2019年03月12日 15:00

映画『エマの瞳』(3/23・土)公開に先立ち、ナポリ映画学校映画史・マスメディア史教員よりレビュー到着! 

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シルヴィオ・ソルディーニ監督 × 主演・ヴァレリア・ゴリノ
豪華スタッフ・キャストが、<みること><みえること>の意味を問う野心作
映画『エマの瞳』3月23日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!
公開に先立ち、ナポリ映画学校映画史・マスメディア史教員
ジュゼッペ・コッツォリーノ氏よりレビュー到着!

ヴェネチア国際映画祭2017にてアウト・オブ・コンペティション部門正式出品、
オルデンブルグ映画祭2017正式出品、ゲント国際映画祭2017正式出品、
スイス映画祭2018作品賞ノミネート、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ2018主演女優賞
ノミネートなど、数々の映画賞に正式出品され好評を博した、
イタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督の最新作『エマの瞳』が、
いよいよ3月23日(土)より新宿武蔵野館ほか全国公開を迎えます。

本作は、イタリア・ローマを舞台に、盲目で視覚が<みえない>が自立して生きるエマと、
内面を<みつめる>ことに臆病な広告マンでプレイボーイのテオが出逢い、
傷つけ合いながらも変化していく、大人の恋の行方を描く珠玉のラブ・ストーリー。

エマを熱演したのは、ヴェネチア国際映画祭で2度の主演女優賞に輝き、『レインマン』(88)、
『あるいは裏切りという名の犬』(04)などで知られる、
イタリアを代表する演技派女優、ヴァレリア・ゴリノ。
テオを演じるのは、名優ジャンカルロ・ジャンニーニの息子、アドリアーノ・ジャンニーニ。
魅力的な主人公のエマは、ソルディーニ監督が前作の目の見えない人々の姿を追ったドキュメンタリー、
『多様な目』で出会った、チェロ弾きの学生や企業家、彫刻家などさまざまな分野で生きる
盲目でありながらも毅然と生きる人びとに触発されて作り上げたキャラクター。

このリアリティ溢れる盲目の人々のエピソードを交えた大人の恋愛劇は、
本国イタリアでもスマッシュヒットを記録。
盲目の女性が主人公でありながら、ある一組のありふれた恋愛に仕立て、
映画を観た者にこれまでと違った日常を見せてくれる、そんな一品となっている。

この度、公開に先立ち、ナポリ映画学校映画史・マスメディア史教員
ジュゼッペ・コッツォリーノ氏よりレビューが到着!
3月12日(火)に解禁いたしました。
この「イタリアにおける視覚障がい者の社会参加と視覚障がい映画の変遷」と
題されたレビューは、映画『エマの瞳』が、
視覚障がいを扱った映画を新たな世界へと導いていることを証明している。

