新大和漢方株式会社(本社:奈良県 社長:山口夏美)は、長年に渡り、生薬や漢方の考えをベースに医薬品や、化粧品、健康食品の研究開発に取り組んでまいりました。この度、株式会社臨床科学研究所 後藤純平氏、近畿大学産業理工学部 大貫宏一郎氏, 九州大学農学研究院 清水邦義氏と共同研究を実施。化粧品とマッサージを28日間併用することで,関節(肩,腰,膝)に対する痛み緩和効果が示唆されました。さらにそれらは持続的にも有効であることが確認されました。本研究は、「診療と新薬 2022 vol.59 no.4」(4月28日発行)で発表されました。
研究の背景
我が国における慢性疼痛の有訴者は,およそ2315万人,成人の22.5%と推定されています。なかでも「肩こり」「腰痛」「膝痛」は男女ともに高い有訴率を占め,高齢化社会を迎えた我が国の代表的な不調となっています。当社ではすでに前報 において臨床試験で,セルフマッサージおよび医師の処方箋を必要としない市販の化粧品塗布とマッサージの併用が関節痛に有効であることを報告しました。一方で,慢性疼痛の改善を検証するには長期的な追跡が不可欠です。そこで本試験では、化粧品塗布とマッサージの併用を反復し,痛みの緩和効果およびその持続性を検証することとしました。
結果の概要
本試験において,試験品とマッサージを28日間併用することで,「肩」「腰」に対する日常的な痛みの緩和効果が示されました。
研究の背景
我が国における慢性疼痛の有訴者は,およそ2315万人,成人の22.5%と推定されています。なかでも「肩こり」「腰痛」「膝痛」は男女ともに高い有訴率を占め,高齢化社会を迎えた我が国の代表的な不調となっています。当社ではすでに前報 において臨床試験で,セルフマッサージおよび医師の処方箋を必要としない市販の化粧品塗布とマッサージの併用が関節痛に有効であることを報告しました。一方で,慢性疼痛の改善を検証するには長期的な追跡が不可欠です。そこで本試験では、化粧品塗布とマッサージの併用を反復し,痛みの緩和効果およびその持続性を検証することとしました。
結果の概要
本試験において,試験品とマッサージを28日間併用することで,「肩」「腰」に対する日常的な痛みの緩和効果が示されました。
さらに「膝」に対する違和感および痛みの困難さを改善する効果が認められた。我々はすでに臨床前報試験において痛み緩和の直後効果を示したが,本試験によってその効果は持続的にも有効であることが確認された。
研究結果
試験品の塗布とマッサージを併用することによる、持続的な関節(肩,腰,膝)の痛みの緩和効果
本試験では,「膝に痛みまたは違和感のある者」を対象として, 30名をランダムに2群に割り付け,試験品またはプラセボの塗布とマッサージを28日間併用し,前後に質問紙検査(NRS,FRS,VRS,VAS)を実施。各質問紙検査において試験品群の関節(肩,腰,膝)の痛みに有意な低下または低下傾向が認められました。
1. 数値的評価スケール(Numerical Rating Scale 以下,NRS)
NRSでは前後比較において試験品群に「肩の痛み」(Figure 1)「膝の痛み」の有意な低下(p=0.014,p=0.009),「腰の痛み」の有意な上昇(p=0.032)がみられました。プラセボ群では「腰の痛み」「膝の痛み」の有意な低下(p=0.036,p=0.009)がみられた。群間比較では試用前,試用後ともにプラセボ群に対して試験品群に有意な差はみられなかった。前後差分による群間比較ではプラセボ群と比較して試験品群に「腰の痛み」の高値傾向(p=0.081)がみられた。
2. フェイススケール(Face Rating Scale 以下,FRS)
FRSでは、前後比較において試験品群に「肩の痛みのつらさ」(Figure 2)「腰の痛みのつらさ」(Figure 3)「膝の痛みのつらさ」の有意な低下(p=0.021,p=0.029, p=0.009)がみられました。プラセボ群では「膝の痛みのつらさ」の有意な低下(p=0.006),「腰の痛みのつらさ」(Figure 3)の低下傾向(p=0.058)がみられました。群間比較では試用前,試用後,前後差分に有意な差はみられませんでした。
試験品の塗布とマッサージを併用することによる、持続的な関節(肩,腰,膝)の痛みの緩和効果
