業界初の個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う "不動産の達人 株式会社さくら事務所"(東京都渋谷区/社長:大西倫加)。当社ではこれまで浮きや剥離、落下など多くのマンションの外壁タイルの調査・コンサルティングを行ってきました。その多くが施工時の不良に起因するものでした。また、今回あらためてその調査内容を精査したところ、「2005年」「2006年」に竣工したマンションでは、他の時期に比べ多数の外壁タイルトラブルが報告されていたことがわかりました。
2005年、2006年はどのような時代だったのでしょうか?
この時期、新築マンション市場では2003年から土地価格こそ上向いていたものの、デベロッパーは在庫を抱えるリスクを恐れ、土地価格の上昇を分譲価格に転嫁することができずにいました。(その後、抑えられなくなった不動産価格が高騰するのが2007年からリーマンショック前にかけてです)結果として、そのしわ寄せが向かったのがマンションの施工会社でした。コストダウンのために、さまざまな場面で工期短縮、経済合理性、施工効率アップが求められました。奇しくも、マンションの耐震偽装として世間を大きく騒がせた姉歯事件も2005年に起きています。
これらの背景も踏まえ、実際に外壁タイルの施工の現場では何が起きていたのか?その実態について外壁タイルの施工の変遷とともに検証します。くわしい内容やご取材などご希望の方はお気軽に広報室までお問合せください。
<調査概要>
2013年~2019年にさくら事務所で行った外壁タイル瑕疵調査60件
<調査結果サマリー>
・2005年、2006年に竣工したマンションが全体の38%を占める。
1998年~2012年までの平均は4件/竣工年だが、2005年は9件、2006年には14件と多くの不具合が発覚している。
・外壁タイルの不具合が発覚するタイミングとしては「日常的な点検業務による外壁の膨れやタイルが剥落した」というケースのほか、「10年目のアフターサービス保証期限前の調査」や「大規模修繕工事前の調査(劣化診断)」、また「大規模修繕工事実施に伴い足場が設置されてからの調査」の時期が多数見られた。
・施工不良の原因の多くは清掃や目荒しなど下地処理の不良。半数以上の物件で「下地のドライアウト(下地モルタルを塗る際にしっかりと硬化できずに十分な強度が保たれていない状況)」が見られた。そのほかに「貼り付け用モルタルの塗り不足」「タイルの叩き込み不足」などが挙げられ、マンションの外壁タイルとして採用例の多いモザイクタイル張りでは櫛目こての使用による不具合も少なくない。
<公表日>
2020年6月10日
2005年、2006年はどのような時代だったのでしょうか?
この時期、新築マンション市場では2003年から土地価格こそ上向いていたものの、デベロッパーは在庫を抱えるリスクを恐れ、土地価格の上昇を分譲価格に転嫁することができずにいました。(その後、抑えられなくなった不動産価格が高騰するのが2007年からリーマンショック前にかけてです)結果として、そのしわ寄せが向かったのがマンションの施工会社でした。コストダウンのために、さまざまな場面で工期短縮、経済合理性、施工効率アップが求められました。奇しくも、マンションの耐震偽装として世間を大きく騒がせた姉歯事件も2005年に起きています。
これらの背景も踏まえ、実際に外壁タイルの施工の現場では何が起きていたのか?その実態について外壁タイルの施工の変遷とともに検証します。くわしい内容やご取材などご希望の方はお気軽に広報室までお問合せください。
<調査概要>
2013年~2019年にさくら事務所で行った外壁タイル瑕疵調査60件
<調査結果サマリー>
・2005年、2006年に竣工したマンションが全体の38%を占める。
1998年~2012年までの平均は4件/竣工年だが、2005年は9件、2006年には14件と多くの不具合が発覚している。
・外壁タイルの不具合が発覚するタイミングとしては「日常的な点検業務による外壁の膨れやタイルが剥落した」というケースのほか、「10年目のアフターサービス保証期限前の調査」や「大規模修繕工事前の調査(劣化診断)」、また「大規模修繕工事実施に伴い足場が設置されてからの調査」の時期が多数見られた。
・施工不良の原因の多くは清掃や目荒しなど下地処理の不良。半数以上の物件で「下地のドライアウト(下地モルタルを塗る際にしっかりと硬化できずに十分な強度が保たれていない状況)」が見られた。そのほかに「貼り付け用モルタルの塗り不足」「タイルの叩き込み不足」などが挙げられ、マンションの外壁タイルとして採用例の多いモザイクタイル張りでは櫛目こての使用による不具合も少なくない。
<公表日>
2020年6月10日
工期短縮、経済合理性をもとめ、変わってきた外壁タイルの施工の歴史
工期短縮から広まった、コンクリート直貼り方式
タイル張りの下地としては長く、左官工事によりコンクリート面に全面的にモルタルを塗る「モルタル下地」が一般的でしたが、下地モルタルがしっかり乾くまでの養生期間が必要になり、工期短縮のネックになっていました。そこで、徐々にコンクリートへの直貼り(間には貼り付け用の薄いモルタルのみを施工)が採用されるようになりました。
経済合理性のための「塗装合板型枠(パネコート)」が広く普及
また、この時期、「塗装合板型枠(パネコート)」も広く普及するようになります。パネコートは、何度も繰り返し使用できるために経済的であり、表面に薬剤を塗布がしてあるため型枠の脱却もスムーズで、施工効率も大幅にアップしました。
多くのマンションで、この下地処理が不十分なためにトラブルに
ですが、このパネコートを利用したコンクリートは、表面が平滑なため入念な目荒らし(タイルの密着を高めるために表面をザラザラにする)や型枠に付着した薬剤の清掃が重要になります。ここでしっかり、目荒らしや清掃を行わないと、後々、タイルの浮きや剥離につながるのです。実際、多くのマンションで、この目荒らしや清掃などの下地処理が問題で、後に外壁タイルの不具合を起こしています。
くわしくはこちら・・・https://www.s-mankan.com/information/5334/
■不動産の達人 株式会社さくら事務所■ (東京都渋谷区/代表取締役社長:大西倫加) https://www.sakurajimusyo.com/
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、48,000組を超える実績を持っています。
工期短縮から広まった、コンクリート直貼り方式
タイル張りの下地としては長く、左官工事によりコンクリート面に全面的にモルタルを塗る「モルタル下地」が一般的でしたが、下地モルタルがしっかり乾くまでの養生期間が必要になり、工期短縮のネックになっていました。そこで、徐々にコンクリートへの直貼り(間には貼り付け用の薄いモルタルのみを施工)が採用されるようになりました。
経済合理性のための「塗装合板型枠(パネコート)」が広く普及
また、この時期、「塗装合板型枠(パネコート)」も広く普及するようになります。パネコートは、何度も繰り返し使用できるために経済的であり、表面に薬剤を塗布がしてあるため型枠の脱却もスムーズで、施工効率も大幅にアップしました。
多くのマンションで、この下地処理が不十分なためにトラブルに
ですが、このパネコートを利用したコンクリートは、表面が平滑なため入念な目荒らし(タイルの密着を高めるために表面をザラザラにする)や型枠に付着した薬剤の清掃が重要になります。ここでしっかり、目荒らしや清掃を行わないと、後々、タイルの浮きや剥離につながるのです。実際、多くのマンションで、この目荒らしや清掃などの下地処理が問題で、後に外壁タイルの不具合を起こしています。
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■不動産の達人 株式会社さくら事務所■ (東京都渋谷区/代表取締役社長:大西倫加) https://www.sakurajimusyo.com/
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、48,000組を超える実績を持っています。