イタリアにおける視覚障がい者の社会参加と視覚障がい映画の変遷

2017年、イタリア保健省は、失明予防および視力回復と視覚障がい者の社会参加に関する
284号法(1997年公布)に基づいて講じられた、同国内の施策の実態と現状についての報告書を作成。
これを国会へ提出した。報告書によれば、イタリアにおける失明者の数は減少しているが、
弱視や視覚疾患を訴える高齢者は増加しているとのこと。
同じく、政府中央統計局(ISTAT)は、同年、盲人数は36万人、
弱視者の数は150万人(このうち6割は50才以上)と発表している。
また、2010年から2030年の間には、人口の高齢化に伴い、
目の見えない人の数は25パーセント上昇することが予想されている。
イタリアに限らず、どの先進国においても、加齢性黄斑変性、緑内障、
糖尿病性網膜症などの加齢による眼疾患が、失明と視覚障害の最たる要因になっている。
このゆゆしい問題を前に、行政と各関係団体は、高齢者のみならず若年層をも対象に、
失明を防ぐべくさまざまな取り組みを推し進めてきた。
そしてまた、常に非凡なまなざしで世界を切りとる映画製作者たちも、
見えない世界をテーマにシナリオを興味深く熟成させ、
視覚障がい者の社会的な認知に尽くしてきたのではないだろうか。
視覚障がい者を主人公にすえた意欲作として、最も有名なものには、
ディーノ・リージ監督の『女の香り』(1974年)が挙げられる。
ヴィットリオ・ガスマン主演のイタリア式コメディだ。
ガスマンは、本作でカンヌ映画祭主演男優賞を受賞、
映画は、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』として、
1992年、アル・パチーノ主演でハリウッドリメイクされている。
また、故郷ボローニャにこだわり、甘美な郷愁漂う古き良きイタリアを描きつづける、
プーピ・アヴァティ監督の『心は彼方に』(2003年)。
さえない中年男と事故で失明した美しい盲人女性との切なく悲しい純愛物語である。
そして、研ぎ澄まされた聴力で自然を仰ぐ、盲目の少年を描いた
クリスティアーノ・ポルトーネ監督の『ミルコのひかり』(2006年)は、
イタリア映画界きっての盲目のサウンド・デザイナー、ミルコ・メンカッチの少年時代の話。
そして、ここに紹介する『エマの瞳』は、これまでの作品にありがちな、
障がい者の能力を称賛したり、彼らの境遇へ同情を向けるようなものではない。
2000年に公開された『べニスで恋して』で、世界的な評判を博し、
日本でもその名を知られるようになった本作のシルビオ・ソルディーニ監督は、
数年前に盲目の人の日常を追ったドキュメンタリー『多様な目』を撮影した。
その経験を踏まえて、わたしたちにとっては“特別な”彼らの日常を、
わたしたちの恋愛という“ありがちな”日常と交差させ、
わたしたちにとっても“特別”でないものにさせること。
それが、監督の一つの狙いであり、これまでの障がいを扱った作品とは
違うものに仕上がっているといえる。

ジュゼッペ・コッツォリーノ
ナポリ映画学校 映画史・マスメディア史教員


<STORY>
自立して生きる盲目の女性・エマと、典型的なプレイボーイ・テオ。
相反する二人が織りなす、ヒューマン・ラブストーリー

イタリア、ローマ。広告代理店に勤めるテオは、典型的なプレイボーイ。
恋人、愛人、家族とは適度な距離を置いて向き合わないままに、仕事漬けの毎日を送っている。
暗闇の中を白杖で進むダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)のワークショップに参加した彼は、
アテンドスタッフとして働いていた盲目の女性・エマの声に魅せられる。
思春期に視力を失った彼女は、フランス人の夫と離婚したのち、
オステオパシー(理学療法士)の施術者として自立して生きている女性だった。
テオは急速に彼女に惹かれていく。
ふたりは関係を深めていくが、テオは恋人グレタと向き合えないままだった。
そして、テオとエマがスーパーマーケットで一緒の所に、グレタが鉢合わせしてしまう。
テオがグレタに「ボランティアをしている」と言い訳していたことを知り、深く傷ついたエマは…。

監督・原案・脚本:シルヴィオ・ソルディーニ(『ベニスで恋して』)
出演:ヴァレリア・ゴリノ(『レインマン』『はじまりの街』) 、
アドリアーノ・ジャンニーニ(『スウェプト・アウェイ』)
原案・脚本:ドリアーナ・レオンデフ、ダヴィデ・ランティエーリ
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館
2017年/イタリア・スイス/カラー/117分/イタリア語/
原題:Il colore nascosto delle cose
配給:マンシーズエンターテインメント
http://www.emmahitomi.net

映画『エマの瞳』は、3月23日(土)より
新宿武蔵野館、横浜シネマ・ジャック&ベティほかにて全国順次ロードショー!

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  • 2019年03月12日 15:00
  • 福祉
  • エンターテイメント、文化、芸能

会社概要

商号
株式会社マンシーズエンターテインメント(カブシキガイシャマンシーズエンターテインメント)
代表者
矢吹 満(ヤブキ ミツル)
所在地
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6-34-20-1F 
TEL
03-6450-5867
業種
エンターテイメント
上場先
未上場

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