英国に本社を置き自動車技術に関する調査およびコンサルティングを手掛ける株式会社SBDジャパン(名古屋市)では、中国・上海においてAIWAYS(愛馳)U5のインフォテイメントシステムのUX評価を実車を用いて実施、その評価結果をまとめたレポート「コネクテッドカーUXベンチマーク評価 2020 - AIWAYS U5」を2020年7月8日に発行しました。最大の魅力はVPA(音声アシスタント機能)で、応答フレーズやアバター画像など多くの要素をカスタマイズできるように設計されています。(AIWAYSは中国市場で最初にユーザーの写真や声を使用しVPAアバターを作成するオプションを提供したOEM)一方で、一部の機能ではシステムの反応がかなり遅く、フラストレーションを引き起こし得るケースが認められます。
2019年に発売されたU5は、コネクティビティとインテリジェントシステムに重点を置いて設計されたミッドサイズの電動SUVで、同車は2020年後半にヨーロッパでの販売が予定されています。
搭載システムは、12.3インチのセンターインフォメーションディスプレイと、2つの4.2インチ補助ディスプレイが隣接する7インチディスプレイから成るクラスターで構成されています。
センターディスプレイのコンテンツをメーターパネルにも表示できるのが当たり前になりつつある昨今、U5のメーターパネルでは表示できるコンテンツが非常に少なく、表示エリアも右側の小さなサブディスプレイに限定されています。
搭載システムは、12.3インチのセンターインフォメーションディスプレイと、2つの4.2インチ補助ディスプレイが隣接する7インチディスプレイから成るクラスターで構成されています。
センターディスプレイのコンテンツをメーターパネルにも表示できるのが当たり前になりつつある昨今、U5のメーターパネルでは表示できるコンテンツが非常に少なく、表示エリアも右側の小さなサブディスプレイに限定されています。
Teslaが採用したアプローチと同様に、センターディスプレイはナビゲーションに焦点を合わせ、ホーム画面の背景には地図が設定されています。レイアウトはおおよそ3:7の割合で左右に分割されており、地図を右側に表示、左側にはメイン機能用のクイックアクセスバーと3つのカスタマイズ可能なウィジェットが配置されています。これにより、コア機能に素早くアクセスすることが可能です。
ナビゲーションは、詳細情報、目的地付近の駐車場情報、充電スポットへのショートカットなど、予測的でインテリジェントな機能を備えています。POI情報は、リスト表示に加えて地図上にも表示され、駐車場や充電スタンドの空き状況に応じて表示色を変える等、ユーザーが必要とする情報を的確に提供できる使い勝手のよいレイアウトとなっています。
ナビゲーションは、詳細情報、目的地付近の駐車場情報、充電スポットへのショートカットなど、予測的でインテリジェントな機能を備えています。POI情報は、リスト表示に加えて地図上にも表示され、駐車場や充電スタンドの空き状況に応じて表示色を変える等、ユーザーが必要とする情報を的確に提供できる使い勝手のよいレイアウトとなっています。
VPAは同システムのハイライトであり、位置検出、ナビゲーションやインフォテインメントコントロールなどの機能の「常時オン」、各種音声コマンド向けに設計されたアニメーションなど、さまざまなインテリジェント機能を提供します。アバターは、標準設定されている「クジラ」のほか、カスタマイズしたアニメ風キャラクターや、自分の写真(および将来的には自分の声)を使用することも可能です。
VPAは認識性能が高いものの、POI検索コマンドを受けとった後にナビゲーションが開始されないなど、一部タスクを完了できないケースも見られました。
VPAは認識性能が高いものの、POI検索コマンドを受けとった後にナビゲーションが開始されないなど、一部タスクを完了できないケースも見られました。
インフォテインメントでは、中国最大級の音楽配信サービスであるQQ Musicなどの機能を提供しています。ただし、QQ Musicへはエンジン始動ごとにログインし直さなければならず、ユーザーにとっては不便と言えます。
車載カメラは、ドライバーモニタリング用とインフォテイメントシステムへのログイン時のユーザー認証用の2台が搭載されています。こうしたカメラの使用法は非常に珍しく、エンドユーザーに高度なテクノロジー導入を印象付けています。
システムの一部の要素では、特にシステムの起動とルート計算時に、処理速度が遅いというマイナス面が見られました。EVでは(先ごろSBDが評価を行ったPorsche Taycanと同様に)即座またはほぼ即座にシステムが起動することが期待されますが、同システムはこれに反し非常に長時間を要することが明らかになりました。またHVAC操作などの一部のケースでは、入力感度が非常に低く、特に運転中はユーザーにフラストレーションを与えかねません。
全般的にU5のインフォテインメントシステムは、いくつかの興味深い新たなアプローチやAI機能を実証しながらもコア機能の多くを効果的に実行しています。ただし、システムラグや入力感度といった問題により、高度な製品であるという印象が損なわれ、操作時に苛立ちを覚えさせたり、動作が遅いと感じさせる可能性があります。
SBDのHMI UX評価手法
SBDでは今回のAIWAYS U5を含む評価対象12車種(予定)の評価を行い「2020年コネクテッドカーUXベンチマーク評価レポートシリーズ」として年間12冊のレポートを発行することを計画しています。本シリーズでは2017年に開始以降、欧州・米国・中国・日本市場の最新のナビおよびインフォテイメントシステムのHMIに関するUX評価を提供しています。本書では、各システムのベンチマークとスコアの提示、プラス・マイナス面の特定、ベストプラクティスの共有、改善に向けた具体的な提言の提供を主な目的とし、機能性、人間工学、ユーザビリティというUXを構成する3つの主な要素に基づき評価を行っています。実車を用いて車両静止時および走行時のシステムテストを行い、結果を過去のテストや競合ソリューションと比較して最終的なスコアを算出します。
