第14回開高健ノンフィクション賞選考委員選評より
差別と格差の問題がいかに人間の生を歪め、人生を圧するか
――茂木健一郎
悪、魂のあり方、アイデンティティ、教育、自由……。読み進めていくうちに、ホンジュラスの問題を超えて、現代日本の問題へとつながってくる
――藤沢周
意を決してギャング集団から抜け出していく若者たちと、それを取り巻く人々を、丁寧に、生き生きと描いている
――姜尚中
『マラス 暴力に支配される少年たち』
著者:工藤律子
発売日:2016年11月25日
定価:本体1800円+税
体裁:四六判ハードカバー
ISBN:978-4-08-781621-1
【目次】
プロローグ
第一章 マラスの輪郭
マラスというレッテル/国内最大の刑務所
第二章 カリスマ
ギャング・リーダーの誕生/武装する少年たち/死への恐怖/塀の中のドン/奇跡の変身/神に導かれた男
第三章 マラスという敵
マラスを追い詰める/マラスを抜けた青年
第四章 冒険少年
世界一危険な町から来た少年/決死の逃避行/一筋の光/新天地
第五章 マラスの悲しみ
ギャングと歩むシングルマザー/リベラ・エルナンデスの牧師/穏やかになったギャング/異なる選択肢
第六章 変革
神のラッパー/刑務所の伝道師/強まる使命感/変革への連携プレー
エピローグ
【著者プロフィール】
工藤律子(くどう りつこ)
1963年大阪生まれ。ジャーナリスト。東京外国語大学大学院地域研究研究科修士課程在籍中より、メキシコの貧困層の生活改善運動を研究し、フリーのジャーナリストとして取材活動を始める。主なフィールドはスペイン語圏、フィリピン。NGO「ストリートチルドレンを考える会」共同代表。著書に『仲間と誇りと夢と』(JULA出版局)、『ストリートチルドレン』(岩波ジュニア新書)、『ルポ 雇用なしで生きる』(岩波書店)などがある。
【お問い合わせ】 集英社 広報部 03-3230-6314