● 売上高: 10.1%増の18,089百万ユーロ(既存事業売上高は3.0%増)
● 調整後*の営業利益: 12.9%増の2,923百万ユーロ
● 調整後*の売上高営業利益率(EBITマージン): 0.4%ポイント増の16.2%
● 調整後*の優先株(一株)あたり利益(EPS): 11.4%増の4.88ユーロ
● 予定配当金: 12.2%増で優先株(一株)あたり1.47ユーロ
*一時所得 、一時費用およびリストラ費用を除く
デュッセルドルフ -ヘンケル最高経営責任者のカスパー・ローステッドは、「2015年はヘンケルにとってすばらしい年でした。当社は売上高、利益、一株あたり利益および予定配当金において2桁の成長を記録しました。3つの事業部門すべてにおいて、既存事業の堅調な成長と利益の顕著な伸びがみられました。主として、新興市場が引き続き当社の好調な業績に寄与しました。成熟市場においても、既存事業のさらなる成長を達成しました」と述べました。
また、「厳しい経済環境にも関わらず、当社は好調な業績を達成、当社の戦略を順調に遂行し、将来に向けた強固な基盤をつくりました。当社の4カ年戦略のうち3年が経過しましたが、当社は2016年の主要目標の達成に向けて順調に進んでいます」とヘンケルの発展を総括しました。
2016年の見通し
現在の状況および2016年度の財務目標について、ローステッドは「経済環境および政治環境は依然厳しい状況です。したがって、引き続き当社の各プロセスと体制を市場に順応させ、効率性と競争力のさらなる向上を目指します。2016年度通期では、既存事業売上高は2~4%増加するものと予想しています。調整後の売上高営業利益率は16.5%ほどまで拡大し、調整後の優先株(一株)あたり利益は2016年度に8~11%程度の伸びを見込んでいます。2013年から2015年までにおける調整後の優先株(一株)あたり利益の年平均成長率が9.7%であることから、当社は現在の4カ年戦略における平均複合年間成長率(CAGR)10%という目標の達成に向かって順調に進んでおり、また、これに全力で取り組んでいます」と述べました。
2015年の売上高および利益
2015年度の売上高は前年を大幅に上回る18,089百万ユーロとなりました。為替の変動により売上高は4.4%増加しました。買収・売却による寄与は2.7%でした。外国為替と売却・買収による影響を除外した既存事業売上高は3.0%増と堅調でした。
全事業部門で既存事業売上高は順調に成長し、ヘンケル全体での関連市場におけるシェアも拡大しました。ランドリー&ホームケア事業部門の既存事業売上高は4.9%増加しました。ビューティーケア事業部門の既存事業売上高は2.1%増、アドヒーシブ テクノロジーズ事業部門の既存事業売上高は2.4%増を記録しました。
一時費用、一時所得およびリストラ費用を除いた調整後の営業利益は12.9%増と顕著に増加し、2,923百万ユーロ(前年は2,588百万ユーロ)になりました。全3事業部門がこの好調な業績に寄与しています。報告されている営業利益(EBIT)は、前年が2,244百万ユーロであったのに対し、2,645百万ユーロとなりました。
調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は15.8%から0.4%増の16.2%となりました。報告されている売上高営業利益率は0.9ポイント増加し、14.6%(前年は13.7%)でした。
今期決算は、マイナス49百万ユーロからマイナス42百万ユーロに改善しました。税率は24.4%と、前年の24.3%から実質的に変わりませんでした。
非支配株主持分を差し引いた調整後の当期純利益は11.4%増の2,112百万ユーロ(前年は1,896百万ユーロ)となりました。報告されている当期純利益は前年比で18.4%増加し、1,662百万ユーロから1,968百万ユーロになりました。非支配株主持分の47百万ユーロを差し引いた当期純利益は1,921百万ユーロ(前年は1,628百万ユーロ)に増加しました。
調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は4.38ユーロから11.4%増加し、4.88ユーロとなりました。報告されているEPSは、3.76ユーロから4.44ユーロに増加しました。
経営委員会、監査委員会、および株主委員会は、2016年4月11日の年次株主総会において優先株(一株)あたり配当を12.2%増の1.47ユーロ(前年は1.31ユーロ)、普通株(一株)あたり配当を12.4%増の1.45ユーロ(前年は1.29ユーロ)に引き上げることを提案する予定です。この場合、配当性向は30.2%となります。
