2019年12月09日 09:30

エヌピーディー・ジャパン、最新スポーツシューズ・アパレル市場レポート「倹約Z世代(Generation Z)を獲得する3つの方法」を公表

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国内の市場規模と消費者購買情報が分かるスポーツシューズ・アパレル市場情報サービス『Japan Sports Tracker ※1』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:トーマス・リンチ)が、米国のZ世代※2に関する分析を12月9日に発表します。

本分析では、大きく以下のことが分かります。米国で27%を占める最大層であるZ世代の注目と消費を得るために、米国の優秀なマーケターが2019年に何をしたのかを紹介します。 The NPD GroupのPOS調査や消費者調査等から分析した、Z世代の3つの特徴(1. オンラインよりも実店舗重視、2. ビデオゲームコンテンツの活用、3. 目的と利便性を求める)と、それに対するZ世代を勝ち取るための3つの方法を紹介します。

Z世代は、現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまでで、米国人口の27%を占めています。この世代が社会人となった時に、いかに購買を増やすかが特に重要になります。Z世代は倹約世代と言われ、GMS(総合小売店)はこの世代を獲得するのに苦戦を強いられてきました。




1. オンラインよりも実店舗重視
オンラインショッピングは、依然として実店舗の成長を上回っているものの、依然としてほとんどのカテゴリーで実店舗が売上の大半を占めています。The NPD Groupのアパレル業界アナリストのMaria Rugoloは、「Z世代は、一般的な商品全般に渡って店頭で購買する傾向を持っている(図表1)」と述べています。 これは、クレジットカードの所有率が低いことが理由の1つと考えられます。当面、ブランドと小売業者は、Z世代獲得のために店舗戦略に重点を置く必要があると言えます。
店舗では、小売業者がユニークな商品の品揃えをすることでZ世代にアピールしています。The NPD Groupのスポーツアパレル・シューズ業界アドバイザーのMatt Powellは「Z世代は、ユニークなブランドによって作られたユニークな製品を、ユニークに販売することを欲している」と話しています。弊社のRetail Tracking Serviceによると、最近、ある小売業者が他店では入手できないブランドを販売したところ、何年も売上減が続いていたランニングシューズの売上が増加に転じました。



店舗での動向を把握するために、弊社の消費者レシート調査Checkoutのデータを見てみます。2018年5月~2019年4月までの12ヶ月間において、Z世代の中で購入人口が最も多いアパレルブランドトップ10を見てみると、これらのブランドのほとんどは前年に比べて購入率が下がっていました。しかしアディダスは例外で、前年同期の伸び率を上回りました。なぜアディダスは、他の大手ブランドが苦戦を強いられている中で伸びたのでしょうか。
その答えは、「アディダスのeコマースDTC事業(Direct To Consumer:直販)のプロモーションと関係があると思われ、特に消費者のYeezyライン※3に対する関心が高まっているからだ」と、前述のMatt Powellは説明しています。 限られた供給数と多彩なカラーラインナップで、アディダスは独自のDTCサイトを通じてYeezyラインとしてブランドを確立し、派手なソーシャルメディアキャンペーンを展開してきました。前述したようにZ世代消費者の大部分がクレジットカードを持っておらず、eコマース/デジタル戦略は直接的な購入先となっていません。つまり、この世代はソーシャルメディア/ブランドを通じて製品を学び、店内で購入することが一般的だと言えます。Z世代の消費者の店舗への依存性を考慮すると、特にブランドや小売業者はZ世代をターゲットとした時には、オンラインとオフラインの世界を融合・連携することが重要です。


2. ビデオゲームコンテンツの活用
Z世代はデジタル環境にどっぷり浸かったと言える最初の世代であり、「ビデオゲームが若いゲーマーの生活の他の部分にまで広がっていくのは当然のことだ」とEEDAR (The NPD Goupの子会社)の消費者調査ディレクターであるDr. Heather Nofzigerは話します。
13-17歳の米国少年の3分の2近くは、ビデオゲームをプレイすることに加えて、ビデオサービスであるTwitchやYouTubeなどのコンテンツを視聴するようになりました(EEDAR’s 2018/2019 Consumer Segmentation reportより)。Dr. Heather Nofzigerは「その一方で、この年齢層の少女たちは、少年よりもゲームをする可能性が低いとされているが、少女たちもゲーマー中のかなりの割合を占めている」と述べています。また、ゲームコンテンツの平均視聴時間は、週7時間であることが、この調査で明らかになりました。The NPD Groupのビデオゲーム業界アナリストのMat Piscatellaは、「ゲーマーたちはお気に入りのストリーマー(自分のゲーム体験を放送するゲーマーたち)を見ています。 ゲーマーはこれらの動画を見て、自分たちのプレイの参考にしています」。 実際、ストリーマーを視聴するゲーマーの51%が、これらのビデオを視聴してゲームプレイを改善しているとEEDARの研究報告が報じています。





また、ゲームはZ世代視聴者にリーチするための新たな接点となっています。 Fortnite(ゲーム)の開発社であるEpic GamesとNikeは、NikeのJordan Brandシューズがゲームに登場するために提携しました。 この提携により、Fortniteのプレイヤー(多くの場合、Z世代)は、ナイキの” スキン”(キャラの見た目が変えられるコスチューム)を購入することでキャラクターのコーディネートをカスタマイズできるようになりました。この動きは、オンラインでビデオゲームコンテンツを再生・視聴する人々の間で急増し、人気のあるストリーマーは、YouTubeで3,000,000以上のビューを記録しました。 Nikeの手法はZ世代にアピールするための賢明な方法であり、店舗ではZ世代のフットウェア購入頻度が8%減少したものの、1購入あたりの支出は前年比5%増(The NPD Group Checkoutより)となりました。従来型の広告は客数を上げることが難しいため、ブランドや小売業者はカテゴリーに関わらず、最新のデジタルコンテンツへの広告宣伝に力を入れ、Z世代の実店舗への来店と、ブランドとの関係を深めるオフラインエクスペリエンスを提供することを検討すべきであると言えます。


