2014年10月28日 09:00

高齢者抑うつ尺度の短縮版(GDS5)の予測的妥当性に関する検討

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(株)政策基礎研究所 副主任研究員 和田有理が執筆した論文「AGESプロジェクトのデータを用いたGDS5の予測的妥当性に関する検討-要介護認定,死亡,健康寿命の喪失のリスク評価を通して-」が、「厚生の指標」平成26年9月号に掲載されました。本論文では、高齢者抑うつ尺度の短縮版(5項目版)である「GDS5」の予測的妥当性を、日本福祉大学AGESプロジェクトの縦断データを用いて検証しました。

(株)政策基礎研究所 副主任研究員 和田有理が執筆した論文「AGESプロジェクトのデータを用いたGDS5の予測的妥当性に関する検討-要介護認定,死亡,健康寿命の喪失のリスク評価を通して-」が、「厚生の指標」平成26年9月号に掲載されました。

■本論文の目的
高齢者の抑うつ状態を把握する尺度の短縮版(5項目版)である「GDS5」について、高齢者を対象とした調査(AGESプロジェクト)の縦断データを用いて、要介護認定や死亡等のリスクに対する予測的妥当性を検証しました。

■結果
GDS5により「うつ傾向」であるとされた人の方が、そうでない人よりも要介護認定や死亡等になる割合が高い、という結果が得られました。
現在よく用いられている15項目版の尺度(GDS15)でも同様の結果が得られたため、GDS5がGDS15と同等の予測的妥当性をもつことが確認されました。

■意義
GDS5を実際の調査等で用いるメリットとしては、以下の点が挙げられます。
・回答する項目が少なくなることにより、調査にご協力いただく方々の負担が軽減され、より精度の高いデータを得られるようになる。
・項目数の多い尺度を用いた場合よりもデータの欠損が少なくなり、実証研究においてより多くのデータを活かすことができる。
これらのことから、GDS5の妥当性を示すことには意義があると考えられます。

□本論文で用いたデータ
本論文では、日本福祉大学健康社会研究センターによる愛知老年学的評価研究(AGES)プロジェクト(科学研究費補助金(基盤研究A:課題番号23243070)の助成を受けて実施)のデータを使用しました。
2003年10月、東海地方の6自治体に居住する要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者29,374名を対象として郵送調査を行い、14,286名から回答を得ました(回収率48.0%)。そのうち、無効回答を除いた11,753名分について、要介護認定または死亡の状況を4年間追跡した縦断データを用いました。

論文の抄録は、以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.hws-kyokai.or.jp/ronbun/1409/201409-02.htm

論文に関するお問い合わせ先:
(株)政策基礎研究所 和田 有理
TEL:03-6280-3569
E-Mail:wadaアットdoctoral.jp
(※「アット」を「@」に変えてご送信下さい)

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