2020年11月より約2年にわたり、日本各地で好評を博した特別展『海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~』。その巡回を記念し、2022年7月「貴婦人の茶会 マリー・アントワネット編」を開催いたしましたところ、大変なご盛況をいただきました。
今回は、続編「貴婦人の茶会 エリザベート編」トークイベント茶会を開催いたします。皆様どうぞふるってご参加ください。
開催概要
■日時:2022年10月28日(金) / 29日(土)
■会場:間 AWAI THE COVER NIPPON Salon(帝国ホテルプラザ東京2F)
■席主:保科 眞智子 茶道裏千家教授 (保科宗眞) / ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト代表
■主催:一般社団法人 古伊万里再生プロジェクト(ROIP Japan)
開催にあたって
トークイベント茶会の席主は、日本と海外をつなぐ茶会を数多く手がけている裏千家教授の保科眞智子さん。中でも「貴婦人の茶会」は、保科さんの代名詞といえるテーマです。お茶会の醍醐味は、主客の心の交流とお道具の鑑賞。前回好評いただいた「マリー・アントワネット編」に続いて、今回はハプスブルク帝国最後の皇后「エリザベート」を現代の日本にお招きしたら?とイメージした設えで皆様をお迎えします。
本イベントでは特別にしつらえた古伊万里などの名品と共に、お点前でお茶とお菓子を召し上がっていただきながら、保科さんが取り組んでいる古伊万里再生プロジェクトのお話のほか、古伊万里を切り口に日本の工芸が世界を圧巻した明治期の様子、また、テーブル茶会の心得や見立てなどについて聴講いただきます。
また、本茶会は、お気軽にご参加いただける椅子席にて開催いたします。古伊万里ファン必見!話題満載のトークイベント茶会です。お子様や茶道初心者の方も大歓迎ですので、皆さまのご参加をお待ちしております。
保科眞智子 Machiko HOSHINA
茶道裏千家教授 ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト代表
茶道裏千家教授(保科宗眞) 、ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト代表
茶の湯と日本文化の魅力を国内外に伝える茶蓮主宰。大使館やサミットなど、国際親善のための茶会を多数開催。若い世代への日本文化継承にも積極的に取り組む。(公財)国際茶道文化協会会員、同協会英語茶道教室講師。生家は旧大名家、旧子爵保科家。
著書「英語DE茶の湯 こんなとき、どうする?!」「そのままあるがまま as it is 暮らしに お茶を。」
開催内容
『海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~』巡回展記念
貴婦人の茶会 エリザベート編
保科 眞智子氏(茶道裏千家教授 / ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト代表)をナビゲーターに、四部形式でトークイベント茶会をお楽しみいただきます。
第一部 ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト「ROIP」
保科氏が代表を務めるロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト「ROIP」の概要、活動経緯についてお話します。
第二部 古伊万里からたどる「ジャポニズム」
古伊万里を皮切りに、その後の日本の陶磁器や漆まで、明治時代に世界を圧巻した日本ブーム、いわゆる「ジャポニズム」のお話を聞きながら、当時の暮らしに思いを馳せてみませんか。
第三部 ウィーン万博 150周年に向けて
2023年は、日本がウィーン万博(1873年)に参加して150周年という記念すべき年。日本とオーストリアの架け橋となる存在として、「ROIP」の今後の展望についてお話します。
第四部 お茶会
どなたでも気軽にお愉しみいただけるテーブル茶会。もてなしの心得や見立てについて教えていただきます。
詳細情報
■日時:10月28日(金) 13:00-14:30/15:30-17:00・10月29日(土) 11:30-13:00/14:30-16:00
■会場:間 AWAI THE COVER NIPPON Salon(帝国ホテルプラザ東京2F)
※会場は、東京メトロ日比谷線日比谷駅の帝国ホテルプラザ東京2階になります。六本木ミッドタウンのTHE COVER NIPPONではございませんので、ご注意下さい。
