経営コンサルティング会社A.T. カーニー(本部:米国イリノイ州シカゴ、東京オフィス:港区)は、スマートホームに関する調査報告書を発表、概要の日本語版を本日ウェブサイトで公開した。
The Battle for the Smart Home: Open to All(スマートホームビジネス勝利への条件)と題されたこの報告書では、世界全体でのスマートホームの市場規模は現在150億米ドルだが、2020年までに500億米ドル、2030年までに4000億米ドルまで拡大すると予測。さらにアジアでの市場拡大の推進力となるのは中国と日本であり、この二か国と深く結びついたシンガポール、韓国、台湾などの経済圏が重要な役割を果たすだろうと示唆している。
当調査報告書を共同執筆した、A.T. カーニー(ムンバイ・オフィス)パートナーNikolai Dobbersteinのコメント
「アジアの社会経済的状況を鑑みると、この地域が今後数年にわたってスマートホーム部門の発展における世界的な推進力となってゆくことは充分に考えられる。スマートフォン市場が上げ止まりとなった今、スマートホーム市場は次の有望な市場となるだろう。
日本はスマートホームの浸透という点で、すでに世界でも上位5位のうちに入る規模の市場となっているが、高齢化の進行に伴い、各家庭での健康関連のソリューションの需要を掘り起こすことで、今後引き続き市場の成長が見込める。中国では収入の上昇した家庭が飛躍的に増えており、また国内に製造業とテクノロジーの強固なエコシステムがあることから、さらに大規模な市場発展の余地がある。同時に、韓国、台湾、そしてシンガポールでも、高収入家庭の割合や各経済圏でのデータ接続率の高さから、スマートホームの浸透がさらにいっそう進むと期待される。」
当調査報告書では、スマートホーム=インターネット接続され外から容易にコントロール可能な「家」、というアイディアがアジアで現実になりつつある背景として、市場拡大を促進する4つの大きな流れがあると記している。
1. コネクティビティとインテリジェンス(インターネット接続の普及と情報化)
テクノロジーとスマートフォンの処理能力の発展によって、住宅でのインターネット接続の普及がさらに進んだ。ビッグデータとAI(人工知能)を組み合わせることで、ユーザーのニーズや行動を適切に予測できるようになり、スマートホーム関連のアプリケーションの利便性が飛躍的に向上しつつある。
2. インターオペラビリティ(相互運用性)
製造元の異なる複数の製品の間で相互運用性が著しく改善したことで、家電用のアプリケーションが消費者にとってさらに使いやすいものになっている。APIの発展、業界内での連携、そしてアプリケーション間のコミュニケーションを標準化する取り組みが、スマートホームのエコシステムの全域にわたって急速に進んでおり、市場の発展を推し進めている。
3. 製品群の拡大と価格の低下
すでに家庭生活のほとんど全体が、自動化された製品によってカバーされているが、現在その80%でいわゆる「スマート」タイプの製品が商品化されている。重要な技術的コンポーネントのコストが急速に下がりつつあることで、スマートホーム関連のアプリケーションはこれまでよりも手の届きやすいものになってきており、今後5年間で大きな転換点を迎えるだろう。
4. 新しい収益化モデル
スマートホーム関連のアプリケーションはより広いネットワークへと開かれている。例えば電力供給網、インターネット、現実世界のサービスのエコシステムなどだ。そこからこれらのエコシステム全体にわたる新しい収益化のモデルが登場している。例えばスマートホーム関連のアプリケーションでは、液晶ディスプレイを通じた広告収入や、他のサービスへの接続などを行うことができる。
当調査報告書の共同執筆者であるA.T. カーニー(シンガポール・オフィス)のパートナーSridhar Narasimhanのコメント
「スマートホームの市場は、さまざまな地域をまたいで重要なビジネスチャンスとなるだろう。しかしこの分野で成功するにはさまざまな条件がある。グローバル面とローカル面での戦略のバランスを取ること、サービス提供が中心となるまで製品を速やかに展開すること、適切な製造業者と連携すること、そしてさまざまな異なる製品の間で相互にやり取りができるよう、標準化された方法を作り出すことなどである。この最後の条件を整えることに最初に取り組んだ企業が、決定的なアドバンテージを握ることになるだろう」。
調査報告書The Battle for the Smart Home: Open to All(スマートホームビジネス勝利への条件)の日本語版概要は特設ウェブページで閲覧可能。 報告書全文(英語/PDF)も同ウェブページより申し込み受付中。https://www.atkearney.co.jp/communications-media-technology/the-battle-for-the-smart-home
【この件に関するお問合せ先】
