移動体通信・IT分野専門の調査会社である株式会社 MCA(https://www.mca.co.jp/)は、携帯電話基地局市場の調査を実施し、その結果を5月18日に発表しました。調査結果の要旨は以下の通りです。
【調査結果要旨】
◆キャリア各社の設備投資額の推移と予測
・楽天モバイルの投資拡大が全体投資を底上げ
・2021年度はNTTドコモ並みの投資規模となる楽天モバイル
・ピークを過ぎた2023年度以降も1.5兆円規模で推移
◆5G基地局数と5G投資額の推移と予測
・2020年度は5G基地局数が2.1万局に拡大
・5G投資拡大も今後もLTE投資がメイン
◆基地局(無線機)ベンダシェア・動向
・今後もトップに位置する北欧ベンダ
・ドコモの5G投資拡大の恩恵を受けた国内ベンダ
・アジアベンダに韓国KMWが参入
◆エンジニアリング(基地局工事)市場シェア・動向
・全国系大手エンジ会社3社のシェアは約70%
・進む全国系大手グループ内再編
・懸念は工事量が縮小した際のエンジ会社への対応
本調査結果については、調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2019~2024年版」(税込220,000円)として、発刊しています。
https://www.mca.co.jp/itforecastreport/mobile-basestation-market-2022/
■調査結果抄録
◆キャリア各社の設備投資額の推移と予測
□楽天モバイルの投資拡大が全体投資を底上げ
2020年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5,691億円、KDDI(au)は3,615億円、ソフトバンクが3,569億円、楽天モバイルは3,359億円、UQコミュニケーションズ(UQC)が166億円、Wireless City Planning(WCP)は150億円の合計1兆6,550億円となった。特に楽天モバイルによる投資拡大の影響が大きく、ソフトバンクも寄与している。
【調査結果要旨】
◆キャリア各社の設備投資額の推移と予測
・楽天モバイルの投資拡大が全体投資を底上げ
・2021年度はNTTドコモ並みの投資規模となる楽天モバイル
・ピークを過ぎた2023年度以降も1.5兆円規模で推移
◆5G基地局数と5G投資額の推移と予測
・2020年度は5G基地局数が2.1万局に拡大
・5G投資拡大も今後もLTE投資がメイン
◆基地局(無線機)ベンダシェア・動向
・今後もトップに位置する北欧ベンダ
・ドコモの5G投資拡大の恩恵を受けた国内ベンダ
・アジアベンダに韓国KMWが参入
◆エンジニアリング(基地局工事)市場シェア・動向
・全国系大手エンジ会社3社のシェアは約70%
・進む全国系大手グループ内再編
・懸念は工事量が縮小した際のエンジ会社への対応
本調査結果については、調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2019~2024年版」(税込220,000円)として、発刊しています。
https://www.mca.co.jp/itforecastreport/mobile-basestation-market-2022/
■調査結果抄録
◆キャリア各社の設備投資額の推移と予測
□楽天モバイルの投資拡大が全体投資を底上げ
2020年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5,691億円、KDDI(au)は3,615億円、ソフトバンクが3,569億円、楽天モバイルは3,359億円、UQコミュニケーションズ(UQC)が166億円、Wireless City Planning(WCP)は150億円の合計1兆6,550億円となった。特に楽天モバイルによる投資拡大の影響が大きく、ソフトバンクも寄与している。
□2021年度はNTTドコモ並みの投資規模となる楽天モバイル
2021年度はNTTドコモが5,500億円、KDDI(au)は3,900億円、ソフトバンクが3,250億円、楽天モバイルは5,089億円、UQCが200億円、WCPは150億円の合計1兆8,089億円を見込む。キャリア各社による投資抑制が叫ばれていたものの、楽天モバイルの参入により、全体投資額での抑制は底を打ったといえる。
