2022年09月13日 14:00

SABIC、車載用GNSSアンテナに向けたLNP(tm) THERMOCOMP(tm)コンパウンドを発表

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日本・東京、2022年9月13日 - 化学業界のグローバルリーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、第2世代の自動車用GNSS(全地球衛星測位システム)アンテナにおいて、素材にセラミックスを使用した場合に比べて、優れた信号利得性能を発揮する新しいLNP(tm) THERMOCOMP(tm)コンパウンド2種を発表した。新製品の「LNP THERMOCOMP ZKC0CXXD」と「LNP THERMOCOMP ZKC0DXXD」コンパウンドは、より複雑なパターンマーキングをもつアンテナ基板の設計および成形が可能なため、信号捕捉率を高める上で重要な要素であるアンテナの有効表面積を拡大することができる。現在セラミックスを使用しているユーザーは、LNP THERMOCOMPコンパウンドに置き換えることで、二次加工の排除によるシステムコストの低減に加え、アンテナ性能の向上が期待できる。SABICの新しいLNP THERMOCOMPは、高精度GNSSアンテナの開発において既存材料では性能が不十分と考える設計者や技術者にとって、必要となる新たな要件に対応可能な製品である。

SABICのLNP & NORYLビジネス・マネジメント・ディレクターであるJoshua Chiawは、「GNSSアンテナ技術がより高精度な第2世代へと進化するのに伴い、SABICでは新たな性能要件を満たすために、LNP特殊コンパウンドのポートフォリオ拡充とさらなる性能強化に取り組んでいます。アンテナメーカーは、SABICの新しいLNP THERMOCOMPコンパウンドを使用することで、セラミック基板と比較して、より優れた信号利得性能を実現することができます。また、セラミックと同じ性能の部品を小型化できるほか、同等サイズでより優れた性能をもつ部品を製造することもできます。信号捕捉率の向上と設計自由度、さらにシステムコストの優位性といった特徴の組み合わせによって、搭乗者の安全そして将来の自律運転において要となるGNSS技術をさらに進めることができます。」と話している。

LNP THERMOCOMPコンパウンドは、小型化に必要となる高い誘電率(Dk)および信号取得を促進する低い誘電正接(Df)を提供し、個々のアプリケーションの電気的要件に合わせて調整することができる。また、これらのコンパウンドは電気メッキが可能な上、信頼性の確保に必要な優れた耐熱性、熱可塑性プラスチックのもつ設計自由度と高い生産効率を備えている。どちらのコンパウンドも、シャークフィン(ドルフィン)スタイルや新しいコンフォーマルアンテナの設計に適している。

◆複雑なパターンを可能にし信号捕捉性能を向上
アンテナはGNSS信号処理の工程においてフロントエンドとして機能しており、最適な信号利得を得るには、人工衛星からの電波信号を補足するアンテナの表面積を最大化する必要がある。第2世代のGNSSアンテナは高精度を実現するため、衛星から2つの異なる周波数の信号を受信しこれらを結合しており、信号の捕捉には優れたアンテナ性能が求められる。メーカーではアンテナ基板の有効面積を拡大するため複雑なパターンマーキングを作成しているが、セラミック材料は狭いスペースや制約のあるスペースに金属メッキを施すことが難しいため、使用できるパターンの形状や複雑さが制限される。こうした要因はアンテナの性能に影響するため、高精度GNSSシステムの製造におけるセラミックスの適合性が制限される可能性がある。

これに対してSABICの新しいLNP THERMOCOMPコンパウンドは、複雑なパターンマーキングのアンテナ基板を容易に射出成形することができる。複雑形状やくぼみなどの要素は既存部品の有効面積を大幅に増加させることができ、高精度GNSSアンテナに求められる厳しい信号利得に対応できる。さらに、これらのコンパウンドはメッキ加工されたセラミックスと異なり安定した電気メッキが可能なため、銅、ニッケル、銀メッキの工程において高い歩留まりを実現する。

SABICの新しい材料は、成形、穴あけ、研磨など時間のかかる二次加工を必要とするセラミック基板と比べ、システムコストの削減にも寄与する。また、LNP THERMOCOMPコンパウンドを用いた射出成形はスループットと生産性を向上させるとともに、スクラップの削減によるコスト低減も実現できる。

SABICのAPAC地域フォーミュレーション&アプリケーション担当ディレクターであるJenny Wangは、「SABICは蓄積された技術力によって、GNSSアンテナの高精度化をはじめとする技術トレンドに迅速に対応します。また、私たちはアプリケーション開発に関する広範なリソースを通じて素材の活用をサポートしています。例えば、コンパウンドの幅広い誘電特性を利用してアンテナ性能をシミュレーションし、熱可塑性基板材料の特性を特定のアンテナ設計に最適化することができます。SABICのグローバルアプリケーションテクノロジーセンターは、高度なエンジニアリング、テスト、分析、およびカスタマイズサービスを提供し、お客様の成功をサポートしています。」

SABICの新しいLNP THERMOCOMPコンパウンドは全世界で入手可能である。


SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーです。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っています。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしています。
SABICの2021年の純利益は230億サウジ・リヤル(61.5億米ドル)。2021年の総売上高は1,740億サウジ・リヤル(466億米ドル)。2021年末の総資産は3,180億サウジ・リヤル(849億米ドル)。2021年の生産量は5,800万トン。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用しています。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで10,090件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有しています。
https://www.sabic.com/

SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。

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  • 科学、技術研究、環境

会社概要

商号
SHPPジャパン合同会社 (エスエイチピーピージャパンゴウドウカイシャ)
代表者
松林卓弘(マツバヤシ タカヒロ)
所在地
〒100-0013
東京都千代田区霞ヶ関3-2-6 東京倶楽部ビル
TEL
03-3593-4700
業種
製造・メーカー(化学)
上場先
その他
会社HP
http://www.sabic.com/

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