新大和漢方株式会社(本社:奈良県 社長:山口夏美)は、長年に渡り、生薬や漢方の考えをベースに医薬品や、化粧品、健康食品の研究開発に取り組んでまいりました。この度、名古屋市立大学大学院医学研究科 統合解剖学分野 菊島 健児氏、近畿大学 産業理工学部 生物環境化学科 大貫宏一郎氏と共同研究を実施。抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウムや、薬用有効成分である水溶性プラセンタエキスをはじめ多くの天然由来成分の配合された薬用漢方クリームを用いることで、目尻のシワだけでなく顔面の総合的な肌のコンディション向上にも有効であることが示されました。本研究は、「薬理と治療 vol.50 no.11 2022(2022年11月28日発売)」で発表されました。
研究の背景
皮膚は外界に露出しているために日光や乾燥等の様々な刺激を受けますが、これらの刺激は肌のくすみやシミの発生、乾燥やシワ形成といった老化の要因となります。とりわけ目尻や口元、指や首といった部位は衣服によって隠されることが少なく紫外線にさらされやすいとともに、頻繁に運動が行われることにより老化に伴うシワが形成されやすいものです。このようなシワの対策としてはクリームの塗布により保湿を行うとともに、栄養素や活性物質を補う手法が効果的です。クリームに配合された脂質成分は皮膚表面に皮脂膜を形成することで水分の散逸を防ぐとともに、セラミドに代表される細胞間脂質は天然保湿因子(NMF)として働くことで、角質層の水分量保持に寄与するだけでなく、バリア機能においても重要な役割を果たします。但し、クリームの外用による肌ケアに関しては、肌に負担をかけないことに注意を払う必要が不可欠です。このため、生薬や漢方などによって効果と安全性の示された天然由来成分の配合されたクリームが求められます。そこで当社は、抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウムや、薬用有効成分である水溶性プラセンタエキスをはじめ多くの天然由来成分(表1)の配合された薬用漢方クリームの目尻のシワや顔面の肌コンディションに与える効果に関して、同一人の顔の左右対称部位で行うハーフフェイス法を用いた検証を行いました。
表1:試験品「白陽クリーム」の配合成分
【有効成分】ニチレイ・水溶性プラセンタエキスB、グリチルリチン酸ジカリウム
【その他成分】精製水、1,2-ヘキサンジオール・1,2-オクタンジオール混合物、1,2-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、アーティチョークエキス、アラキルグルコシド・アラキルアルコール・ベヘニルアルコール、アルブチン、アロエエキス(2)、ウメ果実エキス、オリブ油、加水分解シルク液、加水分解卵殻膜、カモミラエキス(1)、キサンタンガム、グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル、硬化油、酵母エキス(3)、香料、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジグリセリン、植物性スクワラン、親油型モノステアリン酸グリセリル、水酸化カリウム、水溶性コラーゲン液(4)、ステアリン酸、ダイズエキス、天然ビタミンE、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ニンジンエキス、濃グリセリン、パーシック油、ハチミツ、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、ヒメフウロエキス、フェノキシエタノール、プルーン酵素分解物、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、無水ケイ酸、メチルポリシロキサン、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ユズセラミド、ヨクイニンエキス、リン酸L-アスコルビルマグネシウム、d-δ-トコフェロール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、コメヌカ油
研究の背景
