一般社団法人情報処理学会(会長:喜連川優)は、我が国のコンピュータ技術発達史上の貴重な研究開発成果や国民生活、経済、社会、文化などに顕著な影響を与えたコンピュータ技術や製品など、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ情報処理技術遺産の保存と活用を図るために、2008年度より情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度を設けています。
第6回目となる本年度は、8件の情報処理技術遺産と1件の分散コンピュータ博物館を認定し、史料および施設の所有者をお招きして認定式を行うことになりましたので、お知らせいたします。
■期日 2014年3月11日(火)13:15~13:50
■会場 東京電機大学 東京千住キャンパス 第1イベント1号館 2F 丹羽ホール
(〒120-8551 東京都足立区千住旭町5番)
●認定制度制定の背景と目的
情報処理学会では我が国のコンピュータ発達史上の重要な成果や製品を当会ホームページの中の「コンピュータ博物館」に掲載して、紹介してきました。約1,700点の写真を含めてその史料点数は3,000点を超えており、月に10万件前後のアクセスがあるなど、多数の方々にご利用いただいております。
しかしながら、それら史料の大半はすでに実物としては存在しておりません。コンピュータ技術の急速な発展や利用環境の変化の中で、古い技術や製品の意義が見失われ、廃棄されて急速に失われつつあります。情報処理学会では、現存する貴重な史料をコンピュータに特化した実博物館などで保存すべきと考えて各方面に働きかけるなど努力してきましたが、残念ながら未だ実現の可能性がみえません。
このような状況の中で、わずかに残っている貴重な史料の保存を図るとともに、我が国のコンピュータ技術の発展を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことが急務と考えております。その一助として、情報処理技術遺産の認定制度を設けました。
また、小規模ながら、貴重な史料を保存・展示しておられる資料室やコレクションが日本各地に点在いたします。それらをネットワーク化して利用を拡大することも有意義であると考え、併せて分散コンピュータ博物館の認定制度も設けました。
コンピュータ博物館:http://museum.ipsj.or.jp/
情報処理技術遺産 :http://museum.ipsj.or.jp/heritage/index.html
●2013年度認定リスト
<情報処理技術遺産>8件
1)ページ式和欧文電信機「55型テレタイプ」
製造者:沖電気工業
製造年:1953年
印字さん孔受信や不在通信機能等を有したOKIプリンタの歴史の起点となった製品。約12年間製造されたベストセラー機である。
2)パラメトロンアーカイブス
作成者:和田英一 他
作成年:1958年より
当時高橋秀俊研究室で行われていたパラメトロン素子およびPC-1計算機のハード/ソフト開発資料一式である。
3)TACウイリアムス管・真空管および関連資料
製造者:東京大学
製造年:1959年
黎明期に開発された東大電子計算機TACのメモリ用ウイリアムス管、論理回路用真空管および関連資料。
4)KT-Pilot
製造者:京都大学・東京芝浦電気
製造年:1961年
京都大学と東京芝浦電気が共同で開発した我が国初の本格的マイクロプログラム方式を採用したコンピュータ。
5)強震応答解析用アナログ計算機SERAC
製造者:日立製作所
製造年:1961年
強震時における建造物の反応を解析するために開発され、霞が関ビルの耐震設計の基礎研究などに使用された。
6)DIPS-1構成部品(中央処理装置等)
製造者:日本電信電話公社(現・日本電信電話)
製造年:1971年
NTTが共同研究3社と開発。ICメモリによるキャッシュ、仮想記憶などの先端技術を採用、DEMOSなどのシステムに導入。
7)京都大学QA-1
製造者:京都大学工学部
製造年:1977年
京都大学で開発された4台の算術論理演算装置をもつ並列処理コンピュータ。VLIW方式の先駆となった。
8)ベーシックマスター MB-6880
製造者:日立製作所
製造年:1978年
萌芽期のパソコンの代表的な製品で、8ビットマイコンを搭載し、BASICによるプログラミングが可能。
<分散コンピュータ博物館>1件
1)神戸大学経済経営研究所経営機械化展示室
