米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)は共同で、このほど、“あなたの身近にある研究開発活動(Research in Your Backyard)”と題し、革新的医薬品開発のために両団体の加盟製薬企業が日本国内で行った臨床試験の最新の現状についての報告書を発表しました。
この共同報告書は、2014年に初めて発表され、今回最新のデータに基づいて、更新されました。
*最新版の報告書は、両団体のウェブサイトでご覧いただけます。(2016年10月7日発表)
PhRMA: http://www.phrma-jp.org/library/riby/
EFPIA: http://efpia.jp/link/201608_RIYB_JP_w_QR_code_v1.1.pdf
このたび発表された新たな報告書により、米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の加盟企業が、日本における臨床試験に対してかつてない規模の貢献を果たしていることが明らかになりました。これはもちろん、米国と欧州の企業が日本における創薬インフラへの投資を増やしていることを意味していますが、更に重要なのは、利益を得ているのは日本の患者さんであり、現在の日本では最新の治療をより速やかに受けられるようになっているという点です。
2016年度版報告書の要点:
・2015年にPhRMAとEFPIA加盟企業が日本各地で実施した臨床試験は、2013年の実施件数から21%増の825件。
・研究に関与した臨床試験施設の数の伸びは更に顕著で、前年度から55%増加の18,095施設。
・臨床試験は、一般的な病気から深刻な希少疾患まで、16 を超える疾病分野の新薬で実施。
臨床試験活動がこのように増えた結果、PhRMAとEFPIAの加盟企業34社が承認を受けた新薬の数も増加し、2010年から2015年の間に、加盟企業の新薬123種類が承認されています。これは、厚生労働省が承認した新薬の 50%近くに相当します。同様の傾向は、新たな適応の承認数にも見られました。 同時期に PhRMA と EFPIA の加盟企業は新たに266の適応承認を取得しており、これもまた全体のほぼ半分を占めています。これこそ、革新的な医薬品を迅速に日本市場に届け、日本の患者さんの利益に供したいという私たちの姿勢の表れと言えるでしょう。
外資系製薬会社は「ドラッグラグ」解消のために多大な努力を重ねてきましたが、その1つが、世界や地域における開発プログラムの中に日本を取り込み、それによって開発プロセスを加速するという試みでした。
2016年の報告書によれば、進行中の開発プログラムに基づいて提出される NDA(新薬承認申請)の79%が、日本でも他の主要国と同時申請を視野に入れて検討されています。
金額で見ると、2014年に日本製薬工業協会(JPMA)加盟企業による臨床試験への投資額は2,040億円と報告されています。そのうち、JPMAに加盟しているPhRMAとEFPIAの加盟企業による投資は790億円でした。この数字は、臨床試験に関連した直接経費だけを指しており、雇用機会創出効果などによる関連支出は含まれていません。
国の政策は、革新を促進する国内の環境作りを後押しする上で大きな役割を果たしており、日本政府は大きな成果を上げていると言えるでしょう。近年の製薬業界は政策上の2つの変化による追い風を受けてきました。
1つ目は、薬価制度の一環として2010年に厚生労働省が試験的に導入した「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」です。この制度はその後数回にわたって維持継続され、安倍政権は製薬研究における革新に対する支援を明確に表明しています。新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度により、外資系企業は日本市場、ひいては日本の患者さんに革新的な薬をより迅速に届けるための投資を行い易くなりました。2つ目は、この取り組みを規制機関である PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が強力に後押ししているという点で、同機関はスタッフを増員し、プロセスを改善して、規制当局による承認期間を米国や欧州レベルにまで短縮してきました。この2つの変化により、日本は「ドラッグラグ」の解消に向かって大きな進歩を遂げており、米国と欧州の製薬業界は、この偉業に貢献できたことを誇りに思っています。
PhRMAとEFPIAは今後も、最新の画期的な医薬品を日本の患者さんにできるだけ早く届けるために、全力を尽くして行く所存です。この目標を達成するには、日本政府と業界が協力して、革新を促進するための予測可能な環境を作っていく必要があります。最新版の『あなたの身近にある研究開発活動』は、2015年までの日本は製薬企業にとって革新を後押しする市場だったことを示していますが、今後もその環境を維持していくことが、これからの課題です。
●米国研究製薬工業協会(PhRMA)
PhRMA は、米国で事業を行なっている主要な研究開発志向型製薬企業とバイオテクノロジ―企業を代表す る団体です。加盟企業は新薬の発見・開発を通じて、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう、 先頭に立って新しい治療法を探求しています。加盟企業の新薬研究開発に対する投資額は、2000年からの 累計では 6000 億ドル以上に達し、2015 年単独でも推定で 588 億ドルになりました。
