スリーシェルズは11月11日「菊池俊輔音楽祭」で上演する音楽について、
その魅力を今堀拓也(音楽祭で編曲を担当した作曲家)が紹介する動画を10月20日に公開した。
幾つかにわけられた動画は、コンサートではオーケストラで演奏される楽曲の数々について、編曲の今堀拓也がピアノを弾きながら聴き所を紹介・解説する形式のものである。いずれも菊池俊輔を語る上でかかせない傑作であり、作曲活動55年、生誕86年の記念コンサートへの期待が高まる。
バビル2世、ゲッターロボなど、菊池俊輔作曲の名曲の数々を今堀拓也がピアノで解説
■バビル2世について(今堀拓也による解説)
聴き所をピアノで紹介
https://youtu.be/XO--SeoFRdI
■ゲッターロボについて(今堀拓也による解説)
聴き所をピアノで紹介、菊池俊輔の不思議な響きの秘密
https://youtu.be/VnLOD6tGNzQ
■菊池俊輔の旋法について(今堀拓也による解説)
聴き所をピアノで紹介
仮面ライダー
暴れん坊将軍
新造人間キャシャーン
仮面ライダーV3
https://youtu.be/mdnHDMc_nNs
■ゲッターロボエンディングについて(今堀拓也による解説)
ピアノで紹介
弦楽器の魅力について
グレンダイザーをピアノで紹介
https://youtu.be/bQXBS_QeB1Q
選曲構成について
ゲッターロボ
(菊池俊輔作曲、今堀拓也編曲、貴日ワタリ選曲・構成)
A-1オープニング
H-3合体訓練
G-5悲しみ
I-3不気味
I-10大危機
J-2ゲット・マシン発進!
I-8戦闘
I-9空中戦
B-1エンディング
バビル2世
(菊池俊輔作曲、今堀拓也編曲、貴日ワタリ選曲・構成)
A-1 超能力大作戦
L-1 サブタイトル
D-1 一輪の花
A-3 現実となった伝説
G-5 悪魔の野望
H-4 悪魔の再挑戦
F-9 悪魔の猛威
G-1 ポセイドン出撃
D-5 とべ、ロプロス ロデムをのせて
G-3 反撃・エネルギー衝撃波!
B-1 決死の攻防(メロオケ)
コンサートチケットはカンフェティにて販売中。
カンフェティチケットセンター
質問窓口:03-6228-1630(営業時間:平日10時~18時)
チケット購入:0120-240-540(営業時間:平日10時~18時)
web販売(24時間 セブンイレブンなどでの発券が可能です)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=40985
宣伝動画
菊池俊輔音楽祭について その2
https://youtu.be/uPoPr7CblYA
菊池俊輔音楽祭について その1
https://youtu.be/ut8Hiua5QQA
菊池俊輔音楽祭について
ドラえもん、ドラゴンボール、ゲッターロボ、バビル2世、仮面ライダー、暴れん坊将軍などの音楽を作った作曲家。アニメ・特撮・映画音楽の世界的巨匠である菊池俊輔。まさに日本音楽界の伝説といえましょう。その作曲活動55周年・生誕86年を祝う記念のオーケストラコンサートが渋谷で開催されます。「ゲッターロボ」「ドラえもん」「ドラゴンボールZ」「バビル2世」などアニメ音楽の傑作BGMと代表作のテーマや主題歌をオーケストラで上演します。
音楽祭の狙い
誰もが知る主題歌だけでなく、BGMにも焦点をあてて、ダイナミックでカラフルなサウンドとメロディーの美しさを聴けます。普段、意識していなくても「あ!この曲知っている!」というBGMをプロオーケストラの迫力ある演奏でお届けします。
組曲について
BGMには数分、数秒の曲がいくつもありますが音楽的な流れやストーリーをイメージできるよう違和感のない「組曲」として演奏します。オーケストラのコンサートに馴染みがなくても、楽しめる内容をめざしています。バトルシーンの盛り上がり、平和な街の叙情音楽。感動・感涙のラスト音楽など、聴くだけでアニメの映像が浮かんでくる懐かしさがあり、一般でも楽しめるコンサートです。
その魅力を今堀拓也(音楽祭で編曲を担当した作曲家)が紹介する動画を10月20日に公開した。
幾つかにわけられた動画は、コンサートではオーケストラで演奏される楽曲の数々について、編曲の今堀拓也がピアノを弾きながら聴き所を紹介・解説する形式のものである。いずれも菊池俊輔を語る上でかかせない傑作であり、作曲活動55年、生誕86年の記念コンサートへの期待が高まる。
バビル2世、ゲッターロボなど、菊池俊輔作曲の名曲の数々を今堀拓也がピアノで解説
■バビル2世について(今堀拓也による解説)
聴き所をピアノで紹介
https://youtu.be/XO--SeoFRdI
■ゲッターロボについて(今堀拓也による解説)
聴き所をピアノで紹介、菊池俊輔の不思議な響きの秘密
https://youtu.be/VnLOD6tGNzQ
■菊池俊輔の旋法について(今堀拓也による解説)
聴き所をピアノで紹介
仮面ライダー
暴れん坊将軍
新造人間キャシャーン
仮面ライダーV3
https://youtu.be/mdnHDMc_nNs
■ゲッターロボエンディングについて(今堀拓也による解説)
ピアノで紹介
弦楽器の魅力について
グレンダイザーをピアノで紹介
https://youtu.be/bQXBS_QeB1Q
選曲構成について
ゲッターロボ
(菊池俊輔作曲、今堀拓也編曲、貴日ワタリ選曲・構成)
A-1オープニング
H-3合体訓練
G-5悲しみ
I-3不気味
I-10大危機
J-2ゲット・マシン発進!