2020年コネクテッドカーUXベンチマーク評価レポートシリーズ>>
https://www.sbdautomotive.com/files/sbd/pdfs/sbdj/619-20IB_J.pdf
また、自動車とモビリティの領域で様々な調査とコンサルティングサービスをご提供しており、その中でも車載システムがエンドユーザーのカスタマーエクスペリエンスに与える影響について包括的な評価を行っています。完成した量産システムの評価だけでなく、コンセプト策定から設計の段階まで広範なサポートをご提供、グローバルにお客様の戦略を支援しています。
SBDのHMI評価および調査、コンサルティングサービスの詳細について>>
https://insight.sbdautomotive.com/rs/164-IYW-366/images/SBD_HMI_Evaluation_Support_2020_JPN.pdf
本レポートおよび本シリーズの詳細に関するお問い合わせは下記にて承っております。
株式会社 SBDジャパン
〒460-0002 名古屋市中区丸の内2-18-22三博ビル6F
Tel: 052 253 6201
E-mail: postbox@sbdautomotive.com
https://www.sbdautomotive.com/ja/
【SBDについて】
英国を本拠とする自動車技術の調査・コンサルティング会社です。1997年の創業以来、日本、欧州(英国とドイツ)、米国、中国の拠点から自動車業界に携わるクライアントをグローバルにサポートしています。
クライアントは自動車メーカー、サプライヤー、保険業界、通信業界、政府・公的機関、研究機関など自動車業界のバリューチェーン全体。調査対象エリアは欧州、北米、中国、ブラジル、インド、ロシア、東南アジアなど世界各国の市場を網羅。自動車セキュリティおよびIT、コネクテッドカー、自動運転などの分野において調査を実施、各種レポートやコンサルティングサービスを提供しています。
車載カメラは、ドライバーモニタリング用とインフォテイメントシステムへのログイン時のユーザー認証用の2台が搭載されています。こうしたカメラの使用法は非常に珍しく、エンドユーザーに高度なテクノロジー導入を印象付けています。
システムの一部の要素では、特にシステムの起動とルート計算時に、処理速度が遅いというマイナス面が見られました。EVでは(先ごろSBDが評価を行ったPorsche Taycanと同様に)即座またはほぼ即座にシステムが起動することが期待されますが、同システムはこれに反し非常に長時間を要することが明らかになりました。またHVAC操作などの一部のケースでは、入力感度が非常に低く、特に運転中はユーザーにフラストレーションを与えかねません。
全般的にU5のインフォテインメントシステムは、いくつかの興味深い新たなアプローチやAI機能を実証しながらもコア機能の多くを効果的に実行しています。ただし、システムラグや入力感度といった問題により、高度な製品であるという印象が損なわれ、操作時に苛立ちを覚えさせたり、動作が遅いと感じさせる可能性があります。
SBDのHMI UX評価手法
SBDでは今回のAIWAYS U5を含む評価対象12車種(予定)の評価を行い「2020年コネクテッドカーUXベンチマーク評価レポートシリーズ」として年間12冊のレポートを発行することを計画しています。本シリーズでは2017年に開始以降、欧州・米国・中国・日本市場の最新のナビおよびインフォテイメントシステムのHMIに関するUX評価を提供しています。本書では、各システムのベンチマークとスコアの提示、プラス・マイナス面の特定、ベストプラクティスの共有、改善に向けた具体的な提言の提供を主な目的とし、機能性、人間工学、ユーザビリティというUXを構成する3つの主な要素に基づき評価を行っています。実車を用いて車両静止時および走行時のシステムテストを行い、結果を過去のテストや競合ソリューションと比較して最終的なスコアを算出します。
2020年コネクテッドカーUXベンチマーク評価レポートシリーズ>>
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また、自動車とモビリティの領域で様々な調査とコンサルティングサービスをご提供しており、その中でも車載システムがエンドユーザーのカスタマーエクスペリエンスに与える影響について包括的な評価を行っています。完成した量産システムの評価だけでなく、コンセプト策定から設計の段階まで広範なサポートをご提供、グローバルにお客様の戦略を支援しています。
SBDのHMI評価および調査、コンサルティングサービスの詳細について>>
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E-mail: postbox@sbdautomotive.com
https://www.sbdautomotive.com/ja/
【SBDについて】
英国を本拠とする自動車技術の調査・コンサルティング会社です。1997年の創業以来、日本、欧州(英国とドイツ)、米国、中国の拠点から自動車業界に携わるクライアントをグローバルにサポートしています。
クライアントは自動車メーカー、サプライヤー、保険業界、通信業界、政府・公的機関、研究機関など自動車業界のバリューチェーン全体。調査対象エリアは欧州、北米、中国、ブラジル、インド、ロシア、東南アジアなど世界各国の市場を網羅。自動車セキュリティおよびIT、コネクテッドカー、自動運転などの分野において調査を実施、各種レポートやコンサルティングサービスを提供しています。