株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森崎孝)は、2020年9月に創業50周年を迎えたのを機に、次の50年を展望した「目指す未来社会」の姿とその実現策を明らかにする研究を実施し、本日発表しました。
これからの50年、豊かさと持続可能性を両立していかなければなりません。豊かさは経済的なものから一人ひとりのウェルビーイングを追求するものに、持続可能性は将来世代まで及ぶものへとし、さらに安全安心な社会を形づくることが必要です。本研究成果を最初の一歩として、未来に向けて踏み出していきます。
報告書を読む ⇒ https://www.mri.co.jp/50thReport/
■第1章■ 100億人・100歳時代の豊かさと持続可能性
これからの50年、世界の人口は100億人に達し、先進国を中心に100歳を超す人口の割合が高まっていく。人類がかつて経験したことのない人口拡大と高齢化の時代に突入するのだ。そのなかでわれわれは未来に向けて、気候変動や資源の枯渇、格差や分断といった地球規模の課題に向き合いながら、100億人全てが豊かさを実感できる社会を構想しなければならない。
そのためには、豊かさの定義そのものを、資源の濫用を伴う「量的な成長」から、人が生み出す価値に着目した「一人ひとりのウェルビーイング」へと進化させることが重要だ。そして、さまざまな領域で進展する革新的な技術と変革を最大限に活用し、「豊かさ」と「持続可能性」が両立する未来社会を構築していかなければならない。
これからの50年、豊かさと持続可能性を両立していかなければなりません。豊かさは経済的なものから一人ひとりのウェルビーイングを追求するものに、持続可能性は将来世代まで及ぶものへとし、さらに安全安心な社会を形づくることが必要です。本研究成果を最初の一歩として、未来に向けて踏み出していきます。
報告書を読む ⇒ https://www.mri.co.jp/50thReport/
■第1章■ 100億人・100歳時代の豊かさと持続可能性
これからの50年、世界の人口は100億人に達し、先進国を中心に100歳を超す人口の割合が高まっていく。人類がかつて経験したことのない人口拡大と高齢化の時代に突入するのだ。そのなかでわれわれは未来に向けて、気候変動や資源の枯渇、格差や分断といった地球規模の課題に向き合いながら、100億人全てが豊かさを実感できる社会を構想しなければならない。
そのためには、豊かさの定義そのものを、資源の濫用を伴う「量的な成長」から、人が生み出す価値に着目した「一人ひとりのウェルビーイング」へと進化させることが重要だ。そして、さまざまな領域で進展する革新的な技術と変革を最大限に活用し、「豊かさ」と「持続可能性」が両立する未来社会を構築していかなければならない。
出所:三菱総合研究所
■第2章■ 未来社会実現の2つのキーファクター
「豊かさ」と「持続可能性」が両立する未来社会を実現するためには、両輪として進めるべき重要な2つのキーファクターがある。それは、人間の能力や可能性を拡張する革新技術による変革である「3X※1」の活用と、一人ひとりの個の力を協調させ新たな価値を生む未来のコミュニティ「共領域※2」の構築だ。
今後めざましい進化が期待される革新技術が個人の能力の拡大や自由なつながりを後押しすることは間違いないが、それだけでは社会全体として大きな価値を創出することが難しい。それぞれが自律性を持ち、世界に分散する人、社会、技術などをつないで協調させる「自律分散・協調」型の未来社会の構築が必要となる。そのために必要なのが自律分散した個人・組織・社会を協調し、つなぐための「共領域」である。
※1:3Xとはさまざまな領域における革新技術がもたらす3つの変革を指す。DX(デジタル・トランスフォーメーション)、 CX(コミュニケーション・トランスフォーメーション)、BX(バイオ・トランスフォーメーション)。
※2:CX、BXおよび共領域は三菱総合研究所の造語。
■第2章■ 未来社会実現の2つのキーファクター
「豊かさ」と「持続可能性」が両立する未来社会を実現するためには、両輪として進めるべき重要な2つのキーファクターがある。それは、人間の能力や可能性を拡張する革新技術による変革である「3X※1」の活用と、一人ひとりの個の力を協調させ新たな価値を生む未来のコミュニティ「共領域※2」の構築だ。
今後めざましい進化が期待される革新技術が個人の能力の拡大や自由なつながりを後押しすることは間違いないが、それだけでは社会全体として大きな価値を創出することが難しい。それぞれが自律性を持ち、世界に分散する人、社会、技術などをつないで協調させる「自律分散・協調」型の未来社会の構築が必要となる。そのために必要なのが自律分散した個人・組織・社会を協調し、つなぐための「共領域」である。
※1:3Xとはさまざまな領域における革新技術がもたらす3つの変革を指す。DX(デジタル・トランスフォーメーション)、 CX(コミュニケーション・トランスフォーメーション)、BX(バイオ・トランスフォーメーション)。
※2:CX、BXおよび共領域は三菱総合研究所の造語。
出所:三菱総合研究所
■第3章■ 日本が先駆ける「目指す未来社会」の実現
世界に先駆けて高齢化、少子化などの課題に直面する国として、日本は課題解決先進国になると同時に「目指す未来社会」を実現するフロントランナーとしての役割が求められている。そのためには、一人ひとりの豊かさと社会・環境の持続可能性という、世界が共通して目指すべき未来像の実現に向けて、日本ならではのアプローチを確立し早期に実践する必要がある。