I-8戦闘
I-9空中戦
B-1エンディング
バビル2世
(菊池俊輔作曲、今堀拓也編曲、貴日ワタリ選曲・構成)
A-1 超能力大作戦
L-1 サブタイトル
D-1 一輪の花
A-3 現実となった伝説
G-5 悪魔の野望
H-4 悪魔の再挑戦
F-9 悪魔の猛威
G-1 ポセイドン出撃
D-5 とべ、ロプロス ロデムをのせて
G-3 反撃・エネルギー衝撃波!
B-1 決死の攻防(メロオケ)
コンサートチケットはカンフェティにて販売中。
カンフェティチケットセンター
質問窓口:03-6228-1630(営業時間:平日10時~18時)
チケット購入:0120-240-540(営業時間:平日10時~18時)
web販売(24時間 セブンイレブンなどでの発券が可能です)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=40985
宣伝動画
菊池俊輔音楽祭について その2
https://youtu.be/uPoPr7CblYA
菊池俊輔音楽祭について その1
https://youtu.be/ut8Hiua5QQA
菊池俊輔音楽祭について
ドラえもん、ドラゴンボール、ゲッターロボ、バビル2世、仮面ライダー、暴れん坊将軍などの音楽を作った作曲家。アニメ・特撮・映画音楽の世界的巨匠である菊池俊輔。まさに日本音楽界の伝説といえましょう。その作曲活動55周年・生誕86年を祝う記念のオーケストラコンサートが渋谷で開催されます。「ゲッターロボ」「ドラえもん」「ドラゴンボールZ」「バビル2世」などアニメ音楽の傑作BGMと代表作のテーマや主題歌をオーケストラで上演します。
音楽祭の狙い
誰もが知る主題歌だけでなく、BGMにも焦点をあてて、ダイナミックでカラフルなサウンドとメロディーの美しさを聴けます。普段、意識していなくても「あ!この曲知っている!」というBGMをプロオーケストラの迫力ある演奏でお届けします。
組曲について
BGMには数分、数秒の曲がいくつもありますが音楽的な流れやストーリーをイメージできるよう違和感のない「組曲」として演奏します。オーケストラのコンサートに馴染みがなくても、楽しめる内容をめざしています。バトルシーンの盛り上がり、平和な街の叙情音楽。感動・感涙のラスト音楽など、聴くだけでアニメの映像が浮かんでくる懐かしさがあり、一般でも楽しめるコンサートです。
菊池俊輔作品の魅力、および海外における菊池俊輔作品の受容 今堀拓也
私の人生の最初期のテレビ番組の記憶として刷り込まれた音楽の中の多くを占める菊池俊輔先生の楽曲は、アニメでは私の生まれた1978年に放送開始した「ドラえもん」(テレビ朝日版)をはじめ、「忍者ハットリくん」(1981年)、「Dr. スランプ アラレちゃん」(同年の旧版)、「オバケのQ太郎」(1985年の第3作)、「ついでにとんちんかん」(1988年)、「キテレツ大百科」(同年)、またドラマでは「暴れん坊将軍」「赤いシリーズ」(の再放送を昼間に母親と一緒に見ていた)など、多くの番組が挙げられます。その一方で「ゲッターロボ」(1974年)や「UFOロボ グレンダイザー」(1975年)の本放送ではまだ生まれていませんでしたが、これらは1990年代にゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズの劇中BGMとして親しみ、そしてそれが菊池先生の他の楽曲、自分の生まれる前の特撮番組などにも興味を伸ばすきっかけとなりました。
今回はお話をいただき、「ゲッターロボ組曲」「バビル2世組曲」、そしてさらにオープニングメドレーとしてコンサート前半部分の編曲をお任せいただきました。編曲に際しては、菊池先生の原曲をできる限り尊重しつつ、スタジオ録音ではなくホールでの演奏会として効果的なサウンドを心がけました。菊池先生に昔からの感謝と尊敬の念を込めてこの編曲スコアを献呈したいと思います。
菊池先生の音楽の魅力は、様々な技法によって彩られています。例えば、主に金管楽器の和音は付加6度(ドミソの上に6度のラが乗る)が多用され、また単なる短調ではなくドリア旋法(短調の6度が半音上がった旋法、白鍵のレミファソラシドレに相当)であることも多いです。今回の曲目では特に「新造人間キャシャーン」は全曲にわたって用いられており、「暴れん坊将軍」や「ゲッターロボ」オープニングの終盤の和音もそれに当てはまります。また金管楽器が華やかに活躍するイメージの多い菊池先生の音楽ですが、それぞれの曲ごとに違った特徴のあるオーケストレーション(編曲技術の中でも特にオーケストラを扱うためのそれぞれの楽器法や、それらの組み合わせ方)が施されています。今回の曲目の中では「バビル2世」(オープニング)と「UFOロボ グレンダイザー」はホルンを主体としており、トランペット中心の他の曲目とは一味違う響きをもたらしています。
弦楽器の使い方も特徴的です。疾走感溢れる16分音符の細かい動きが出てくると、菊池先生の曲だとすぐわかるほどです。曲の終わりや節目に挿入されるティンパニのソロも、かっこよさを演出する重要な要素です。
このように男性的でアグレッシブな雰囲気の曲が多い菊池先生のレパートリーですが、一方で「ミラクル少女リミットちゃん」「クレクレタコラ」「5年3組魔法組」などを経て「ドラえもん」に繋がる可愛らしい系統の音楽も少なからずあり、その原点は今回演奏されるアニメデビュー作「宇宙パトロールホッパ」で確認できるでしょう。
