本プレスリリースは2017年11月1日にニールセンの米国本社から配信された英語版の抄訳です。
世界最大のマーケティング調査会社[1]ニールセン(日本法人:ニールセン カンパニー合同会社、本社:東京都港区、社長:福徳 俊弘)の最新の消費者行動分析報告書によると、FMCG(日用消費財)製品におけるオンライン販売の成長が著しく、今後5年以内にオンラインでの売上がオフライン売上を超える見通しです。
2017年11月1日に公開されたニールセンの報告書「Eコマースのこれから(原題: What’s Next in e-commerce)」では、FMCG部門でオンライン購入を行う消費者の最新トレンドに注目し、オンラインで消費する流れが世界的に強まっていることを指摘しています。FMCGはこれまで、電子機器、モバイルグッズ、旅行をはじめとする他部門の後を追うポジションにありましたが、オンライン購入によって、今後そうした傾向が変わっていくと記しています。
Eコマースの導入には、小売のためのインフラと供給体制、環境および文化的側面(クレジットカード詐欺等)、ラストマイル(一般家庭までの最終区間)を支える物流といった既存の障壁があります。小売業者と製造業者がそうした問題を次々に解決していく中で、FMCGのEコマースは急激な成長を見せています。成長につながったこれらの側面は、「いつでもどこでも」という便利さを求める消費者の急増で、さらに強化されています。
FMCGの全世界の小売売上高全体の伸び率は現在年間4%程度ですが、Eコマースでの総売上高は、2020年までに20%の成長(2.1兆ドルの増加)が見込まれています。[2]
こうした状況について、ニールセンのグロース・マーケット Eコマース部門代表Prashant Singh(プラシャント・シン)は次のように述べています。
「FMCG部門はこれまで世界的に低成長もしくはゼロ成長でしたが、現在は力強い成長の兆しが見えています。これはもっぱらEコマースによるものです。また、FMCG部門の成長要因がオンラインチャネルに移行していく中、小売店やブランドにとっては、根本的なドライバーやインフルエンサーを把握し、それらをもとに適切な包括的デジタル戦略を開発していくことがますます重要になっていくでしょう」。
シンによると、Eコマースの世界的な成長トレンドに大きな影響を与えている4大インフルエンサーは次の通りです:
1.Eコマースは急速に成長しているが、その要因は1つではない:
より手軽な情報へのアクセスや端末のつながりやすさが消費者行動の転換に重要な役割を果たしており、全体として、スマートフォンの普及がEコマースの潜在的成長の先行指標となっています。しかし、スマートフォンの広範な普及のみがEコマースの浸透をもたらしたとは言えません。文化的側面と市場の機微もまた、消費者のオンライン行動とオフライン行動に影響を及ぼしていると考えられます。
2.1つの例外を除き、ドライバーとバリアーは表裏一体:
ほとんどの国で、Eコマース購入の動機は便利さですが、例外的に米国では損得が動機となっています。逆に言うと、Eコマースに対する障壁を精査する際の3つの主な検討事項は次の通りです。
1つ目は、食料品でもアパレルでも、購入前に現物を吟味したいという欲求。
2つ目は、小売店が新鮮なものを提供するだろうかという点での信頼性の欠如。
3つ目は、店頭購入する品物に対し、オンライン購入する品物に品質レベルでの懸念があること。小売店が消費者にEコマースでお金を使ってもらうためには、これらの障壁を取り除く必要があります。
3.小売Eコマースでは、入手しにくい食料品を揃えられるかどうかが成功へのカギ :
小売店にとって食料品を扱うことは究極の目標ですが、Eコマース販売ではまだまだ普及していません。オンラインFMCG部門の成功には、食料品の品揃えが決め手となります。
4.オムニチャネルの消費者にアピールする:
小売Eコマースで消費者にオンライン購入を決断させる条件は、便利さ、価格・価値、品揃え、カスタマーエクスペリエンスです。魅力ある Eコマース戦略を立てるためには、小売店は、これら4つの各ドライバーで期待を上回ることを目指す必要があります。
シンは次のようにまとめています。「小売部門は、転機となるタイミングを繰り返し迎えています。利益率の高いリアル店舗と、まだ利益率の低いオンライン店舗のバランスを変えるには、思い切りと確信と洞察が必要です。これから利益を得ていくのは、計算されたリスクを積極的にとる者です。成長株は、オンラインチャネルに傾いていくでしょう」。
