建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、デザインの専門学校である桑沢デザイン研究所の専任講師、大松俊紀氏との協働により、イタリアのルネサンス期初頭に活躍した彫刻家ブルネレスキの名前を冠した世界に一つだけの椅子「Shades of Brunelleschi」を製作完了し、4月より桑沢デザイン研究所内に設置したことをお知らせします。
本プロジェクトは、昨年5月に同講師との協働で製作した一品物の椅子「Shades of Michelangelo(ミケランジェロ)」に続く第2弾です。今回は、美しさと強度を確保するために、最新の金属加工技術の一つである「ファイバーレーザー溶接技術」を採用し、試行錯誤を重ねてデザインを実現しました。
本プロジェクトは、昨年5月に同講師との協働で製作した一品物の椅子「Shades of Michelangelo(ミケランジェロ)」に続く第2弾です。今回は、美しさと強度を確保するために、最新の金属加工技術の一つである「ファイバーレーザー溶接技術」を採用し、試行錯誤を重ねてデザインを実現しました。
■ 「Shades of Brunelleschi」の特徴
「Shades of Brunelleschi」のデザインは、円弧上になっている椅子の座面が浮いていることが一番の特徴です。座った際の浮遊感を確保するために座面材を薄くする必要があり、また椅子の持ち運びを容易にするために全体を軽量にしつつ、誰でも座れるように強度を確保する必要がありました。
菊川は、部材間の接合方法の工夫など、これまでのオーダーメイド対応のノウハウと最先端の溶接技術の一つである「ファイバーレーザー溶接」を駆使することで、この課題を克服しました。その結果、板厚4.0mmのアルミ材で重さ100kgまで耐えられる椅子が完成しました。
■ 先端技術「ファイバーレーザー溶接」
最新のロボット技術と溶接技術を組み合わせることで、従来の溶接工法に比べて溶接跡やひずみが少なく、かつ高強度な溶接を行う技術です。
菊川では、これまで同技術を使用して長尺や幅広、あるいは特殊形状のパネルを製作しています。例えば、最大幅2.6mで高さ2.7m以上の螺旋階段のブロンズ手摺壁パネル、つなぎ目が分かりにくい幅4.7mで高さ3.3m以上の楕円球面状のステンレス装飾外壁パネル、そしてステンレス鏡面パネルの端部接合などの実績があります。
■ 世界に一つだけの椅子シリーズ、製作経緯と今後について
これまで長尺や特殊形状の金属建材を得意としてきた菊川ですが、昨年インテリア部門を強化する中で、桑沢デザイン研究所の大松氏から菊川の技術でデザインを実現できないか相談を受けました。第1弾の「Shades of Michelangelo」では、最先端の加工技術「インクリメンタル・フォーミング」を採用することで、椅子の製作に成功。2019年夏には、第2弾の椅子製作企画が立ち上がり、約半年の製作期間を経て今回の「Shades of Brunelleschi」が完成しました。
現在は、第3弾の椅子の計画が進行中で、2021年春に3作品を桑沢研究所内にて展示予定です。
◆ 1:桑沢デザイン研究所 概要
1954年にデザイン・ジャーナリスト桑澤洋子氏によって設立された、日本最初のデザイン専門学校。バウハウス思想を継承し、スペース(建築・インテリア・家具)、プロダクト、ファッション、ヴィジュアル(グラフィック)の4つのコースで、あらゆる角度からデザインを学ぶことが出来ます。現在の所長は、グラフィックデザイナーの工藤強勝氏です。
大松俊紀氏は、その中でもスペースデザイン分野の専任講師及び分野責任者として、そして自身のアトリエ「大松俊紀アトリエ」の代表としても活躍されています。
◆ 2:第1弾の椅子「Shades of Michelangelo」
「Shades of Michelangelo」は、楕円上の背板を板厚3mmのアルミで成形し、その全体構造は木製の脚部分と一体化した貫なしのシンプルなデザイン。台座部分の一部仕上げを変えることで、さらなる深みを演出しています。
製作における技術的な難しさは、一枚物で、楕円という非対称的な形状の成形を背板の縁まで行うこと、そして、R部分と平らな部分の境界線を明確にすることに起因していました。
菊川は、最先端の成形加工技術「インクリメンタル・フォーミング」を使うことで、椅子を実現しています。