さて1970年代後半から1980年代前半にかけて、加算・減算合成のアナログシンセサイザーが徐々に廉価となって世の中に普及していきました。特に1983年には世界初のFM(周波数変調)シンセサイザーとして発売されたヤマハDX7が世界的にヒットし、また同時期にサンプラー(数秒間の短い音を録音し、それを鍵盤上で音程をつけて演奏させる)といった、それまでにない新しい音色技術を持つデジタルシンセサイザーも現れました。それらの技術を応用した音、例えばオーケストラル・ヒット(オーケストラ全体の「ジャン」と鳴る和音、例えばあるクラシック曲の録音の終わり数秒の和音を、一つのサンプル音としてシンセサイザーに取り込み、その鍵盤上でジャンジャンジャンと連続的に演奏させる音。今回は青島佳祐さん編曲担当の「ドラゴンボールZ」組曲に出てくるようです)などの新しい音色も生まれました。世界中の商業音楽がそれらを積極的に取り込む転換期に入ったのです。
菊池先生の音楽も主に編曲における音色の面に於いて、この時期にだいぶ様変わりします。「忍者ハットリくん」冒頭の時代劇風のブラスファンファーレと対照的に現れる「新しい音」としてのグリッサンドするシンセサイザーや、「Dr. スランプ アラレちゃん」主題歌「ワイワイワールド」(編曲たかしまあきひこ氏)でピキュキューンと鳴るシモンズ社製のエレクトロニックドラムは、特に記憶に残る音でしょう。その一方で、ファゴットやトロンボーンなどの低音とかけ離れた高音のピッコロをユニゾンで重ねる特徴的なオーケストレーション(これはロッシーニの喜歌劇「アルジェのイタリア女」序曲や、諧謔的な意味を持つショスタコーヴィチの「交響曲第4番」第3楽章などにも見られる、喜劇的特徴を目立たせるための伝統的なクラシック音楽の技法です)は、1978年の「ドラえもん」や上述のアラレちゃんはもとより、1980年代後期の「ついでにとんちんかん」などにも継続して見られ、またそれによって劇伴(BGM)のみでも菊池先生とわかる特徴がよく出ており、伝統的なオーケストラ書法にも精通した一面ものぞかせます。
60年代の映画デビューから70, 80, 90, そして2000年代(中でも2005年の新版「赤い疑惑」は特筆されるでしょう)と時代が進む中で、その時々の流行を取り入れつつ、菊池ブランドと皆がわかる自身の語法を確立された菊池先生の歩んでこられた足跡に、頭の下がる思いがします。
さて話変わって、私はフランス、スイスを経て現在イタリアに在住していますので、ヨーロッパにおける菊池先生の音楽の受容についてお話ししたいと思います。
日本のアニメは1970年代より徐々に、そして1980年代から爆発的に海外に紹介されました。日本で1970年代に放送されたものも、1980年代になって輸出された作品も多くあります。もちろん、ドラゴンボール(Zや後の続編も含む)やドラえもんは世界的なヒットを飛ばした作品ですが、菊池先生が作曲された多くの他の作品も、海外で放送されています。
それらの多くは主題歌が独自のものに差し替えになっていますが、劇伴BGMは、ハイジ(日本版は渡部岳夫氏の作曲ですが、イタリアを含め海外の多くの国ではドイツ版の音源を使用)などわずかな例外を除き、大抵はオリジナルの音源がそのまま使用されています。
その中でも主題歌も含めて日本と同じ音楽を使っている作品が、1980年代の初期まで(及びオリジナル志向が浸透した2010年代の最近作)において、数例ながら見られます。
新造人間キャシャーンは、イタリアで「Kyashan, il ragazzo androide キャシャーン、アンドロイドの少年」というタイトルで、日本語のオープニングのまま、つまり菊池先生の曲、ささきいさお氏の歌のまま放送されました。各地方局での放送で全国局ではなかったため、必ずしも広く知られているわけではありませんが、(私の周りも含めて)一部に熱狂的なファンがいて、日本でのリメイク作品も支持され、DVDも発売されています。
UFOロボ グレンダイザーは、フランスではゴルドラークGoldorakと呼ばれ、平均視聴率75%、最大視聴率100%という驚異的な数字を出し爆発的な人気を誇った作品で、今でも広く認知されています。
主題歌「とべ!グレンダイザー」は、まず菊池先生のオリジナルのオケ録音がそのまま使われ、曲の題名は「Accours vers nous, prince de l’espace 駆けつけろ、宇宙の王子」と題してフランス語で歌われました。同時にエンディング「宇宙の王者グレンダイザー」も「Va combattre ton ennemi 汝の敵と戦え」と題し、オリジナルのオケ録音の上にフランス語で歌われました。しかしこれらが使われたのは初期の放送に限られています。その後映画用に総集編が作られ、フランス独自の曲がつけられましたが、それ以降のテレビの再放送は、再び菊池先生の曲が用いられました。と言ってもアレンジは変わって80年代初頭に流行した加算合成シンセサイザー主体の編曲となり、歌詞も新しく作り直されて 「Goldorak, la legende d’Actarus ゴルドラーク、アクタリュスの伝説」と改題されました。アクタリュスは主人公デューク・フリードのフランス語版での名前です。エンディングもメロディは同じままアレンジが作り直され、「Le Prince de l’espace 宇宙の王子」と改題されています。ちなみに私がパリのIRCAMという研究所にいた時、地下のスタジオでフランス人たちと一緒にフランス語と日本語でグレンダイザー(ゴルドラーク)をノリノリで合唱したことは、忘れ難き思い出です。