※ 調査報告書「What’s Next in e-commerce」の原文はこちらからご覧ください。
http://www.nielsen.com/us/en/insights/reports/2017/whats-next-in-e-commerce.html
※ なお、本調査報告書に関するWebinar(オンライン・セミナー)が11月23日、日本時間午後3時より行われます。ニールセンのグロース・マーケット Eコマース部門代表Prashant Singh(プラシャント・シン)による英語での講演となります。
詳細、お申込みはこちらから。https://event.on24.com/eventRegistration/EventLobbyServlet?target=lobby20.jsp&eventid=1524225&sessionid=1&key=4557F1832379F7B270DFE673C5B60D2F&eventuserid=183632128
[1] ESOMAR Industry Report “Global Market Research 2016”調べ
[2] 全世界のEコマース市場規模: “The eMarketer Forecast for 2016” e-Marketer調べ
ニールセンについて
Nielsen Holdings plc(NYSE: NLSN)は、世界的なマーケティング調査会社として消費者の視聴行動、購買行動の分析を行っています。視聴行動分析部門は、メディア・広告企業向けに各種デバイス上での動画・音声・テキストのコンテンツおよび広告視聴動向を把握するトータルオーディエンス測定などを提供しています。購買行動分析部門は、消費財メーカーや小売企業を対象に業界で他に類を見ない世界規模のリテールパフォーマンス分析などを提供しています。視聴行動分析、購買行動分析を他のデータと組み合わせた世界レベルの測定・分析により、ニールセンはクライアントのパフォーマンス向上を支援します。S&P 500企業として、世界人口の90%を網羅する100カ国以上に拠点を有しています。詳細は当社ウェブサイトをご覧ください: www.nielsen.com
世界最大のマーケティング調査会社[1]ニールセン(日本法人:ニールセン カンパニー合同会社、本社:東京都港区、社長:福徳 俊弘)の最新の消費者行動分析報告書によると、FMCG(日用消費財)製品におけるオンライン販売の成長が著しく、今後5年以内にオンラインでの売上がオフライン売上を超える見通しです。
2017年11月1日に公開されたニールセンの報告書「Eコマースのこれから(原題: What’s Next in e-commerce)」では、FMCG部門でオンライン購入を行う消費者の最新トレンドに注目し、オンラインで消費する流れが世界的に強まっていることを指摘しています。FMCGはこれまで、電子機器、モバイルグッズ、旅行をはじめとする他部門の後を追うポジションにありましたが、オンライン購入によって、今後そうした傾向が変わっていくと記しています。
Eコマースの導入には、小売のためのインフラと供給体制、環境および文化的側面(クレジットカード詐欺等)、ラストマイル(一般家庭までの最終区間)を支える物流といった既存の障壁があります。小売業者と製造業者がそうした問題を次々に解決していく中で、FMCGのEコマースは急激な成長を見せています。成長につながったこれらの側面は、「いつでもどこでも」という便利さを求める消費者の急増で、さらに強化されています。
FMCGの全世界の小売売上高全体の伸び率は現在年間4%程度ですが、Eコマースでの総売上高は、2020年までに20%の成長(2.1兆ドルの増加)が見込まれています。[2]
こうした状況について、ニールセンのグロース・マーケット Eコマース部門代表Prashant Singh(プラシャント・シン)は次のように述べています。
「FMCG部門はこれまで世界的に低成長もしくはゼロ成長でしたが、現在は力強い成長の兆しが見えています。これはもっぱらEコマースによるものです。また、FMCG部門の成長要因がオンラインチャネルに移行していく中、小売店やブランドにとっては、根本的なドライバーやインフルエンサーを把握し、それらをもとに適切な包括的デジタル戦略を開発していくことがますます重要になっていくでしょう」。