売上高に対する正味運転資本は、4.2%から0.4ポイント改善し、3.8%となりました。
年末の正味財務状況は335百万ユーロでした(2014年12月31日時点では、マイナス153百万ユーロ)。
事業部門別実績
2015年、ランドリー&ホームケア事業部門は、過年度の収益成長を非常に好調に継続しました。既存事業売上高は前年比4.9%の伸びを示し、関連市場を大きく上回りました。名目売上高は11.0%増の5,137百万ユーロとなり、初めて50億ユーロを超えました。
新興市場は大幅に成長し、2015年も既存事業売上高の成長に主要な貢献を果たしました。東欧、中南米およびアジア(日本を除く)の各地域が、非常に好調な伸びを記録しました。アフリカ・中東地域も非常に力強い成長を達成しました。しかしながら前年との比較では、厳しい市場状況のために成長は鈍化しました。
成熟市場の業績は好調でした。北米は堅調に売上高を伸ばし、西欧の売上高もプラス成長となりました。
調整後の営業利益は17.4%増と顕著に増加し、879百万ユーロとなりました。調整後の売上高営業利益率は0.9%増という非常に顕著な伸びを示し、17.1%となりました。報告されている営業利益は実際に27.8%の増加を見せ、615百万ユーロから786百万ユーロとなりました。
ビューティーケア事業部門も2015年度において過年度の収益成長を継続しました。既存事業売上高は2.1%増となり、ふたたび関連市場の成長率を上回りました。名目売上高は8.1%増の3,833百万ユーロとなりました。
地域でみると、新興市場の業績が非常に好調でした。特にアジア(日本を除く)の新興市場は、中国における好調な事業拡大の結果、非常に好調な成長を遂げました。中南米は2桁の売上高成長を記録しました。アフリカ・中東地域では、過年度の好調な発展を継続し、堅調な成長率を記録しました。東欧では好調な成長が達成されました。
成熟市場の事業は依然として厳しい競争、強い価格圧力および販促の激化の影響を受けています。この厳しい環境において成熟市場の売上高は、特に西欧や、アジア太平洋地域の成熟市場における成長を受け、前年をわずかに下回る程度にとどまりました。厳しい競争環境のなか、北米における売上高は前年比で堅調な成長を記録しました。
調整後の営業利益は前年比12.2%増の610百万ユーロとなり、同事業部門の過去最高益を更新しました。調整後の売上高営業利益率は0.6ポイント増と非常に堅調な増加を見せ、15.9%となりました。報告されている営業利益は33.3%増の561百万ユーロとなりました。
アドヒーシブ テクノロジーズ事業部門は既存事業売上高が2.4%増と堅調に成長し、市場全体の成長率と同程度に伸びました。名目売上高は前年の8,127百万ユーロから10.6%増加し、8,992百万ユーロとなりました。
同事業部門は中南米において非常に好調に成長し、新興市場における既存事業売上高の堅調な伸びを達成しました。アフリカ・中東地域および東欧地域では、困難な政情および厳しい経済環境の継続にも関わらず、堅調な成長を記録しました。アジア(日本を除く)の売上高はプラスの成長となりました。
成熟市場の売上実績は、特に西欧および北米におけるプラス成長により全体としてプラスでした。アジア太平洋地域の成熟市場は堅調な成長を記録しました。
調整後の営業利益は9.4%増の1,534百万ユーロと過去最高益を更新しました。調整後の売上高営業利益率は前年の高水準をわずかに下回る17.1%となりました。報告されている営業利益は8.7%増の1,462百万ユーロとなりました。
地域別業績
厳しい市場競争環境が続くなか、西欧地域の売上高は5.6%増の6,045百万ユーロとなりました。既存事業売上高は0.3%減とわずかに減少しました。フランスや英国といった国におけるプラス成長は、スイスおよび北欧諸国における減少を完全には相殺することができませんでした。東欧地域の売上高は、ロシアルーブルや同地域の他国通貨の大幅安により前年比で減少し、2,695百万ユーロとなりました。しかし、既存事業売上高は特にロシアおよびトルコでの事業拡大を受け、7.3%の増加となりました。一部の国での政情不安や社会不安があるにも関わらず、アフリカ・中東地域での名目売上高は17.3%増の1,329百万ユーロでした。既存事業売上高は6.8%増となり、各事業部門が重要な貢献を果たしました。
