図表等を含むリリース全文は以下のURLをご参照ください。
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/0301_1
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、昨年12月に続き、本年2月8日から2月12日の間に、全国20~59歳のパート・アルバイト就業者(以下「パート・アルバイト」)男女合計64,943人と、そのうち新型コロナウイルス感染拡大の影響によりシフトが減少している人(以下「コロナでシフト減のパート・アルバイト」)男女合計6,232人を対象に、就業や生活の実態および今後の意向に関するインターネットアンケート調査を実施しました。調査から得られた主要な結果は、以下の通りです。なお、詳細な結果等は後日改めて公表する予定です。
■パート・アルバイト女性の3割が「コロナでシフトが減少」。12月時点より増加
パート・アルバイト女性のうち約3割(29.0%)が、「コロナ以前と比べてシフトが減少している」と回答し、そのうち「シフトが5割以上減少している」人の割合は45.2%(パート・アルバイト女性の13.1%)でした。「コロナ以前と比べてシフトが減少している」人の割合およびそのうち「シフトが5割以上減少している」人の割合は、いずれも昨年12月調査の結果よりも高くなりました。
パート・アルバイト男性のうち「コロナ以前と比べてシフトが減少している」人は3割強(33.9%)で、そのうち、「シフトが5割以上減少している」人の割合は48.5%(パート・アルバイト男性の16.5%)でした。
また、コロナでシフト減のパート・アルバイトのうち、休業手当を受け取っている人は依然として少なく、女性の7割強(74.7%)、男性の約8割(79.0%)が「休業手当を受け取っていない」と回答しました。
■2月時点でパート・アルバイトの「実質的失業者」は、女性103万人、男性43万人
パート・アルバイトのうち、「シフトが5割以上減少」かつ「休業手当を受け取っていない」人を「実質的失業者」と定義し、今回の調査結果および総務省「労働力調査」を用いて推計したところ、2021年2月時点で、全国の「実質的失業者」は、女性で103.1万人、男性で43.4万人にのぼりました。
昨年12月の調査に基づく推計では、パート・アルバイト女性のうち「実質的失業者」は90.0万人であり、昨年12月からの約2か月の間に1割強、「実質的失業者」が増えたことになります。
なお、ここで定義した「実質的失業者」は、一般的に、統計上の「失業者」にも「休業者」にも含まれません。
■「実質的失業者」の約5割が「シフト減でも休業手当を受け取れること」や「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」のことをまだ知らない
「実質的失業者」のうち、「1日単位の休業だけでなく、シフト時間を短縮するような短時間休業であっても、休業手当を受け取ることができること」を知らなかった(今回はじめて知った)人の割合は女性で53.1%、男性で51.8%でした。
また、「実質的失業者」のうち、勤め先から休業手当を受け取れない場合、労働者本人から申請できる「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金」)」を知らなかった(今回はじめて知った)人の割合は女性で48.9%、男性で49.7%でした。
■休業支援金を知らなかった「実質的失業者」の4割以上が「今すぐにでも支給を受けたい」
休業支援金を知らなかった「実質的失業者」のうち、「今すぐにでも支給を受けたい」と回答した人は、女性で40.2%、男性で47.0%にのぼりました。
■シフト減のパート・アルバイト、女性で5割、男性で6割が「新しい仕事を探したい」。うち8割が、現在と異なる職種への転職を希望または許容
コロナでシフト減のパート・アルバイトのうち、「新しい仕事を探したい」と回答した人は、女性で49.6%、男性で61.4%にのぼりました。そのうち、「現在と異なる職種の仕事に転職したい」人は、女性で23.7%、男性で20.3%でした。「どちらでもよい」と「できれば現在と同じがよいが、異なる職種の仕事でもよい」を含めると、現在と異なる職種への転職を希望または許容する人は、女性で79.6%、男性で75.6%と高い割合でした。
なお、現在のパート・アルバイト先の仕事をどのように探したかを複数回答で確認したところ、男女ともに「民間の求人サイト・アプリ」を回答した人が最多でした(女性29.6%、男性34.9%)。
今回の調査から、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、シフトが減って収入が減少しているパート・アルバイト就業者の人数は、この2か月でさらに増加していると見られます。また、こうした層に「休業手当」や「休業支援金」などの経済的支援が行き届いていないという課題も、依然として残っています。
一方、コロナでシフトや収入が減少しているパート・アルバイト就業者のおよそ2人に1人が、新しい仕事を探したいと考えており、こうした転職希望のあるパート・アルバイト就業者の中には、現在とは異なる職種に転職することを希望または許容する人が多いことも分かりました。
新型コロナウイルス感染症の完全終息にはまだ時間を要すると考えられ、その間、シフト減のパート・アルバイト就業者が多く生じている業界・業種の雇用環境は、依然として厳しい状況が続くと思われます。
それによって生活困窮に直面するパート・アルバイト就業者に対しては、引き続き、各種支援策の認知・利用を促し、早急かつ確実に経済支援を届けることが重要です。加えて、希望者には新たな場で就労収入を得て生計を再建・維持できるよう、労働移動(転職)を促す支援策の拡充が急務と考えられます。
