株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2020年上期の偏光板及び部材フィルム世界市場を調査し、製品セグメント別の動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.調査結果概要
新型コロナウイルスの終息時期等によって左右される可能性があるが、2020年の偏光板世界生産量を前年比101.7%の56,260万m2とプラス成長を予測する。
2020年における世界のTV(本体)市場規模は新型コロナウイルスの影響を反映して、前年比マイナス10%まで台数が減少する見通しである。しかし、2020年下期よりTV本体インチサイズの拡大がさらに本格化し、TV本体の台数ダウン分ほどはTV向け偏光板の出荷面積が大きく減少しない可能性があり、また、この数量のマイナス分を上回るプラス要因もいくつかあげられる。
2020年の偏光板市場をみると、1月には例年通りの中国旧正月(春節)の前倒し需要が発生し、また、物量は例年より大きく1月時点での偏光板世界出荷量は好調であった。2月末から3月中旬にかけて、中国国内では新型コロナウイルス感染が拡大したことから、BOE、CSOT等の中国TVパネル陣営のTVパネル生産量が通常レベルから約3割ダウン、但し7割程度はほぼ通常稼働していたため、偏光板出荷実績では大幅な減少はみられなかった。
なお、3月下旬から中国TVパネル陣営の生産再稼働により、稼働率は大手を中心に通常水準まで復帰した。これに加えて、3月末から2月以降に生産出来なかった分の生産量が、通常生産量に上乗せされた。そのため、2020年1月から4月までの4カ月間の偏光板世界生産量には、新型コロナウイルス感染拡大による影響は見られないという結果となった。
2020年第3四半期以降の偏光板需要動向は、2020年5月末から7月中旬まで需要減少が続くと予測するが、その後物量は徐々に回復に向かう見通しである。各TVパネルメーカーにより、生産調整期間や第3四半期からの生産回復のスピードにはバラつきが出る見込みだが、通常の場合、第3四半期は来期に向けた新規TVパネル生産のピークシーズンであるため、2021年の新規TVパネル向けの偏光板需要が立ち上がり、7月下旬から8月にかけてTVパネル向け需要が回復してくる見込みである。
中国大手TVパネル陣営でも、TV(本体)の需要減少の影響により、2020年6月から7月にかけてTVパネルの生産数量ダウンは回避できないとみられる。一方で、BOE、CSOTが6月からG10.5(10.5世代)新生産ラインでのTVパネル生産を開始する予定で、7月以降は新規ライン向けの稼働率アップに従い、偏光板需要量も回復にむかうとみる。これにより2020年下期より中国TVパネルメーカーを中心に65″(インチ)以上のTVパネル生産が本格化し、2020年末には中国TVパネル陣営での生産分の平均インチサイズは55″(インチ)以上になる見通しで、2020年におけるTV向け偏光板世界生産量もプラス幅は小さいながらも、プラス成長になると予測する。
2.注目トピック~「Afterコロナ」の2021年偏光板世界市場
2021年における偏光板世界生産量は、2020年の反動もあり大きく成長する見通しである。その成長率は2020年における伸び幅にも連動するが、2021年以降、偏光板世界市場を拡大させる成長材料が出揃うと考える。
2021年以降の偏光板世界市場の成長材料としては、 (1)本来の偏光板生産量に加え、Afterコロナによる需要増、 (2)中国メーカーを中心としたLCD業界の再編(韓国LCDパネル陣営の生産縮小、中国TVパネル陣営の生産拡大)、 (3)G10.5(10.5世代)パネル生産ラインの本格稼働 、(4)2,300mm幅以上の超広幅偏光板生産ラインによる生産拡大が挙げられる。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2459
調査要綱
1.調査期間: 2020年2月~5月
2.調査対象: 偏光板メーカー、位相差フィルムメーカー、PVA保護フィルムメーカー、表面処理フィルムメーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2020年05月29日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
1.調査結果概要
新型コロナウイルスの終息時期等によって左右される可能性があるが、2020年の偏光板世界生産量を前年比101.7%の56,260万m2とプラス成長を予測する。
2020年における世界のTV(本体)市場規模は新型コロナウイルスの影響を反映して、前年比マイナス10%まで台数が減少する見通しである。しかし、2020年下期よりTV本体インチサイズの拡大がさらに本格化し、TV本体の台数ダウン分ほどはTV向け偏光板の出荷面積が大きく減少しない可能性があり、また、この数量のマイナス分を上回るプラス要因もいくつかあげられる。
2020年の偏光板市場をみると、1月には例年通りの中国旧正月(春節)の前倒し需要が発生し、また、物量は例年より大きく1月時点での偏光板世界出荷量は好調であった。2月末から3月中旬にかけて、中国国内では新型コロナウイルス感染が拡大したことから、BOE、CSOT等の中国TVパネル陣営のTVパネル生産量が通常レベルから約3割ダウン、但し7割程度はほぼ通常稼働していたため、偏光板出荷実績では大幅な減少はみられなかった。
なお、3月下旬から中国TVパネル陣営の生産再稼働により、稼働率は大手を中心に通常水準まで復帰した。これに加えて、3月末から2月以降に生産出来なかった分の生産量が、通常生産量に上乗せされた。そのため、2020年1月から4月までの4カ月間の偏光板世界生産量には、新型コロナウイルス感染拡大による影響は見られないという結果となった。
2020年第3四半期以降の偏光板需要動向は、2020年5月末から7月中旬まで需要減少が続くと予測するが、その後物量は徐々に回復に向かう見通しである。各TVパネルメーカーにより、生産調整期間や第3四半期からの生産回復のスピードにはバラつきが出る見込みだが、通常の場合、第3四半期は来期に向けた新規TVパネル生産のピークシーズンであるため、2021年の新規TVパネル向けの偏光板需要が立ち上がり、7月下旬から8月にかけてTVパネル向け需要が回復してくる見込みである。
中国大手TVパネル陣営でも、TV(本体)の需要減少の影響により、2020年6月から7月にかけてTVパネルの生産数量ダウンは回避できないとみられる。一方で、BOE、CSOTが6月からG10.5(10.5世代)新生産ラインでのTVパネル生産を開始する予定で、7月以降は新規ライン向けの稼働率アップに従い、偏光板需要量も回復にむかうとみる。これにより2020年下期より中国TVパネルメーカーを中心に65″(インチ)以上のTVパネル生産が本格化し、2020年末には中国TVパネル陣営での生産分の平均インチサイズは55″(インチ)以上になる見通しで、2020年におけるTV向け偏光板世界生産量もプラス幅は小さいながらも、プラス成長になると予測する。
2.注目トピック~「Afterコロナ」の2021年偏光板世界市場
2021年における偏光板世界生産量は、2020年の反動もあり大きく成長する見通しである。その成長率は2020年における伸び幅にも連動するが、2021年以降、偏光板世界市場を拡大させる成長材料が出揃うと考える。
2021年以降の偏光板世界市場の成長材料としては、 (1)本来の偏光板生産量に加え、Afterコロナによる需要増、 (2)中国メーカーを中心としたLCD業界の再編(韓国LCDパネル陣営の生産縮小、中国TVパネル陣営の生産拡大)、 (3)G10.5(10.5世代)パネル生産ラインの本格稼働 、(4)2,300mm幅以上の超広幅偏光板生産ラインによる生産拡大が挙げられる。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2459
調査要綱
1.調査期間: 2020年2月~5月
2.調査対象: 偏光板メーカー、位相差フィルムメーカー、PVA保護フィルムメーカー、表面処理フィルムメーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2020年05月29日
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