北米地域の売上高は、26.5%増と顕著に増加し、3,648百万ユーロとなりました。為替の好影響と2014年に行った買収が成長に寄与しました。同地域の既存事業売上高は2.3%の成長となりました。中南米地域の売上高は7.9%増の1,110百万ユーロとなり、特にメキシコにおける2桁成長の寄与によって既存事業売上高が8.8%増加しました。アジア太平洋地域の売上高は前年比で17.1%増と顕著に伸び、3,134百万ユーロとなりました。中国における成長鈍化にも関わらず、同地域の既存事業売上高もまた2.5%増加しました。
東欧、アフリカ・中東、中南米およびアジア(日本を除く)の新興市場の売上高は前年比で顕著に増加し、7,797百万ユーロとなりました。既存事業売上高は5.9%増加し、すべての事業部門が寄与しました。新興市場は、既存事業売上高に対し、再び全社平均以上の寄与を果たしました。為替の影響により、新興市場の売上高の割合はわずかに減少し、43%となりました。成熟市場における既存事業売上高は0.7%増加し、10,164百万ユーロとなりました。
2015年第4四半期の事業発展
第4四半期の売上高は、前年同期比6.0%増の4,374百万ユーロとなりました(前年は4,126百万ユーロ)。外国為替と買収・売却による影響を除外した既存事業売上高は2.9%増でした。一時所得、一時費用およびリストラ費用を除いた調整後の営業利益は、602百万ユーロから11.3%の増加となる、670百万ユーロとなりました。報告されている営業利益(EBIT)は前年同期の444百万ユーロから39.0%増加し、616百万ユーロとなりました。
調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は14.6%から0.7ポイント増加し、15.3%となりました。報告されている売上高営業利益率は10.8%から3.3ポイント増加し、14.1%となりました。非支配株主持分を差し引いた調整後の当期純利益は前年同期の437百万ユーロから9.8%増加し、480百万ユーロとなりました。報告されている当期の純利益は48.7%増加し、461百万ユーロ(前年同期は310百万ユーロ)に達しました。15百万ユーロの非支配株主持分を差し引いた当期純利益は446百万ユーロ(前年同期は298百万ユーロ)でした。調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は1.01ユーロから9.9%増加し、1.11ユーロとなりました。報告されている優先株(一株)あたり利益(EPS)は、前年同期の0.69ユーロから49.3%増加し、1.03ユーロでした。
戦略の実施状況
ヘンケルが掲げる2016年に向けた戦略の2015年度の進捗状況については、4つの戦略プライオリティ(Outperform、Globalize、Simplify、Inspire)のすべてに関し、非常に順調に前進しました。
Outperform:競合をしのぐ成果を達成する
ヘンケルは2015年においても引き続きトップブランドの強化を行いました。Persil(パーシル)、Schwarzkopf(シュワルツコフ)およびLoctite(ロックタイト)は合わせて約59億ユーロの売上をもたらしました。ヘンケルの上位10ブランドによる売上高の割合は、59%から61%に拡大しており、2016年の目標値60%をすでに上回っています。前年を超える顕著な伸びは、イノベーション、ブランド資産価値に対する投資、および新市場への展開によりもたらされました。コンシューマービジネス(ランドリー&ホームケア、ビューティーケア)の両事業部門では、市場投入して3年未満の製品が売上高に占める割合が45%超となりました。アドヒーシブ テクノロジーズ事業部門では、過去5年間に発売した製品の売上高に占める割合が約30%でした。2015年もまた引き続き、大手小売および法人顧客との強固な関係が、それら顧客との販売シェア拡大を実現しました。
ヘンケルではその競争優位性を強化することに加え、将来的な事業の成功に向けた主要な促進要素としてデジタル化を特定し、これを当社事業および各種プロセスのあらゆる側面に組み込むことを目指して一層の前進を遂げてきました。2015年、ヘンケルはその事業基盤の標準化とデジタル化を継続しました。また、社内の連係を強化し、市場対応および顧客対応業務のデジタル化を順調に進展させました。
Globalize:企業のグローバル化
2015年、新興市場の売上高は全売上高の43%を占め、前年の水準をわずかに下回りました。この減少は、主としてそれらの市場の一部の通貨安によるものです。通貨の変動の影響を除くと、新興市場は依然ヘンケルの成長にとって主な原動力となっており、当社は引き続き新興市場におけるプレゼンスを高めていきます。
