国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野稔、石川県能美市)の敷田麻実教授の研究室は、一般社団法人北陸地域づくり協会(理事長・近藤淳、新潟県新潟市)の支援のもと、株式会社オフィス・イヌイ(代表取締役社長・乾靖、福井県勝山市)が夏季の登山シーズンに合わせて実施する、白山国立公園の北部登山道へのアクセスを改善する実験的な送迎サービスの設計を行う。
多くの登山者を集める南部の登山道と異なり、北部の登山道はその魅力と裏腹に公共交通サービスがなく、登山者の少ない状況が続いてきた。折しもコロナ禍により三密を避けた分散が望まれるこの時勢を活かし、中宮温泉に位置する湯宿くろゆりの利用者に対して、基点となる道の駅瀬女と北部の各登山口(加賀禅定道、楽々新道、中宮道)を結ぶ送迎サービスの無料提供を支援する。
多くの登山者を集める南部の登山道と異なり、北部の登山道はその魅力と裏腹に公共交通サービスがなく、登山者の少ない状況が続いてきた。折しもコロナ禍により三密を避けた分散が望まれるこの時勢を活かし、中宮温泉に位置する湯宿くろゆりの利用者に対して、基点となる道の駅瀬女と北部の各登山口(加賀禅定道、楽々新道、中宮道)を結ぶ送迎サービスの無料提供を支援する。
■本送迎サービスの概要
白山国立公園は日本三大霊峰である白山(百名山)を擁し、古来より多くの登山者を受け入れてきた。その登山道は南部の市ノ瀬・別当出合エリアから白山山頂を通り、中宮道や加賀禅定道を経て北部の中宮エリアに至る。この登山道はその魅力、火山が作り出す雄大な景色を楽しみながら縦走登山が楽しめるという北陸屈指の自然観光資源である。しかしながら山頂までの行程が短い南部のエリアに比べ、ロングルートの多い北部エリアの利用者は例年、入山者全体の数%にとどまり利用者の分散が課題となってきたのも事実である。
折しも、コロナ禍により、三密を回避した観光、すなわち小規模分散型パッケージツアーやアドベンチャーツーリズムが観光庁を中心に推進される現在、入山者の少ない深山幽谷の白山北部エリアはこうした新たな観光のフィールドとしての可能性を大いに秘めており、今回の送迎サービスの実験に至った。本送迎サービスは白山の北部エリアの登山道整備に永らく携わってきた乾が、館主を務める白山麓中宮温泉「湯宿くろゆり」の利用者向けに「宿泊施設及びエコツアー等の事業者が宿泊者及びツアー参加者を対象に行う送迎のための輸送について(平成23年3月31日国自旅第239号)」に基づいて実施するものである。この送迎サービスにより今まで困難であった南部から北部にかけての縦走登山も楽しめるようになり、瀬女におけるパーク&ライドも可能になることから、より柔軟な登山日程を組めるようになる。
■本送迎サービス実施の背景
本送迎サービスは、北陸地域づくり協会の「北陸地域の活性化」に関する研究助成のもと、白山の北部エリアの登山道整備を担ってきたオフィス・イヌイが共同で実施する、公共的交通サービスの提供による観光資源化の実験である。
観光資源化の背景には北部エリアの過少利用(アンダーユース)が登山道の維持に影を落としていることが挙げられる。登山者で賑わう南部エリアの過剰利用(オーバーユース)に対する対策と異なり、利用されないことで登山道の荒廃が進みかねない状態が続く北部エリアは、社会資本の維持・持続可能性の観点から抜き差しならない状況に陥っている。
そこで、北陸の観光地域マネジメントを研究している北陸先端科学技術大学院大学の敷田研究室の協力・監修のもと、こうした過少利用に悩む自然公園の魅力を保全し伝え続けるためにも任意の協力金や行政からの補助に頼るのではなく、北部白山の魅力を体験してもらう対価を社会資本の維持費用の捻出につなげていく実験を実施する運びとなった。
本送迎サービスはその実験の一環として、白山市の所有する「湯宿くろゆり」を基点に試験的に実施するもので、コロナ禍を機会と捉え、小人数という制限のある中、社会資本としての公共交通機関の維持費用捻出に向けた付加価値の高い自然体験の提供を目標としている。本サービスの利用者への調査を通じて、交通機関が有料であった場合の支払意思価格を把握し、公共交通機関の実現性を経済面から検証するのが狙いである。
