一般社団法人日本先進医療臨床研究会(東京都中央区・代表理事小林平大央)は、株式会社IMUH(東京都調布市・代表取締役佐藤央希)との業務提携による共同研究で、血液中のリンパ球を測定し、10種類のリンパ球やCTL/Tレグ比率を測る「リンパ球分画検査」の受付を、会員医師の医療機関向けに、2021年5月中旬より開始すると発表しました。
検査の価格は以下を予定しています。
・10種類のリンパ球分画検査(税別50,000円;税込55,000円)
(検査項目:CTL/Tレグ比率、ナイーブT/メモリーT比率、CTL/NK/NKT/CD8+NK/活性化T/ナイーブT/メモリーT/Tレグ/活性化Tレグなど)
・ 7種類のリンパ球分画検査(税別45,000円;税込49,500円)
(検査項目:CTL/Tレグ比率、CTL/NK/NKT/CD8+NK/ Tレグ/活性化Tレグなど)
・PoxP3Tレグ検査(税別36,000円;税込39,600円)
(検査項目: Foxp3陽性T細胞(=T-reg=制御性T細胞)
CTL(細胞障害性T細胞、別名キラーT細胞)/Tレグ(制御性T細胞)比率によるバランス判定は、自己の免疫状態やガン・その他疾病関連の情報を知る上で重要な検査です。健康な免疫状態ではこのバランスがCTL>Tレグであることが大切です。ガンなどの免疫抑制状態になるとバランスが逆転し、CTL<Tレグとなる事があります。その場合は担ガン状態または免疫機能低下をもたらす疾病との関連性が示唆される為、十分な精査が必要です。
免疫は、体外から細菌やウイルスなど異物が侵入した際に、リンパ球などの免疫細胞が「自己」でない異物を攻撃して体を守る仕組みです。こうした仕組みを「正の免疫応答」といいます。しかし「正の免疫応答」が過剰に発現すると困った問題が起こります。例えば人体に有用な働きをする腸内細菌や、栄養源である食料は「異物」であり、また母親の胎内で育つ胎児も厳密に言えば「異物」です。こうした「有用な異物」への攻撃は問題となります。免疫にはこうした「有用な異物」や「自己」に対しては攻撃しないという「負の免疫応答」が存在します。しかし「負の応答」が過剰に応答しガンなど「有害な異物」まで攻撃をしない事も問題です。免疫系はこうした「正の応答」と「負の応答」のバランスによって成り立っていて、このバランスが崩れると不都合が生じます。その不都合の代表例が、ガン、自己免疫疾患、アレルギー疾患、腸疾患といった免疫不全系の病気や症状です。免疫バランスは「正の応答」の代表執行者であるCTLと、「負の応答」の代表執行者であるTレグ(制御性T細胞)のバランスによって決まります。
Tレグはリンパ球全体の約5%が正常値とされ、これより低い値だと自己免疫疾患を発症することが動物実験で確かめられています。逆にガンを発症した場合Tレグが非常に高い値で存在する事が分かっています。そのため血中のCTL/Tレグ比率は、CTL>Tレグで双方が正常値の範囲内である事が重要です。TレグはCTLやB細胞が暴走して「有用な異物」や「自己の細胞」に被害が及ばない様に免疫の攻撃を止める免疫細胞です。そのためTレグが少ないとCTLやB細胞が暴走してアレルギーになったり自己免疫疾患になる事が分かってきました。
そこで自己免疫疾患の方やアレルギー疾患で悩んでいる方は、CTL/Tレグ比率を測り、Tレグの値が低い場合には、Tレグを高める治療をすることで、病状が改善する可能性が高い事が分かってきました。Tレグは様々な成分によって増えますが、例えばIL2(インターロイキン2)というサイトカインに対する感受性が高く、低用量のIL2製剤の投与によってTレグ増加する事が確かめられています。そして低用量のIL2であれば、IL2に対する感受性の高いTレグ以外のリンパ球(CTLなど)は増えることがないので、Tレグだけを選択的に増やすことが出来ることが分かっています。重篤な自己免疫疾患である1型糖尿病では既に低用量のIL2を使用した臨床試験が始まっています。また薬物治療ではなく体内でIL2を増やす生活習慣(食事やサプリメント、運動、睡眠など)でも効果があるとの報告があります。
ガン治療の指標となるCTL/Tレグ比率