成熟市場では、ヘンケルはそれらの市場におけるマーケットリーダーとしての地位を強化することができました。2015年で注目すべき点は、ヘンケルの旗艦ブランドであるPersil(パーシル)とSchwarzkopf(シュワルツコフ)が米国の小売市場に首尾よく投入されたことにより、ヘンケルが成長軌道に戻り、世界最大の単一市場で業績を伸ばすことができたことです。
Simplify:業務を簡略化する
ヘンケルは、業務の卓越性を高め、効率性を向上し、競争優位性を創出するため、組織の簡略化を常に目指しています。2015年度は、業務プロセスの標準化、デジタル化、加速化による拡張可能な事業モデルの構築において顕著な進展を遂げました。ヘンケルはまた、すべての事業部門に対するグローバルサプライチェーンおよび購買活動の管理を行う新たな組織を成功裏に設置しました。2015年末までに、世界6カ所にあるヘンケルのシェアード・サービス・センターの従業員数は3,000人超にのぼりました。当社のグローバル組織の主要な業務プロセスは、これらのセンターにおいて処理されています。
Inspire:グローバルチームの士気を高める
素晴らしい業績は、明確な戦略とその戦略の遂行を担う強固なグローバルチームがベースとなっています。きわめてダイナミックで複雑な事業環境において卓越した成果を上げるため、ヘンケルでは力強いリーダーを求めるとともに、リーダーシップチームの継続的な向上を目指しています。ヘンケルは従業員に対し、実際の業務におけるトレーニングとヘンケル グローバルアカデミーの双方を通じて幅広い研修の機会を提供しています。異なる文化背景および職務経験からなる多様な人員構成もまた成功の重要な要素です。ヘンケルは多様性を積極的に管理し、過去において顕著な進歩を遂げてきました。2015年は、新興市場の従業員が55%を占めました。女性管理職の割合は約33%でした。
ヘンケルグループの2016年見通し
ヘンケルは、2016年度の既存事業売上高成長率を2~4%と見込んでいます。各事業部門の既存事業売上高がこの範囲内で成長すると予測しています。さらに、売上に占める新興市場の割合が若干上昇すると予測しています。調整後の売上高営業利益率は前年を上回り、約16.5%となると見込んでいます。各事業部門の調整後の売上高営業利益率は前年と同等かそれ以上となる見込みです。調整後の優先株(一株)あたりの利益は8~10%増を見込んでいます。
(本プレスリリースは2月25日にドイツ・ヘンケル本社発表のプレスリリース翻訳版です)
※ ※ ※ ※
本プレスリリースにおける将来予測は、弊社経営陣の知見と現在の予測に基づくものです。将来予測は、英文中
“expect“ “intend” “plan” “predict” “assume” “believe” “estimate” “anticipate” “forecast”等の語や同様の表現を用いて特徴づけられています。こうしたステートメントは、将来予測の実現を確約するものでは決してありません。将来のヘンケル社および関連企業の業績は、多くのリスクならびに不確実な要因によって、本稿の将来予測とは異なる場合があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや前もって正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。
※ ※ ※ ※
ヘンケルについて
ヘンケルはブランドとテクノロジーのグローバルリーダーとして、ランドリー&ホームケア、ビューティーケア、アドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)の3つの分野で事業展開をしています。ヘンケルは1876年の創立以来、コンシューマービジネスおよび産業分野において、Persil (パーシル)、Schwarzkopf(シュワルツコフ)、Loctite(ロックタイト)などに代表される有名なブランドの数々と共に、グローバルにおけるマーケットリーダーとしての地位を維持しています。ヘンケルの従業員数は約50,000人であり、2015年の売上高は181億ユーロ、調整後の営業利益は29億ユーロを計上しました。ヘンケルの優先株はドイツ株式指数DAXのリストに入っております。
※ ※ ※ ※
ヘンケルジャパンホームページ:http://www.henkel.co.jp
ヘンケルジャパンフェイスブックページ: http://www.facebook.com/HenkelJapan
※ ※ ※ ※
-本件に関するお問合せ先-
ヘンケルジャパン株式会社 広報室 黒木 健
TEL:080-4859-0988 e-mail: takeshi.kuroki@henkel.com