イタリアでもほぼ同じくゴルドラーケGoldrake(dとrの間にoがなく末尾にeがある)という名で放送されましたが、こちらの主題歌はイタリア独自の曲に差し替えられました。聞くところによると、イラクでも広い支持を得ており、戦火の絶えないイラクで唯一国民が共感できる話題だとも言われているそうです。またその他多くの国で放送されているようで、それぞれ主題歌は変わっても劇伴BGMは変わらないので、いずれまた機会があれば、今度はグレンダイザーの組曲編曲に携わり、フランスやイタリア、その他多くの国の人たちにも聞いてもらいたいと思っています。
私の人生の最初期のテレビ番組の記憶として刷り込まれた音楽の中の多くを占める菊池俊輔先生の楽曲は、アニメでは私の生まれた1978年に放送開始した「ドラえもん」(テレビ朝日版)をはじめ、「忍者ハットリくん」(1981年)、「Dr. スランプ アラレちゃん」(同年の旧版)、「オバケのQ太郎」(1985年の第3作)、「ついでにとんちんかん」(1988年)、「キテレツ大百科」(同年)、またドラマでは「暴れん坊将軍」「赤いシリーズ」(の再放送を昼間に母親と一緒に見ていた)など、多くの番組が挙げられます。その一方で「ゲッターロボ」(1974年)や「UFOロボ グレンダイザー」(1975年)の本放送ではまだ生まれていませんでしたが、これらは1990年代にゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズの劇中BGMとして親しみ、そしてそれが菊池先生の他の楽曲、自分の生まれる前の特撮番組などにも興味を伸ばすきっかけとなりました。
今回はお話をいただき、「ゲッターロボ組曲」「バビル2世組曲」、そしてさらにオープニングメドレーとしてコンサート前半部分の編曲をお任せいただきました。編曲に際しては、菊池先生の原曲をできる限り尊重しつつ、スタジオ録音ではなくホールでの演奏会として効果的なサウンドを心がけました。菊池先生に昔からの感謝と尊敬の念を込めてこの編曲スコアを献呈したいと思います。
菊池先生の音楽の魅力は、様々な技法によって彩られています。例えば、主に金管楽器の和音は付加6度(ドミソの上に6度のラが乗る)が多用され、また単なる短調ではなくドリア旋法(短調の6度が半音上がった旋法、白鍵のレミファソラシドレに相当)であることも多いです。今回の曲目では特に「新造人間キャシャーン」は全曲にわたって用いられており、「暴れん坊将軍」や「ゲッターロボ」オープニングの終盤の和音もそれに当てはまります。また金管楽器が華やかに活躍するイメージの多い菊池先生の音楽ですが、それぞれの曲ごとに違った特徴のあるオーケストレーション(編曲技術の中でも特にオーケストラを扱うためのそれぞれの楽器法や、それらの組み合わせ方)が施されています。今回の曲目の中では「バビル2世」(オープニング)と「UFOロボ グレンダイザー」はホルンを主体としており、トランペット中心の他の曲目とは一味違う響きをもたらしています。
弦楽器の使い方も特徴的です。疾走感溢れる16分音符の細かい動きが出てくると、菊池先生の曲だとすぐわかるほどです。曲の終わりや節目に挿入されるティンパニのソロも、かっこよさを演出する重要な要素です。
このように男性的でアグレッシブな雰囲気の曲が多い菊池先生のレパートリーですが、一方で「ミラクル少女リミットちゃん」「クレクレタコラ」「5年3組魔法組」などを経て「ドラえもん」に繋がる可愛らしい系統の音楽も少なからずあり、その原点は今回演奏されるアニメデビュー作「宇宙パトロールホッパ」で確認できるでしょう。
さて1970年代後半から1980年代前半にかけて、加算・減算合成のアナログシンセサイザーが徐々に廉価となって世の中に普及していきました。特に1983年には世界初のFM(周波数変調)シンセサイザーとして発売されたヤマハDX7が世界的にヒットし、また同時期にサンプラー(数秒間の短い音を録音し、それを鍵盤上で音程をつけて演奏させる)といった、それまでにない新しい音色技術を持つデジタルシンセサイザーも現れました。それらの技術を応用した音、例えばオーケストラル・ヒット(オーケストラ全体の「ジャン」と鳴る和音、例えばあるクラシック曲の録音の終わり数秒の和音を、一つのサンプル音としてシンセサイザーに取り込み、その鍵盤上でジャンジャンジャンと連続的に演奏させる音。今回は青島佳祐さん編曲担当の「ドラゴンボールZ」組曲に出てくるようです)などの新しい音色も生まれました。世界中の商業音楽がそれらを積極的に取り込む転換期に入ったのです。
菊池先生の音楽も主に編曲における音色の面に於いて、この時期にだいぶ様変わりします。「忍者ハットリくん」冒頭の時代劇風のブラスファンファーレと対照的に現れる「新しい音」としてのグリッサンドするシンセサイザーや、「Dr. スランプ アラレちゃん」主題歌「ワイワイワールド」(編曲たかしまあきひこ氏)でピキュキューンと鳴るシモンズ社製のエレクトロニックドラムは、特に記憶に残る音でしょう。その一方で、ファゴットやトロンボーンなどの低音とかけ離れた高音のピッコロをユニゾンで重ねる特徴的なオーケストレーション(これはロッシーニの喜歌劇「アルジェのイタリア女」序曲や、諧謔的な意味を持つショスタコーヴィチの「交響曲第4番」第3楽章などにも見られる、喜劇的特徴を目立たせるための伝統的なクラシック音楽の技法です)は、1978年の「ドラえもん」や上述のアラレちゃんはもとより、1980年代後期の「ついでにとんちんかん」などにも継続して見られ、またそれによって劇伴(BGM)のみでも菊池先生とわかる特徴がよく出ており、伝統的なオーケストラ書法にも精通した一面ものぞかせます。
