や新たな用途開発によってLNP CRXファミリーを拡充して参ります」と話している。
◆耐久性、耐薬品性に優れたPCコポリマーのポートフォリオを拡充
LNP CRXコポリマーは強力な化学薬品に対する高い耐薬品性を特徴としている。実際、同ポートフォリオの最初の製品は、強力な殺菌剤を用いて繰り返し洗浄される医療機器に向けて耐薬品性を強化したグレードであった。その後、LNP CRXコポリマーの製品ファミリーは拡大を続けており、モビリティ分野で使用されるモーターオイル、ガソリン、テレピン油、苛性ソーダやブレーキ液に加え、ブレーキ液やタールリムーバーなどの産業用化学薬品、家電製品に影響を及ぼすローション、日焼け止め、手指消毒剤やスキンオイルなどに対しても耐薬品性を発揮する。
これらの非晶性コポリマーは、多くの場合、難燃性(FR)ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート(PC/PBT)ブレンドなどの結晶性材料と同等の耐薬品性を発揮するほか、難燃性PCや耐衝撃性を改良した難燃性ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(PC/ABS)ブレンドなどの非晶性樹脂を上回る性能を発揮する。
さらに、すべてのLNP CRXコポリマー製品は非臭素/非塩素系の難燃性を有し、射出成形および押出成形において良好な加工性を提供できる。また、屋外用途での適合性に関するUL 746C規格において、紫外線(UV)および水中浸漬の要件を満たしている(F1等級に準拠)。
SABICのLNP CRXコポリマー3製品は低温延性(-60度Cまで)とF1等級を備え、その他の特長は以下の通りである。
・ LNP ELCRES CRX9416Uコポリマー樹脂:本製品は2023年後半の販売開始を予定。1.5mm厚でUL94 V0に準拠する射出成形グレードであり、Vicat B120法(ISO306)で測定した耐熱温度は145度C。UL認証を受けたカスタムカラーにも対応予定。
・ LNP ELCRES CRX9016Eコポリマー樹脂:黒色の押出成形用グレード。1.5mm厚でUL94 V0に準拠し、低収縮性、長期延性、Vicat B120法(ISO306)で測定した耐熱温度は145度C。
・ LNP ELCRES CRX7416Uコポリマー樹脂:カスタムカラーに対応する射出成形グレード。1.0mm厚でUL94 V0に準拠するほか、非常に高い流動特性(MVR 13g/10分)を備えており、薄肉や複雑形状の設計が可能なことから材料使用量の削減が可能。本製品は他の2つのグレードに比べて耐熱性が低く、Vicat B120法(ISO306)で測定した耐熱温度は131度C。
LNP(tm) ELCRIN(tm) CRXブランドで提供されるこれらの材料はバイオベースの製品も利用が可能であり、化石ベースの製品と同等の性能を備えている。バイオベース製品は、食物連鎖と競合しない非化石廃棄物由来の再生可能原料を使用しており、ISCC PLUSの認証を取得している。このバイオベース製品は、化石ベースの製品と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を最大38%削減することができる。
SABICのスペシャリティー事業部でテクノロジーディレクターを務めるLuc Govaertsは、「LNP CRXコポリマー製品ファミリーは、当初、殺菌剤への耐薬品性が求められる医療機器分野に向けられていましたが、他の市場で要求される厳しいニーズに応える新グレードの追加によって、同製品群は着実に成長を続けています。SABIC独自のコポリマー技術が活かされた最新製品はEVの充電インフラ、EVや電動自転車のバッテリーといった高耐久性が求められる用途において、化学薬品や過酷環境に対する優れた耐性を発揮します。これらの高性能で高耐久性を備えた材料は、顧客製品の寿命延長に貢献します」と話している。
LNP CRX製品に関する詳細は、SABIC Material Finderウェブサイトを参照。
https://materialfinder.sabic-specialties.com/
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーである。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っている。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしている。
SABICの2022年の純利益は165.3億サウジ・リヤル(44.1億米ドル)。2022年の総売上高は1,984.7億サウジ・リヤル(529.2億米ドル)。2022年末の総資産は3,130億サウジ・リヤル(834.6億米ドル)。2022年の生産量は6,100万トン。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用している。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,948件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有している。
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。