国産初の鐘淵実業製PCS用分類機など、戦中・戦後に導入された28点の歴史的機器が保存されている。
<本件に関するお問い合わせ>
企業名:一般社団法人情報処理学会
担当者名:会誌編集部門 TEL:03-3518-8371 Email:editj@ipsj.or.jp
第6回目となる本年度は、8件の情報処理技術遺産と1件の分散コンピュータ博物館を認定し、史料および施設の所有者をお招きして認定式を行うことになりましたので、お知らせいたします。
■期日 2014年3月11日(火)13:15~13:50
■会場 東京電機大学 東京千住キャンパス 第1イベント1号館 2F 丹羽ホール
(〒120-8551 東京都足立区千住旭町5番)
●認定制度制定の背景と目的
情報処理学会では我が国のコンピュータ発達史上の重要な成果や製品を当会ホームページの中の「コンピュータ博物館」に掲載して、紹介してきました。約1,700点の写真を含めてその史料点数は3,000点を超えており、月に10万件前後のアクセスがあるなど、多数の方々にご利用いただいております。
しかしながら、それら史料の大半はすでに実物としては存在しておりません。コンピュータ技術の急速な発展や利用環境の変化の中で、古い技術や製品の意義が見失われ、廃棄されて急速に失われつつあります。情報処理学会では、現存する貴重な史料をコンピュータに特化した実博物館などで保存すべきと考えて各方面に働きかけるなど努力してきましたが、残念ながら未だ実現の可能性がみえません。
このような状況の中で、わずかに残っている貴重な史料の保存を図るとともに、我が国のコンピュータ技術の発展を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことが急務と考えております。その一助として、情報処理技術遺産の認定制度を設けました。
また、小規模ながら、貴重な史料を保存・展示しておられる資料室やコレクションが日本各地に点在いたします。それらをネットワーク化して利用を拡大することも有意義であると考え、併せて分散コンピュータ博物館の認定制度も設けました。
コンピュータ博物館:http://museum.ipsj.or.jp/
情報処理技術遺産 :http://museum.ipsj.or.jp/heritage/index.html
●2013年度認定リスト
<情報処理技術遺産>8件
1)ページ式和欧文電信機「55型テレタイプ」
製造者:沖電気工業
製造年:1953年
印字さん孔受信や不在通信機能等を有したOKIプリンタの歴史の起点となった製品。約12年間製造されたベストセラー機である。
2)パラメトロンアーカイブス
作成者:和田英一 他
作成年:1958年より
当時高橋秀俊研究室で行われていたパラメトロン素子およびPC-1計算機のハード/ソフト開発資料一式である。
3)TACウイリアムス管・真空管および関連資料
製造者:東京大学
製造年:1959年
黎明期に開発された東大電子計算機TACのメモリ用ウイリアムス管、論理回路用真空管および関連資料。
4)KT-Pilot
製造者:京都大学・東京芝浦電気
製造年:1961年
京都大学と東京芝浦電気が共同で開発した我が国初の本格的マイクロプログラム方式を採用したコンピュータ。
5)強震応答解析用アナログ計算機SERAC
製造者:日立製作所
製造年:1961年
強震時における建造物の反応を解析するために開発され、霞が関ビルの耐震設計の基礎研究などに使用された。
6)DIPS-1構成部品(中央処理装置等)
製造者:日本電信電話公社(現・日本電信電話)
製造年:1971年
NTTが共同研究3社と開発。ICメモリによるキャッシュ、仮想記憶などの先端技術を採用、DEMOSなどのシステムに導入。
7)京都大学QA-1
製造者:京都大学工学部
製造年:1977年
京都大学で開発された4台の算術論理演算装置をもつ並列処理コンピュータ。VLIW方式の先駆となった。
8)ベーシックマスター MB-6880
製造者:日立製作所
製造年:1978年
萌芽期のパソコンの代表的な製品で、8ビットマイコンを搭載し、BASICによるプログラミングが可能。
<分散コンピュータ博物館>1件
1)神戸大学経済経営研究所経営機械化展示室
国産初の鐘淵実業製PCS用分類機など、戦中・戦後に導入された28点の歴史的機器が保存されている。
<本件に関するお問い合わせ>
企業名:一般社団法人情報処理学会
担当者名:会誌編集部門 TEL:03-3518-8371 Email:editj@ipsj.or.jp