2016年02月02日 10:00

【A.T. カーニー調査】グローバル・サービス・ロケーション指数調査を発表。インド、中国、マレーシアのトップ3に変動はないものの、アウトソーシング業界における新機軸: RPAやBPaaSへの変遷を示唆

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経営コンサルティング会社A.T. カーニー(本部:米国イリノイ州シカゴ、東京オフィス:港区)は、『2016年度グローバル・サービス・ロケーション指数調査』を実施し、世界のアウトソーシング対象国(オフショア市場)の魅力度ランキングを本日発表した。

経営コンサルティング会社A.T. カーニー(本部:米国イリノイ州シカゴ、東京オフィス:港区)は、『2016年度グローバル・サービス・ロケーション指数調査』を実施し、世界のアウトソーシング対象国(オフショア市場)の魅力度ランキングを発表た。

本調査は、2004年より継続的に実施されており、企業のITサービス、コールセンター、バックオフィス業務などの海外移転先であるオフショア市場の選択の指針となる各国の魅力度を評価し、さらにグローバル・サービス産業の現状と今後の展望を分析したもの。「経済的魅力」「労働力(規模とスキル)」「ビジネス環境」の3分野の評価項目にもとづいて上位55カ国ランキングした
今回で7回目となる本年度の調査では、インド、中国、マレーシアがトップ3を維持しており、アジアはトップ10圏内に6カ国、トップ20圏内に8カ国がランクインと、優勢な状態が続いている。中南米と東欧は、いずれもトップ20圏内に5カ国ずつランクインしており、前者の地域は被雇用者のスキルと利用可能性が、後者の地域はビジネス環境が急成長している。 2014年に発表された前回の結果に比べ、ランキング自体には大きな変動はなかったものの、アウトソーシング市場の新たな脅威や崩壊を示唆するものとなった。

本調査を担当したA.T. カーニーのパートナー、アルジュン・セティ(Arjun Sethi)のコメント
「ランキング上位の7カ国は昨年とほとんど変わらないが、アウトソーシングされている業務の性質が変わりつつあるため、将来的にはそれらの国々はすべて入れ替わる可能性がある。オートメーションというトレンドはインドや中国といったアウトソーシングの上位国を退ける存在になるかもしれないからだ。テクノロジーの容赦ない進化は、業務が委託される先だけでなく、その業務がどのように、誰(または何)によって 実行されるかということさえも、予想していなかった方法で根本から変え続けている。このオートメーションと結びついた新たなビジネスモデルは、オフショアリングという確立された概念を脅かしつつ、市場を拡大している」

現在バックオフィスで行われているルールに沿った反復的な業務は最も自動化しやすいため、RPA(Robotic Process Automation: ロボティック・プロセス・オートメーション)が今後10年のあいだにサービス経済に浸透していく、と本調査は見込んでいる。ただし、BPaaS(Business Process as a Service: サービスとしての業務プロセス)も登場し、既存サービスの破壊となるか革新の誕生となるか、目が離せない。RPAロボットが企業独自のユーザーインターフェースを使用して人間の動作を真似るように「教えられる」一方で、BPaaSサービスプロバイダーは、複数の顧客間で標準化されたインターフェイスやプロセスを使用し、自動化の程度を変化させつつ、業務の大小にかかわらず迅速に結果を生み出す。

本調査を担当した、A.T. カーニーのプリンシパル、ヨハン・ゴット(Johan Gott)は、こう付け加える。
「これらの国における利用や、サービスの使いやすさが意味するものは大きいといえる。BPaaSは、クライアント側に対しても、受け入れ側に対しても、ビジネスデータマネジメントへの参入障壁を劇的に引き下げ、より小規模な新興企業に門戸を開く存在となる。同時に、順応性の高い教育システムを有する国々で必要とされている業務スキルも変わりつつある。標準化やオートメーションが比較的単純なプロセスで勢力を伸ばすようになると、オフショアを行う企業はより分析的な能力を求めるようになるだろう」。

また、本調査ではランクインした国々のオフショアに適した都市についても詳細に検討している。前出のアルジュン・セティいわく、「オフショアに関してはいまだにインドとフィリピンが最も念頭にあがることが多い一方で、新しい才能の発掘はこれらの国の首都や主要都市を越えて、ティア3地域でも行われるようになった。インドではスーラト、ナーグプル、ラクナウ。フィリピンではバコロド、イロイロシティなどがそれにあたる。また、一部の大企業の間ではソーシャルインパクトソーシングと呼ばれるサステナビリティ現象が見られ、障害を負った人々や経済的に恵まれない家庭に生まれた人々を含めた被雇用者たちに影響を与えています。ケニアやネパールといった開拓市場で、比較的単純なプロセスやフレキシブルな業務手配を行うことに専念したインパクトソーシングサービスプロバイダーまでもが登場しています。これらの新しいトレンドは、発展途上国の社会・財政基盤だけでなく、ビジネス全体にとっても良いニュースだといえよう」。 


調査報告の原文(英語)はこちら 
http://www.atkearney.com/research-studies/global-services-location-index/full-report


【この件に関するお問合せ先】
A.T. カーニー株式会社 JP.inquiry@atkearney.com

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商号
A.T. カーニー株式会社(エーティーカーニー)
代表者
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所在地
〒107-6223
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階
TEL
03-6890-5001
業種
コンサルティング・シンクタンク
上場先
未上場
従業員数
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