株式会社ハーパーコリンズ・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役:鈴木幸辰)は、『スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕』(デイヴィッド・エンリッチ[著] / 高崎拓哉[訳])を2020年3月19日に発売することを決定いたしましたのでここにお知らせいたします。
リーマン・ブラザーズの破綻を皮切りに世界で巻き起こった2008年の金融崩壊。多くの銀行や投資家が資金繰りに苦しみ、公的資金が注入されるなか、LIBOR(ライボー・ロンドン銀行間取引金利)の不正操作にかかわる詐欺事件の調査が英米で秘密裏に進められていました。2012年、シティグループ東京支社駐在のトレーダーが容疑者として逮捕され、裁判の末に禁固14年という判決が下りました。
ローンやデリバティブ等の金融商品の根幹を成していたLIBOR。グローバル展開をする投資銀行のトレーダーたちは、同僚やブローカーたちと日常的に連携をとりあい、LIBORを上げ下げすることで大金を手中に収めたとされます。その主犯格の1人が本書の主人公であり、若き日から数学の天才と謳われた英国人のトム・ヘイズ。彼は凄まじいスピードで業界で頭角を現し、銀行に莫大な利益をもたらしました。そしてこの「LIBORスキャンダル」において、初めて有罪判決を受けることになります。
本書はトム・ヘイズの人生に焦点を当てながら、LIBORスキャンダルの全貌と、関係者の行く末までを克明に記録しています。なぜ、そのような悪習がまかり通ったのか、なぜトム・ヘイズが罪に問われることになったのか――。著者は現在の金融業界における規制当局のあり方や、責任に関して明確な線引きがなされない構造的問題にも警鐘を鳴らしています。
2017年にマッキンゼー&フィナンシャル・タイムズ紙が選ぶビジネス書ベスト6入りも果たし、大変注目を浴びた本書。金融業界に携わる方は必読です。
【内容紹介】
2012年、元東京駐在の外資系投資銀行トレーダー、トム・ヘイズが逮捕された。同僚やブローカーたちと共謀し、数年にわたってLIBOR(ライボー・ロンドン銀行間取引金利)の値を不正操作した詐欺容疑で。銀行とヘイズらが莫大な利益と報酬を手に入れた一方、世界の金融市場は破綻し、罪なき一般投資家が猛烈な打撃を受けていた――
若くして数学の才能に目覚めた英国人のトム・ヘイズは、人付き合いが苦手で、システム開発と解析に心血を注ぐ金融業界の変わり者だった。彼はどのようにして犯罪に手を染めることになったのか。そして、彼をとりまく業界の悪弊と強欲、腐敗の実態とは?
敏腕金融記者による圧巻のノンフィクション。
ヘイズと彼の共謀者たち―「スパイダー・ネットワーク」―を捕らえることで明らかになったのは、近代銀行の土台を操作するスキームだけにとどまらない。今回の事件の根幹にあるのは、金融システム、あるいは業界を常に監視するはずのミニマリストで腰の重い規制当局の腐敗と破綻だ。確かにヘイズの倫理観はゆがんでいた。数字と利益に執着し、自分が成果を上げるために他者を道具として利用した。負けている人々は犠牲者ではなく、食いものにされて当然のカモだと思い込んでいた。そして調べれば調べるほど、ある意味でヘイズ自身が食いものにされた側、金融業界全体の無秩序で無謀な振る舞いの全責任を負わされた不幸な男だと思えてきた。(本文より抜粋)
【著者紹介】 デイヴィッド・エンリッチ(DAVID ENRICH)
ニューヨーク・タイムズ紙の金融担当記者。前職はウォール・ストリート・ジャーナル紙の金融企業担当記者で、調査チームを率いていた。それ以前は、ロンドン、ニューヨークでJournal紙の記者を務め、これまでに数々の賞を受賞。2016年には、金融・経済の優れたジャーナリズムに贈られるジェラルド・ローブ賞に輝く。初の著書となる本書『スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件―LIBORスキャンダルの全内幕』は、フィナンシャル・タイムズ紙の年間ベストブック最終選考に残った。マサチューセッツ州レキシントンで育ち、カリフォルニア州のクレアモント・マッケナ・カレッジを卒業。現在はニューヨークに妻と二人の息子と暮らす。