□ピークを過ぎた2023年度以降も1.5兆円規模で推移
今後、キャリア各社は5G時代も現在の投資規模で推移し、NTTドコモが5,500億円規模、KDDI(au)はモバイル向けに3,000億円台後半の投資が続き、ソフトバンクも移動通信向けに3,000億円台前半の投資が見込まれる。高騰している楽天モバイルの投資は2022年度も前年度並みの規模が計画され、2023年度以降に落ち着くものとみられる。なお、合計投資額としては、2023年度以降も1兆5,000億円規模で推移していく見込みである。
◆5G基地局数と5G投資額の推移と予測
□2020年度は5G基地局数が2.1万局に拡大
2020年度における国内5G基地局数は21,000局となった。NTTドコモが7,100局、KDDI(au)は5,900局、ソフトバンクが6,600局、楽天モバイルは1,400局で、KDDI(au)とソフトバンクの数値には5G転用が含まれている。5G転用を多用するKDDI(au)とソフトバンクは今後、NTTドコモを凌ぐ5G新局数で推移していく。
□5G投資拡大も今後もLTE投資がメイン
5G基地局数の拡大に伴い、5G投資も拡大している。2020年度は2,658億円となり、2021年度以降は4,000億円級の投資が続く。ただ、5G投資の拡大が期待される中、FDD/TDDを合わせたLTE投資は今後も大きな比率を占める。その要因として、5Gは帯域幅が広いものの、4周波数に過ぎず、LTEは9周波数であり、その差が影響しているものとみられる。
2021年度はNTTドコモが5,500億円、KDDI(au)は3,900億円、ソフトバンクが3,250億円、楽天モバイルは5,089億円、UQCが200億円、WCPは150億円の合計1兆8,089億円を見込む。キャリア各社による投資抑制が叫ばれていたものの、楽天モバイルの参入により、全体投資額での抑制は底を打ったといえる。
□ピークを過ぎた2023年度以降も1.5兆円規模で推移
今後、キャリア各社は5G時代も現在の投資規模で推移し、NTTドコモが5,500億円規模、KDDI(au)はモバイル向けに3,000億円台後半の投資が続き、ソフトバンクも移動通信向けに3,000億円台前半の投資が見込まれる。高騰している楽天モバイルの投資は2022年度も前年度並みの規模が計画され、2023年度以降に落ち着くものとみられる。なお、合計投資額としては、2023年度以降も1兆5,000億円規模で推移していく見込みである。
◆5G基地局数と5G投資額の推移と予測
□2020年度は5G基地局数が2.1万局に拡大
2020年度における国内5G基地局数は21,000局となった。NTTドコモが7,100局、KDDI(au)は5,900局、ソフトバンクが6,600局、楽天モバイルは1,400局で、KDDI(au)とソフトバンクの数値には5G転用が含まれている。5G転用を多用するKDDI(au)とソフトバンクは今後、NTTドコモを凌ぐ5G新局数で推移していく。
□5G投資拡大も今後もLTE投資がメイン
5G基地局数の拡大に伴い、5G投資も拡大している。2020年度は2,658億円となり、2021年度以降は4,000億円級の投資が続く。ただ、5G投資の拡大が期待される中、FDD/TDDを合わせたLTE投資は今後も大きな比率を占める。その要因として、5Gは帯域幅が広いものの、4周波数に過ぎず、LTEは9周波数であり、その差が影響しているものとみられる。
◆基地局(無線機)ベンダシェア・動向
□今後もトップに位置する北欧ベンダ
国内無線機ベンダシェアの推移をみると、2020年度は北欧ベンダが40%を占めた。国内ベンダは34.1%へ拡大し、アジアベンダは中国ベンダの回復が見込めないものの、韓国KMWによる楽天モバイルへの参入が拡大に寄与している。北欧ベンダはシェアを落としたが、今後もトップに位置するものとみられ、国内ベンダはNTTドコモの5G投資に期待がかかる。
□北欧ベンダは2020年度にシェア40%に縮小
