IoTの本格普及に向け国際標準化機関が規格開発を本格始動
~ISO/IEC JTC1が、IoT/スマートシティの国際標準化活動を本格化することに伴い、情報処理学会 情報規格調査会が検討のためのメンバ募集を開始~
一般社団法人 情報処理学会(本部:東京都千代田区、会長:富田 達夫) 情報規格調査会(委員長:伊藤 智)は、国際標準化活動を行う委員会として、「SC 41専門委員会」および「スマートシティズ小委員会」を新設します。
これに伴い、幅広く意見を集約するために、12月19日よりこれらの委員会に参加する検討メンバを募集致します。
各委員会は、情報技術に関わる国際標準化を担うISO/IEC JTC 1において、ISO/IEC JTC 1/SC 41(Internet of Things and related technologies)およびISO/IEC JTC 1/WG 11(Smart cities)の設置が決議されたことを受け、日本における新規産業の活性化につながるような対応を協議するとともに、日本代表として国際会議に参加し国際標準化を積極的に推進する事業活動を行います。
本活動への参加に関しては、「プレスリリースについてのお問い合わせ先」にご連絡下さい。
■背景
IoT(インターネットオブシングス)を活用してビジネスを活性化する動きが本格化しています。ISO/IEC JTC 1では2014年11月にアラブ首長国連邦のアブダビで開かれた総会においてIoTに対する新しい作業グループ(JTC 1/WG 10)の設置を決議し、情報規格調査会では作業グループでの審議に対応する「インターネットオブシングス小委員会」を設置して、リファレンスアーキテクチャ等の標準開発に対応してきました。
この度、本年11月にノルウェーのリレハンメルで開催されたISO/IEC JTC 1の総会において、IoTにセンサーネットワークとウェアラブル技術を所掌に加えた新しい分科委員会(JTC 1/SC 41)として格上げし、国際標準策定の検討を本格化することが決議されました。IoTに関連する技術の標準化を統合的かつ整合するように開発されることが期待されます。
情報規格調査会では、ISO/IEC JTC 1に設置される分科委員会に日本として対応していく活動を推進するために「SC 41専門委員会」を新たに設置することとしました。
また、2015年に中国の北京で開催された総会においてスマートシティに対する作業グループ(JTC 1/WG 11)の設置が決議されており、本年5月及び9月には国際会議が開催されて議論が本格化しました。情報規格調査会としても、ISO/IEC JTC 1における作業グループに日本として対応していく活動を推進するために「スマートシティズ小委員会」も併せて新設します。
IoTおよびスマートシティに関する仕組みやデータの標準化が図られることで、情報の共有化が進み、社会生活のさらなる利便性の向上、産業の活性化が期待できます。また、国際標準化活動においては日本の貢献が極めて重要な役割を果たすことが期待されています。
■活動概要
IoTおよびスマートシティの幅広い対象領域において、情報技術の観点、および日本の産業競争力を強化する観点から国際標準として求められる内容を検討し、意見を国際の場にインプットしていきます。具体的には、およそ月に1回程度の委員会を開催し、以下の活動を行います。
・新しい作業項目、規格案等のレビューと日本としての意見発信
・ISO/IEC JTC 1/SC 41およびISO/IEC JTC 1/WG 11へのコメント提出と会議参加
・当該分野での新しい規格項目の洗い出しとISO/IEC JTC 1への提案活動
■用語の説明
◆ISO/IEC JTC 1
国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) が合同で設立した技術委員会であり、情報技術 (IT) 分野の国際標準化を行うための組織として1987年に設立されました。
http://www.iso.org/iso/jtc1_home.html
http://jtc1info.org/
◆情報処理学会 情報規格調査会(ITSCJ:Information Technology Standards Commission of Japan)
日本工業標準調査会(JISC)から国内審議団体を引き受けて、ISO/IEC JTC 1における情報技術に関する国際規格の審議を行うとともに、情報技術に関する標準化に寄与することを目的として情報処理学会に設置されている組織です。
◆SC(分科委員会)
ISO/IEC JTC 1において国際規格を策定する分科委員会であり、検討が広範囲にわたる場合には配下に複数のWGを設置して規格開発を行います。SC41もIoTに加え、センサーネットワーク、ウェアラブル技術も扱うことから、配下に複数のWGを設置して検討を進めることが想定されます。
◆WG(作業グループ)
ISO/IEC JTC 1において、国際規格案を開発する作業グループです。
<プレスリリースについての問い合わせ先>
一般社団法人 情報処理学会 情報規格調査会
住 所: 〒105-0011 東京都港区芝公園 3-5-8 機械振興会館 308-3
メール:standards@itscj.ipsj.or.jp
https://www.itscj.ipsj.or.jp/