日本・東京、2021年12月2日 - 化学業界のグローバル・リーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、LEXAN(tm)ポリカーボネート(PC)樹脂を用いた自動車リアクォーターウィンドウのデザインに関する研究成果を発表した。このたびの研究では、差別化されたスタイリングの実現、部品の集約、機能の統合、空気力学性能の向上など、LEXAN樹脂の使用によるメリットが報告されている。これらのコンセプトは、従来のガラスを透明で耐衝撃性に優れたLEXAN樹脂で置き換えることによって、設計自由度の大幅な拡大、コスト管理、重量軽減に向けた複数の新たな可能性を明らかにしている。SABICの設計者とエンジニアによって実施された詳細な研究は、自動車用グレージング(樹脂ガラス)技術における数十年に及ぶ実績に基づいたものである。またSABICチームは、リアクォーターウィンドウに加え、リアサイドウィンドウにおけるスタイリッシュなデザインコンセプトについても考案した。これらの設計については実現可能性を裏付けるデータが揃っており、すべての設計は確立されている加工方法および二次加工方法で実現することができる。
SABICでETP & マーケットソリューション部門のジェネラルマネージャーを務めるAbdullah Al-Otaibiは、「自動車の電動化などの業界トレンドが進化を続けるなか、SABICでは重量軽減、コスト削減、持続可能性といった長年の課題に取り組むと同時に、当社の材料が自動車のスタイリングを根本的に変える新たな可能性に目を向けています。私たちの研究から得られた最新のコンセプトは、美しい外観と実用的な性能、そして確立された加工方法を組み合わせることで、これらのニーズに対応する刺激的で新しいウィンドウのデザインを生み出すことを目指しています。SABICのLEXAN樹脂は自動車グレージング用途における豊富な実績を持っており、私たちは引き続きお客様と協力して、OEM、ティアサプライヤー、消費者の皆様にメリットを提供できる最先端のアイデアやイノベーションを積極的に提供してまいります。」と話している。
ラップアラウンド、パネル交換、照明の統合など
SABICによる新しいコンセプトの多くは、LEXAN樹脂を使用した曲面形状のラップアラウンドが採り入れられており、リア照明、ドアラッチ、Dピラートリム、さらにサンルーフを統合しながら、車両の他の部分に流れ込むようにシームレスなつながりが表現されている。このような一体感や複雑な曲面は、通常、ガラスでは実現できない。部品や機能を統合することで空気力学性能を強化し、燃費の改善および電気自動車(EV)のバッテリー効率や航続距離を向上することができる。またこれらは、車両に洗練された外観を生み出している。
リアクォーターウィンドウ・コンセプト(添付画像・1A)では、空力効率を高めるためエアフローセパレーター機能を統合するとともに、視覚的な魅力を高めるデザインが採用されている。また別のコンセプト(添付画像・1D)では、バックライト付きのEV充電レベルインジケーターがウィンドウに組み込まれている。またリアクォーターウィンドウには、他のタイプのインジケーターやアニメーション化されたウェルカムライトディスプレイを組み込むこともできる。
さらにSABICは、別の事例(添付画像・1F)として、Dピラーからサンルーフを経て背面へと滑らかに回り込む3次元曲面のリアクォーターウィンドウを考案した。このコンセプトでは、ウィンドウとテールライトを組み合わせている。このリアクォーターウィンドウのバリエーション(添付画像・1H)では、パネルがDピラー部分を覆うように盛り上がった形状が特徴となっている。このウィンドウは、ボディと同色にすることでフローティングピラーのような効果が得られるほか、特別な色や効果が必要な場合は、ユーザーが別のパネルに交換することもできる。
今回のSABICの研究には、リアサイドウィンドウの革新的な設計コンセプトも含まれている。例えば、1つのユニークな事例(添付画像・2D)では、ウィンドウとドアラッチがDピラーのトリム挿入部に一体化されたデザインが特徴で、その結果、洗練され、空気力学的にも優れた設計となっている。
ガラスに対する優位性
自動車のグレージング分野では、シンプルな曲面を低コストで製造できることから、長年にわたりガラスが主流を占めてきたが、EVなど新時代の到来によって、自動車業界では車両デザインの再考が求められている。こうした過程において、ガラスなどの従来材料は再検討の対象となり、より安全で軽量かつ高性能なエンジニアリングプラスチックに取って代わられる傾向にある。SABICのPCグレージングは、大幅な軽量化をはじめ、ガラスを超える卓越した優位性を提供する。PC樹脂は、ガラスでは実現できない曲面や鋭角などの形状を自由に作成することができる。これらの形状は、2Kおよび3K射出成形(マルチコンポーネント射出成形)など実績のある技術によって作ることができる。SABICは3K射出成形によるサンルーフの開発に投資し、大型の透明部品および半透明部品の成形能力を高めている。
また、ポリカーボネートはガラスに比べ、リサイクルが遥かに容易である一方、ガラスのリサイクルにおいては、高額な輸送コスト、リサイクル工程において破片がシングルストリーム再生原料を汚染する可能性、自動車を中心に最終市場が縮小傾向にあるといった問題に直面している。SABICは、リアクォーターウィンドウとリアサイドウィンドウで使用されるPC材料のケミカルアップサイクルを促進するため、サプライチェーンにおける業界パートナーとの協業を進める考えである。
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)はサウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーです。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っています。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしています。2020年の生産量は6,080万トンです。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万2,000人を上回る従業員を全世界で雇用しています。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,946件の特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有しています。