自己免疫疾患やアレルギー疾患とは逆に、ガンの場合、多くの研究から血液中や腫瘍周辺でTレグ(特に活性化Tレグ)が異常に増殖していることが分かってきました。ガン細胞は自分の細胞が環境悪化によって異常化したいわば「自己もどき細胞」ですが、細菌やウイルスと違って「異物」ではありません。そのため「自己」や「有用な異物」を攻撃させないというTレグ本来の役割である「負の応答」という仕組みが働いてガンを守ってしまう事が判明しました。乳ガン、肺ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、消化器ガン、メラノーマ(悪性黒色腫)などの腫瘍局所でTレグ増加が確認されています。腫瘍局所で5%という正常範囲を大幅に超えて30~40%、極端な例では70~80%もTレグが密集していたという報告もあります。そして多くのガンで、CTL<Tレグと比率が逆転していると予後が悪い事が分かってきています。
ガン治療を目的とした免疫療法では、いかにTレグを制御して「負の応答」を解除するかが重要となります。ただしTレグ全体を減らしてしまうと、ガンが良くなっても自己免疫疾患やアレルギー疾患を発症する危険性が高まるため、Tレグ全体は減らさず増やし過ぎない様にする、という非常に難しい治療となります。
ところが近年この問題に光明を与える発見がありました。実はTレグには活性化Tレグ(エフェクターTレグ)と、非活性化Tレグ(ナイーブTレグ)というタイプがあり、ガン周囲に集まるTレグはほぼ活性化Tレグである事が判明しています。活性化TレグはCCR4(C-C chemokine receptor)という受容体タンパクを発現していますが、CCR4はATL(Adult T-cell Reukemia;成人T細胞白血病)にも発現しており、CCR4をターゲットにしたATLに治療薬「抗CCR4阻害薬」が既に承認され延命効果が認められているのです。
CTL/Tレグ比率が高いガンの場合、抗CCR4阻害薬をTレグ制御の治療に使える可能性が高いのです。CCR4は活性化Tレグだけに高発現しており、CCR4をマーカーを発現していない非活性化Tレグは除去しないので副作用として自己免疫疾患やアレルギーなどの発症リスクも抑えられるということです。
もちろん抗CCR4阻害薬だけでガンが治るほどガン治療は簡単ではないので、様々な治療と組み合わせる必要があると思われます。また、治療経過や効果測定のマーカーとして、CTL/Tレグ比率は今後ガン治療に必須の検査になっていくと思われます。
日本先進医療臨床研究会では、こうした背景を踏まえて、最先端のガン治療や自己免疫疾患の治療、アレルギー疾患などの治療で重要な指標となるリンパ球分画検査、特にCTL/Tレグ比率などを測る先端検査の受付窓口と相談窓口を開設致します。
CTL/Tレグ比率、リンパ球分画検査に対するご質問、お申し込みなど、詳しくは一般社団法人日本先進医療臨床研究会のHPをご覧頂くか、下記連絡先までご連絡ください。
https://jscsf.org/marker-test
なお、ガン治療時に有用な先端検査にはこの他にも、血中を流れるガン細胞を直接補足して数と表面マーカー(PD-L1、HER2、AR-V7、Vimentinなど)を測る「CTC検査(税別10万円)」や、血中に流れるDNA濃度を測定する「セルフリーDNA検査(税別4.5万円)」などもあります。難治性疾患の治療には様々な検査を駆使し有効な治療法を選択する事が重要と考えます。
【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人 日本先進医療臨床研究会
TEL : 03-5542-1597(受付時間:平日10:00~17:00) FAX : 03-4333-0803
Mail: info@jscsf.org
公式サイト:https://jscsf.org
【参考情報】
※CTL(Cytotoxic T lymphocyte:細胞障害性T細胞)、キラーT細胞:異物である細菌やウイルス、ガン細胞などを攻撃して排除します。CTLの細胞殺傷能力は大変強力で標的細胞の細胞膜に穴をあけ細胞の自殺(アポトーシス)を誘導します。またCTLの一部はメモリーT細胞となって敵の情報を記憶します。
※Tレグ:広義の免疫抑制型Tリンパ球。1995年京都大学の坂口志文先生らによってインターロイキン-2(IL-2)受容体α鎖であるCD25分子を発現するT細胞が自己免疫疾患を抑制する機能を有することが明らかされ、CD4+CD25+T細胞は抑制性T細胞の中でも区別してTレグと呼ばれるようになりました。