60年代の映画デビューから70, 80, 90, そして2000年代(中でも2005年の新版「赤い疑惑」は特筆されるでしょう)と時代が進む中で、その時々の流行を取り入れつつ、菊池ブランドと皆がわかる自身の語法を確立された菊池先生の歩んでこられた足跡に、頭の下がる思いがします。
さて話変わって、私はフランス、スイスを経て現在イタリアに在住していますので、ヨーロッパにおける菊池先生の音楽の受容についてお話ししたいと思います。
日本のアニメは1970年代より徐々に、そして1980年代から爆発的に海外に紹介されました。日本で1970年代に放送されたものも、1980年代になって輸出された作品も多くあります。もちろん、ドラゴンボール(Zや後の続編も含む)やドラえもんは世界的なヒットを飛ばした作品ですが、菊池先生が作曲された多くの他の作品も、海外で放送されています。
それらの多くは主題歌が独自のものに差し替えになっていますが、劇伴BGMは、ハイジ(日本版は渡部岳夫氏の作曲ですが、イタリアを含め海外の多くの国ではドイツ版の音源を使用)などわずかな例外を除き、大抵はオリジナルの音源がそのまま使用されています。
その中でも主題歌も含めて日本と同じ音楽を使っている作品が、1980年代の初期まで(及びオリジナル志向が浸透した2010年代の最近作)において、数例ながら見られます。
新造人間キャシャーンは、イタリアで「Kyashan, il ragazzo androide キャシャーン、アンドロイドの少年」というタイトルで、日本語のオープニングのまま、つまり菊池先生の曲、ささきいさお氏の歌のまま放送されました。各地方局での放送で全国局ではなかったため、必ずしも広く知られているわけではありませんが、(私の周りも含めて)一部に熱狂的なファンがいて、日本でのリメイク作品も支持され、DVDも発売されています。
UFOロボ グレンダイザーは、フランスではゴルドラークGoldorakと呼ばれ、平均視聴率75%、最大視聴率100%という驚異的な数字を出し爆発的な人気を誇った作品で、今でも広く認知されています。
主題歌「とべ!グレンダイザー」は、まず菊池先生のオリジナルのオケ録音がそのまま使われ、曲の題名は「Accours vers nous, prince de l’espace 駆けつけろ、宇宙の王子」と題してフランス語で歌われました。同時にエンディング「宇宙の王者グレンダイザー」も「Va combattre ton ennemi 汝の敵と戦え」と題し、オリジナルのオケ録音の上にフランス語で歌われました。しかしこれらが使われたのは初期の放送に限られています。その後映画用に総集編が作られ、フランス独自の曲がつけられましたが、それ以降のテレビの再放送は、再び菊池先生の曲が用いられました。と言ってもアレンジは変わって80年代初頭に流行した加算合成シンセサイザー主体の編曲となり、歌詞も新しく作り直されて 「Goldorak, la legende d’Actarus ゴルドラーク、アクタリュスの伝説」と改題されました。アクタリュスは主人公デューク・フリードのフランス語版での名前です。エンディングもメロディは同じままアレンジが作り直され、「Le Prince de l’espace 宇宙の王子」と改題されています。ちなみに私がパリのIRCAMという研究所にいた時、地下のスタジオでフランス人たちと一緒にフランス語と日本語でグレンダイザー(ゴルドラーク)をノリノリで合唱したことは、忘れ難き思い出です。
イタリアでもほぼ同じくゴルドラーケGoldrake(dとrの間にoがなく末尾にeがある)という名で放送されましたが、こちらの主題歌はイタリア独自の曲に差し替えられました。聞くところによると、イラクでも広い支持を得ており、戦火の絶えないイラクで唯一国民が共感できる話題だとも言われているそうです。またその他多くの国で放送されているようで、それぞれ主題歌は変わっても劇伴BGMは変わらないので、いずれまた機会があれば、今度はグレンダイザーの組曲編曲に携わり、フランスやイタリア、その他多くの国の人たちにも聞いてもらいたいと思っています。
コンサート詳細
菊池俊輔音楽祭
2017年11月11日(土)開演14:00(開場13:30)
渋谷区総合文化センター大和田4階さくらホール
(渋谷駅から徒歩5分 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町23-21)
演奏予定曲目
暴れん坊将軍op+立ち回り(1978)
仮面ライダー(1971)
仮面ライダーV3(1973)
新造人間キャシャーン(1973)
UFOロボグレンダイザー(1975)
宇宙パトロールホッパ(1965)
ゲッターロボ 組曲(約12分)
バビル2世 組曲(約12分)
ドラえもん 組曲(約17分)
