ウイングアーク1st株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:内野弘幸)は、札幌市が文字情報基盤をIPAmj明朝ベースの「札幌mj明朝」で構築し、その帳票出力基盤に「SVF」を採用したことをお知らせします。
【背景】
札幌市の基幹システムは、ホストコンピュータをパーティションで区切り、それぞれの領域で複数のシステムが稼働する構成になっていましたが、そのためにシステム間のデータ連携については、連携するデータごとに複雑な連携機能を作り込むことが必要でした。しかしこの仕組みでは、たとえば税制が変更になった場合に、税系システムを修正すると、その影響がどこまで及ぶのかを把握するのが非常に困難で、各システムの影響範囲の特定と改修には、膨大な時間とコストがかかっていました。
【札幌市の取り組み】
そこで札幌市では、基幹システムのオープン化を推進しました。ビジネスロジック層とミドルウェア層、ハードウェアプラットフォームを疎結合にし、変化に応じて柔軟に組み替えられる基幹系情報システム基盤を構築しました。ビジネスロジック層で稼働する各システムは業務機能に特化しており、データベースや帳票出力、認証技術などの基本的な機能はシステム基盤に任せ、制度改正などの影響を最小化させました。
基幹系情報システム基盤では、統合データベースを個々のシステムが利用する個別システム領域と、各システムが共通に利用する共通領域に分けて、情報のやり取りを管理している一方、共通で利用する税の情報や個人の基本情報などは、共通領域に持っています。これにより制度改正があっても、共通領域を変更するだけで、他のシステムを改修することなく対応することができるようになりました。
各システムは帳票出力基盤に対し、帳票を出力したいという問い合わせをするだけで、実際の出力は帳票出力基盤を担う「SVF」が行っています。
また今回、帳票作成にあたり、氏名の表示を戸籍簿と一致させる必要のある住民票や、住民票と同じ表示が求められる他のシステムも含めて、字形にこだわった運用をしています。住所や氏名には、常用漢字以外の異体字も使われることから、異体字への対応も不可欠で、自治体のシステム基盤にもっとも適応するフォントを検討した結果、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公開している「IPAmj明朝」の採用を決定しました。
IPAmj明朝は、自治体の実務に必要な、約6万文字の人名漢字などを収録したフォントで、札幌市をはじめ、すでにいくつかの自治体で実証実験が実施されています。札幌市では、基幹系情報システム基盤との連携をはじめ、文字の検索・入力の効率、不要な外字登録発生の抑制などを検証し、IPAmj明朝をカスタマイズした「札幌mj明朝」を作成しました。「札幌mj明朝」では、IPAmj明朝で符号化されていない文字やIVSで符号化されている文字を補助私用領域にマッピングし、IPAmj明朝の全ての文字を容易に扱えるようにしています。これにより、他の自治体との文字データ交換においても、札幌市の文字コード一覧の提供を受けなくても、文字の特定を容易に行うことができます。
【今後の展開】
今後、札幌市では、基幹系情報システム基盤の構築で培った帳票出力や文字情報の移行、体系化の経験や実績、ノウハウを、他の自治体に向けて、展開していくことを検討しています。具体的な取り組みとして、他の自治体との文字データ交換や旧システムとの文字コード変換のための仕組みをすでに準備しています。
<札幌市総務局情報化推進部 情報システム課 新基幹系情報システム構築プロジェクト
PMO 兼 システム基盤構築/インフラ整備/環境構築チーム 統括プロジェクトマネージャ
岩間 雅巳様のコメント>
「独立系ソフトウェアベンダーであるウイングアーク1stのSVFは、機能ごとにモジュールが部品化されており、必要最低限の製品で要件が実現できました。実際の帳票作成に関しても、数千種類のレイアウトを開発しましたが、SVFは使いやすい製品だと思います」
■事例紹介
http://www.wingarc.com/product/usecase/detail.php?id=161
<製品・サービスに関するお問い合わせ先>
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