■参加費用:12,000円(税込)(*うれしいお土産付き)
※2名様以上でお申し込みのお客様は1人10,000円(税込)でお申し込みいただけます。お友達やご家族お誘い合わせでご参加ください。
■席主:保科 眞智子 茶道裏千家教授(保科宗眞) / ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト代表
■主催:一般社団法人 古伊万里再生プロジェクト(ROIP Japan)
※平和への願いを込めて
「古伊万里再生プロジェクト」は陶片をつなぐだけでなく、歴史をつなぎ、世界をつなぐために動き出しています。本茶会収益の一部は活動資金に充てさせて頂きます。ROIPプロジェクトにご賛同いただけますと幸いです。
詳細はこちら
https://awai.thecovernippon.jp/salon/20221028-tea-workshop/
スピーカー 片岡省治
歳時記文化研究
「歳時記」「骨董」「日本の食文化と器」などを中心に、日本の伝統文化や暮らし、日本人の美意識や心など、様々なスタイルの講座を開催。当日は骨董の文様や器の見立てなどお話しします。
【店舗情報】
「間 AWAI THE COVER NIPPON」
〒100-0011
東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルプラザ東京2階
営業時間:11:00~19:00
【企画・運営】
メイド・イン・ジャパン・プロジェクト株式会社
〒104-0054 東京都中央区勝どき5-5-14-314
TEL 03-5534-9903 FAX 03-5534-9904
https://mijp.co.jp/
海を渡った古伊万里 ~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~
17世紀に日本で最初に焼かれた磁器「古伊万里」。肥前国(現在の佐賀県有田町および周辺)で生まれた古伊万里は「白い宝石」と讃えられ、またたく間にヨーロッパの王侯貴族の間で大流行。宮廷を豪華絢爛に飾りたてたポースレン・キャビネット(磁器の間)は、彼らのステータスシンボルとなりました。こうして多くの古伊万里が海を渡り、オーストリア、ウィーン近郊にたたずむ古城「ロースドルフ城」でも美しく飾られていました。ところが、第二次世界大戦終結直後の1945年、旧ソ連軍により多くが破壊されてしまいました。大量の陶片を目にしたピアッティ家は悲劇に打ちひしがれましたが、破棄することなく、現代まで大切に保管してきました。
『海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~』(2020~)では、これらのコレクションと共に、最新の修復技術により「破壊」された陶片から復元「再生」した作品、日本国内の古伊万里の名品を公開。東京を皮切りに、日本を代表する焼き物の産地である愛知、山口、そして佐賀にて巡回展を開催しました。
各地で大変な好評を博し、特集番組は国内にとどまらず、海外でも約160ヶ国で取り上げられるなど、大きな話題となりました。来る年、2023年は、日本がウィーン万博に参加してから記念すべき150周年。改めて架け橋となるイベントになったことでしょう。
開催情報
東京/大倉集古館
2020/11/3(火)~2021/3/21(日)
愛知/愛知県陶磁美術館
2021/4/10(土)~6/13(日)
山口/山口県立萩美術館・浦上記念館
2021/9/28(火)~11/23(火)
佐賀/佐賀県立九州陶磁文化館
2022/5/28(土)~7/18(月)
オーストリア・ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト
割れてしまった陶磁器を修復するという習慣がなく、廃棄されるのが通例のヨーロッパで、なぜこれらの陶片が今に伝えられているのでしょうか。それは、戦争当時の城主、フェルディナンド・ピアッティ氏の「このような悲劇を二度と繰り返すことのないように」という強い願いによるものです。破壊された陶片群は、城の歴史の象徴として大切に保管、展示されてきました。
白く美しい日本生まれの磁器に、17世紀以降のヨーロッパの王侯貴族は強い憧れを持ち、金に糸目をつけずに買い求めました。日本からヨーロッパへと磁器が伝播し、国同士の争いに翻弄されて痛ましくも破壊された歴史。しかしそれらがわが国の修復技術によって往時の姿を取り戻したことを、再びヨーロッパの人々に伝えたい――。
「古伊万里再生プロジェクト」は陶片をつなぐだけでなく、歴史をつなぎ、世界をつなぐために動き出しています。