シンによると、Eコマースの世界的な成長トレンドに大きな影響を与えている4大インフルエンサーは次の通りです:
1.Eコマースは急速に成長しているが、その要因は1つではない:
より手軽な情報へのアクセスや端末のつながりやすさが消費者行動の転換に重要な役割を果たしており、全体として、スマートフォンの普及がEコマースの潜在的成長の先行指標となっています。しかし、スマートフォンの広範な普及のみがEコマースの浸透をもたらしたとは言えません。文化的側面と市場の機微もまた、消費者のオンライン行動とオフライン行動に影響を及ぼしていると考えられます。
2.1つの例外を除き、ドライバーとバリアーは表裏一体:
ほとんどの国で、Eコマース購入の動機は便利さですが、例外的に米国では損得が動機となっています。逆に言うと、Eコマースに対する障壁を精査する際の3つの主な検討事項は次の通りです。
1つ目は、食料品でもアパレルでも、購入前に現物を吟味したいという欲求。
2つ目は、小売店が新鮮なものを提供するだろうかという点での信頼性の欠如。
3つ目は、店頭購入する品物に対し、オンライン購入する品物に品質レベルでの懸念があること。小売店が消費者にEコマースでお金を使ってもらうためには、これらの障壁を取り除く必要があります。
3.小売Eコマースでは、入手しにくい食料品を揃えられるかどうかが成功へのカギ :
小売店にとって食料品を扱うことは究極の目標ですが、Eコマース販売ではまだまだ普及していません。オンラインFMCG部門の成功には、食料品の品揃えが決め手となります。
4.オムニチャネルの消費者にアピールする:
小売Eコマースで消費者にオンライン購入を決断させる条件は、便利さ、価格・価値、品揃え、カスタマーエクスペリエンスです。魅力ある Eコマース戦略を立てるためには、小売店は、これら4つの各ドライバーで期待を上回ることを目指す必要があります。
シンは次のようにまとめています。「小売部門は、転機となるタイミングを繰り返し迎えています。利益率の高いリアル店舗と、まだ利益率の低いオンライン店舗のバランスを変えるには、思い切りと確信と洞察が必要です。これから利益を得ていくのは、計算されたリスクを積極的にとる者です。成長株は、オンラインチャネルに傾いていくでしょう」。
※ 調査報告書「What’s Next in e-commerce」の原文はこちらからご覧ください。
http://www.nielsen.com/us/en/insights/reports/2017/whats-next-in-e-commerce.html
※ なお、本調査報告書に関するWebinar(オンライン・セミナー)が11月23日、日本時間午後3時より行われます。ニールセンのグロース・マーケット Eコマース部門代表Prashant Singh(プラシャント・シン)による英語での講演となります。
詳細、お申込みはこちらから。https://event.on24.com/eventRegistration/EventLobbyServlet?target=lobby20.jsp&eventid=1524225&sessionid=1&key=4557F1832379F7B270DFE673C5B60D2F&eventuserid=183632128
[1] ESOMAR Industry Report “Global Market Research 2016”調べ
[2] 全世界のEコマース市場規模: “The eMarketer Forecast for 2016” e-Marketer調べ
ニールセンについて
Nielsen Holdings plc(NYSE: NLSN)は、世界的なマーケティング調査会社として消費者の視聴行動、購買行動の分析を行っています。視聴行動分析部門は、メディア・広告企業向けに各種デバイス上での動画・音声・テキストのコンテンツおよび広告視聴動向を把握するトータルオーディエンス測定などを提供しています。購買行動分析部門は、消費財メーカーや小売企業を対象に業界で他に類を見ない世界規模のリテールパフォーマンス分析などを提供しています。視聴行動分析、購買行動分析を他のデータと組み合わせた世界レベルの測定・分析により、ニールセンはクライアントのパフォーマンス向上を支援します。S&P 500企業として、世界人口の90%を網羅する100カ国以上に拠点を有しています。詳細は当社ウェブサイトをご覧ください: www.nielsen.com