株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、次世代車(xEV)およびキーデバイス/コンポーネント世界市場の調査を実施し、市場概況、個別メーカーの事業戦略を明らかにし、2030年までの世界の自動車新車販売台数および次世代車の構成比を予測いたしました。
1.市場概況
2020年の世界自動車新車販売台数は7,848万7,000台[内燃機関車(以下、ICE)7,266万台と次世代車(以下、xEV)582万7,000台の合計)で前年比86.4%(1,237万5,000台減少)となり、新型コロナウイルス感染拡大を背景に、大きく減少した。
新型コロナウイルス感染拡大による生産工場の操業停止、ロックダウンによる一時的な消費活動の制限などが世界経済に影響を及ぼすなか、世界の自動車新車販売台数は減少した。一方で、2020年のxEV(HEV、PHEV、EV、FCV)の新車販売台数は前年比119.5%の582万7,000台(95万台増加)と好調に推移した。
これは、燃費規制や排ガス規制といった環境規制のほか、各国政府によるEV・PHEVに対する購入補助金が販売を後押した。また、今後はOEM(自動車メーカ)各社がEVへのシフトを進めていることから、EVを中心にxEVの販売台数が増加していくものとみられる。一方で、xEVはICEに比べた車両価格の高さや、EV、PHEVは充電インフラの整備など、本格的な普及に向けての課題も多い。
2.注目トピック~サプライヤによるEアクスルラインアップの拡充が進む
現在、主機モータはOEMの内製品が主流となっているが、将来的にxEV需要が拡大して多品種生産されるとOEMの内製品のみでは供給が間に合わなくなると想定される。特に数量が多く、低コストが要求される普及価格帯のxEVに搭載される主機モータは、外部調達によって賄われる見込みである。
実際に、NEV(New Energy Vehicle)規制を導入した中国などのように急速にEVへのシフトが進み、対応が迫られる状況においては、開発期間の短縮やOEMが注力していないセグメントを製品ラインアップに加えたいなどの目的で、Tier1(一次部品サプライヤ)からEアクスル(主機モータとインバータ、減速機を一体化した電動駆動システム)を調達するケースが増えているという。
また、新興EVメーカや異業種からの参入企業は、自社で内製するこだわりが既存OEMと比較して少なく、Eアクスルをまるごと調達することに抵抗がない。今後、自動車業界においても水平分業が進んだ場合、主機モータのシェアに変化が出るとみられ、新規参入企業の勢いがどこまで既存OEMを脅かすか注視していく必要がある。
3.将来展望
2030年の世界自動車新車販売台数は9,968万台(ICE4,942万台とxEV5,026万台の合計)で、このうち内燃機関車(ICE)は世界自動車新車販売台数の49.6%、次世代車(xEV; HEV、PHEV、EV、FCV)は50.4%を占めると予測する。
欧州では2035年にPHEVを含む内燃機関搭載モデルの販売禁止、米国では2030年に乗用車・小型トラックの販売比率の50%をZEV(Zero Emission Vehicle)化、中国では2030年にNEV40%、低燃費車45%とするなど、主要市場においてxEV普及に向けた目標が掲げられている。また、HondaやMercedes、GMなどがEV専業化する宣言を発表しており、当面はEVを中心としてxEVの普及が急速に進む見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2799
調査要綱
1.調査期間: 2021年6月~8月
2.調査対象: OEM、Tire1、システムサプライヤ等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年08月31日
お問い合わせ
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
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1.市場概況
2020年の世界自動車新車販売台数は7,848万7,000台[内燃機関車(以下、ICE)7,266万台と次世代車(以下、xEV)582万7,000台の合計)で前年比86.4%(1,237万5,000台減少)となり、新型コロナウイルス感染拡大を背景に、大きく減少した。
新型コロナウイルス感染拡大による生産工場の操業停止、ロックダウンによる一時的な消費活動の制限などが世界経済に影響を及ぼすなか、世界の自動車新車販売台数は減少した。一方で、2020年のxEV(HEV、PHEV、EV、FCV)の新車販売台数は前年比119.5%の582万7,000台(95万台増加)と好調に推移した。
これは、燃費規制や排ガス規制といった環境規制のほか、各国政府によるEV・PHEVに対する購入補助金が販売を後押した。また、今後はOEM(自動車メーカ)各社がEVへのシフトを進めていることから、EVを中心にxEVの販売台数が増加していくものとみられる。一方で、xEVはICEに比べた車両価格の高さや、EV、PHEVは充電インフラの整備など、本格的な普及に向けての課題も多い。
2.注目トピック~サプライヤによるEアクスルラインアップの拡充が進む
現在、主機モータはOEMの内製品が主流となっているが、将来的にxEV需要が拡大して多品種生産されるとOEMの内製品のみでは供給が間に合わなくなると想定される。特に数量が多く、低コストが要求される普及価格帯のxEVに搭載される主機モータは、外部調達によって賄われる見込みである。
実際に、NEV(New Energy Vehicle)規制を導入した中国などのように急速にEVへのシフトが進み、対応が迫られる状況においては、開発期間の短縮やOEMが注力していないセグメントを製品ラインアップに加えたいなどの目的で、Tier1(一次部品サプライヤ)からEアクスル(主機モータとインバータ、減速機を一体化した電動駆動システム)を調達するケースが増えているという。
また、新興EVメーカや異業種からの参入企業は、自社で内製するこだわりが既存OEMと比較して少なく、Eアクスルをまるごと調達することに抵抗がない。今後、自動車業界においても水平分業が進んだ場合、主機モータのシェアに変化が出るとみられ、新規参入企業の勢いがどこまで既存OEMを脅かすか注視していく必要がある。
3.将来展望
2030年の世界自動車新車販売台数は9,968万台(ICE4,942万台とxEV5,026万台の合計)で、このうち内燃機関車(ICE)は世界自動車新車販売台数の49.6%、次世代車(xEV; HEV、PHEV、EV、FCV)は50.4%を占めると予測する。
欧州では2035年にPHEVを含む内燃機関搭載モデルの販売禁止、米国では2030年に乗用車・小型トラックの販売比率の50%をZEV(Zero Emission Vehicle)化、中国では2030年にNEV40%、低燃費車45%とするなど、主要市場においてxEV普及に向けた目標が掲げられている。また、HondaやMercedes、GMなどがEV専業化する宣言を発表しており、当面はEVを中心としてxEVの普及が急速に進む見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2799
調査要綱
1.調査期間: 2021年6月~8月
2.調査対象: OEM、Tire1、システムサプライヤ等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年08月31日
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