日本マイクロソフト株式会社は、花王株式会社に導入された「Microsoft Power Platform」導入事例を本日発表しました。
消費者向け家庭用製品および企業向け化学製品を製造・販売する花王株式会社(以下、花王)の生産工場では、業務プロセスの一部においてアナログ作業により操業を行ってきました。
少量多品種の化学品製造を担当しているファインケミカルでは、製造記録表、設備や分析機器の検査記録表、原材料の在庫管理カード、危険物の保管リストなど、あらゆるものに紙ベースの書類が使われてきました。これら書類の中から必要な書類を探すのは、時間を要する作業でした。
ファインケミカルに所属する渋谷遼氏は、「製造に関する情報の収集・取り扱いがとても大変でした」と述べています。
花王では、こうした状況を改善すべく、全社的なデジタルトランスフォーメーション戦略を推進しています。花王のSCM部門では、加速度的に進むデジタル化に対応し、現場視点に立った施策の導入やデジタル人材の育成などを積極的に進めています。
花王の技術開発センター・先端技術グループのマネージャーである竹本滋紀氏は、デジタルトランスフォーメーションを生産現場に持ち込むことを熱望していました。Microsoft Power Platform を利用して Power Apps によるアプリ開発を学んだ竹本氏は、ローコード開発プラットフォームが現場の担当者やエンジニアが短期間で簡単に業務効率を実現できる理想的な方法であると考えました。
花王のSCM部門が 2021 年ごろから Power Platform を推進して以来、SCM部門内の市民開発者は、国内の 10 工場で 260 以上のアプリを開発。和歌山工場では、市民開発者が 59 のアプリを開発しています。
「導入支援体制をつくり、組織的にバックアップしています。各工場内にキーユーザーを育成し、その人が推進役となり周囲の人を教育していきます。また、サポートサイトを開設し、開発ルールやナレッジの共有等を積極的に行っています。生産現場で デジタルトランスフォーメーションが進行中です」と竹本氏は語ります。
渋谷氏は、同僚の藤田直樹氏とともに、より良い原材料の在庫管理を実現するためにアプリ開発に取り組むことにしました。Power Apps を使って、原材料の種類・数量・場所などが記載された 300 種類以上もの在庫管理カードをデジタル化するアプリを作成したのです。以前は、手書きのため、カードの内容がわかりにくいケースがあったり、カードの紛失や破損への対応のために生産が滞ることもありましたが、作成したアプリによって在庫管理プロセスをデジタル化し、紙カード運用から脱却しました。
アプリの開発に取り組む中で、渋谷氏と藤田氏は、上司がこのプロジェクトの重要性をすぐに理解してくれたことに励まされました。
「このプロジェクトが成功したのは、多くの人の協力や理解を得られたことが大きいです。アプリを導入する際には、アプリ導入の目的や意義を学ぶために、現場の作業員による学習時間が必要でした。日常業務の一部を中断する必要があったのですが、周りの人々は協力的で、その重要性を真摯に理解してくれたのです」と藤田氏は言います。
アプリの開発を担当した渋谷氏は、学生時代は化学を専攻。ITの知識はほとんどありませんでした。
「プログラミングの知識がほとんどない私でも、アプリを開発することができました。あらゆる人に Power Platform の活用をお勧めします」と語ります。
アプリが現場で稼働することによって原材料の在庫管理の業務は完全にデジタル化されました。その結果、約 480 時間の作業時間の効率化が実現されました。さらに、生産現場では危険物の種類および数量管理についても、アプリに機能追加することでより正確な管理ができるようになりました。
「私の部署の人々は誰もがこのアプリを使用しており、今では業務に必要不可欠な存在と評価されています」と渋谷氏は胸を張ります。
開発者の精神は和歌山工場全体に浸透しつつあり、デジタルトランスフォーメーションのための開発コミュニティーに参加する従業員が増え、昨今では、自部門に必要なアプリ開発は何かと関心を持つ人が増えています。
同じくファインケミカルに所属する奥元立志氏は次のようにも述べています。
「生産現場で働いている人は、多くの改善のアイデアを持っています。マイクロソフトのソリューションとツールをうまく使えば、自分たちでその改善を実現するハードルを大きく低減できると思います。この取り組みを他部門・他工場の人たちにも伝え、学んでもらいたいと考えています」
今後も、花王はさらなるデジタルトランスフォーメーションの推進と、Power Platform の全社展開に取り組む計画です。竹本氏は Power BIを活用して膨大なデータを可視化したいと考えています。そして、渋谷氏と藤田氏は次のステップとして Moon Chart という生産スケジュールを管理するアプリを開発中で、生産現場の作業内容・状況をリアルタイムで可視化できないか取り組んでいるところです。
「Power Apps の普及により、市民開発者が一から学べる環境が整いました。私のようにITの知識が少ない開発者には本当にありがたいことですし、アプリ開発は今後の必須スキルになると思います」と藤田氏は話しています。