https://www.sabic.com/
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。
SABICでETP & マーケットソリューション部門のジェネラルマネージャーを務めるAbdullah Al-Otaibiは、「自動車の電動化などの業界トレンドが進化を続けるなか、SABICでは重量軽減、コスト削減、持続可能性といった長年の課題に取り組むと同時に、当社の材料が自動車のスタイリングを根本的に変える新たな可能性に目を向けています。私たちの研究から得られた最新のコンセプトは、美しい外観と実用的な性能、そして確立された加工方法を組み合わせることで、これらのニーズに対応する刺激的で新しいウィンドウのデザインを生み出すことを目指しています。SABICのLEXAN樹脂は自動車グレージング用途における豊富な実績を持っており、私たちは引き続きお客様と協力して、OEM、ティアサプライヤー、消費者の皆様にメリットを提供できる最先端のアイデアやイノベーションを積極的に提供してまいります。」と話している。
ラップアラウンド、パネル交換、照明の統合など
SABICによる新しいコンセプトの多くは、LEXAN樹脂を使用した曲面形状のラップアラウンドが採り入れられており、リア照明、ドアラッチ、Dピラートリム、さらにサンルーフを統合しながら、車両の他の部分に流れ込むようにシームレスなつながりが表現されている。このような一体感や複雑な曲面は、通常、ガラスでは実現できない。部品や機能を統合することで空気力学性能を強化し、燃費の改善および電気自動車(EV)のバッテリー効率や航続距離を向上することができる。またこれらは、車両に洗練された外観を生み出している。
リアクォーターウィンドウ・コンセプト(添付画像・1A)では、空力効率を高めるためエアフローセパレーター機能を統合するとともに、視覚的な魅力を高めるデザインが採用されている。また別のコンセプト(添付画像・1D)では、バックライト付きのEV充電レベルインジケーターがウィンドウに組み込まれている。またリアクォーターウィンドウには、他のタイプのインジケーターやアニメーション化されたウェルカムライトディスプレイを組み込むこともできる。
さらにSABICは、別の事例(添付画像・1F)として、Dピラーからサンルーフを経て背面へと滑らかに回り込む3次元曲面のリアクォーターウィンドウを考案した。このコンセプトでは、ウィンドウとテールライトを組み合わせている。このリアクォーターウィンドウのバリエーション(添付画像・1H)では、パネルがDピラー部分を覆うように盛り上がった形状が特徴となっている。このウィンドウは、ボディと同色にすることでフローティングピラーのような効果が得られるほか、特別な色や効果が必要な場合は、ユーザーが別のパネルに交換することもできる。
今回のSABICの研究には、リアサイドウィンドウの革新的な設計コンセプトも含まれている。例えば、1つのユニークな事例(添付画像・2D)では、ウィンドウとドアラッチがDピラーのトリム挿入部に一体化されたデザインが特徴で、その結果、洗練され、空気力学的にも優れた設計となっている。
ガラスに対する優位性
自動車のグレージング分野では、シンプルな曲面を低コストで製造できることから、長年にわたりガラスが主流を占めてきたが、EVなど新時代の到来によって、自動車業界では車両デザインの再考が求められている。こうした過程において、ガラスなどの従来材料は再検討の対象となり、より安全で軽量かつ高性能なエンジニアリングプラスチックに取って代わられる傾向にある。SABICのPCグレージングは、大幅な軽量化をはじめ、ガラスを超える卓越した優位性を提供する。PC樹脂は、ガラスでは実現できない曲面や鋭角などの形状を自由に作成することができる。これらの形状は、2Kおよび3K射出成形(マルチコンポーネント射出成形)など実績のある技術によって作ることができる。SABICは3K射出成形によるサンルーフの開発に投資し、大型の透明部品および半透明部品の成形能力を高めている。
また、ポリカーボネートはガラスに比べ、リサイクルが遥かに容易である一方、ガラスのリサイクルにおいては、高額な輸送コスト、リサイクル工程において破片がシングルストリーム再生原料を汚染する可能性、自動車を中心に最終市場が縮小傾向にあるといった問題に直面している。SABICは、リアクォーターウィンドウとリアサイドウィンドウで使用されるPC材料のケミカルアップサイクルを促進するため、サプライチェーンにおける業界パートナーとの協業を進める考えである。
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)はサウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーです。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っています。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしています。2020年の生産量は6,080万トンです。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万2,000人を上回る従業員を全世界で雇用しています。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,946件の特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有しています。
https://www.sabic.com/
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。