※NK細胞:ナチュラルキラーの略です。ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞と出会うとそれらを殺傷する働きを広範囲に示します。その攻撃力はさほど強くはありませんが血液中をパトロールして単独で行動します。ガンが進行してCTLの能力が低下しているときに、体内の免疫の力を維持するために増加します。
※NKT細胞:T細胞の一種で、T細胞とNK細胞と両方の特徴を持つ亜群の事を指します。すなわち自然免疫系と獲得免疫系の中間的な役割を担う細胞の一つとして知られています。
※CD8陽性のNK細胞:NK細胞由来で特に、サイトカインの刺激等で活性化を受けて細胞障害活性を高めたNK細胞の事をいいます。
※ナイーブT細胞:病原体などの抗原細胞に出会ったことのないT細胞群です。細胞は休止期の状態にあります。この亜集団の数が多いと新しい病原体への対応が能率良く行われると考えられています。加齢と共に減少する傾向があります。
※メモリーT細胞:病原体などの抗原物質に一度出会ったT細胞は、分裂増殖した後、一部がメモリーT細胞として残ります。メモリーT細胞は2度目以降に同じ抗原に出会うと、直ちに反応し、分裂増殖し、生体防御としての役割を迅速に果たします。加齢と共に増加する傾向があります。
※活性化T細胞:病原体などの抗原物質に一度出会ったT細胞で、活性化T細胞と言われます。この細胞の比率上昇は体内での免疫が活性化している(=病原菌との闘争中である)状況を示唆します。
※Tレグ(Foxp3陽性T細胞):Tレグの重要な特徴として転写因子Foxp3遺伝子を特異的に発現しており、Foxp3遺伝子の欠損あるいは突然変異により制御性T細胞の発生及び分化、制御機能が障害されることが確認されたことからTreg分化のマスター遺伝子であることが明らかにされました。自己免疫疾患や炎症性疾患、アレルギー疾患などを疑う場合は、必要によりCD4+CD25+Foxp3+としての実施が望まれます。
※Tレグ(CD127Low)細胞:Foxp3陽性は、CD127タンパクと逆相関になっていることが知られており、CD127マーカーLOWのT細胞は、ほぼTレグであると判定することが出来ます。また高価なFoxp3測定に比べて、安価なCD127測定は簡易Tレグ測定に使用されます。
検査の価格は以下を予定しています。
・10種類のリンパ球分画検査(税別50,000円;税込55,000円)
(検査項目:CTL/Tレグ比率、ナイーブT/メモリーT比率、CTL/NK/NKT/CD8+NK/活性化T/ナイーブT/メモリーT/Tレグ/活性化Tレグなど)
・ 7種類のリンパ球分画検査(税別45,000円;税込49,500円)
(検査項目:CTL/Tレグ比率、CTL/NK/NKT/CD8+NK/ Tレグ/活性化Tレグなど)
・PoxP3Tレグ検査(税別36,000円;税込39,600円)
(検査項目: Foxp3陽性T細胞(=T-reg=制御性T細胞)
CTL(細胞障害性T細胞、別名キラーT細胞)/Tレグ(制御性T細胞)比率によるバランス判定は、自己の免疫状態やガン・その他疾病関連の情報を知る上で重要な検査です。健康な免疫状態ではこのバランスがCTL>Tレグであることが大切です。ガンなどの免疫抑制状態になるとバランスが逆転し、CTL<Tレグとなる事があります。その場合は担ガン状態または免疫機能低下をもたらす疾病との関連性が示唆される為、十分な精査が必要です。
免疫は、体外から細菌やウイルスなど異物が侵入した際に、リンパ球などの免疫細胞が「自己」でない異物を攻撃して体を守る仕組みです。こうした仕組みを「正の免疫応答」といいます。しかし「正の免疫応答」が過剰に発現すると困った問題が起こります。例えば人体に有用な働きをする腸内細菌や、栄養源である食料は「異物」であり、また母親の胎内で育つ胎児も厳密に言えば「異物」です。こうした「有用な異物」への攻撃は問題となります。免疫にはこうした「有用な異物」や「自己」に対しては攻撃しないという「負の免疫応答」が存在します。しかし「負の応答」が過剰に応答しガンなど「有害な異物」まで攻撃をしない事も問題です。免疫系はこうした「正の応答」と「負の応答」のバランスによって成り立っていて、このバランスが崩れると不都合が生じます。その不都合の代表例が、ガン、自己免疫疾患、アレルギー疾患、腸疾患といった免疫不全系の病気や症状です。免疫バランスは「正の応答」の代表執行者であるCTLと、「負の応答」の代表執行者であるTレグ(制御性T細胞)のバランスによって決まります。
