株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、人工知能(AI)を用いて、NRIが提供する「インサイトシグナル※1」サービスで収集しているシングルソースデータ※2を分析することにより、テレビCMの効果を高い精度で予測するモデル(以下「本予測モデル」)を開発しました。
本予測モデルの主な特長は、以下のとおりです。
■ テレビCMの放映前に効果を予測
本予測モデルは、制作された未公開のテレビCMについて、「どの程度の広告効果が見込めるか」を予測することが可能です。具体的には、当該テレビCMを放映した場合、そのCMがきちんと認知されるのか、そのCMによって消費者の購入・利用意向がどの程度上がるかについて、それぞれ「CM認知スコア※3」「購入・利用意向スコア※4」という数値で、定量的に予測します。
さらに、色彩、タレント表示時間、商品表示時間、BGM、カット数などを変更した場合、どの程度、広告効果が改善するかについて、シミュレーションできます。
■ 約3万サンプルのシングルソースデータに基づく高い予測精度
本予測モデルを用いて、テレビCMによる広告効果を予測したところ、CM認知スコアについては95.3%、購入・利用意向スコアについては91.3%という精度で、正解率※5を判定することができました。
これは、過去に「インサイトシグナル」で取り扱った約3万サンプルの消費者から得られた広告効果データと、203事例のテレビCMについて画像解析や音声解析など複数の手法を組み合わせて特徴量を抽出したデータとを紐づけ、これらのデータを機械学習したAIによって両者の関係性を明らかにしたものです。また、機械学習における過学習※6を回避するために、交差検証(クロスバリデーション)※7なども実施しており、本予測モデルが広告効果の予測に利用できる精度を持っていることを検証しています。
図表 テレビCMの効果予測モデルの全体像
なお、「インサイトシグナル」では、AIを利用してユーザ企業のマーケティング担当者自身が、より高精度かつ多様な視点で、自社で放映する予定のテレビCMについて事前に効果予測ができるサービスを、2018年度中に提供開始する予定です。
NRIは、今後もテレビCMの効果測定結果を蓄積し、解析・予測の精度を高めていきます。
※1 インサイトシグナル(Insight Signal):
NRIが提供する広告効果測定プログラム。広告やPRなどのプロモーション施策について、NRI独自のデータを基に分析・評価するサービスであり、媒体選定・クリエイティブ作成から、KPI設定やPDCA構築まで支援するものです。
※2 シングルソースデータ:
同一対象者から、一定期間におけるメディアへの接触状況と消費・購買行動を収集したデータです。個人単位で、広告による認知や購買への影響度を分析できるメリットがあります。
※3 CM認知スコア:
テレビCMの覚えやすさを示す指標である、「10Freq認知率」(あるテレビCMに10回接触した時に、消費者がその広告を「知っている」と回答する割合)をスコア化したものです。
※4 購入・利用意向スコア:
広告への接触によって、消費者がその広告で扱っている商品等を買いたくなる・利用したくなる効果をスコア化したものです。広告に接触した消費者(接触群)における、事前-事後の購入意向等の推移・変化(差分)から、広告に接触しなかった消費者(対照群)における、同時期の変化(差分)を引く(差分の差分を算出する)ことによって、購入意向等に与える広告だけの純粋な効果を測定する、「差分の差分」方式により測定しています。
※5 正解率:
機械学習に用いたデータにおける、「AIによる予測結果」と「実際の測定結果」が一致している割合です。「10Freq認知率」、「差分の差分による購入・利用意向への効果」のそれぞれについて、実際の測定結果を「平均以上」、「平均未満」の2分類で指標化し、予測結果と比較した正解率を算出しています。
※6 過学習:
機械学習において、一般的なケースについての予測ではなく、用意したデータ・セットに特化した予測をしてしまう現象を指します。
※7 交差検証(クロスバリデーション):
機械学習に用いたデータだけに特化した学習結果にならないよう、一部の学習データをあえて分離し、学習していないデータに対しても予測精度が担保されるかどうかを検証する手法です。
NRIは、今後もテレビCMの効果測定結果を蓄積し、解析・予測の精度を高めていきます。
※1 インサイトシグナル(Insight Signal):
NRIが提供する広告効果測定プログラム。広告やPRなどのプロモーション施策について、NRI独自のデータを基に分析・評価するサービスであり、媒体選定・クリエイティブ作成から、KPI設定やPDCA構築まで支援するものです。
※2 シングルソースデータ:
同一対象者から、一定期間におけるメディアへの接触状況と消費・購買行動を収集したデータです。個人単位で、広告による認知や購買への影響度を分析できるメリットがあります。
※3 CM認知スコア:
テレビCMの覚えやすさを示す指標である、「10Freq認知率」(あるテレビCMに10回接触した時に、消費者がその広告を「知っている」と回答する割合)をスコア化したものです。
※4 購入・利用意向スコア:
広告への接触によって、消費者がその広告で扱っている商品等を買いたくなる・利用したくなる効果をスコア化したものです。広告に接触した消費者(接触群)における、事前-事後の購入意向等の推移・変化(差分)から、広告に接触しなかった消費者(対照群)における、同時期の変化(差分)を引く(差分の差分を算出する)ことによって、購入意向等に与える広告だけの純粋な効果を測定する、「差分の差分」方式により測定しています。
※5 正解率:
機械学習に用いたデータにおける、「AIによる予測結果」と「実際の測定結果」が一致している割合です。「10Freq認知率」、「差分の差分による購入・利用意向への効果」のそれぞれについて、実際の測定結果を「平均以上」、「平均未満」の2分類で指標化し、予測結果と比較した正解率を算出しています。
※6 過学習:
機械学習において、一般的なケースについての予測ではなく、用意したデータ・セットに特化した予測をしてしまう現象を指します。
※7 交差検証(クロスバリデーション):
機械学習に用いたデータだけに特化した学習結果にならないよう、一部の学習データをあえて分離し、学習していないデータに対しても予測精度が担保されるかどうかを検証する手法です。