A.T. カーニー株式会社 JP.Inquiry@atkearney.com
The Battle for the Smart Home: Open to All(スマートホームビジネス勝利への条件)と題されたこの報告書では、世界全体でのスマートホームの市場規模は現在150億米ドルだが、2020年までに500億米ドル、2030年までに4000億米ドルまで拡大すると予測。さらにアジアでの市場拡大の推進力となるのは中国と日本であり、この二か国と深く結びついたシンガポール、韓国、台湾などの経済圏が重要な役割を果たすだろうと示唆している。
当調査報告書を共同執筆した、A.T. カーニー(ムンバイ・オフィス)パートナーNikolai Dobbersteinのコメント
「アジアの社会経済的状況を鑑みると、この地域が今後数年にわたってスマートホーム部門の発展における世界的な推進力となってゆくことは充分に考えられる。スマートフォン市場が上げ止まりとなった今、スマートホーム市場は次の有望な市場となるだろう。
日本はスマートホームの浸透という点で、すでに世界でも上位5位のうちに入る規模の市場となっているが、高齢化の進行に伴い、各家庭での健康関連のソリューションの需要を掘り起こすことで、今後引き続き市場の成長が見込める。中国では収入の上昇した家庭が飛躍的に増えており、また国内に製造業とテクノロジーの強固なエコシステムがあることから、さらに大規模な市場発展の余地がある。同時に、韓国、台湾、そしてシンガポールでも、高収入家庭の割合や各経済圏でのデータ接続率の高さから、スマートホームの浸透がさらにいっそう進むと期待される。」
当調査報告書では、スマートホーム=インターネット接続され外から容易にコントロール可能な「家」、というアイディアがアジアで現実になりつつある背景として、市場拡大を促進する4つの大きな流れがあると記している。
1. コネクティビティとインテリジェンス(インターネット接続の普及と情報化)
テクノロジーとスマートフォンの処理能力の発展によって、住宅でのインターネット接続の普及がさらに進んだ。ビッグデータとAI(人工知能)を組み合わせることで、ユーザーのニーズや行動を適切に予測できるようになり、スマートホーム関連のアプリケーションの利便性が飛躍的に向上しつつある。
2. インターオペラビリティ(相互運用性)
製造元の異なる複数の製品の間で相互運用性が著しく改善したことで、家電用のアプリケーションが消費者にとってさらに使いやすいものになっている。APIの発展、業界内での連携、そしてアプリケーション間のコミュニケーションを標準化する取り組みが、スマートホームのエコシステムの全域にわたって急速に進んでおり、市場の発展を推し進めている。
3. 製品群の拡大と価格の低下
すでに家庭生活のほとんど全体が、自動化された製品によってカバーされているが、現在その80%でいわゆる「スマート」タイプの製品が商品化されている。重要な技術的コンポーネントのコストが急速に下がりつつあることで、スマートホーム関連のアプリケーションはこれまでよりも手の届きやすいものになってきており、今後5年間で大きな転換点を迎えるだろう。
4. 新しい収益化モデル
スマートホーム関連のアプリケーションはより広いネットワークへと開かれている。例えば電力供給網、インターネット、現実世界のサービスのエコシステムなどだ。そこからこれらのエコシステム全体にわたる新しい収益化のモデルが登場している。例えばスマートホーム関連のアプリケーションでは、液晶ディスプレイを通じた広告収入や、他のサービスへの接続などを行うことができる。
当調査報告書の共同執筆者であるA.T. カーニー(シンガポール・オフィス)のパートナーSridhar Narasimhanのコメント
「スマートホームの市場は、さまざまな地域をまたいで重要なビジネスチャンスとなるだろう。しかしこの分野で成功するにはさまざまな条件がある。グローバル面とローカル面での戦略のバランスを取ること、サービス提供が中心となるまで製品を速やかに展開すること、適切な製造業者と連携すること、そしてさまざまな異なる製品の間で相互にやり取りができるよう、標準化された方法を作り出すことなどである。この最後の条件を整えることに最初に取り組んだ企業が、決定的なアドバンテージを握ることになるだろう」。
調査報告書The Battle for the Smart Home: Open to All(スマートホームビジネス勝利への条件)の日本語版概要は特設ウェブページで閲覧可能。 報告書全文(英語/PDF)も同ウェブページより申し込み受付中。https://www.atkearney.co.jp/communications-media-technology/the-battle-for-the-smart-home
【この件に関するお問合せ先】
A.T. カーニー株式会社 JP.Inquiry@atkearney.com