エリクソン・ジャパンはKDDI(au)とソフトバンクで高シェアを獲得し、国内最大手の位置を維持している。一方、ノキアソリューションズ&ネットワークスはKDDI(au)とソフトバンクで低調であったが、NTTドコモでの堅調さと楽天モバイルへの参入が功を奏した。現状、ノキアはKDDI(au)とソフトバンクでの低迷を、NTTドコモと楽天モバイルで補完する流れで、国内ベンダと同様に、NTTドコモの基地局投資拡大に期待がかかる。
□ドコモの5G投資拡大の恩恵を受けた国内ベンダ
これまでNTTドコモの基地局投資抑制が続いていたが、2020年度は基地局投資が上向き、富士通と日本電気に追い風となった。特に5G投資が大幅拡大した結果、富士通、NECともに恩恵を受けている。今後もNTTドコモの高水準な基地局投資が続く見込みで、国内ベンダに勢いが戻る可能性もある。
□アジアベンダに韓国KMWが参入
ソフトバンクでの華為技術日本とZTEジャパン失速により、アジアベンダはサムスン電子ジャパンのみであったが、2020年度はKMWによる楽天モバイルへの参入もあり、シェアを拡大させた。サムスン電子ジャパンは引き続き、KDDI(au)で堅調な動きをみせている。一方、KMWは楽天モバイルでノキアソリューションズ&ネットワークスからシェアを奪ったが、楽天モバイルが2021年度にノキアへシフトしたという声も聞かれる。なお、華為技術日本は米中関係の煽りから国内5G市場への参入が困難となり、現在は無線機から附帯設備への参入にシフトしているものとみられる。
◆エンジニアリング(基地局工事)市場シェア・動向
□全国系大手エンジ会社3社のシェアは約70%
2020年度の基地局向けエンジニアリング市場は全国系大手エンジニアリング会社3社が68.4%のシェアを獲得した。最大手はコムシスグループで、エクシオグループ、ミライトグループと続いている。コムシスホールディングスは日本コムシスやサンワコムシスエンジニアリング、TOSYS、つうけん、NDS、SYSKEN、北陸電話工事を、エクシオグループがシーキューブや西部電気工業、日本電通、大和電設工業、エクシオテックを、ミライト・ホールディングスはミライトやミライト・モバイル・イースト、ミライト・モバイル・ウエスト、ミライト・テクノロジーズ、TTK、ソルコム、四国通建を抱える。
エリクソン・ジャパンはKDDI(au)とソフトバンクで高シェアを獲得し、国内最大手の位置を維持している。一方、ノキアソリューションズ&ネットワークスはKDDI(au)とソフトバンクで低調であったが、NTTドコモでの堅調さと楽天モバイルへの参入が功を奏した。現状、ノキアはKDDI(au)とソフトバンクでの低迷を、NTTドコモと楽天モバイルで補完する流れで、国内ベンダと同様に、NTTドコモの基地局投資拡大に期待がかかる。
□ドコモの5G投資拡大の恩恵を受けた国内ベンダ
これまでNTTドコモの基地局投資抑制が続いていたが、2020年度は基地局投資が上向き、富士通と日本電気に追い風となった。特に5G投資が大幅拡大した結果、富士通、NECともに恩恵を受けている。今後もNTTドコモの高水準な基地局投資が続く見込みで、国内ベンダに勢いが戻る可能性もある。
□アジアベンダに韓国KMWが参入
ソフトバンクでの華為技術日本とZTEジャパン失速により、アジアベンダはサムスン電子ジャパンのみであったが、2020年度はKMWによる楽天モバイルへの参入もあり、シェアを拡大させた。サムスン電子ジャパンは引き続き、KDDI(au)で堅調な動きをみせている。一方、KMWは楽天モバイルでノキアソリューションズ&ネットワークスからシェアを奪ったが、楽天モバイルが2021年度にノキアへシフトしたという声も聞かれる。なお、華為技術日本は米中関係の煽りから国内5G市場への参入が困難となり、現在は無線機から附帯設備への参入にシフトしているものとみられる。
◆エンジニアリング(基地局工事)市場シェア・動向
□全国系大手エンジ会社3社のシェアは約70%
2020年度の基地局向けエンジニアリング市場は全国系大手エンジニアリング会社3社が68.4%のシェアを獲得した。最大手はコムシスグループで、エクシオグループ、ミライトグループと続いている。コムシスホールディングスは日本コムシスやサンワコムシスエンジニアリング、TOSYS、つうけん、NDS、SYSKEN、北陸電話工事を、エクシオグループがシーキューブや西部電気工業、日本電通、大和電設工業、エクシオテックを、ミライト・ホールディングスはミライトやミライト・モバイル・イースト、ミライト・モバイル・ウエスト、ミライト・テクノロジーズ、TTK、ソルコム、四国通建を抱える。