※ ※ ※ ※
● 調整後*の営業利益: 12.9%増の2,923百万ユーロ
● 調整後*の売上高営業利益率(EBITマージン): 0.4%ポイント増の16.2%
● 調整後*の優先株(一株)あたり利益(EPS): 11.4%増の4.88ユーロ
● 予定配当金: 12.2%増で優先株(一株)あたり1.47ユーロ
*一時所得 、一時費用およびリストラ費用を除く
デュッセルドルフ -ヘンケル最高経営責任者のカスパー・ローステッドは、「2015年はヘンケルにとってすばらしい年でした。当社は売上高、利益、一株あたり利益および予定配当金において2桁の成長を記録しました。3つの事業部門すべてにおいて、既存事業の堅調な成長と利益の顕著な伸びがみられました。主として、新興市場が引き続き当社の好調な業績に寄与しました。成熟市場においても、既存事業のさらなる成長を達成しました」と述べました。
また、「厳しい経済環境にも関わらず、当社は好調な業績を達成、当社の戦略を順調に遂行し、将来に向けた強固な基盤をつくりました。当社の4カ年戦略のうち3年が経過しましたが、当社は2016年の主要目標の達成に向けて順調に進んでいます」とヘンケルの発展を総括しました。
2016年の見通し
現在の状況および2016年度の財務目標について、ローステッドは「経済環境および政治環境は依然厳しい状況です。したがって、引き続き当社の各プロセスと体制を市場に順応させ、効率性と競争力のさらなる向上を目指します。2016年度通期では、既存事業売上高は2~4%増加するものと予想しています。調整後の売上高営業利益率は16.5%ほどまで拡大し、調整後の優先株(一株)あたり利益は2016年度に8~11%程度の伸びを見込んでいます。2013年から2015年までにおける調整後の優先株(一株)あたり利益の年平均成長率が9.7%であることから、当社は現在の4カ年戦略における平均複合年間成長率(CAGR)10%という目標の達成に向かって順調に進んでおり、また、これに全力で取り組んでいます」と述べました。
2015年の売上高および利益
2015年度の売上高は前年を大幅に上回る18,089百万ユーロとなりました。為替の変動により売上高は4.4%増加しました。買収・売却による寄与は2.7%でした。外国為替と売却・買収による影響を除外した既存事業売上高は3.0%増と堅調でした。
全事業部門で既存事業売上高は順調に成長し、ヘンケル全体での関連市場におけるシェアも拡大しました。ランドリー&ホームケア事業部門の既存事業売上高は4.9%増加しました。ビューティーケア事業部門の既存事業売上高は2.1%増、アドヒーシブ テクノロジーズ事業部門の既存事業売上高は2.4%増を記録しました。
一時費用、一時所得およびリストラ費用を除いた調整後の営業利益は12.9%増と顕著に増加し、2,923百万ユーロ(前年は2,588百万ユーロ)になりました。全3事業部門がこの好調な業績に寄与しています。報告されている営業利益(EBIT)は、前年が2,244百万ユーロであったのに対し、2,645百万ユーロとなりました。
調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は15.8%から0.4%増の16.2%となりました。報告されている売上高営業利益率は0.9ポイント増加し、14.6%(前年は13.7%)でした。
今期決算は、マイナス49百万ユーロからマイナス42百万ユーロに改善しました。税率は24.4%と、前年の24.3%から実質的に変わりませんでした。
非支配株主持分を差し引いた調整後の当期純利益は11.4%増の2,112百万ユーロ(前年は1,896百万ユーロ)となりました。報告されている当期純利益は前年比で18.4%増加し、1,662百万ユーロから1,968百万ユーロになりました。非支配株主持分の47百万ユーロを差し引いた当期純利益は1,921百万ユーロ(前年は1,628百万ユーロ)に増加しました。
調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は4.38ユーロから11.4%増加し、4.88ユーロとなりました。報告されているEPSは、3.76ユーロから4.44ユーロに増加しました。
経営委員会、監査委員会、および株主委員会は、2016年4月11日の年次株主総会において優先株(一株)あたり配当を12.2%増の1.47ユーロ(前年は1.31ユーロ)、普通株(一株)あたり配当を12.4%増の1.45ユーロ(前年は1.29ユーロ)に引き上げることを提案する予定です。この場合、配当性向は30.2%となります。