本試験では,「膝に痛みまたは違和感のある者」を対象として, 30名をランダムに2群に割り付け,試験品またはプラセボの塗布とマッサージを28日間併用し,前後に質問紙検査(NRS,FRS,VRS,VAS)を実施。各質問紙検査において試験品群の関節(肩,腰,膝)の痛みに有意な低下または低下傾向が認められました。
1. 数値的評価スケール(Numerical Rating Scale 以下,NRS)
NRSでは前後比較において試験品群に「肩の痛み」(Figure 1)「膝の痛み」の有意な低下(p=0.014,p=0.009),「腰の痛み」の有意な上昇(p=0.032)がみられました。プラセボ群では「腰の痛み」「膝の痛み」の有意な低下(p=0.036,p=0.009)がみられた。群間比較では試用前,試用後ともにプラセボ群に対して試験品群に有意な差はみられなかった。前後差分による群間比較ではプラセボ群と比較して試験品群に「腰の痛み」の高値傾向(p=0.081)がみられた。
2. フェイススケール(Face Rating Scale 以下,FRS)
FRSでは、前後比較において試験品群に「肩の痛みのつらさ」(Figure 2)「腰の痛みのつらさ」(Figure 3)「膝の痛みのつらさ」の有意な低下(p=0.021,p=0.029, p=0.009)がみられました。プラセボ群では「膝の痛みのつらさ」の有意な低下(p=0.006),「腰の痛みのつらさ」(Figure 3)の低下傾向(p=0.058)がみられました。群間比較では試用前,試用後,前後差分に有意な差はみられませんでした。
3.口頭式評価スケール(Verbal Rating Scale 以下,VRS)
VRSでは前後比較において試験品群に「膝の違和感」(Figure 4)の有意な低下(p=0.036),「膝の痛みの困難さ」(Figure 5)の低下傾向(p=0.059)がみられた。プラセボ群に有意な変動はみられなかった。群間比較では試用前,試用後,前後差分に有意な差はみられなかったませんでした。
VRSでは前後比較において試験品群に「膝の違和感」(Figure 4)の有意な低下(p=0.036),「膝の痛みの困難さ」(Figure 5)の低下傾向(p=0.059)がみられた。プラセボ群に有意な変動はみられなかった。群間比較では試用前,試用後,前後差分に有意な差はみられなかったませんでした。
4. 視覚的アナログスケール(Visual Analogue Scale 以下,VAS)
VASでは、前後比較において試験品群に「肩の痛み」(Figure 6)「肩を回した時の痛み」(Figure 7)「膝の痛み」「膝の曲げ伸ばしの痛み」の有意な低下(p=0.004,p=0.068, p=0.025, p=0.006),「腰の痛み」(Figure 8)「立ち上がった時の腰の痛み」(Figure 9)の低下傾向(p=0.075,p=0.055,)がみられた。プラセボ群では「膝の痛み」「膝の曲げ伸ばしの痛み」の有意な低下(p=0.003,p=0.006)がみられた。群間比較においては試用前,試用後ともにプラセボ群と比較して試験品群に有意な差はみられなかった。前後差分による群間比較ではプラセボ群と比較して試験品群に「肩の痛み」の有意な低値(p=0.000),「肩を回した時の痛み」の低値傾向(p=0.069)がみられた。
VASでは、前後比較において試験品群に「肩の痛み」(Figure 6)「肩を回した時の痛み」(Figure 7)「膝の痛み」「膝の曲げ伸ばしの痛み」の有意な低下(p=0.004,p=0.068, p=0.025, p=0.006),「腰の痛み」(Figure 8)「立ち上がった時の腰の痛み」(Figure 9)の低下傾向(p=0.075,p=0.055,)がみられた。プラセボ群では「膝の痛み」「膝の曲げ伸ばしの痛み」の有意な低下(p=0.003,p=0.006)がみられた。群間比較においては試用前,試用後ともにプラセボ群と比較して試験品群に有意な差はみられなかった。前後差分による群間比較ではプラセボ群と比較して試験品群に「肩の痛み」の有意な低値(p=0.000),「肩を回した時の痛み」の低値傾向(p=0.069)がみられた。