□進む全国系大手グループ内再編
全国系大手エンジニアリング会社でグループ内再編が進んでいる。エクシオグループが2021年8月に北海道及び東北エリアのグループ会社を再編し、ミライト・ホールディングスも2022年度中に傘下のミライトとミライト・テクノロジーズを吸収合併する。さらにミライトHDは新設する連結子会社のミライト・モバイル・イーストとミライト・モバイル・ウェストにミライトのモバイル事業を一部業務を移管する計画である。なお、コムシスホールディングスに競合2社のような再編の動きはみられないが、将来的に傘下の中堅エンジ会社を含めたグループ内再編が行われるものと想定される。
□懸念は工事量が縮小した際のエンジ会社への対応
現在、楽天モバイルは旺盛な工事発注を行っているものの、今後、工事発注量が減少した際のエンジニアリング会社への対応が懸念される。過去には、KDDI(au)とソフトバンクがエンジ会社へ不安定な工事発注を行った結果、その後、エンジ会社の確保に苦労したという事例もある。今後、楽天モバイルの工事発注量が減少していくことが想定され、楽天モバイルによる裁量に注目が集まる。
■調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2019~2024年版」
~2020年度におけるセルラーキャリアのLTE-A/5Gインフラ戦略及び投資動向と周辺部材市場をキャリアやベンダ、エンジ会社など多角的な視点から総合的に分析~
発行日:2022年5月
判型:PDFファイル(A4版230頁)
発行・販売:株式会社 MCA
頒価:220,000円(税込)
販売方法:pdfファイルのダウンロード
申込方法:オンライン注文
※調査レポートの目次など詳細は「レポート目次」をご参照ください。
https://www.mca.co.jp/itforecastreport/mobile-basestation-market-2022/#pdf
全国系大手エンジニアリング会社でグループ内再編が進んでいる。エクシオグループが2021年8月に北海道及び東北エリアのグループ会社を再編し、ミライト・ホールディングスも2022年度中に傘下のミライトとミライト・テクノロジーズを吸収合併する。さらにミライトHDは新設する連結子会社のミライト・モバイル・イーストとミライト・モバイル・ウェストにミライトのモバイル事業を一部業務を移管する計画である。なお、コムシスホールディングスに競合2社のような再編の動きはみられないが、将来的に傘下の中堅エンジ会社を含めたグループ内再編が行われるものと想定される。
□懸念は工事量が縮小した際のエンジ会社への対応
現在、楽天モバイルは旺盛な工事発注を行っているものの、今後、工事発注量が減少した際のエンジニアリング会社への対応が懸念される。過去には、KDDI(au)とソフトバンクがエンジ会社へ不安定な工事発注を行った結果、その後、エンジ会社の確保に苦労したという事例もある。今後、楽天モバイルの工事発注量が減少していくことが想定され、楽天モバイルによる裁量に注目が集まる。
■調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2019~2024年版」
~2020年度におけるセルラーキャリアのLTE-A/5Gインフラ戦略及び投資動向と周辺部材市場をキャリアやベンダ、エンジ会社など多角的な視点から総合的に分析~
発行日:2022年5月
判型:PDFファイル(A4版230頁)
発行・販売:株式会社 MCA
頒価:220,000円(税込)
販売方法:pdfファイルのダウンロード
申込方法:オンライン注文
※調査レポートの目次など詳細は「レポート目次」をご参照ください。
https://www.mca.co.jp/itforecastreport/mobile-basestation-market-2022/#pdf