一般社団法人東京都中小企業診断士協会「終活ビジネス研究会」(代表:小泉悟志)は、「お墓に関する消費者動向調査」を実施し、その分析結果を2021年9月7日に発表しました。
1.お墓参りに関する現状
今回の回答者の97.4%が「ご先祖のお墓がある」と回答しており、実際にどのくらいお墓参りを行っているのか、頻度を尋ねたところ、「年に1回」が21.9%、「年に2回」が21.5%、「年3回以上」21.9%と毎年お墓参りをしている人が6割以上を占めており、多くの方がお彼岸やお盆、年末年始、故人の命日などにお墓参りをしていることが推察される。
一方、「数年に1回」は27.5%と最も多い回答となっており、「しない」という回答も7.6%あり、35%程度がなかなかお墓に足を運べない状況が伺える。
そこで、お墓に行けない理由はどこにあるのかを知るべく、「お墓参りについて負担と感じている点」を聞いてみた。その結果、「時間面(自宅からお墓までの距離が遠く、時間が取られること)」が圧倒的に多い回答となっている。加えて、「お墓を守ることに意義を感じていない」と回答している人も一定数おり、お墓に対する価値観や意識が変化してきている表れとも考えられる。
2.家のお墓の今後について
前述の通り、自宅からお墓までの移動時間が長い場合には、お墓参りの頻度が少なくなる傾向が推測され、お墓の維持・管理が十分に行われない可能性がある。このような状況を踏まえ、自分のお墓についてどのような意識を持っているか調査をした。
まず、自分の家のお墓を将来管理してくれる人の有無を確認したところ、「いる」と回答した人が42.7%と半数を切り、「いない」または「わからない」が過半数を占めている。将来お墓を管理していくことの難しさが表れていると言える。
次に、自分の家のお墓に対する今後の希望をみると、全体では「このまま維持していきたい」が44.1%と多い回答となっている。一方で、「墓じまい」を考えている人も一定数いる。これに「わからない」「考えたことがない」も併せると過半数となり、今後のお墓のあり方の見直しが急速に進む可能性がある。
3.お墓や供養に対する考え方の多様化の進展
最近は個人のお墓や供養に対する考え方の多様化が進んできている。前述のように、従来型の墓石のお墓の維持が難しくなっている状況もあり、自分の子供たちに負担をかけない形での埋葬方法に関心が高まりつつある。また、「家意識」が希薄になってきていることも一要因と考えられる。
「どのようなお墓に埋葬されることを希望するか」を複数回答で質問したところ、「ご先祖のお墓」がトップではあったものの半数にも満たない回答率であった。特に、男女別では、その差が顕著である。男性は50%超に対し、女性は30%強程度に留まった。これは、「女性は嫁いだ男性の家のお墓に入るもの」という慣習への意識が薄まりつつあるものと推測される。
そうした背景で、家のお墓に縛られない「自然葬(樹木葬、海洋葬等)」への関心は高まっている。
死は誰にも訪れることであり、埋葬方法についてはいずれ選択をしなければならない問題である。各人が納得した埋葬を実現するためにも、普段から自分の死生観を考えておくと同時に、家族などとお互いの考え方について話し合っておくことが必要な時代になってきている。
【調査要領】
・調査実施期間:2021年5月25日~6月30日
・調査方法:WEBによるアンケート
・回答者数:309名(男性57.3%、女性41.7%)
1.お墓参りに関する現状
今回の回答者の97.4%が「ご先祖のお墓がある」と回答しており、実際にどのくらいお墓参りを行っているのか、頻度を尋ねたところ、「年に1回」が21.9%、「年に2回」が21.5%、「年3回以上」21.9%と毎年お墓参りをしている人が6割以上を占めており、多くの方がお彼岸やお盆、年末年始、故人の命日などにお墓参りをしていることが推察される。
一方、「数年に1回」は27.5%と最も多い回答となっており、「しない」という回答も7.6%あり、35%程度がなかなかお墓に足を運べない状況が伺える。
そこで、お墓に行けない理由はどこにあるのかを知るべく、「お墓参りについて負担と感じている点」を聞いてみた。その結果、「時間面(自宅からお墓までの距離が遠く、時間が取られること)」が圧倒的に多い回答となっている。加えて、「お墓を守ることに意義を感じていない」と回答している人も一定数おり、お墓に対する価値観や意識が変化してきている表れとも考えられる。
2.家のお墓の今後について
前述の通り、自宅からお墓までの移動時間が長い場合には、お墓参りの頻度が少なくなる傾向が推測され、お墓の維持・管理が十分に行われない可能性がある。このような状況を踏まえ、自分のお墓についてどのような意識を持っているか調査をした。
まず、自分の家のお墓を将来管理してくれる人の有無を確認したところ、「いる」と回答した人が42.7%と半数を切り、「いない」または「わからない」が過半数を占めている。将来お墓を管理していくことの難しさが表れていると言える。
次に、自分の家のお墓に対する今後の希望をみると、全体では「このまま維持していきたい」が44.1%と多い回答となっている。一方で、「墓じまい」を考えている人も一定数いる。これに「わからない」「考えたことがない」も併せると過半数となり、今後のお墓のあり方の見直しが急速に進む可能性がある。
3.お墓や供養に対する考え方の多様化の進展
最近は個人のお墓や供養に対する考え方の多様化が進んできている。前述のように、従来型の墓石のお墓の維持が難しくなっている状況もあり、自分の子供たちに負担をかけない形での埋葬方法に関心が高まりつつある。また、「家意識」が希薄になってきていることも一要因と考えられる。
「どのようなお墓に埋葬されることを希望するか」を複数回答で質問したところ、「ご先祖のお墓」がトップではあったものの半数にも満たない回答率であった。特に、男女別では、その差が顕著である。男性は50%超に対し、女性は30%強程度に留まった。これは、「女性は嫁いだ男性の家のお墓に入るもの」という慣習への意識が薄まりつつあるものと推測される。
そうした背景で、家のお墓に縛られない「自然葬(樹木葬、海洋葬等)」への関心は高まっている。
死は誰にも訪れることであり、埋葬方法についてはいずれ選択をしなければならない問題である。各人が納得した埋葬を実現するためにも、普段から自分の死生観を考えておくと同時に、家族などとお互いの考え方について話し合っておくことが必要な時代になってきている。
【調査要領】
・調査実施期間:2021年5月25日~6月30日
・調査方法:WEBによるアンケート
・回答者数:309名(男性57.3%、女性41.7%)