●米国研究製薬工業協会(PhRMA)日本オフィス
PhRMA日本オフィスは、米国PhRMAの会員である研究開発志向の製薬企業の日本法人で構成されており、 画期的新薬が開発できる環境や患者さん中心の医療制度の確立に向けて25年以上に渡って活動を続けています。加盟企業は、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社、アッヴィ合同会社、MSD 株式会社、セルジーン株式会社、日本イーライリリー株式会社、バイオジェン・ジャパン株式会社、ファイザー株式会社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社、ムンディファーマ株式会社、ヤンセンファーマ株式会社(五十音 順)の10社です。
●欧州製薬団体連合会(EFPIA)
ベルギーの首都ブリュッセルに本部を置く EFPIAは、欧州で事業を展開する製薬業界の団体です。 EFPIAに直接加盟する国の団体は33団体、主要な医薬品企業は42社ですが、EFPIA は世界中の人々 のクオリティ・オブ・ライフを改善する新薬の開発・提供に専念する1,900社の声も代弁しています。 詳細については下記URL をご参照ください。
●欧州製薬団体連合会(EFPIA) Japan
2002年4月に設立されたEFPIA Japanには、日本で事業展開している欧州の研究開発志向の製薬企業24社が加盟しています。2015年の加盟各社の総売上高は、日本の製薬市場の売上の約24%を占め ています。EFPIA Japan の使命は、“革新的な医薬品・ワクチンの早期導入を通じて、日本の医療と患者 さんに貢献する”ことです。EFPIAは常に“患者さん優先”に注力することで日本の医療向上に向けて政策決定者との対話を強化することを期待しています。
・PhRMA日本オフィスホームページ http://www.phrma-jp.org
・PhRMAホームページ http://www.phrma.org
・PhRMA日本オフィスFacebook https://www.facebook.com/phrmajapanoffice
・EFPIA JAPAN ホームページ http://efpia.jp/index.html
・EFPIA ホームページ http://www.efpia.eu
【本件に関するお問い合わせ】
米国研究製薬工業協会(PhRMA)広報事務局
(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)
TEL:03-3291-0118
FAX:03-3291-0223
E-mail:phrma_pr@jc-inc.co.jp
この共同報告書は、2014年に初めて発表され、今回最新のデータに基づいて、更新されました。
*最新版の報告書は、両団体のウェブサイトでご覧いただけます。(2016年10月7日発表)
PhRMA: http://www.phrma-jp.org/library/riby/
EFPIA: http://efpia.jp/link/201608_RIYB_JP_w_QR_code_v1.1.pdf
このたび発表された新たな報告書により、米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の加盟企業が、日本における臨床試験に対してかつてない規模の貢献を果たしていることが明らかになりました。これはもちろん、米国と欧州の企業が日本における創薬インフラへの投資を増やしていることを意味していますが、更に重要なのは、利益を得ているのは日本の患者さんであり、現在の日本では最新の治療をより速やかに受けられるようになっているという点です。
2016年度版報告書の要点:
・2015年にPhRMAとEFPIA加盟企業が日本各地で実施した臨床試験は、2013年の実施件数から21%増の825件。
・研究に関与した臨床試験施設の数の伸びは更に顕著で、前年度から55%増加の18,095施設。
・臨床試験は、一般的な病気から深刻な希少疾患まで、16 を超える疾病分野の新薬で実施。
臨床試験活動がこのように増えた結果、PhRMAとEFPIAの加盟企業34社が承認を受けた新薬の数も増加し、2010年から2015年の間に、加盟企業の新薬123種類が承認されています。これは、厚生労働省が承認した新薬の 50%近くに相当します。同様の傾向は、新たな適応の承認数にも見られました。 同時期に PhRMA と EFPIA の加盟企業は新たに266の適応承認を取得しており、これもまた全体のほぼ半分を占めています。これこそ、革新的な医薬品を迅速に日本市場に届け、日本の患者さんの利益に供したいという私たちの姿勢の表れと言えるでしょう。
外資系製薬会社は「ドラッグラグ」解消のために多大な努力を重ねてきましたが、その1つが、世界や地域における開発プログラムの中に日本を取り込み、それによって開発プロセスを加速するという試みでした。
2016年の報告書によれば、進行中の開発プログラムに基づいて提出される NDA(新薬承認申請)の79%が、日本でも他の主要国と同時申請を視野に入れて検討されています。
