2012年11月05日 16:00

amsの新インターフェイスチップ、マイクロコントローラ設計への高データ・レートNFC機能の実装を低コストで実現

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AS3953 NFiC、高周波放出から得たエネルギーを利用しながら、双方向の近距離無線通信を可能に

ams(日本法人:amsジャパン株式会社、東京都品川区、カントリーマネージャー 岩本桂一)は本日、2つの独立したデバイス間で高速の即時近距離無線通信(NFC)機能の導入を簡単かつ安価に可能にする「AS3953インターフェイスチップ」を発表しました。

AS3953は、スマートフォンなどのNFCデバイスと標準シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)搭載のホストマイクロコントローラ間に高データ・レートのインターフェイスを提供します。

AS3953 NFiC(R)(NFiC=Near Field Communications interface chip:近距離無線通信インターフェイスチップ)は、NFCリーダーの高周波放出からエネルギーを得て動作するため、コンデンサなどの外部コンポーネントが1つあれば対応可能で、外部電源を必要としません。従来のNFCリーダーの実装では、約20の外部コンポーネントが必要でした。システム設計者は、このデバイスを採用することで、従来の半分以下のコストで完全双方向のNFC機能の実装が可能です。

AS3953は、NFCフォーラムの規格(NFCIP-1、106kbps)およびISO14443A工業規格(848kbps以下、レベル4)を十分に満たしています。これは、NFCフォーラム適合のインターフェイスタグをつけて、非接触型ICカードに採用できること、また近距離(10cm未満)でNFC機能付き携帯電話との即時通信ができることを意味しています。
AS3953は、さらに幅広いアプリケーションへの適用が期待されています。例えば、MCUベースのシステムにおける非接触パッシブ型プログラミング、ICカードへのディスプレイ搭載、小売店の商品棚ラベルのIC対応、センサやデータロガー電力の飛躍的低減、医療機器への適用、NFCペアリングによるセキュアなBluetooth通信などへの適用です。

さらに、システム設計者は、通常単体で使用するデバイスに対して、NFC機能を搭載したスマートフォンを、ディスプレイホストおよびシステムコントローラとして機能させることで、スレーブ機にもディスプレイやプロセッサを搭載する必要がなくなります。本デバイスは、システム設計への革新的なアプローチを可能にします。

AS3953の特徴は、割り込み起動の設定ができることです。これによって、シャットダウン時には電力をゼロにする設計が可能です。また、完全なアナログフロントエンド、1kBの内部EEPROM、4線式SPI、32バイトのFIFOも搭載されています。本デバイスは、外部の磁場から最大5mAのエネルギーを得ることができ、内部には取り込んだエネルギーを利用できる電源管理用回路を有しています。AS3953は、このような機能によって、バッテリ駆動で持ち運び可能なマイクロコントローラデバイスとの利用において、理想的な製品となります。

ams、マーケティングマネージャ、ルネ・ヴッテのコメント:
「AS3953は、NFCの用途にまったく新しい分野を切り開きました。システム設計者は、本デバイスによって、NFCの機能性にあらゆる用途を、低コストで設計を複雑にすることなく、付加できるようになったのです。これは、例えば携帯電話同士の通信などを最も簡単かつ手ごろな価格で実現することを意味しています」

amsは、エプソン社と密接に協業し、新たなリファレンスデザインを開発したことも発表しました。このデザインは、値札やICカードをパッシブ型で行う最適なソリューションです。このリファレンスデザインは、電子ペーパーディスプレイ用の内蔵型ドライバ(64チャンネル)を特徴とするエプソンのS1C17F57マイクロコントローラと、amsのAS3953 NfiC(R)を組み合わせたものです。

Epson Europe Electronics GmbH、IC事業部マネージャ、マンフレッド・ウィットマイヤーのコメント:
「当社は、さまざまなバッテリ駆動の製品向けにエネルギー効率に優れた半導体を開発してきた長い経験と実績を有しています。Epsonは、AS3953によって、当社のマイクロコントローラとのデータ交換にNFC規格のインターフェイスを実装できると同時に、バッテリなどの補助電源が不要な初のパッシブ型ソリューションの開発が可能になりました。シンプルな設計なので、NFC技術の機能について深い知識を持たないエンジニアであっても、すぐに実装することができます」

AS3953とパッシブ型電子ペーパーのデモ版は、パリのカルト2012(Cartes 2012)のamsブース(3D.105)で展示される予定です(11月6日~8日、パリ)。また、エレクトロニカ(electronica 2012)でも展示を行います(ブースはA4ホール、211。11月13日~16日、ミュンヘン)。

AS3953 NFiC(R)はベアダイとしても、10ピンで3mm×3mmのMLPDパッケージとしても利用できます。現在、サンプル出荷中です。


本件に関するお問い合わせ先
ams広報担当:鳥羽
Tel: 03-5269-1038
Email:ams@jspin.co.jp

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