■実施内容
運行期間:2021年8月27日(金)~9月27日(月)における湯宿くろゆり開館日
利用条件:下部「湯宿くろゆり」のホームページから送迎サービス付き宿泊プランを事前予約
乗車運賃:無料
乗車人数:1日9名まで
対象:主に白山国立公園における加賀禅定道、楽々新道、中宮道の利用者
送迎区間:瀬女~湯宿くろゆりの区間(上部図のとおり)
<本送迎サービスの予約サイト>
湯宿くろゆり公式ホームページ:https://spa-kuroyuri.jp
<本送迎サービスの時刻表詳細について>
特別プロジェクトサイト:https://hakusan-project.com
白山国立公園は日本三大霊峰である白山(百名山)を擁し、古来より多くの登山者を受け入れてきた。その登山道は南部の市ノ瀬・別当出合エリアから白山山頂を通り、中宮道や加賀禅定道を経て北部の中宮エリアに至る。この登山道はその魅力、火山が作り出す雄大な景色を楽しみながら縦走登山が楽しめるという北陸屈指の自然観光資源である。しかしながら山頂までの行程が短い南部のエリアに比べ、ロングルートの多い北部エリアの利用者は例年、入山者全体の数%にとどまり利用者の分散が課題となってきたのも事実である。
折しも、コロナ禍により、三密を回避した観光、すなわち小規模分散型パッケージツアーやアドベンチャーツーリズムが観光庁を中心に推進される現在、入山者の少ない深山幽谷の白山北部エリアはこうした新たな観光のフィールドとしての可能性を大いに秘めており、今回の送迎サービスの実験に至った。本送迎サービスは白山の北部エリアの登山道整備に永らく携わってきた乾が、館主を務める白山麓中宮温泉「湯宿くろゆり」の利用者向けに「宿泊施設及びエコツアー等の事業者が宿泊者及びツアー参加者を対象に行う送迎のための輸送について(平成23年3月31日国自旅第239号)」に基づいて実施するものである。この送迎サービスにより今まで困難であった南部から北部にかけての縦走登山も楽しめるようになり、瀬女におけるパーク&ライドも可能になることから、より柔軟な登山日程を組めるようになる。
■本送迎サービス実施の背景
本送迎サービスは、北陸地域づくり協会の「北陸地域の活性化」に関する研究助成のもと、白山の北部エリアの登山道整備を担ってきたオフィス・イヌイが共同で実施する、公共的交通サービスの提供による観光資源化の実験である。
観光資源化の背景には北部エリアの過少利用(アンダーユース)が登山道の維持に影を落としていることが挙げられる。登山者で賑わう南部エリアの過剰利用(オーバーユース)に対する対策と異なり、利用されないことで登山道の荒廃が進みかねない状態が続く北部エリアは、社会資本の維持・持続可能性の観点から抜き差しならない状況に陥っている。
そこで、北陸の観光地域マネジメントを研究している北陸先端科学技術大学院大学の敷田研究室の協力・監修のもと、こうした過少利用に悩む自然公園の魅力を保全し伝え続けるためにも任意の協力金や行政からの補助に頼るのではなく、北部白山の魅力を体験してもらう対価を社会資本の維持費用の捻出につなげていく実験を実施する運びとなった。
本送迎サービスはその実験の一環として、白山市の所有する「湯宿くろゆり」を基点に試験的に実施するもので、コロナ禍を機会と捉え、小人数という制限のある中、社会資本としての公共交通機関の維持費用捻出に向けた付加価値の高い自然体験の提供を目標としている。本サービスの利用者への調査を通じて、交通機関が有料であった場合の支払意思価格を把握し、公共交通機関の実現性を経済面から検証するのが狙いである。
■実施内容
運行期間:2021年8月27日(金)~9月27日(月)における湯宿くろゆり開館日
利用条件:下部「湯宿くろゆり」のホームページから送迎サービス付き宿泊プランを事前予約
乗車運賃:無料
乗車人数:1日9名まで
対象:主に白山国立公園における加賀禅定道、楽々新道、中宮道の利用者
送迎区間:瀬女~湯宿くろゆりの区間(上部図のとおり)
<本送迎サービスの予約サイト>
湯宿くろゆり公式ホームページ:https://spa-kuroyuri.jp
<本送迎サービスの時刻表詳細について>
特別プロジェクトサイト:https://hakusan-project.com