ドラゴンボール 組曲(約20分)
指揮:山﨑滋
オーケストラ・トリプティーク
構成・復元:青島佳祐、木下紀子、今堀拓也
SS席(前売):8000円
S席(前売):7000円
A席(前売):6000円
B席(売り切れ):4000円(税込)
(当日は1000円増し)
https://www.3s-cd.net/concert/jpn/sk/
カンフェティチケットセンター
(質問窓口:03-6228-1630、チケット購入:0120-240-540 営業時間:平日10時~18時)
web販売(24時間 セブンイレブンなどでの発券が可能です)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=40985
協力: 菊池俊輔、貴日ワタリ
主催:菊池俊輔音楽祭実行委員会
企画:スリーシェルズ
制作:ジャパニーズ・コンポーザー・アーカイヴズ
協賛:NCネットワーク、日本電子
詳細な情報はスリーシェルズのサイトで公開している。
https://www.3s-cd.net/concert/jpn/sk/
カンフェティチケットセンター
質問窓口:03-6228-1630(営業時間:平日10時~18時)
チケット購入:0120-240-540(営業時間:平日10時~18時)
web販売(24時間 セブンイレブンなどでの発券が可能です)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=40985
学生券・親子席については スリーシェルズ( jcacon@gmail.com)
プロフィール
菊池俊輔(作曲 きくち・しゅんすけ)
1931(昭和6)年11月1日、青森県弘前市出身。日本大学芸術学部音楽学科(作曲専攻)卒業。
1961(昭和36)年、佐藤肇監督作品『八人目の敵』(東映)でデビュー。その後、東映を中心に、松竹、大映などで数多くの映画音楽を手がける。テレビ音楽デビューは、1963(昭和38)年のNHKドラマ『野菊の墓』。その後、『キイハンター』から『Gメン'75』などのTBS系放映の東映アクション・ドラマ、『赤い疑惑』をはじめとする「赤い」シリーズ、『スチュワーデス物語』『スクール☆ウォーズ』などの大映テレビ作品、『暴れん坊将軍』など、数多くのジャンルで活躍。アニメーションは、1965(昭和40)年の『宇宙パトロールホッパ』を皮切りに、『タイガーマスク』『バビル2世』『ドカベン』など、1971(昭和46)年『仮面ライダー』から続く同シリーズや、2011(平成23)年に映画化で音楽もリメイクされた『電人ザボーガー』(1974)をはじめとする数多くの特撮ヒーロー番組、子供向けドラマの主題歌、挿入歌、BGMを担当。手がけた作品は、大ヒットによって長寿となるものが多い。
オーケストラ・トリプティーク
日本の作曲家を専門に演奏するオーケストラとして、35歳以下を中心としたプロ奏者により2012年結成。2014年は伊福部昭百年紀の公式オーケストラとして、NHKや新聞の取材も受け、3回の公演を成功に導く。これまでに浜離宮朝日ホール(朝日新聞社内)や旧奏楽堂(上野公園内)にてコンサートを行い、音楽雑誌他で好評を得る。リリースされたCDは6枚。タワー・レコードやamazonのチャートで1位も記録している。
トリプティークは三連画。前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持ち活動する意思表示でもある。
http://3s-ca.jimdo.com/
三宅政弘(みやけまさひろ コンサートマスター)
兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクールヴァイオリン部門大阪大会高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクールヤングアーティスト部門第三位。東京音楽大学コンクール第三位。桐朋祭超絶技巧選手権ヴァイオリン部門グランプリ受賞。2009年9月、2011年1月にソロリサイタルを開催し、好評を博す。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。
今堀拓也(楽譜復元・編曲 いまほりたくや)
1978年横浜生まれ。2001年にガウデアムス賞(オランダ)受賞。IRCAM(フランス)、スイス・ジュネーヴ高等音楽院修了、2017年イタリア国立ローマ・アカデミア・サンタチェチーリア研究科課程作曲専攻を最高位評価で修了。ならびにミラノ市立クラウディオ・アバド音楽学校指揮予備科で指揮を学ぶ。 ドナウエッシンゲン音楽祭(ドイツ)、ラジオフランス・プレザンス音楽祭、横浜みなとみらいホール委嘱、ベルリン・ブランデンブルク放送、ニコシア・ファロス国際現代音楽祭(キプロス)、ジュネーヴ・アルシペル音楽祭(スイス)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)などで作品が演奏されている。ヴィスビー国際作曲家センター(スウェーデン)2012年および2015年レジデント作曲家。
http://takuyaimahori.strikingly.com/
木下紀子(楽譜復元・編曲 きのしたのりこ)
1994年、埼玉県出身。国立音大附属高校普通科卒業後、東京藝術大学作曲科4年次に在籍中。