売上高に対する正味運転資本は、4.2%から0.4ポイント改善し、3.8%となりました。
年末の正味財務状況は335百万ユーロでした(2014年12月31日時点では、マイナス153百万ユーロ)。
事業部門別実績
2015年、ランドリー&ホームケア事業部門は、過年度の収益成長を非常に好調に継続しました。既存事業売上高は前年比4.9%の伸びを示し、関連市場を大きく上回りました。名目売上高は11.0%増の5,137百万ユーロとなり、初めて50億ユーロを超えました。
新興市場は大幅に成長し、2015年も既存事業売上高の成長に主要な貢献を果たしました。東欧、中南米およびアジア(日本を除く)の各地域が、非常に好調な伸びを記録しました。アフリカ・中東地域も非常に力強い成長を達成しました。しかしながら前年との比較では、厳しい市場状況のために成長は鈍化しました。
成熟市場の業績は好調でした。北米は堅調に売上高を伸ばし、西欧の売上高もプラス成長となりました。
調整後の営業利益は17.4%増と顕著に増加し、879百万ユーロとなりました。調整後の売上高営業利益率は0.9%増という非常に顕著な伸びを示し、17.1%となりました。報告されている営業利益は実際に27.8%の増加を見せ、615百万ユーロから786百万ユーロとなりました。
ビューティーケア事業部門も2015年度において過年度の収益成長を継続しました。既存事業売上高は2.1%増となり、ふたたび関連市場の成長率を上回りました。名目売上高は8.1%増の3,833百万ユーロとなりました。
地域でみると、新興市場の業績が非常に好調でした。特にアジア(日本を除く)の新興市場は、中国における好調な事業拡大の結果、非常に好調な成長を遂げました。中南米は2桁の売上高成長を記録しました。アフリカ・中東地域では、過年度の好調な発展を継続し、堅調な成長率を記録しました。東欧では好調な成長が達成されました。
成熟市場の事業は依然として厳しい競争、強い価格圧力および販促の激化の影響を受けています。この厳しい環境において成熟市場の売上高は、特に西欧や、アジア太平洋地域の成熟市場における成長を受け、前年をわずかに下回る程度にとどまりました。厳しい競争環境のなか、北米における売上高は前年比で堅調な成長を記録しました。
調整後の営業利益は前年比12.2%増の610百万ユーロとなり、同事業部門の過去最高益を更新しました。調整後の売上高営業利益率は0.6ポイント増と非常に堅調な増加を見せ、15.9%となりました。報告されている営業利益は33.3%増の561百万ユーロとなりました。
アドヒーシブ テクノロジーズ事業部門は既存事業売上高が2.4%増と堅調に成長し、市場全体の成長率と同程度に伸びました。名目売上高は前年の8,127百万ユーロから10.6%増加し、8,992百万ユーロとなりました。
同事業部門は中南米において非常に好調に成長し、新興市場における既存事業売上高の堅調な伸びを達成しました。アフリカ・中東地域および東欧地域では、困難な政情および厳しい経済環境の継続にも関わらず、堅調な成長を記録しました。アジア(日本を除く)の売上高はプラスの成長となりました。
成熟市場の売上実績は、特に西欧および北米におけるプラス成長により全体としてプラスでした。アジア太平洋地域の成熟市場は堅調な成長を記録しました。
調整後の営業利益は9.4%増の1,534百万ユーロと過去最高益を更新しました。調整後の売上高営業利益率は前年の高水準をわずかに下回る17.1%となりました。報告されている営業利益は8.7%増の1,462百万ユーロとなりました。
地域別業績
厳しい市場競争環境が続くなか、西欧地域の売上高は5.6%増の6,045百万ユーロとなりました。既存事業売上高は0.3%減とわずかに減少しました。フランスや英国といった国におけるプラス成長は、スイスおよび北欧諸国における減少を完全には相殺することができませんでした。東欧地域の売上高は、ロシアルーブルや同地域の他国通貨の大幅安により前年比で減少し、2,695百万ユーロとなりました。しかし、既存事業売上高は特にロシアおよびトルコでの事業拡大を受け、7.3%の増加となりました。一部の国での政情不安や社会不安があるにも関わらず、アフリカ・中東地域での名目売上高は17.3%増の1,329百万ユーロでした。既存事業売上高は6.8%増となり、各事業部門が重要な貢献を果たしました。
