株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のBPO(ビジネスプロセスアウト ソーシング)市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
2020年度のBPOサービス全体(IT系BPOと非IT系BPOの合算値)の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比1.9%増の4兆4,307億8,000万円と推計した。内訳は、IT系BPO市場規模が同1.5%増の2兆6,135億9,000万円、非IT系BPO市場規模が同2.5%増の1兆8,171億9,000万円であった。
2020年度に入り、コロナ禍により経済活動がストップしたことなどが当該市場にも少なからずマイナス影響を与えているが、外出自粛に伴うテレワークの普及・拡大に合わせて、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を通じた業務変革に取り組む企業が増え、社内人員の再配置を含めた業務オペレーションの抜本的な見直しを加速させていることが、引き続きプラス成長を後押ししている。
2.注目トピック~営業BPO市場
非IT系BPO業務のひとつである営業BPOの2020年度市場規模は、前年度比0.7%増の742億円と推計した。
企業の営業業務は従来、自社の社員で行うのが主流であったが、マニュアル化が可能な業務やスポット的な事業・案件のマーケティング活動など、コアではない営業業務を中心に営業BPOを利用するニーズが発生している。
就労人口の減少に伴い、企業の人材確保難や人手不足が顕在化して久しいが、営業部門も例外ではなく、多くの企業では貴重な社内の人的リソースをよりコアな営業活動やマーケティング業務へ配分するようになっており、定型化が可能な営業業務を請け負う営業BPOの需要は拡大していく方向にある。
加えて、ここ数年はCX(Customer Experience、顧客体験)の向上を目的にデジタル技術を活用したマーケティング活動に取り組む企業が増えており、CXの推進をサポートするようなBPOのサービス需要も増加基調で推移している。
3.将来展望
2021年度のBPOサービス全体の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比2.3%増の4兆5,314億9,000万円、内訳では、IT系BPO市場規模が同2.0%増の2兆6,669億円、非IT系BPO市場規模が同2.6%増の1兆8,645億9,000万円と引き続きのプラス成長を予測する。
IT系BPO市場は、請負側のIT系BPO事業者に高い専門性が求められ、一般企業が容易に内製できない業務でもあるため、IT系BPO事業者は安定した受注が見込めるのに加えて、データセンターへの投資額が大きいことから参入障壁が高く、価格競争に陥り難いという特性から、今後も安定した成長が続くものとみられる。ただし、コロナ禍を機に、ファイルサーバーのクラウド移行など、NoOps(No Operations)を実現するためのシステム運用の抜本的な見直し機運の高まりにも拍車がかかっていることから、こうした動きを注意深く見ていく必要がある。
一方、非IT系BPO市場はコロナ禍が発生して以降、外出自粛に伴いテレワークが急速に普及・拡大したことを受けて、社内に残されたノンコア業務の外注化機運が高まっており、テレワークに対応したネットワーク環境の整備や業務プロセスの変革などに紐づいた周辺業務に対するサービス需要が高まっていることから、IT系BPO市場よりも高いプラス成長を確保していく見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2846
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~10月
2.調査対象: IT系BPO事業者、印刷系BPO事業者、コールセンター系BPO事業者、事務系 BPO事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年10月27日
お問い合わせ
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
1.市場概況
2020年度のBPOサービス全体(IT系BPOと非IT系BPOの合算値)の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比1.9%増の4兆4,307億8,000万円と推計した。内訳は、IT系BPO市場規模が同1.5%増の2兆6,135億9,000万円、非IT系BPO市場規模が同2.5%増の1兆8,171億9,000万円であった。
2020年度に入り、コロナ禍により経済活動がストップしたことなどが当該市場にも少なからずマイナス影響を与えているが、外出自粛に伴うテレワークの普及・拡大に合わせて、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を通じた業務変革に取り組む企業が増え、社内人員の再配置を含めた業務オペレーションの抜本的な見直しを加速させていることが、引き続きプラス成長を後押ししている。
2.注目トピック~営業BPO市場
非IT系BPO業務のひとつである営業BPOの2020年度市場規模は、前年度比0.7%増の742億円と推計した。
企業の営業業務は従来、自社の社員で行うのが主流であったが、マニュアル化が可能な業務やスポット的な事業・案件のマーケティング活動など、コアではない営業業務を中心に営業BPOを利用するニーズが発生している。
就労人口の減少に伴い、企業の人材確保難や人手不足が顕在化して久しいが、営業部門も例外ではなく、多くの企業では貴重な社内の人的リソースをよりコアな営業活動やマーケティング業務へ配分するようになっており、定型化が可能な営業業務を請け負う営業BPOの需要は拡大していく方向にある。
加えて、ここ数年はCX(Customer Experience、顧客体験)の向上を目的にデジタル技術を活用したマーケティング活動に取り組む企業が増えており、CXの推進をサポートするようなBPOのサービス需要も増加基調で推移している。
3.将来展望
2021年度のBPOサービス全体の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比2.3%増の4兆5,314億9,000万円、内訳では、IT系BPO市場規模が同2.0%増の2兆6,669億円、非IT系BPO市場規模が同2.6%増の1兆8,645億9,000万円と引き続きのプラス成長を予測する。
IT系BPO市場は、請負側のIT系BPO事業者に高い専門性が求められ、一般企業が容易に内製できない業務でもあるため、IT系BPO事業者は安定した受注が見込めるのに加えて、データセンターへの投資額が大きいことから参入障壁が高く、価格競争に陥り難いという特性から、今後も安定した成長が続くものとみられる。ただし、コロナ禍を機に、ファイルサーバーのクラウド移行など、NoOps(No Operations)を実現するためのシステム運用の抜本的な見直し機運の高まりにも拍車がかかっていることから、こうした動きを注意深く見ていく必要がある。
一方、非IT系BPO市場はコロナ禍が発生して以降、外出自粛に伴いテレワークが急速に普及・拡大したことを受けて、社内に残されたノンコア業務の外注化機運が高まっており、テレワークに対応したネットワーク環境の整備や業務プロセスの変革などに紐づいた周辺業務に対するサービス需要が高まっていることから、IT系BPO市場よりも高いプラス成長を確保していく見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2846
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~10月
2.調査対象: IT系BPO事業者、印刷系BPO事業者、コールセンター系BPO事業者、事務系 BPO事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年10月27日
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