建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、2016年9月から進めてきた平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業が本年3月に終了し、2019年5月31日に最終報告書を提出したことをお知らせします。
本件は、金型を使わない大板金属の3次元成形技術を自動化する研究を国立大学法人福井大学(工学部工学研究科)と行っていたもので、経済産業省関東経済産業局より補助事業として採択されたものです。今回の報告書では、目標形状の自動化を達成できたことを中心に記しています。今後、菊川はこれらの基礎技術をもとに、3次元製品に活用できるよう、さらに研究してまいります。
■研究開発成果(報告書に記載)
□3次元データから目標形状の鞍形を成形し専用フレームに固定することで、目標形状数値を達成。
□主たる開発技術として、3次元データからロボットを可動させ、計測システムが目標数値とのズレを計測し、ズレを再度3次元加工で調整する一連の動作を繰り返すことで目標数値に近づくことを確認。
□目標形状においては、自動化などの人員削減などにより、従来加工法に比べて、生産性が大幅に向上。
■背景と研究の目標
建築業界では3次元CADの発達やBIM*1の普及により、国際的に自由曲線を多用した建築設計デザインが増えています。自由曲線を実現する製品の需要が高まっていく中で、3次元板金加工技術の効率化が求められています。
従来の加工方法では、熟練の職人の経験に頼る加工や大型のプレス加工が主流であるため、2次元加工の6~10倍の加工時間やコストを要していました。
そこで、3次元形状板金加工の需要増大に対応するために、短時間・低コストで3次元加工を行う様々な加工技術の研究を2011年より行って来ました。その結果、ピーン成形*2技術を応用した3次元パネル自動成形技術の研究開発が平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択されました。
金型を必要としない、少量多品種や大板の製品にも対応できる3次元加工技術の自動化を図り、これ迄の作業時間の90%以上削減を2019年に実現することを目標としていました。
*1 BIM(Building Information Modeling): 建物の3次元デジタルモデルに、外観・構造や設備情報といった情報を追加し、一つのデータベースを構築し、これを基に設計・施工から維持管理などの建築ビジネス業務を行うことで、効率化や品質確保などの効果が期待されています。
*2 ピーン成形:微小鉄玉を板金の表面に吹き付けることで3次元冷間成形する板金加工技術の名称。
【上部画像は、3次元加工事例 イギリス・ロンドン/ブルームバーグ本社 外装フィンの写真。下部画像は、開発技術の概要。】
■今後の課題
今回の研究開発成果は、目標形状に対してであり、目標となる鞍型の板厚・材質・寸法・ねじれ具合など、さまざまな条件を洗い出し、加工手順を研究し、データをノウハウとして蓄積していくことで実現しました。そのため、同条件ではない他形状の成形においては、さらなる研究やノウハウを蓄積していく必要があります。
菊川は、同技術の実用化に向けて、さらに研究を進め、技術精度を向上させていくことで、加工方法の拡充を図り、3次元加工製品製作の時間やコスト削減に、努めていきます。
■補助金概要
○補助金名:戦略的基盤技術高度化支援事業*3
○補助事業期間:2016年9月~2019年3月
○事業主体:経済産業省、関東経済産業局
○研究開発計画名:ショットブラスト(ピーン成形*2)による金属大板の自由形状をダイレス*4自動成形する技術の開発
○主たる技術区分:立体造形
○連携機関:国立大学法人福井大学
○事業管理機関 :公益財団法人千葉県産業振興センター
*3 戦略的基盤技術高度化支援事業:経済産業省公募による、「中小企業の新しい研究開発から販路開拓までの取り組みを補助金などにより支援する事業」。平成28年度関東経済産業局管内では、菊川工業を含む35件が事業採択されました。
*4 ダイレス成形:金型を使用せずに製品を成形する技術の名称。
本件は、金型を使わない大板金属の3次元成形技術を自動化する研究を国立大学法人福井大学(工学部工学研究科)と行っていたもので、経済産業省関東経済産業局より補助事業として採択されたものです。今回の報告書では、目標形状の自動化を達成できたことを中心に記しています。今後、菊川はこれらの基礎技術をもとに、3次元製品に活用できるよう、さらに研究してまいります。
■研究開発成果(報告書に記載)
□3次元データから目標形状の鞍形を成形し専用フレームに固定することで、目標形状数値を達成。
□主たる開発技術として、3次元データからロボットを可動させ、計測システムが目標数値とのズレを計測し、ズレを再度3次元加工で調整する一連の動作を繰り返すことで目標数値に近づくことを確認。
□目標形状においては、自動化などの人員削減などにより、従来加工法に比べて、生産性が大幅に向上。
■背景と研究の目標
建築業界では3次元CADの発達やBIM*1の普及により、国際的に自由曲線を多用した建築設計デザインが増えています。自由曲線を実現する製品の需要が高まっていく中で、3次元板金加工技術の効率化が求められています。
従来の加工方法では、熟練の職人の経験に頼る加工や大型のプレス加工が主流であるため、2次元加工の6~10倍の加工時間やコストを要していました。
そこで、3次元形状板金加工の需要増大に対応するために、短時間・低コストで3次元加工を行う様々な加工技術の研究を2011年より行って来ました。その結果、ピーン成形*2技術を応用した3次元パネル自動成形技術の研究開発が平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択されました。
金型を必要としない、少量多品種や大板の製品にも対応できる3次元加工技術の自動化を図り、これ迄の作業時間の90%以上削減を2019年に実現することを目標としていました。
*1 BIM(Building Information Modeling): 建物の3次元デジタルモデルに、外観・構造や設備情報といった情報を追加し、一つのデータベースを構築し、これを基に設計・施工から維持管理などの建築ビジネス業務を行うことで、効率化や品質確保などの効果が期待されています。
*2 ピーン成形:微小鉄玉を板金の表面に吹き付けることで3次元冷間成形する板金加工技術の名称。
【上部画像は、3次元加工事例 イギリス・ロンドン/ブルームバーグ本社 外装フィンの写真。下部画像は、開発技術の概要。】
■今後の課題
今回の研究開発成果は、目標形状に対してであり、目標となる鞍型の板厚・材質・寸法・ねじれ具合など、さまざまな条件を洗い出し、加工手順を研究し、データをノウハウとして蓄積していくことで実現しました。そのため、同条件ではない他形状の成形においては、さらなる研究やノウハウを蓄積していく必要があります。
菊川は、同技術の実用化に向けて、さらに研究を進め、技術精度を向上させていくことで、加工方法の拡充を図り、3次元加工製品製作の時間やコスト削減に、努めていきます。
■補助金概要
○補助金名:戦略的基盤技術高度化支援事業*3
○補助事業期間:2016年9月~2019年3月
○事業主体:経済産業省、関東経済産業局
○研究開発計画名:ショットブラスト(ピーン成形*2)による金属大板の自由形状をダイレス*4自動成形する技術の開発
○主たる技術区分:立体造形
○連携機関:国立大学法人福井大学
○事業管理機関 :公益財団法人千葉県産業振興センター
*3 戦略的基盤技術高度化支援事業:経済産業省公募による、「中小企業の新しい研究開発から販路開拓までの取り組みを補助金などにより支援する事業」。平成28年度関東経済産業局管内では、菊川工業を含む35件が事業採択されました。
*4 ダイレス成形:金型を使用せずに製品を成形する技術の名称。