北米地域の売上高は、26.5%増と顕著に増加し、3,648百万ユーロとなりました。為替の好影響と2014年に行った買収が成長に寄与しました。同地域の既存事業売上高は2.3%の成長となりました。中南米地域の売上高は7.9%増の1,110百万ユーロとなり、特にメキシコにおける2桁成長の寄与によって既存事業売上高が8.8%増加しました。アジア太平洋地域の売上高は前年比で17.1%増と顕著に伸び、3,134百万ユーロとなりました。中国における成長鈍化にも関わらず、同地域の既存事業売上高もまた2.5%増加しました。
東欧、アフリカ・中東、中南米およびアジア(日本を除く)の新興市場の売上高は前年比で顕著に増加し、7,797百万ユーロとなりました。既存事業売上高は5.9%増加し、すべての事業部門が寄与しました。新興市場は、既存事業売上高に対し、再び全社平均以上の寄与を果たしました。為替の影響により、新興市場の売上高の割合はわずかに減少し、43%となりました。成熟市場における既存事業売上高は0.7%増加し、10,164百万ユーロとなりました。
2015年第4四半期の事業発展
第4四半期の売上高は、前年同期比6.0%増の4,374百万ユーロとなりました(前年は4,126百万ユーロ)。外国為替と買収・売却による影響を除外した既存事業売上高は2.9%増でした。一時所得、一時費用およびリストラ費用を除いた調整後の営業利益は、602百万ユーロから11.3%の増加となる、670百万ユーロとなりました。報告されている営業利益(EBIT)は前年同期の444百万ユーロから39.0%増加し、616百万ユーロとなりました。
調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は14.6%から0.7ポイント増加し、15.3%となりました。報告されている売上高営業利益率は10.8%から3.3ポイント増加し、14.1%となりました。非支配株主持分を差し引いた調整後の当期純利益は前年同期の437百万ユーロから9.8%増加し、480百万ユーロとなりました。報告されている当期の純利益は48.7%増加し、461百万ユーロ(前年同期は310百万ユーロ)に達しました。15百万ユーロの非支配株主持分を差し引いた当期純利益は446百万ユーロ(前年同期は298百万ユーロ)でした。調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は1.01ユーロから9.9%増加し、1.11ユーロとなりました。報告されている優先株(一株)あたり利益(EPS)は、前年同期の0.69ユーロから49.3%増加し、1.03ユーロでした。
戦略の実施状況
ヘンケルが掲げる2016年に向けた戦略の2015年度の進捗状況については、4つの戦略プライオリティ(Outperform、Globalize、Simplify、Inspire)のすべてに関し、非常に順調に前進しました。
Outperform:競合をしのぐ成果を達成する
ヘンケルは2015年においても引き続きトップブランドの強化を行いました。Persil(パーシル)、Schwarzkopf(シュワルツコフ)およびLoctite(ロックタイト)は合わせて約59億ユーロの売上をもたらしました。ヘンケルの上位10ブランドによる売上高の割合は、59%から61%に拡大しており、2016年の目標値60%をすでに上回っています。前年を超える顕著な伸びは、イノベーション、ブランド資産価値に対する投資、および新市場への展開によりもたらされました。コンシューマービジネス(ランドリー&ホームケア、ビューティーケア)の両事業部門では、市場投入して3年未満の製品が売上高に占める割合が45%超となりました。アドヒーシブ テクノロジーズ事業部門では、過去5年間に発売した製品の売上高に占める割合が約30%でした。2015年もまた引き続き、大手小売および法人顧客との強固な関係が、それら顧客との販売シェア拡大を実現しました。
ヘンケルではその競争優位性を強化することに加え、将来的な事業の成功に向けた主要な促進要素としてデジタル化を特定し、これを当社事業および各種プロセスのあらゆる側面に組み込むことを目指して一層の前進を遂げてきました。2015年、ヘンケルはその事業基盤の標準化とデジタル化を継続しました。また、社内の連係を強化し、市場対応および顧客対応業務のデジタル化を順調に進展させました。
Globalize:企業のグローバル化
2015年、新興市場の売上高は全売上高の43%を占め、前年の水準をわずかに下回りました。この減少は、主としてそれらの市場の一部の通貨安によるものです。通貨の変動の影響を除くと、新興市場は依然ヘンケルの成長にとって主な原動力となっており、当社は引き続き新興市場におけるプレゼンスを高めていきます。