3. 目的と利便性を求める
「食はライフスタイルの一部です」とThe NPD Groupフード業界アドバイザーのDavid Portalatinは話します。 2019年6月のCivicScience pollの調査結果に示されたように、Z世代のうち19%は食に対して非常に興味があり(ミレニアル世代※4においては、同16%)、彼らにとって食は生活習慣とアイデンティティにおいて重要な部分であると言えます。Z世代は食を重視し、目的意識が高まっています。 この意識が消費にどのように繋がっているのか、また家庭内でどのような食品が伸びているのかを、弊社National Dining Trends(R)サービスで見てみます。
Z世代で消費が伸びている食品として、アジアやヒスパニックなどのエスニック料理がありました。Portalatinは、「この世代は、以前の世代よりもグローバルな環境にあり、多様なクラスメイトと共に育った。その結果、Z世代は食を通じて世界の探検を求める」と話しています。
また、Z世代は、食事に対して利便性を重視しています。 The NPD GroupのDelivering Digital Convenience Reportによると、Z世代によるデリバリー注文が2018年1-12月で5億5200万件となり、それに対してミレニアル世代はたった100万件でした。 これは、Z世代の一部は自分で注文できる年齢に達していないことを考えると、大きな驚きです。サンドイッチファストフードチェーンのJimmy Johnは、ホームページに目的と利便性のメッセージを効果的に組み込んでいます。ウェブサイトには「私共は新鮮な食材だけを使っています。毎日焼いて6時間以内にスライスしたパンを使用して、30秒以内でおいしいサンドイッチを作ることができる」と掲載されています。このチェーンは、Z世代に対してよくアピール、獲得していると弊社のCREST(R)データにも表れています。

Z世代がマーケットにおいて重要性を増すにつれて、小売業者やブランドは、Z世代に魅力を訴えるべく、デジタルや店頭で体験できるようにすることが重要です。優秀なマーケターは、ソーシャルメディア、DTC、デジタルコンテンツ、店内体験を活用して、この世代を引き込むための新たな方法を模索しています。購入意欲を解き放ち、ロイヤルティを獲得するためには、ブランドと小売業者が、”シームレスなデジタル体験、目的、利便性”をZ世代にアピールすることが求められます。




*1 Japan Sports Tracker
スポーツシューズ・アパレル市場における全国の消費者購買行動を時系列で把握できる日本で唯一の消費者パネルデータベースです。市場のトレンドやビジネスチャンスを特定し売上を伸ばすために必要な、製品トレンドと消費者動向について包括的な情報が得られます。カテゴリー、ブランド、アイテムレベルで自社製品、競合他社製品のパフォーマンスを分析できます。
詳細URL: http://www.npdjapan.com/solutions/sports/


*2 Generation Z(Z世代)
アメリカで990年代半ばから2000年代前半生まれの世代を指し、省略して「Gen Z」または「Gen Zers」と呼ばれる。年齢で言えば現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまで。Z世代はすでにアメリカ人口の27%を占め、現時点でアメリカの最大層。

*3 Yeezyライン
2013年11月、デザイナーとしても活動するラッパー・プロデューサーのKanye West(カニエ・ウェスト)は、Nikeから離れ、新たに契約したadidasから発表したのが、YEEZY(イージー)ライン。現在、5シーズン目を迎えたこのコラボレーションは、フットウェアからアパレル、アクセサリーまでをラインナップしている。

*4 Millennials(ミレニアル世代)
アメリカにおいてアメリカ合衆国において1980年代序盤から1990年代中盤(または2000年代序盤)までに生まれた世代。ジェネレーションYとも呼ばれる。現在20代半ばから30代後半。



■本件に関するお問い合せ先
エヌピーディー・ジャパン株式会社
担当:加藤 拓真(かとう たくま)
〒108-0074 東京都港区高輪3-23-17 品川センタービル8F
TEL : 03-5798-7663
FAX : 03-5798-7665
Email : npdjapan.info@npd.com

■会社概要
会社名 エヌピーディー・ジャパン株式会社
英名 NPD Japan Ltd.
設立年月日 2003年 3月 31日
所在地 〒108-0074 東京都 港区高輪 3-23-17品川センタービル8F
TEL (03) 5798 - 7663
FAX (03) 5798 - 7665
資本金 80,000,000円
株主 The NPD Group Inc. (100%)
代表者 トーマス・リンチ
所属団体 一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会

※記載内容(リンク先を含む)のサービスや表現の適法性について、ドリームニュースでは関知しておらず確認しておりません。

  • 趣味、旅行、レジャー、スポーツ

会社概要

商号
サカーナ・ジャパン株式会社(サカーナ・ジャパンカブシキガイシャ)
代表者
クリストス・クリストフォロー(クリストス・クリストフォロー)
所在地
〒108-0023
東京都港区芝浦3-6-5  Biz Feel 田町 2F
TEL
03-5798-7663
業種
リサーチ
上場先
未上場
会社HP
http://www.npdjapan.com/

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