EV車両開発をおこなう株式会社ツバメ・イータイム(本社:山口県岩国市、代表取締役社長:山本朋宏)は、2023年5月24日(水)~26日(金)に幕張メッセで開催された、第5回 建設・測量生産性向上展 (CSPI-EXPO 2023)にて、電動バイク「BIZMOII-S(ビズモツーエス)」の実車を展示しました。
来場者からは、「1回の充電でそんなに走れるのか」「電動バイクは長距離を走らないイメージだったがこれなら安心して乗れる」などの声をいただきました。
来場者からは、「1回の充電でそんなに走れるのか」「電動バイクは長距離を走らないイメージだったがこれなら安心して乗れる」などの声をいただきました。
株式会社ツバメ・イータイム 代表取締役社長 山本 朋宏
1967年山口県岩国市出身。家業は小さなガソリンスタンド1店舗を営み、その2階で暮らしていたことから、いつも油臭い父親と良く働く母親を見ながら育つ。大学で上京し、卒業後は石油元売業社に就職するも、母の病気をきかっけに1999年30歳で家業に戻る。
当時、燃料油市況は安定していたが、徐々に価格競争が激化すると、借金を抱えるまでに経営が悪化。そこで2014年一念発起し、新規事業となる「自動車産業」に参入、EVバイクの開発・製造・販売をおこなうツバメ―・イータイムを設立する。2016年に海外展開の足掛かりとなるベトナムに進出し成功を収め、現在は脱炭素化に貢献するEVバイクを世界で展開し、上場を目指す。
■2代目社長の決断 借金まみれのガソリンスタンド経営から一転「自動車産業」へ
当社代表山本は、日本の自動車保有台数が1,000万台に達した(現在はその約8倍)、昭和42年に山口県岩国市で生まれました。家業は小さなガソリンスタンド1店舗を営み、その2階に住んでいました。いつも油臭い父親と働き者の母親に育てられ、灯油計量器の傍らで遊んでいたことを覚えています。大学で上京し、卒業後は石油元売業社に就職。7年間勤務し、母の病気をきっかけに家業に戻ることに。販社では最優秀社員賞をとるなど実績を収めていたため、日本一のお店を作る夢を持って帰郷しました。当時は、まだ燃料油市況も安定していましたが、価格競争が激化、ガソリンスタンドの経営は苦しくなっていきました。創業者の父は、戦後のモータリゼーションに目を付けた“先見の明”はあったのですが、業界の習慣にすっかり染まっているように思われました。新しい試みを提案するも、なかなか理解してもらえません。店頭の“のぼり”一つ買うのも許してくれない状況でしたので、父の説得は本当に難しいものでした。父が折れてくれたのは、経営が苦しくなり銀行からの資金調達が厳しくなってからです。油外販売は洗車に特化し、その当時はまだ少なかったセルフサービス出店で多店舗展開、自動車整備企業や板金工場のM&Aなどにも着手し事業を拡大すると、その頃には父も自由にさせてくれるようになりました。
その流れで自動車産業の軸足はそのままで、さらなる新ビジネスを模索し始めると「電気自動車」に出会いました。ガソリンエンジンがなくなることにはショックを受けましたが、作りは至ってシンプルで、誰でもできるのではないかと思ったほどです。色々調べていくうちに、EV自動車製造はかなりの資金が必要なことから大企業には太刀打ちできず、レギュレーションの問題もあり、思っていたほど簡単ではありませんでした。
しかし、「電気で走るバイク」ならできる、エコ意識は高まる一方であり、マーケットは成長性のある新興市場だとわかりました。ただ、すぐには本格的に参入を決意するまでの勇気がなく、そこから何年もの時間が経過しました。
転機となったのは、同じ山口県出身のテラモーターズ徳重徹社長の書籍「世界に挑め!」に出会ったことです。徳重社長は「大企業に勝てないという発想を捨てよ」と言い、自分が思い悩んでいるうちに世界進出を果たしていました。山本は読後すぐに動き出しました。
■EVバイクなら大手に負けない、弱小企業が世界に羽ばたく“モデルケース”に
ついに電動バイク事業を展開すると決心し、代理店や取扱店ではなく、あえて難しい製造(メーカー)の道を選択したのには、成功蓋然性が高いと考えたからです。日本の少子高齢化に対応可能なビジネスであり、グローバルに世界で展開できるうえ、日本の技術力を活かして新しいものを生み出す魅力に魅かれたからです。
当社のEVバイクの製造方法は、1からすべてを作る大手とは対照的で、部品は他社の既製品を購入し、自社では部品の選定やデザイン考案に特化する分業制を採用しました。部品を1から作らない代わりにコストは抑えられ、他社の良い部品を集結させることで、質の良いバイクを追求できます。
2015年に国内での販売を開始、2016年には販路を海外にも広げ、バイク大国・ベトナムに進出しました。ベトナムでは大気汚染と排ガス問題の改善に寄与し、コロナ禍で売上が停滞するまでは、ハノイ市公安省に5,000台以上を納品、ハノイの二輪販売店の20%以上と代理店契約するまでに成長しました。
国内では、国の「デジタル田園健康特区」に指定された岡山県の中山間地域にて免許を返納した高齢者の有効な“移動手段”として、当社が高齢者の声を取り入れて開発した「小型EV車両」の運用が昨年11月から開始されました。
さらに今後は、バッテリーシェアリングシステムを構築し、エネルギーインフラ事業も視野に入れています。当社は今後も、大手に負けない質の高いEVバイクの製造を通じて世界の脱炭素化に寄与するとともに、弱小企業が世界に羽ばたく“モデルケース”となり、若者が新ビジネスに参入する際の基金を作ることで日本の経済活動の活性化に貢献したいと考えています。
【会社概要】
社名 :株式会社ツバメ・イータイム
代表 :代表取締役社長 山本 朋宏
本社所在地:山口県岩国市南岩国町3-11-6
TEL :0827-35-5258
URL :http://e-time.tsubame-group.co.jp/
設立 :2014年5月1日
資本金 :2億4,000万円
事業内容 :EV車両製造販売・バッテリースワップステーション製造販売
従業員数 :15名(2022年12月時点)