「インクリメンタル・フォーミング」とは、金型不要な成形加工技術で、従来(金型を必要とする)工法に比べ、より安価で短期な少量多品種の生産を可能にします。菊川では、デザイナーの選択肢を広げる同技術を2016年から製品製作に導入しており、現在も日々、技術研究や設備機能拡張を随時行うことで、活用法を広げています。
■ 菊川工業 会社概要
[社名] 菊川工業株式会社
[代表者] 宇津野 嘉彦 (うつの・よしひこ)
[所在地] 本社:東京都墨田区菊川2-18-12
工場(キクカワテクノプラザ):千葉県白井市中98-15
[設立] 1933年11月1日
[資本金] 1億円
[従業員数] 200名(2019年12月20日現在)
[URL] https://www.kikukawa.com/
「Shades of Brunelleschi」のデザインは、円弧上になっている椅子の座面が浮いていることが一番の特徴です。座った際の浮遊感を確保するために座面材を薄くする必要があり、また椅子の持ち運びを容易にするために全体を軽量にしつつ、誰でも座れるように強度を確保する必要がありました。
菊川は、部材間の接合方法の工夫など、これまでのオーダーメイド対応のノウハウと最先端の溶接技術の一つである「ファイバーレーザー溶接」を駆使することで、この課題を克服しました。その結果、板厚4.0mmのアルミ材で重さ100kgまで耐えられる椅子が完成しました。
■ 先端技術「ファイバーレーザー溶接」
最新のロボット技術と溶接技術を組み合わせることで、従来の溶接工法に比べて溶接跡やひずみが少なく、かつ高強度な溶接を行う技術です。
菊川では、これまで同技術を使用して長尺や幅広、あるいは特殊形状のパネルを製作しています。例えば、最大幅2.6mで高さ2.7m以上の螺旋階段のブロンズ手摺壁パネル、つなぎ目が分かりにくい幅4.7mで高さ3.3m以上の楕円球面状のステンレス装飾外壁パネル、そしてステンレス鏡面パネルの端部接合などの実績があります。
■ 世界に一つだけの椅子シリーズ、製作経緯と今後について
これまで長尺や特殊形状の金属建材を得意としてきた菊川ですが、昨年インテリア部門を強化する中で、桑沢デザイン研究所の大松氏から菊川の技術でデザインを実現できないか相談を受けました。第1弾の「Shades of Michelangelo」では、最先端の加工技術「インクリメンタル・フォーミング」を採用することで、椅子の製作に成功。2019年夏には、第2弾の椅子製作企画が立ち上がり、約半年の製作期間を経て今回の「Shades of Brunelleschi」が完成しました。
現在は、第3弾の椅子の計画が進行中で、2021年春に3作品を桑沢研究所内にて展示予定です。
◆ 1:桑沢デザイン研究所 概要
1954年にデザイン・ジャーナリスト桑澤洋子氏によって設立された、日本最初のデザイン専門学校。バウハウス思想を継承し、スペース(建築・インテリア・家具)、プロダクト、ファッション、ヴィジュアル(グラフィック)の4つのコースで、あらゆる角度からデザインを学ぶことが出来ます。現在の所長は、グラフィックデザイナーの工藤強勝氏です。
大松俊紀氏は、その中でもスペースデザイン分野の専任講師及び分野責任者として、そして自身のアトリエ「大松俊紀アトリエ」の代表としても活躍されています。
◆ 2:第1弾の椅子「Shades of Michelangelo」
「Shades of Michelangelo」は、楕円上の背板を板厚3mmのアルミで成形し、その全体構造は木製の脚部分と一体化した貫なしのシンプルなデザイン。台座部分の一部仕上げを変えることで、さらなる深みを演出しています。
製作における技術的な難しさは、一枚物で、楕円という非対称的な形状の成形を背板の縁まで行うこと、そして、R部分と平らな部分の境界線を明確にすることに起因していました。
菊川は、最先端の成形加工技術「インクリメンタル・フォーミング」を使うことで、椅子を実現しています。
「インクリメンタル・フォーミング」とは、金型不要な成形加工技術で、従来(金型を必要とする)工法に比べ、より安価で短期な少量多品種の生産を可能にします。菊川では、デザイナーの選択肢を広げる同技術を2016年から製品製作に導入しており、現在も日々、技術研究や設備機能拡張を随時行うことで、活用法を広げています。
■ 菊川工業 会社概要
[社名] 菊川工業株式会社
[代表者] 宇津野 嘉彦 (うつの・よしひこ)
[所在地] 本社:東京都墨田区菊川2-18-12
工場(キクカワテクノプラザ):千葉県白井市中98-15
[設立] 1933年11月1日
[資本金] 1億円
[従業員数] 200名(2019年12月20日現在)
[URL] https://www.kikukawa.com/