消費者向け家庭用製品および企業向け化学製品を製造・販売する花王株式会社(以下、花王)の生産工場では、業務プロセスの一部においてアナログ作業により操業を行ってきました。
少量多品種の化学品製造を担当しているファインケミカルでは、製造記録表、設備や分析機器の検査記録表、原材料の在庫管理カード、危険物の保管リストなど、あらゆるものに紙ベースの書類が使われてきました。これら書類の中から必要な書類を探すのは、時間を要する作業でした。
ファインケミカルに所属する渋谷遼氏は、「製造に関する情報の収集・取り扱いがとても大変でした」と述べています。
花王では、こうした状況を改善すべく、全社的なデジタルトランスフォーメーション戦略を推進しています。花王のSCM部門では、加速度的に進むデジタル化に対応し、現場視点に立った施策の導入やデジタル人材の育成などを積極的に進めています。
花王の技術開発センター・先端技術グループのマネージャーである竹本滋紀氏は、デジタルトランスフォーメーションを生産現場に持ち込むことを熱望していました。Microsoft Power Platform を利用して Power Apps によるアプリ開発を学んだ竹本氏は、ローコード開発プラットフォームが現場の担当者やエンジニアが短期間で簡単に業務効率を実現できる理想的な方法であると考えました。
花王のSCM部門が 2021 年ごろから Power Platform を推進して以来、SCM部門内の市民開発者は、国内の 10 工場で 260 以上のアプリを開発。和歌山工場では、市民開発者が 59 のアプリを開発しています。
「導入支援体制をつくり、組織的にバックアップしています。各工場内にキーユーザーを育成し、その人が推進役となり周囲の人を教育していきます。また、サポートサイトを開設し、開発ルールやナレッジの共有等を積極的に行っています。生産現場で デジタルトランスフォーメーションが進行中です」と竹本氏は語ります。
渋谷氏は、同僚の藤田直樹氏とともに、より良い原材料の在庫管理を実現するためにアプリ開発に取り組むことにしました。Power Apps を使って、原材料の種類・数量・場所などが記載された 300 種類以上もの在庫管理カードをデジタル化するアプリを作成したのです。以前は、手書きのため、カードの内容がわかりにくいケースがあったり、カードの紛失や破損への対応のために生産が滞ることもありましたが、作成したアプリによって在庫管理プロセスをデジタル化し、紙カード運用から脱却しました。
アプリの開発に取り組む中で、渋谷氏と藤田氏は、上司がこのプロジェクトの重要性をすぐに理解してくれたことに励まされました。
「このプロジェクトが成功したのは、多くの人の協力や理解を得られたことが大きいです。アプリを導入する際には、アプリ導入の目的や意義を学ぶために、現場の作業員による学習時間が必要でした。日常業務の一部を中断する必要があったのですが、周りの人々は協力的で、その重要性を真摯に理解してくれたのです」と藤田氏は言います。
アプリの開発を担当した渋谷氏は、学生時代は化学を専攻。ITの知識はほとんどありませんでした。
「プログラミングの知識がほとんどない私でも、アプリを開発することができました。あらゆる人に Power Platform の活用をお勧めします」と語ります。
アプリが現場で稼働することによって原材料の在庫管理の業務は完全にデジタル化されました。その結果、約 480 時間の作業時間の効率化が実現されました。さらに、生産現場では危険物の種類および数量管理についても、アプリに機能追加することでより正確な管理ができるようになりました。
「私の部署の人々は誰もがこのアプリを使用しており、今では業務に必要不可欠な存在と評価されています」と渋谷氏は胸を張ります。
開発者の精神は和歌山工場全体に浸透しつつあり、デジタルトランスフォーメーションのための開発コミュニティーに参加する従業員が増え、昨今では、自部門に必要なアプリ開発は何かと関心を持つ人が増えています。
同じくファインケミカルに所属する奥元立志氏は次のようにも述べています。
「生産現場で働いている人は、多くの改善のアイデアを持っています。マイクロソフトのソリューションとツールをうまく使えば、自分たちでその改善を実現するハードルを大きく低減できると思います。この取り組みを他部門・他工場の人たちにも伝え、学んでもらいたいと考えています」
今後も、花王はさらなるデジタルトランスフォーメーションの推進と、Power Platform の全社展開に取り組む計画です。竹本氏は Power BIを活用して膨大なデータを可視化したいと考えています。そして、渋谷氏と藤田氏は次のステップとして Moon Chart という生産スケジュールを管理するアプリを開発中で、生産現場の作業内容・状況をリアルタイムで可視化できないか取り組んでいるところです。
「Power Apps の普及により、市民開発者が一から学べる環境が整いました。私のようにITの知識が少ない開発者には本当にありがたいことですし、アプリ開発は今後の必須スキルになると思います」と藤田氏は話しています。