Tレグはリンパ球全体の約5%が正常値とされ、これより低い値だと自己免疫疾患を発症することが動物実験で確かめられています。逆にガンを発症した場合Tレグが非常に高い値で存在する事が分かっています。そのため血中のCTL/Tレグ比率は、CTL>Tレグで双方が正常値の範囲内である事が重要です。TレグはCTLやB細胞が暴走して「有用な異物」や「自己の細胞」に被害が及ばない様に免疫の攻撃を止める免疫細胞です。そのためTレグが少ないとCTLやB細胞が暴走してアレルギーになったり自己免疫疾患になる事が分かってきました。
そこで自己免疫疾患の方やアレルギー疾患で悩んでいる方は、CTL/Tレグ比率を測り、Tレグの値が低い場合には、Tレグを高める治療をすることで、病状が改善する可能性が高い事が分かってきました。Tレグは様々な成分によって増えますが、例えばIL2(インターロイキン2)というサイトカインに対する感受性が高く、低用量のIL2製剤の投与によってTレグ増加する事が確かめられています。そして低用量のIL2であれば、IL2に対する感受性の高いTレグ以外のリンパ球(CTLなど)は増えることがないので、Tレグだけを選択的に増やすことが出来ることが分かっています。重篤な自己免疫疾患である1型糖尿病では既に低用量のIL2を使用した臨床試験が始まっています。また薬物治療ではなく体内でIL2を増やす生活習慣(食事やサプリメント、運動、睡眠など)でも効果があるとの報告があります。
ガン治療の指標となるCTL/Tレグ比率
自己免疫疾患やアレルギー疾患とは逆に、ガンの場合、多くの研究から血液中や腫瘍周辺でTレグ(特に活性化Tレグ)が異常に増殖していることが分かってきました。ガン細胞は自分の細胞が環境悪化によって異常化したいわば「自己もどき細胞」ですが、細菌やウイルスと違って「異物」ではありません。そのため「自己」や「有用な異物」を攻撃させないというTレグ本来の役割である「負の応答」という仕組みが働いてガンを守ってしまう事が判明しました。乳ガン、肺ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、消化器ガン、メラノーマ(悪性黒色腫)などの腫瘍局所でTレグ増加が確認されています。腫瘍局所で5%という正常範囲を大幅に超えて30~40%、極端な例では70~80%もTレグが密集していたという報告もあります。そして多くのガンで、CTL<Tレグと比率が逆転していると予後が悪い事が分かってきています。
ガン治療を目的とした免疫療法では、いかにTレグを制御して「負の応答」を解除するかが重要となります。ただしTレグ全体を減らしてしまうと、ガンが良くなっても自己免疫疾患やアレルギー疾患を発症する危険性が高まるため、Tレグ全体は減らさず増やし過ぎない様にする、という非常に難しい治療となります。
ところが近年この問題に光明を与える発見がありました。実はTレグには活性化Tレグ(エフェクターTレグ)と、非活性化Tレグ(ナイーブTレグ)というタイプがあり、ガン周囲に集まるTレグはほぼ活性化Tレグである事が判明しています。活性化TレグはCCR4(C-C chemokine receptor)という受容体タンパクを発現していますが、CCR4はATL(Adult T-cell Reukemia;成人T細胞白血病)にも発現しており、CCR4をターゲットにしたATLに治療薬「抗CCR4阻害薬」が既に承認され延命効果が認められているのです。
CTL/Tレグ比率が高いガンの場合、抗CCR4阻害薬をTレグ制御の治療に使える可能性が高いのです。CCR4は活性化Tレグだけに高発現しており、CCR4をマーカーを発現していない非活性化Tレグは除去しないので副作用として自己免疫疾患やアレルギーなどの発症リスクも抑えられるということです。
もちろん抗CCR4阻害薬だけでガンが治るほどガン治療は簡単ではないので、様々な治療と組み合わせる必要があると思われます。また、治療経過や効果測定のマーカーとして、CTL/Tレグ比率は今後ガン治療に必須の検査になっていくと思われます。