【書誌情報】
『スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕』
デイヴィッド・エンリッチ[著] 高崎拓哉[訳]
判型:四六上製
価格:2,800円(+税)
頁数:p. 480
発売日:2020年3月19日
ISBN:978-4-596-55153-5 C0033
ローンやデリバティブ等の金融商品の根幹を成していたLIBOR。グローバル展開をする投資銀行のトレーダーたちは、同僚やブローカーたちと日常的に連携をとりあい、LIBORを上げ下げすることで大金を手中に収めたとされます。その主犯格の1人が本書の主人公であり、若き日から数学の天才と謳われた英国人のトム・ヘイズ。彼は凄まじいスピードで業界で頭角を現し、銀行に莫大な利益をもたらしました。そしてこの「LIBORスキャンダル」において、初めて有罪判決を受けることになります。
本書はトム・ヘイズの人生に焦点を当てながら、LIBORスキャンダルの全貌と、関係者の行く末までを克明に記録しています。なぜ、そのような悪習がまかり通ったのか、なぜトム・ヘイズが罪に問われることになったのか――。著者は現在の金融業界における規制当局のあり方や、責任に関して明確な線引きがなされない構造的問題にも警鐘を鳴らしています。
2017年にマッキンゼー&フィナンシャル・タイムズ紙が選ぶビジネス書ベスト6入りも果たし、大変注目を浴びた本書。金融業界に携わる方は必読です。
【内容紹介】
2012年、元東京駐在の外資系投資銀行トレーダー、トム・ヘイズが逮捕された。同僚やブローカーたちと共謀し、数年にわたってLIBOR(ライボー・ロンドン銀行間取引金利)の値を不正操作した詐欺容疑で。銀行とヘイズらが莫大な利益と報酬を手に入れた一方、世界の金融市場は破綻し、罪なき一般投資家が猛烈な打撃を受けていた――
若くして数学の才能に目覚めた英国人のトム・ヘイズは、人付き合いが苦手で、システム開発と解析に心血を注ぐ金融業界の変わり者だった。彼はどのようにして犯罪に手を染めることになったのか。そして、彼をとりまく業界の悪弊と強欲、腐敗の実態とは?
敏腕金融記者による圧巻のノンフィクション。
ヘイズと彼の共謀者たち―「スパイダー・ネットワーク」―を捕らえることで明らかになったのは、近代銀行の土台を操作するスキームだけにとどまらない。今回の事件の根幹にあるのは、金融システム、あるいは業界を常に監視するはずのミニマリストで腰の重い規制当局の腐敗と破綻だ。確かにヘイズの倫理観はゆがんでいた。数字と利益に執着し、自分が成果を上げるために他者を道具として利用した。負けている人々は犠牲者ではなく、食いものにされて当然のカモだと思い込んでいた。そして調べれば調べるほど、ある意味でヘイズ自身が食いものにされた側、金融業界全体の無秩序で無謀な振る舞いの全責任を負わされた不幸な男だと思えてきた。(本文より抜粋)
【著者紹介】 デイヴィッド・エンリッチ(DAVID ENRICH)
ニューヨーク・タイムズ紙の金融担当記者。前職はウォール・ストリート・ジャーナル紙の金融企業担当記者で、調査チームを率いていた。それ以前は、ロンドン、ニューヨークでJournal紙の記者を務め、これまでに数々の賞を受賞。2016年には、金融・経済の優れたジャーナリズムに贈られるジェラルド・ローブ賞に輝く。初の著書となる本書『スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件―LIBORスキャンダルの全内幕』は、フィナンシャル・タイムズ紙の年間ベストブック最終選考に残った。マサチューセッツ州レキシントンで育ち、カリフォルニア州のクレアモント・マッケナ・カレッジを卒業。現在はニューヨークに妻と二人の息子と暮らす。
【書誌情報】
『スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕』
デイヴィッド・エンリッチ[著] 高崎拓哉[訳]
判型:四六上製
価格:2,800円(+税)
頁数:p. 480
発売日:2020年3月19日
ISBN:978-4-596-55153-5 C0033