金額で見ると、2014年に日本製薬工業協会(JPMA)加盟企業による臨床試験への投資額は2,040億円と報告されています。そのうち、JPMAに加盟しているPhRMAとEFPIAの加盟企業による投資は790億円でした。この数字は、臨床試験に関連した直接経費だけを指しており、雇用機会創出効果などによる関連支出は含まれていません。
国の政策は、革新を促進する国内の環境作りを後押しする上で大きな役割を果たしており、日本政府は大きな成果を上げていると言えるでしょう。近年の製薬業界は政策上の2つの変化による追い風を受けてきました。
1つ目は、薬価制度の一環として2010年に厚生労働省が試験的に導入した「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」です。この制度はその後数回にわたって維持継続され、安倍政権は製薬研究における革新に対する支援を明確に表明しています。新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度により、外資系企業は日本市場、ひいては日本の患者さんに革新的な薬をより迅速に届けるための投資を行い易くなりました。2つ目は、この取り組みを規制機関である PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が強力に後押ししているという点で、同機関はスタッフを増員し、プロセスを改善して、規制当局による承認期間を米国や欧州レベルにまで短縮してきました。この2つの変化により、日本は「ドラッグラグ」の解消に向かって大きな進歩を遂げており、米国と欧州の製薬業界は、この偉業に貢献できたことを誇りに思っています。
PhRMAとEFPIAは今後も、最新の画期的な医薬品を日本の患者さんにできるだけ早く届けるために、全力を尽くして行く所存です。この目標を達成するには、日本政府と業界が協力して、革新を促進するための予測可能な環境を作っていく必要があります。最新版の『あなたの身近にある研究開発活動』は、2015年までの日本は製薬企業にとって革新を後押しする市場だったことを示していますが、今後もその環境を維持していくことが、これからの課題です。
●米国研究製薬工業協会(PhRMA)
PhRMA は、米国で事業を行なっている主要な研究開発志向型製薬企業とバイオテクノロジ―企業を代表す る団体です。加盟企業は新薬の発見・開発を通じて、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう、 先頭に立って新しい治療法を探求しています。加盟企業の新薬研究開発に対する投資額は、2000年からの 累計では 6000 億ドル以上に達し、2015 年単独でも推定で 588 億ドルになりました。
●米国研究製薬工業協会(PhRMA)日本オフィス
PhRMA日本オフィスは、米国PhRMAの会員である研究開発志向の製薬企業の日本法人で構成されており、 画期的新薬が開発できる環境や患者さん中心の医療制度の確立に向けて25年以上に渡って活動を続けています。加盟企業は、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社、アッヴィ合同会社、MSD 株式会社、セルジーン株式会社、日本イーライリリー株式会社、バイオジェン・ジャパン株式会社、ファイザー株式会社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社、ムンディファーマ株式会社、ヤンセンファーマ株式会社(五十音 順)の10社です。
●欧州製薬団体連合会(EFPIA)
ベルギーの首都ブリュッセルに本部を置く EFPIAは、欧州で事業を展開する製薬業界の団体です。 EFPIAに直接加盟する国の団体は33団体、主要な医薬品企業は42社ですが、EFPIA は世界中の人々 のクオリティ・オブ・ライフを改善する新薬の開発・提供に専念する1,900社の声も代弁しています。 詳細については下記URL をご参照ください。
●欧州製薬団体連合会(EFPIA) Japan
2002年4月に設立されたEFPIA Japanには、日本で事業展開している欧州の研究開発志向の製薬企業24社が加盟しています。2015年の加盟各社の総売上高は、日本の製薬市場の売上の約24%を占め ています。EFPIA Japan の使命は、“革新的な医薬品・ワクチンの早期導入を通じて、日本の医療と患者 さんに貢献する”ことです。EFPIAは常に“患者さん優先”に注力することで日本の医療向上に向けて政策決定者との対話を強化することを期待しています。
・PhRMA日本オフィスホームページ http://www.phrma-jp.org
・PhRMAホームページ http://www.phrma.org
・PhRMA日本オフィスFacebook https://www.facebook.com/phrmajapanoffice
・EFPIA JAPAN ホームページ http://efpia.jp/index.html
・EFPIA ホームページ http://www.efpia.eu
【本件に関するお問い合わせ】
米国研究製薬工業協会(PhRMA)広報事務局
(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)
TEL:03-3291-0118
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E-mail:phrma_pr@jc-inc.co.jp