2022.4.18~2022.5.29
山口県には萩藩の御用窯を端緒とする約400年のやきものの歴史があります。萩焼はとりわけ茶の湯の陶器として高い評価を得てきました。岡田窯八代目の岡田裕氏は、萩市で地元の素材である大道土や白釉をベースに「炎彩」などの加飾技法も工夫し、温かみのある萩焼にエキゾチックな風情も加えています。裕氏の長男・泰氏は、父とともに作陶に取り組みながら、徹底した焼成温度のコントロールのもと、呈色材に銅を用いて無垢で澄んだ美しさを示す淡青釉の器を生み出しました。萩の土の特徴である柔らかな雰囲気を、父子がそれぞれの表現に生かす様子は、萩の現在を伝える新しい風を感じさせます。
(本展監修者/外舘和子・多摩美術大学教授)
略歴
岡田裕
1946年 山口県萩市に生まれる
1968年 慶応大学卒業
2006年 山口県指定無形文化財萩焼保持者に認定
2013年 第33回伝統文化ポーラ賞優秀賞を受賞
2017年 旭日双光章を受章
岡田泰
1976年 山口県萩市に生まれる
2002年 東京造形大学美術学部彫刻科卒業
2009年 日本伝統工芸展初入選(以後13回入選)
2015年 日本陶芸展で優秀作品賞・毎日新聞社賞を受賞
2017年 山口県芸術文化振興奨励賞を受賞
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