幼少の頃よりピアノを習い、高校入学と同時に作曲の勉強を始める。
これまでに『共鳴』シリーズ、ピアノとの二重奏作品、三好達治や金子みすゞの詩による歌曲などを多数作曲。未発表のものもある。2015年と2016年の学園祭「藝祭」にて、オール自作品プログラムの演奏会「のりこ展」を開催。室内楽と歌曲を通して伝統的書法による作品と現代音楽作品の共存を模索する試みとして、幅広い年代の方から好評を博した。
本年11月28日の学内演奏会にて、14人の奏者による室内オーケストラ作品“Inception for 14 players”が初演される。現在は管弦楽作品を鋭意作曲中。
作曲を田渕大次郎、野平一郎の各氏に師事。
青島佳祐(楽譜復元・編曲、ライブラリアン)
静岡県出身、東京藝術大学作曲科卒業。これまでに渡会美帆、有馬禮子、野平一郎に師事。大学在学時、木曜コンサートに弦楽四重奏が推薦、演奏された。第20回東京国際室内楽作曲コンクールで入選。第12、14回弘前桜の園作曲コンクール一般の部で共に2位。第85回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽)にて入選。軽井沢国際音楽祭ライブラリアン。スリーシェルズ所属。
山﨑滋(やまざき・しげる 指揮)
東京生まれ。東京藝術大学指揮科に学ぶ。指揮を金子登、佐藤功太郎に、ピアノを竹尾聆子、ヴァイオリンを山岡耕筰、スコアリ-ディングをH.ピュイグ=ロジェ、チェンバロをD.ヘルマンに師事。在学中より二期会オペラの合唱指揮者、副指揮者として活動を始め、小澤征爾、若杉弘等のアシスタントを多く務める。日本合唱協会第104回定期演奏会でプロデビュー。バロック音楽にも造詣が深く、マタイ研究会管弦楽団・同合唱団を指揮した「バッハ・マタイ受難曲」のCDが1992年に発売され好評を博す。新国立劇場(オペラハウス)の開場に伴い、バイロイト音楽祭に派遣されN.バラッチェのもと研鑚を積む。新国立劇場の開場記念公演「ローエングリン」(1997年、ヴォルフガング・ワーグナー演出)ではアシスタントを務めた。2000年より同劇場の専属を務める。2009年より日本合唱協会の指揮者に就任する。2015年に室内合唱団日唱代表および一般社団法人日本合唱協会の理事長に就任。日本指揮者協会会員。
菊池俊輔音楽祭
2017年11月11日(土)開演14:00(開場13:30)
渋谷区総合文化センター大和田4階さくらホール
(渋谷駅から徒歩5分 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町23-21)
演奏予定曲目
暴れん坊将軍op+立ち回り(1978)
仮面ライダー(1971)
仮面ライダーV3(1973)
新造人間キャシャーン(1973)
UFOロボグレンダイザー(1975)
宇宙パトロールホッパ(1965)
ゲッターロボ 組曲(約12分)
バビル2世 組曲(約12分)
ドラえもん 組曲(約17分)
ドラゴンボール 組曲(約20分)
指揮:山﨑滋
オーケストラ・トリプティーク
構成・復元:青島佳祐、木下紀子、今堀拓也
SS席(前売):8000円
S席(前売):7000円
A席(前売):6000円
B席(売り切れ):4000円(税込)
(当日は1000円増し)
https://www.3s-cd.net/concert/jpn/sk/
カンフェティチケットセンター
(質問窓口:03-6228-1630、チケット購入:0120-240-540 営業時間:平日10時~18時)
web販売(24時間 セブンイレブンなどでの発券が可能です)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=40985
協力: 菊池俊輔、貴日ワタリ
主催:菊池俊輔音楽祭実行委員会
企画:スリーシェルズ
制作:ジャパニーズ・コンポーザー・アーカイヴズ
協賛:NCネットワーク、日本電子
詳細な情報はスリーシェルズのサイトで公開している。
https://www.3s-cd.net/concert/jpn/sk/
カンフェティチケットセンター
質問窓口:03-6228-1630(営業時間:平日10時~18時)
チケット購入:0120-240-540(営業時間:平日10時~18時)
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学生券・親子席については スリーシェルズ( jcacon@gmail.com)
プロフィール
菊池俊輔(作曲 きくち・しゅんすけ)
1931(昭和6)年11月1日、青森県弘前市出身。日本大学芸術学部音楽学科(作曲専攻)卒業。
1961(昭和36)年、佐藤肇監督作品『八人目の敵』(東映)でデビュー。その後、東映を中心に、松竹、大映などで数多くの映画音楽を手がける。テレビ音楽デビューは、1963(昭和38)年のNHKドラマ『野菊の墓』。その後、『キイハンター』から『Gメン'75』などのTBS系放映の東映アクション・ドラマ、『赤い疑惑』をはじめとする「赤い」シリーズ、『スチュワーデス物語』『スクール☆ウォーズ』などの大映テレビ作品、『暴れん坊将軍』など、数多くのジャンルで活躍。アニメーションは、1965(昭和40)年の『宇宙パトロールホッパ』を皮切りに、『タイガーマスク』『バビル2世』『ドカベン』など、1971(昭和46)年『仮面ライダー』から続く同シリーズや、2011(平成23)年に映画化で音楽もリメイクされた『電人ザボーガー』(1974)をはじめとする数多くの特撮ヒーロー番組、子供向けドラマの主題歌、挿入歌、BGMを担当。手がけた作品は、大ヒットによって長寿となるものが多い。