皮膚は外界に露出しているために日光や乾燥等の様々な刺激を受けますが、これらの刺激は肌のくすみやシミの発生、乾燥やシワ形成といった老化の要因となります。とりわけ目尻や口元、指や首といった部位は衣服によって隠されることが少なく紫外線にさらされやすいとともに、頻繁に運動が行われることにより老化に伴うシワが形成されやすいものです。このようなシワの対策としてはクリームの塗布により保湿を行うとともに、栄養素や活性物質を補う手法が効果的です。クリームに配合された脂質成分は皮膚表面に皮脂膜を形成することで水分の散逸を防ぐとともに、セラミドに代表される細胞間脂質は天然保湿因子(NMF)として働くことで、角質層の水分量保持に寄与するだけでなく、バリア機能においても重要な役割を果たします。但し、クリームの外用による肌ケアに関しては、肌に負担をかけないことに注意を払う必要が不可欠です。このため、生薬や漢方などによって効果と安全性の示された天然由来成分の配合されたクリームが求められます。そこで当社は、抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウムや、薬用有効成分である水溶性プラセンタエキスをはじめ多くの天然由来成分(表1)の配合された薬用漢方クリームの目尻のシワや顔面の肌コンディションに与える効果に関して、同一人の顔の左右対称部位で行うハーフフェイス法を用いた検証を行いました。
表1:試験品「白陽クリーム」の配合成分
【有効成分】ニチレイ・水溶性プラセンタエキスB、グリチルリチン酸ジカリウム
【その他成分】精製水、1,2-ヘキサンジオール・1,2-オクタンジオール混合物、1,2-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、アーティチョークエキス、アラキルグルコシド・アラキルアルコール・ベヘニルアルコール、アルブチン、アロエエキス(2)、ウメ果実エキス、オリブ油、加水分解シルク液、加水分解卵殻膜、カモミラエキス(1)、キサンタンガム、グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル、硬化油、酵母エキス(3)、香料、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジグリセリン、植物性スクワラン、親油型モノステアリン酸グリセリル、水酸化カリウム、水溶性コラーゲン液(4)、ステアリン酸、ダイズエキス、天然ビタミンE、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ニンジンエキス、濃グリセリン、パーシック油、ハチミツ、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、ヒメフウロエキス、フェノキシエタノール、プルーン酵素分解物、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、無水ケイ酸、メチルポリシロキサン、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ユズセラミド、ヨクイニンエキス、リン酸L-アスコルビルマグネシウム、d-δ-トコフェロール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、コメヌカ油
研究結果
1 試験品使用による目尻のシワグレードの軽減
試験品使用4週間前後における目尻のシワの変化について解析したところ,試験品使用側の目尻においては統計的有意なシワグレードの減少(シワの改善)が観測されました。一方で,不使用側のシワグレードはわずかな増加を示しました(図1,表2)。また,使用側不使用側シワ変化の群間比較からも統計的有意な差異が示唆され,試験品使用側の目尻におけるシワの改善効果が明らかとなりました。
1 試験品使用による目尻のシワグレードの軽減
試験品使用4週間前後における目尻のシワの変化について解析したところ,試験品使用側の目尻においては統計的有意なシワグレードの減少(シワの改善)が観測されました。一方で,不使用側のシワグレードはわずかな増加を示しました(図1,表2)。また,使用側不使用側シワ変化の群間比較からも統計的有意な差異が示唆され,試験品使用側の目尻におけるシワの改善効果が明らかとなりました。
2 試験品使用による肌の状態の改善
試験品の肌コンディションへの効果を調べるために,試験開始4 週間前後において被験者にアンケートを行いました。特に、「総合的な肌の満足感」をはじめ「化粧のり」「肌の柔らかさ」「肌のなめらかさ」「洗顔後のつっぱり感」の項目に関しては大きな統計的有意な差異(P<0.01)が認められました。(図2,表3)それ以外のすべての検査項目についても、試験品使用側においてコンディションの改善が示されており、これらの結果から、使用者本人によっても試験品使用に伴う肌のコンディション改善が実感されていることがわかります。
試験品の肌コンディションへの効果を調べるために,試験開始4 週間前後において被験者にアンケートを行いました。特に、「総合的な肌の満足感」をはじめ「化粧のり」「肌の柔らかさ」「肌のなめらかさ」「洗顔後のつっぱり感」の項目に関しては大きな統計的有意な差異(P<0.01)が認められました。(図2,表3)それ以外のすべての検査項目についても、試験品使用側においてコンディションの改善が示されており、これらの結果から、使用者本人によっても試験品使用に伴う肌のコンディション改善が実感されていることがわかります。