旧来のコミュニティの変化が進むなか、「3X」と「共領域」を効果的に活用しながら、社会と個人の新しい関係構築を通じて、いかに人々のウェルビーイングを高めていくか、次世代に向けた持続可能性を実現できるかが、個人の自己実現と社会全体の利益を調和させるかが重要なカギとなる。
■第4章■ 日本が目指す未来の「豊かさ」
日本はこれからの50年で、人生100年の超高齢社会を世界に先駆けて迎えることになる。大量生産、大量消費を前提にして物質的な豊かさを追い求めてきたこれまでの価値観から脱し、環境や資源の持続性と両立しうる新たな豊かさを志向しなければならない。
だれもが長寿化する人生の全てを心身とも健康な状態で過ごし、仮想空間と現実空間が融合する世界で新たに生まれる多様なコミュニティを通じて人や社会と自由につながり、自分の潜在力を活かして、価値創造の主役として自己実現を果たしていく--。
実現のカギは、ウェルビーイング実現のための「3X」の活用と、未来のコミュニティとなる「共領域」による自己実現と新しい価値の創出・交換である。
「5つの目標」のうち、健康、つながり、自己実現という3つの目標の達成を通じて得られる「一人ひとりのウェルビーイング」こそが、未来社会で追求すべき新たな豊かさといえる。
■第5章■ 日本が目指す未来の「持続可能性」
これからの50年、日本は世界のフロントランナーとして、安全安心な生活環境と持続可能な地球環境の確保という人々の生存基盤に関わる重要課題に、人口減少で漸減する人的リソースと、「地球1個分」の資源消費の範囲内で対応しなければならない。
また、頻発・大規模化する災害などの現実空間のリスクに加え、情報セキュリティなど仮想空間におけるリスクにも対応し、安全安心で持続可能な未来社会の実現が必要となる。
実現のカギは、持続可能な社会に向けた「3X」の活用と、安全安心・環境に配慮した価値観を涵養する未来のコミュニティとなる「共領域」の創出だ。
「5つの目標」のうち、安全安心、地球の持続可能性という2つの目標の達成こそが、未来社会で追求すべき持続可能性である。
■第3章■ 日本が先駆ける「目指す未来社会」の実現
世界に先駆けて高齢化、少子化などの課題に直面する国として、日本は課題解決先進国になると同時に「目指す未来社会」を実現するフロントランナーとしての役割が求められている。そのためには、一人ひとりの豊かさと社会・環境の持続可能性という、世界が共通して目指すべき未来像の実現に向けて、日本ならではのアプローチを確立し早期に実践する必要がある。
旧来のコミュニティの変化が進むなか、「3X」と「共領域」を効果的に活用しながら、社会と個人の新しい関係構築を通じて、いかに人々のウェルビーイングを高めていくか、次世代に向けた持続可能性を実現できるかが、個人の自己実現と社会全体の利益を調和させるかが重要なカギとなる。
■第4章■ 日本が目指す未来の「豊かさ」
日本はこれからの50年で、人生100年の超高齢社会を世界に先駆けて迎えることになる。大量生産、大量消費を前提にして物質的な豊かさを追い求めてきたこれまでの価値観から脱し、環境や資源の持続性と両立しうる新たな豊かさを志向しなければならない。
だれもが長寿化する人生の全てを心身とも健康な状態で過ごし、仮想空間と現実空間が融合する世界で新たに生まれる多様なコミュニティを通じて人や社会と自由につながり、自分の潜在力を活かして、価値創造の主役として自己実現を果たしていく--。
実現のカギは、ウェルビーイング実現のための「3X」の活用と、未来のコミュニティとなる「共領域」による自己実現と新しい価値の創出・交換である。
「5つの目標」のうち、健康、つながり、自己実現という3つの目標の達成を通じて得られる「一人ひとりのウェルビーイング」こそが、未来社会で追求すべき新たな豊かさといえる。
■第5章■ 日本が目指す未来の「持続可能性」
これからの50年、日本は世界のフロントランナーとして、安全安心な生活環境と持続可能な地球環境の確保という人々の生存基盤に関わる重要課題に、人口減少で漸減する人的リソースと、「地球1個分」の資源消費の範囲内で対応しなければならない。
また、頻発・大規模化する災害などの現実空間のリスクに加え、情報セキュリティなど仮想空間におけるリスクにも対応し、安全安心で持続可能な未来社会の実現が必要となる。
実現のカギは、持続可能な社会に向けた「3X」の活用と、安全安心・環境に配慮した価値観を涵養する未来のコミュニティとなる「共領域」の創出だ。
「5つの目標」のうち、安全安心、地球の持続可能性という2つの目標の達成こそが、未来社会で追求すべき持続可能性である。
※:RRI(Responsible Research and Innovation)は責任ある研究・イノベーションと和訳される。市民を含む多様なステークホルダーが対話を行い、円滑な社会実装に向けて制度・倫理・社会受容性などを向上させるフレームワーク。
出所:三菱総合研究所
出所:三菱総合研究所
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本件に関するお問い合わせ先
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株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
【内容に関するお問い合わせ】
シンクタンク部門 先進技術センター
電話:03- 6858 -3579 メール:m50_report@ml.mri.co.jp
【報道機関からのお問い合わせ】
広報部
電話:03-6705-6000 メール:media@mri.co.jp