2015年01月16日 10:00

内田樹氏推薦!「中近東のイスラムをめぐる政治状況を精密なロジックと平明な文体で腑分けしてくれる一冊」 『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』(集英社新書)、1月16日(金)発売!

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混迷の中東に突如現れたイスラム国。捕虜の殺害や少数民族への迫害が欧米経由で厳しい批判と共に報じられているが、その過激な行動の裏にある歴史と論理は何か? 本書はイスラムそのものに対するメディアの偏見と、第一次世界大戦時に確立された欧米による中東秩序の限界を指摘。そして、集団的自衛権容認で中東に自衛隊が派遣される可能性が高まる中、日本が今後イスラム世界と衝突せず、共存するために何が必要なのかを示す

「イスラムとその信徒をターゲットにしているわけではない」と欧米は嘯(うそぶ)きつつ、
テロとは無関係の市民を犠牲にしてきました。
2014年には「テロとの戦い」で捕えられた捕虜に対して、
CIAが凄惨な拷問を繰り返してきたという事実まで明らかになるなど、
そうした積み重ねの結果、解決の糸口すらないような逆境を創り出しました。
ついには中東・イスラム世界の各地でカオスのような状況に陥り、
イスラム国のように途方もなく暴走する集団が登場したのです。

それでもなお軍事力で解決を図ろうとする今の世界を
批判的に描こうという意図が本書のタイトルには込められています。
日本にとっても、イスラム戦争は他人事でも、遠くの出来事でもありません。
国内では安倍政権は集団的自衛権を容認し、その行使を主張しています。
中東・イスラム世界で想定されるのは、アメリカが自国に対するテロの脅威があるという理由で
集団的自衛権の行使を同盟国に呼びかけ、日本もそれに呼応して派兵するケースでしょう。
東アジアでアメリカに守ってもらうのだから、中東で恩返しをしなくては――
もしそのような発想があるならば、日本にとってだけでなく
世界にとって途方もない危険をもたらすことになるのです。

本書は中東の状況とイスラムをめぐる偏見の実態を概観、分析し、
日本がテロや戦争に巻き込まれることのない第三の道を探るものです。(「はじめに」より)

【目次】
はじめに 日本は決してこの戦争に参加してはならない
序 章   中東で起きていること
第一章   16億人のムスリムを味方にするか、敵に回すか
第二章   まちがいだらけのイスラム報道
第三章   イスラム世界の堕落とイスラム国の衝撃
第四章   日本人にとってのイスラム
おわりに  戦争は人の心の中で生まれる
『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』
著者 内藤正典(ないとう・まさのり)
定価:本体760円+税/ISBN 978-4-08-720770-5
http://shinsho.shueisha.co.jp/

【著者プロフィール】
1956東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学分科卒業。博士(社会学)。
専門は多文化共生論、現代イスラム地域研究。一橋大学教授を経て、
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。
著書に『イスラムの怒り』『イスラム―癒しの知恵』(集英社新書)、
『ヨーロッパとイスラーム』(岩波新書)、『イスラーム戦争の時代』(NHKブックス)、
編著に『イスラーム世界の挫折と再生』(明石書店)など。

【お問い合わせ】 集英社 広報部 03-3230-6314

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  • 政治、経済、マネー

会社概要

商号
株式会社 集英社(カブシキガイシャ シュウエイシャ)
業種
新聞・放送・出版・広告・印刷
上場先
未上場
従業員数
5000名未満
会社HP
http://www.shueisha.co.jp/

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