株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の介護システム市場を調査し、市場規模推移、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
介護システム市場はリプレイスが中心の市場であるが、新規事業所の開設やM&Aなどによる経営法人の変更などで介護システムベンダーの切り替え・新規導入が行われる。
2021年度の介護システム市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比106.9%245億2,400万円と推計する。昨年度に続き、コロナ禍の影響で商談及びシステム導入作業などが困難であり、また半導体等の部品不足によるサーバーなどの導入遅延も発生したが、補助金を活用し、業務効率化のためのシステム導入を行った介護サービス事業者が増加したことが推察される。
2.注目トピック~介護サービス事業者のペーパーレス化は複数システム導入で費用が割高へ、システムベンダー各社は経営を支援する様々なサービスを提供
介護事業所はコロナ禍での資金繰り支援の対策効果が以前より薄れており、慢性的な人手不足の中、光熱費や燃料費、食品やその他物品の急速な価格の高騰で経営環境が悪化したと推察される。介護サービス分野は主収入が公定価格によって規定されており、費用面の効率化が重要とされる。そのため、国や自治体が先進・優良事例を示して、備品の一括購入、請求事務や労務管理など管理部門の共通化、効率的な人員配置といった費用構造の改善、さらにはその実現に資する経営の大規模化・協働化を進めることを推奨している。
また、2021年度電子帳簿保存法(電帳法)の改正、インボイス(適格請求書)制度などの制度変更を受け、介護サービス事業者のペーパーレス化・DX化(紙の請求書も電子で一元管理等)が進むことが推察される。介護事業所のバックオフィス関連業務の効率化も必須となってきており、介護サービス事業者の関心が高い。
一方、ペーパーレス化のためのシステムは一般企業向けの汎用システムが利用されており、介護請求等と連携していないなど介護業務に特化しておらず業務の効率化が難しく、介護システムとは別のシステム導入を行うことになり、システム費用が割高になっているケースが散見される。 そのような状況下において、介護システムベンダー各社は様々なサービスを提供し、介護サービス事業者の経営改善につながるように支援を行い、他社との差別化を図っている。
3.将来展望
2022年度も市場ではコロナ禍や半導体等の部品不足による導入遅延などの影響が続いており、また、人手不足や物価高騰など介護サービス事業者の経営難を要因とした、システム導入等を一旦見送るケースなども想定される。一方で、2024年の介護報酬改定を見据え、補助金を活用したシステム投資が行われることで、介護システム市場規模は微増で推移する見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3174
調査要綱
1.調査期間: 2022年10月~12月
2.調査対象: 介護ICT・高齢者向けICTサービス関連企業、介護サービス事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員の直接面談(オンライン含む)、関連施設への郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2022年12月27日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
1.市場概況
介護システム市場はリプレイスが中心の市場であるが、新規事業所の開設やM&Aなどによる経営法人の変更などで介護システムベンダーの切り替え・新規導入が行われる。
2021年度の介護システム市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比106.9%245億2,400万円と推計する。昨年度に続き、コロナ禍の影響で商談及びシステム導入作業などが困難であり、また半導体等の部品不足によるサーバーなどの導入遅延も発生したが、補助金を活用し、業務効率化のためのシステム導入を行った介護サービス事業者が増加したことが推察される。
2.注目トピック~介護サービス事業者のペーパーレス化は複数システム導入で費用が割高へ、システムベンダー各社は経営を支援する様々なサービスを提供
介護事業所はコロナ禍での資金繰り支援の対策効果が以前より薄れており、慢性的な人手不足の中、光熱費や燃料費、食品やその他物品の急速な価格の高騰で経営環境が悪化したと推察される。介護サービス分野は主収入が公定価格によって規定されており、費用面の効率化が重要とされる。そのため、国や自治体が先進・優良事例を示して、備品の一括購入、請求事務や労務管理など管理部門の共通化、効率的な人員配置といった費用構造の改善、さらにはその実現に資する経営の大規模化・協働化を進めることを推奨している。
また、2021年度電子帳簿保存法(電帳法)の改正、インボイス(適格請求書)制度などの制度変更を受け、介護サービス事業者のペーパーレス化・DX化(紙の請求書も電子で一元管理等)が進むことが推察される。介護事業所のバックオフィス関連業務の効率化も必須となってきており、介護サービス事業者の関心が高い。
一方、ペーパーレス化のためのシステムは一般企業向けの汎用システムが利用されており、介護請求等と連携していないなど介護業務に特化しておらず業務の効率化が難しく、介護システムとは別のシステム導入を行うことになり、システム費用が割高になっているケースが散見される。 そのような状況下において、介護システムベンダー各社は様々なサービスを提供し、介護サービス事業者の経営改善につながるように支援を行い、他社との差別化を図っている。
3.将来展望
2022年度も市場ではコロナ禍や半導体等の部品不足による導入遅延などの影響が続いており、また、人手不足や物価高騰など介護サービス事業者の経営難を要因とした、システム導入等を一旦見送るケースなども想定される。一方で、2024年の介護報酬改定を見据え、補助金を活用したシステム投資が行われることで、介護システム市場規模は微増で推移する見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3174
調査要綱
1.調査期間: 2022年10月~12月
2.調査対象: 介護ICT・高齢者向けICTサービス関連企業、介護サービス事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員の直接面談(オンライン含む)、関連施設への郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2022年12月27日
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