オーケストラ・トリプティーク
日本の作曲家を専門に演奏するオーケストラとして、35歳以下を中心としたプロ奏者により2012年結成。2014年は伊福部昭百年紀の公式オーケストラとして、NHKや新聞の取材も受け、3回の公演を成功に導く。これまでに浜離宮朝日ホール(朝日新聞社内)や旧奏楽堂(上野公園内)にてコンサートを行い、音楽雑誌他で好評を得る。リリースされたCDは6枚。タワー・レコードやamazonのチャートで1位も記録している。
トリプティークは三連画。前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持ち活動する意思表示でもある。
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三宅政弘(みやけまさひろ コンサートマスター)
兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクールヴァイオリン部門大阪大会高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクールヤングアーティスト部門第三位。東京音楽大学コンクール第三位。桐朋祭超絶技巧選手権ヴァイオリン部門グランプリ受賞。2009年9月、2011年1月にソロリサイタルを開催し、好評を博す。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。
今堀拓也(楽譜復元・編曲 いまほりたくや)
1978年横浜生まれ。2001年にガウデアムス賞(オランダ)受賞。IRCAM(フランス)、スイス・ジュネーヴ高等音楽院修了、2017年イタリア国立ローマ・アカデミア・サンタチェチーリア研究科課程作曲専攻を最高位評価で修了。ならびにミラノ市立クラウディオ・アバド音楽学校指揮予備科で指揮を学ぶ。 ドナウエッシンゲン音楽祭(ドイツ)、ラジオフランス・プレザンス音楽祭、横浜みなとみらいホール委嘱、ベルリン・ブランデンブルク放送、ニコシア・ファロス国際現代音楽祭(キプロス)、ジュネーヴ・アルシペル音楽祭(スイス)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)などで作品が演奏されている。ヴィスビー国際作曲家センター(スウェーデン)2012年および2015年レジデント作曲家。
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木下紀子(楽譜復元・編曲 きのしたのりこ)
1994年、埼玉県出身。国立音大附属高校普通科卒業後、東京藝術大学作曲科4年次に在籍中。
幼少の頃よりピアノを習い、高校入学と同時に作曲の勉強を始める。
これまでに『共鳴』シリーズ、ピアノとの二重奏作品、三好達治や金子みすゞの詩による歌曲などを多数作曲。未発表のものもある。2015年と2016年の学園祭「藝祭」にて、オール自作品プログラムの演奏会「のりこ展」を開催。室内楽と歌曲を通して伝統的書法による作品と現代音楽作品の共存を模索する試みとして、幅広い年代の方から好評を博した。
本年11月28日の学内演奏会にて、14人の奏者による室内オーケストラ作品“Inception for 14 players”が初演される。現在は管弦楽作品を鋭意作曲中。
作曲を田渕大次郎、野平一郎の各氏に師事。
青島佳祐(楽譜復元・編曲、ライブラリアン)
静岡県出身、東京藝術大学作曲科卒業。これまでに渡会美帆、有馬禮子、野平一郎に師事。大学在学時、木曜コンサートに弦楽四重奏が推薦、演奏された。第20回東京国際室内楽作曲コンクールで入選。第12、14回弘前桜の園作曲コンクール一般の部で共に2位。第85回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽)にて入選。軽井沢国際音楽祭ライブラリアン。スリーシェルズ所属。
山﨑滋(やまざき・しげる 指揮)
東京生まれ。東京藝術大学指揮科に学ぶ。指揮を金子登、佐藤功太郎に、ピアノを竹尾聆子、ヴァイオリンを山岡耕筰、スコアリ-ディングをH.ピュイグ=ロジェ、チェンバロをD.ヘルマンに師事。在学中より二期会オペラの合唱指揮者、副指揮者として活動を始め、小澤征爾、若杉弘等のアシスタントを多く務める。日本合唱協会第104回定期演奏会でプロデビュー。バロック音楽にも造詣が深く、マタイ研究会管弦楽団・同合唱団を指揮した「バッハ・マタイ受難曲」のCDが1992年に発売され好評を博す。新国立劇場(オペラハウス)の開場に伴い、バイロイト音楽祭に派遣されN.バラッチェのもと研鑚を積む。新国立劇場の開場記念公演「ローエングリン」(1997年、ヴォルフガング・ワーグナー演出)ではアシスタントを務めた。2000年より同劇場の専属を務める。2009年より日本合唱協会の指揮者に就任する。2015年に室内合唱団日唱代表および一般社団法人日本合唱協会の理事長に就任。日本指揮者協会会員。
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