日本先進医療臨床研究会では、こうした背景を踏まえて、最先端のガン治療や自己免疫疾患の治療、アレルギー疾患などの治療で重要な指標となるリンパ球分画検査、特にCTL/Tレグ比率などを測る先端検査の受付窓口と相談窓口を開設致します。
CTL/Tレグ比率、リンパ球分画検査に対するご質問、お申し込みなど、詳しくは一般社団法人日本先進医療臨床研究会のHPをご覧頂くか、下記連絡先までご連絡ください。
https://jscsf.org/marker-test
なお、ガン治療時に有用な先端検査にはこの他にも、血中を流れるガン細胞を直接補足して数と表面マーカー(PD-L1、HER2、AR-V7、Vimentinなど)を測る「CTC検査(税別10万円)」や、血中に流れるDNA濃度を測定する「セルフリーDNA検査(税別4.5万円)」などもあります。難治性疾患の治療には様々な検査を駆使し有効な治療法を選択する事が重要と考えます。
【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人 日本先進医療臨床研究会
TEL : 03-5542-1597(受付時間:平日10:00~17:00) FAX : 03-4333-0803
Mail: info@jscsf.org
公式サイト:https://jscsf.org
【参考情報】
※CTL(Cytotoxic T lymphocyte:細胞障害性T細胞)、キラーT細胞:異物である細菌やウイルス、ガン細胞などを攻撃して排除します。CTLの細胞殺傷能力は大変強力で標的細胞の細胞膜に穴をあけ細胞の自殺(アポトーシス)を誘導します。またCTLの一部はメモリーT細胞となって敵の情報を記憶します。
※Tレグ:広義の免疫抑制型Tリンパ球。1995年京都大学の坂口志文先生らによってインターロイキン-2(IL-2)受容体α鎖であるCD25分子を発現するT細胞が自己免疫疾患を抑制する機能を有することが明らかされ、CD4+CD25+T細胞は抑制性T細胞の中でも区別してTレグと呼ばれるようになりました。
※NK細胞:ナチュラルキラーの略です。ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞と出会うとそれらを殺傷する働きを広範囲に示します。その攻撃力はさほど強くはありませんが血液中をパトロールして単独で行動します。ガンが進行してCTLの能力が低下しているときに、体内の免疫の力を維持するために増加します。
※NKT細胞:T細胞の一種で、T細胞とNK細胞と両方の特徴を持つ亜群の事を指します。すなわち自然免疫系と獲得免疫系の中間的な役割を担う細胞の一つとして知られています。
※CD8陽性のNK細胞:NK細胞由来で特に、サイトカインの刺激等で活性化を受けて細胞障害活性を高めたNK細胞の事をいいます。
※ナイーブT細胞:病原体などの抗原細胞に出会ったことのないT細胞群です。細胞は休止期の状態にあります。この亜集団の数が多いと新しい病原体への対応が能率良く行われると考えられています。加齢と共に減少する傾向があります。
※メモリーT細胞:病原体などの抗原物質に一度出会ったT細胞は、分裂増殖した後、一部がメモリーT細胞として残ります。メモリーT細胞は2度目以降に同じ抗原に出会うと、直ちに反応し、分裂増殖し、生体防御としての役割を迅速に果たします。加齢と共に増加する傾向があります。
※活性化T細胞:病原体などの抗原物質に一度出会ったT細胞で、活性化T細胞と言われます。この細胞の比率上昇は体内での免疫が活性化している(=病原菌との闘争中である)状況を示唆します。
※Tレグ(Foxp3陽性T細胞):Tレグの重要な特徴として転写因子Foxp3遺伝子を特異的に発現しており、Foxp3遺伝子の欠損あるいは突然変異により制御性T細胞の発生及び分化、制御機能が障害されることが確認されたことからTreg分化のマスター遺伝子であることが明らかにされました。自己免疫疾患や炎症性疾患、アレルギー疾患などを疑う場合は、必要によりCD4+CD25+Foxp3+としての実施が望まれます。
※Tレグ(CD127Low)細胞:Foxp3陽性は、CD127タンパクと逆相関になっていることが知られており、CD127マーカーLOWのT細胞は、ほぼTレグであると判定することが出来ます。また高価なFoxp3測定に比べて、安価なCD127測定は簡易Tレグ測定に使用されます。