成熟市場では、ヘンケルはそれらの市場におけるマーケットリーダーとしての地位を強化することができました。2015年で注目すべき点は、ヘンケルの旗艦ブランドであるPersil(パーシル)とSchwarzkopf(シュワルツコフ)が米国の小売市場に首尾よく投入されたことにより、ヘンケルが成長軌道に戻り、世界最大の単一市場で業績を伸ばすことができたことです。
Simplify:業務を簡略化する
ヘンケルは、業務の卓越性を高め、効率性を向上し、競争優位性を創出するため、組織の簡略化を常に目指しています。2015年度は、業務プロセスの標準化、デジタル化、加速化による拡張可能な事業モデルの構築において顕著な進展を遂げました。ヘンケルはまた、すべての事業部門に対するグローバルサプライチェーンおよび購買活動の管理を行う新たな組織を成功裏に設置しました。2015年末までに、世界6カ所にあるヘンケルのシェアード・サービス・センターの従業員数は3,000人超にのぼりました。当社のグローバル組織の主要な業務プロセスは、これらのセンターにおいて処理されています。
Inspire:グローバルチームの士気を高める
素晴らしい業績は、明確な戦略とその戦略の遂行を担う強固なグローバルチームがベースとなっています。きわめてダイナミックで複雑な事業環境において卓越した成果を上げるため、ヘンケルでは力強いリーダーを求めるとともに、リーダーシップチームの継続的な向上を目指しています。ヘンケルは従業員に対し、実際の業務におけるトレーニングとヘンケル グローバルアカデミーの双方を通じて幅広い研修の機会を提供しています。異なる文化背景および職務経験からなる多様な人員構成もまた成功の重要な要素です。ヘンケルは多様性を積極的に管理し、過去において顕著な進歩を遂げてきました。2015年は、新興市場の従業員が55%を占めました。女性管理職の割合は約33%でした。
ヘンケルグループの2016年見通し
ヘンケルは、2016年度の既存事業売上高成長率を2~4%と見込んでいます。各事業部門の既存事業売上高がこの範囲内で成長すると予測しています。さらに、売上に占める新興市場の割合が若干上昇すると予測しています。調整後の売上高営業利益率は前年を上回り、約16.5%となると見込んでいます。各事業部門の調整後の売上高営業利益率は前年と同等かそれ以上となる見込みです。調整後の優先株(一株)あたりの利益は8~10%増を見込んでいます。
(本プレスリリースは2月25日にドイツ・ヘンケル本社発表のプレスリリース翻訳版です)
※ ※ ※ ※
本プレスリリースにおける将来予測は、弊社経営陣の知見と現在の予測に基づくものです。将来予測は、英文中
“expect“ “intend” “plan” “predict” “assume” “believe” “estimate” “anticipate” “forecast”等の語や同様の表現を用いて特徴づけられています。こうしたステートメントは、将来予測の実現を確約するものでは決してありません。将来のヘンケル社および関連企業の業績は、多くのリスクならびに不確実な要因によって、本稿の将来予測とは異なる場合があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや前もって正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。
※ ※ ※ ※
ヘンケルについて
ヘンケルはブランドとテクノロジーのグローバルリーダーとして、ランドリー&ホームケア、ビューティーケア、アドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)の3つの分野で事業展開をしています。ヘンケルは1876年の創立以来、コンシューマービジネスおよび産業分野において、Persil (パーシル)、Schwarzkopf(シュワルツコフ)、Loctite(ロックタイト)などに代表される有名なブランドの数々と共に、グローバルにおけるマーケットリーダーとしての地位を維持しています。ヘンケルの従業員数は約50,000人であり、2015年の売上高は181億ユーロ、調整後の営業利益は29億ユーロを計上しました。ヘンケルの優先株はドイツ株式指数DAXのリストに入っております。
※ ※ ※ ※
ヘンケルジャパンホームページ:http://www.henkel.co.jp
ヘンケルジャパンフェイスブックページ: http://www.facebook.com/HenkelJapan
※ ※ ※ ※
-本件に関するお問合せ先-
ヘンケルジャパン株式会社 広報室 黒木 健
TEL:080-4859-0988 e-mail: takeshi.kuroki@henkel.com
※ ※ ※ ※