2015年02月17日 10:00

16億人超のムスリムを支配する「イスラーム法」の根源を、その死生観からやさしく説いたイスラーム思想入門、 中田考著『イスラーム 生と死と聖戦』が集英社新書より2月17日(火)に刊行!

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「イスラーム」の思想では、本来、唯一神・アッラーの存在こそが人間の人間による支配と国家の暴走、対立を食い止める秩序になり得るのだと、著者は主張する。国境を越えて勢力を伸ばす「イスラーム国」の現状にも触れながら、ムスリムたちの死生観をわかりやすく解説する、イスラーム思想入門の決定版!

イスラームの倫理に反する戦争とは? ムスリムにとって死とは?
第一人者がイスラーム法をわかりやすく解説した、必読の一冊。

***************本文より*****************
そもそも「イスラーム法」という言葉は翻訳語で、これにそのまま当たる言葉は
ムスリムの共通語であるアラブ語にはありません。
日本で「イスラーム法」と訳されているのはシャリーアという言葉です。
これは狭い意味での法律ではありません
あえて訳すなら「法」と一文字で表すべきもので、通常の法律よりも広い概念です。
日本語でも法律と言わずに、ただ「法」とだけいうとその意味はかなり広がるでしょう。
たとえば、仏法というときの「法」は仏教の法律という意味ではなく、
サンスクリット語のダルマ(真理)の訳語ですから仏法には戒律も含まれているけれども
教えも含まれているわけです。シャリーアはそれに近いものです。
第1章「イスラーム法とは何か?」より

終末論はユダヤ教にもキリスト教にもありますが、イスラームでは二本立てなんです。
伝承が入り乱れていてはっきりしないところもありますが、大雑把に言うと、
最終戦争で善の側、イーサー(イエス)とマフディー(メシア)の側が勝って、
正義の平和が実現する。けれども、キリスト教の千年王国とは違って
この平和はあまり続かない。
善の側は現世的な世界の中で一回勝つのですが、
そのあと天変地異がおとずれて、これで完全に世界が滅ぶ。
世界が滅亡すると、この宇宙のすべてのものが、天使も含めてみんな死ぬ
宇宙にあるものがすべて死んだあとで、それまでに死んだすべての死者がよみがえって、
最後の審判で裁かれる。そのあとは永遠の来世が続く。
こういう世界観の中で個人の死というものが位置づけられるわけです。
第3章「死後の世界」より
『イスラーム 生と死と聖戦』
著者:中田 考
2015年2月17日発売/定価:本体760円+税
ISBN:978-4-08-720764-4
http://shinsho.shueisha.co.jp/


【目次】

序章   イスラームとジハード / 第1章  イスラーム法とは何か? / 第2章  神 / 第3章  死後の世界 / 第4章  イスラームは政治である / 第5章  カリフ制について考える / 終章   「イスラーム国」と真のカリフ制再興
解説 池内恵(東京大学先端科学研究センター准教授)

【著者プロフィール】
中田考(なかた こう)
1960年、岡山県生まれ。イスラーム学者。東京大学文学部卒業後、
カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了(哲学博士)。
同志社大学神学部元教授。専門はイスラーム法学・神学。
著書に『イスラームのロジック』(講談社)、
『一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』(内田樹氏との共著、小社刊)、
 『日亜対訳 クルアーン』(作品社、監修)がある。

【お問い合わせ】 集英社 広報部 03-3230-6314

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