以上
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/0301_1
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、昨年12月に続き、本年2月8日から2月12日の間に、全国20~59歳のパート・アルバイト就業者(以下「パート・アルバイト」)男女合計64,943人と、そのうち新型コロナウイルス感染拡大の影響によりシフトが減少している人(以下「コロナでシフト減のパート・アルバイト」)男女合計6,232人を対象に、就業や生活の実態および今後の意向に関するインターネットアンケート調査を実施しました。調査から得られた主要な結果は、以下の通りです。なお、詳細な結果等は後日改めて公表する予定です。
■パート・アルバイト女性の3割が「コロナでシフトが減少」。12月時点より増加
パート・アルバイト女性のうち約3割(29.0%)が、「コロナ以前と比べてシフトが減少している」と回答し、そのうち「シフトが5割以上減少している」人の割合は45.2%(パート・アルバイト女性の13.1%)でした。「コロナ以前と比べてシフトが減少している」人の割合およびそのうち「シフトが5割以上減少している」人の割合は、いずれも昨年12月調査の結果よりも高くなりました。
パート・アルバイト男性のうち「コロナ以前と比べてシフトが減少している」人は3割強(33.9%)で、そのうち、「シフトが5割以上減少している」人の割合は48.5%(パート・アルバイト男性の16.5%)でした。
また、コロナでシフト減のパート・アルバイトのうち、休業手当を受け取っている人は依然として少なく、女性の7割強(74.7%)、男性の約8割(79.0%)が「休業手当を受け取っていない」と回答しました。
■2月時点でパート・アルバイトの「実質的失業者」は、女性103万人、男性43万人
パート・アルバイトのうち、「シフトが5割以上減少」かつ「休業手当を受け取っていない」人を「実質的失業者」と定義し、今回の調査結果および総務省「労働力調査」を用いて推計したところ、2021年2月時点で、全国の「実質的失業者」は、女性で103.1万人、男性で43.4万人にのぼりました。
昨年12月の調査に基づく推計では、パート・アルバイト女性のうち「実質的失業者」は90.0万人であり、昨年12月からの約2か月の間に1割強、「実質的失業者」が増えたことになります。
なお、ここで定義した「実質的失業者」は、一般的に、統計上の「失業者」にも「休業者」にも含まれません。
■「実質的失業者」の約5割が「シフト減でも休業手当を受け取れること」や「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」のことをまだ知らない
「実質的失業者」のうち、「1日単位の休業だけでなく、シフト時間を短縮するような短時間休業であっても、休業手当を受け取ることができること」を知らなかった(今回はじめて知った)人の割合は女性で53.1%、男性で51.8%でした。
また、「実質的失業者」のうち、勤め先から休業手当を受け取れない場合、労働者本人から申請できる「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金」)」を知らなかった(今回はじめて知った)人の割合は女性で48.9%、男性で49.7%でした。
■休業支援金を知らなかった「実質的失業者」の4割以上が「今すぐにでも支給を受けたい」
休業支援金を知らなかった「実質的失業者」のうち、「今すぐにでも支給を受けたい」と回答した人は、女性で40.2%、男性で47.0%にのぼりました。
■シフト減のパート・アルバイト、女性で5割、男性で6割が「新しい仕事を探したい」。うち8割が、現在と異なる職種への転職を希望または許容
コロナでシフト減のパート・アルバイトのうち、「新しい仕事を探したい」と回答した人は、女性で49.6%、男性で61.4%にのぼりました。そのうち、「現在と異なる職種の仕事に転職したい」人は、女性で23.7%、男性で20.3%でした。「どちらでもよい」と「できれば現在と同じがよいが、異なる職種の仕事でもよい」を含めると、現在と異なる職種への転職を希望または許容する人は、女性で79.6%、男性で75.6%と高い割合でした。
なお、現在のパート・アルバイト先の仕事をどのように探したかを複数回答で確認したところ、男女ともに「民間の求人サイト・アプリ」を回答した人が最多でした(女性29.6%、男性34.9%)。
今回の調査から、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、シフトが減って収入が減少しているパート・アルバイト就業者の人数は、この2か月でさらに増加していると見られます。また、こうした層に「休業手当」や「休業支援金」などの経済的支援が行き届いていないという課題も、依然として残っています。
一方、コロナでシフトや収入が減少しているパート・アルバイト就業者のおよそ2人に1人が、新しい仕事を探したいと考えており、こうした転職希望のあるパート・アルバイト就業者の中には、現在とは異なる職種に転職することを希望または許容する人が多いことも分かりました。
新型コロナウイルス感染症の完全終息にはまだ時間を要すると考えられ、その間、シフト減のパート・アルバイト就業者が多く生じている業界・業種の雇用環境は、依然として厳しい状況が続くと思われます。
それによって生活困窮に直面するパート・アルバイト就業者に対しては、引き続き、各種支援策の認知・利用を促し、早急かつ確実に経済支援を届けることが重要です。加えて、希望者には新たな場で就労収入を得て生計を再建・維持できるよう、労働移動(転職)を促す支援策の拡充が急務と考えられます。
以上