2021年11月04日 14:00

SABIC、新しいSUPERFLOW ULTEM(tm)樹脂を発表、バーンインテストソケット(BiTS)や電子デバイス給電コネクターの微小化を可能に

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日本・東京、2021年11月4日 - 化学業界のグローバル・リーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、電子デバイスのさらなる小型化・軽量化に向けた電子部品微小化のトレンドに対応するため、高流動性を特徴とする新製品Superflow ULTEM(tm)(スーパーフロー・ウルテム)樹脂2製品を発表した。新たな製品は、流動性とウェルド強度をバランス良く兼ね備えたSuperflow ULTEM SF2250EPR樹脂と、より高い流動性を発揮する同SF2270樹脂の2種である。いずれもグラスファイバー強化されたポリエーテルイミド(PEI)材料であり、卓越した高流動性を発揮することで、集積回路(IC)チップのストレス試験に使用されるバーンインテストソケット(BiTS)の成形に理想的な材料となる。また、これらの樹脂は、薄肉、高精度、微小コネクターの成形にも適している。Superflow ULTEMの特長である高流動性は、ますます小型化が進む電子部品の成形において指摘される、完全な充填および容易な離型といった課題を克服することができる。

Superflow ULTEM SF2250EPR樹脂および同SF2270樹脂は、高流動性と靭性とをバランス良く発揮することから、グラスファイバー強化グレードの液晶ポリマー(LCP)やポリエーテルサルホン(PES)樹脂といった現行材料に対する優れた代替材料となる。これらの新しい樹脂は、LCPよりも高いウェルド・ライン強度および機械的性能、PES樹脂よりも高いウェルド・ライン強度および低吸湿性を発揮する。

SABICのシニアビジネスマネージャーである木下努は、「新世代のモバイルデバイスやウェアラブルデバイスでは、ICチップや基板上のコネクターといった電子部品のサイズおよび重量の縮小化が求められており、微小化されたデバイス構成において最適な性能および一貫した品質を提供可能な新しい材料が必要とされています。これらの要件は、スマートエレクトロニクスで要求される高速で高密度な相互接続用のコネクターや、ICチップの性能や信頼性試験に用いられるBiTSで必要とされています。SABICのSuperflow ULTEM樹脂ポートフォリオの拡大は、進化する業界のトレンドに対応するとともに、エレクトロニクス業界の新技術に向けたSABICの継続的な投資を示すものです。」と話している。

Sensata社の成功事例
バーンインテストソケットメーカーは、高温、高圧および繰り返し使用など、非常に過酷な条件下で使用されるファインピッチ部品の高度な設計に利用可能な、新しい材料ソリューションを求めている。SABICのSuperflow ULTEM SF2250EPR樹脂は、現行材料よりも高い強度と優れた寸法安定性を備えており、最高150度Cに達する高温バーンインテストに耐えることができる先進材料である。韓国のSensata Technologies社はSABICのSuperflow ULTEM SF2250EPR樹脂を最初に導入したBiTSメーカーの1つである。

Sensata社でセンサー・ソリューション事業部の設計エンジニアリングマネージャーを務めるTommy Ohは、「ファインピッチ化および微小化の進展に伴い、既存の材料ソリューションでは流動性が不十分な上、ウェルド・ライン強度が弱く、複雑なBiTS設計には技術的な限界がありました。私たちは、SABICの新しいSuperflow ULTEM SF2250EPR樹脂によって、0.5mmさらには0.4mmといった狭ピッチで、より優れた性能を持つさまざまなBiTSデバイスの開発および商品化に成功しました。この材料は他のPES材料と比べ、特に薄肉のウェルド部における約30%の延性 向上に加えて、はるかに優れた流動性を示しています。SABICの新しい材料は、引張強度や曲げ強度などの重要な性能面において、当社のBiTSアプリケーションに大きなメリットをもたらすと期待しています。」と話している。

さらなるメリット
ポリエーテルイミド(PEI)材料であるULTEM樹脂製品群の中でもSuperflowシリーズは、標準的なグラスファイバー強化ULTEM樹脂と比べ最大5倍の流動長を示し、最高の流動性を提供する。高い流動性は、ゲート数の削減が可能となることから、破損の低減および生産収率の向上に寄与する。さらに、溶融温度を低く設定することでエネルギー消費量を低減でき、アウトガスを最小限に抑えることが可能となるほか、サイクルタイムが早まることで生産性が向上するといったメリットが得られる。

またSuperflow ULTEM樹脂は、高流動性のグラスファイバー強化PES樹脂を代替できる可能性がある。ULTEM樹脂はPES樹脂と同等の流動性を発揮し、金型の設計変更が不要で、強度と弾性率を最大20%向上するほか、最大9%の低密度および低吸湿性といった特長を備えている。

この新しいSuperflow ULTEM樹脂は世界中で入手可能である。



SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)はサウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーです。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っています。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしています。2020年の生産量は6,080万トンです。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万2,000人を上回る従業員を全世界で雇用しています。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,946件の特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有しています。
https://www.sabic.com/

SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。

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会社概要

商号
SHPPジャパン合同会社 (エスエイチピーピージャパンゴウドウカイシャ)
代表者
松林卓弘(マツバヤシ タカヒロ)
所在地
〒100-0013
東京都千代田区霞ヶ関3-2-6 東京倶楽部ビル
TEL
03-3593-4700
業種
製造・メーカー(化学)
上場先
その他
会社HP
http://www.sabic.com/

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