言論NPO(代表 工藤泰志)と中国日報社は、日中共同の世論調査を実施し、調査結果の内容を6月20日に公表しました。この調査は、日中両国民の相互理解や相互認識を継続的に把握することを目的に、2005年より実施しているもので、今年で第8回目となります。この調査結果は、言論NPOと中国日報社が7月2日・3日に開催する「第8回 東京-北京フォーラム」での議論に反映されることになっています。
今回の調査では、日中両国民ともに現在の日中関係は悪化傾向にあると見ており、また、両国の発展を妨げる問題として「領土問題」があると考えていることが明らかになりました。
特にに日本の対中認識が悪化しており、8割以上の世論が中国に「良くない印象」を抱いています。これは反日デモが頻発した05年を上回り、過去の調査の中でも最悪の数値です。
また、日中関係の発展の障害として、日本人の7割近く、中国人の半数以上が「領土問題」と回答しています。さらに日中双方の国民の約6割が「日中間に領土問題が存在する」と認識しており、日本では約4割、中国では約5割が領土問題を「両国間ですみやかに交渉し解決すべき」と考えています。今回の世論調査は日中の領土問題が新しい局面に入っていることを示しています。
≪第8回日中共同世論調査結果≫
■中国に対する印象が過去最悪に。日中関係の現状についても悲観的な見方が強まる
日本人の「中国に対する印象」は大幅に悪化した昨年よりもさらに悪くなり、「良くない」と考える日本世論が、昨年の78.3%から84.3%へと増加しました。この数値は、反日デモが頻発した05年の水準を上回っており、過去8回の調査の中でも最悪になっております。また、日本世論の53.7%、中国世論の41.0%が現状の日中関係を「悪い」と見ており、両国民ともに昨年よりも認識が悪化しています。
■尖閣諸島と領土問題
今回の調査では、領土問題をメインにした設問を初めて加え、「日中間に領土問題は存在しているか」と尋ねました。日本政府は以前から「日中間に領土問題はない」との立場を示していますが、日本世論の62.7%、中国世論も59.3%が「領土問題が存在している」と回答しており、日中双方の国民の約6割が領土問題の存在を感じています。また、日本世論の40.7%、中国世論の52.7%が「両国間ですみやかに交渉し解決すべき」と回答しており、領土問題の解決を国民がもとめている形になっています。
■日本と中国間での軍事紛争の懸念
今回は「東アジアの海洋で日本と中国などの間に軍事紛争は起きるか」という質問を加えました。その結果、「数年以内に起こると思う」と「将来的には起こると思う」の回答を合わせると、日本世論の27.2%、中国世論の50.2%が東アジア海洋で軍事紛争が起きると考えています。領土問題の意識の高まりとともに、日中両国民ともに軍事紛争の懸念が出始めています。
調査結果の詳細については、言論NPOのホームページ(http://www.genron-npo.net/)をご覧ください。
≪日中共同世論調査とは≫
2005年の8月、言論NPOは、反日デモ直後の北京で両国の有識者が本音で議論を行う「北京-東京フォーラム」を立ち上げました。その際、私たちが何度も中国側と交渉を重ね実現したのが、この共同世論調査です。世論調査の実現にこだわったのは、両国が最も深刻な時期での両国民の認識を明らかにしたかっただけではなく、この対話を両国民の意識を反映させながら進めることで、相互理解をより深めたいと考えたからです。
≪2012年調査概要≫
日本側の世論調査は、日本全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に4月26日から5月14日、訪問留置回収法により実施されました。有効回収標本数は1000です。回答者の最終学歴は高校卒が44.3%、短大・高専卒が19.0%、大学卒が23.6%、大学院卒が1.3%でした。
なお、この調査と別に、言論NPOは有識者へのアンケート調査を世論調査と同じ時期に日本国内で実施しています。これまで言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など約2000人に質問状を送付し、うち600人から回答をいただきました。回答者の最終学歴は、大学卒が69.0%、大学院卒が22.3%で合わせて91.3%となっております。
これに対して、中国側の世論調査は、北京、上海、成都、瀋陽、西安の5都市で18歳以上の男女を対象に、4月19日から5月2日の間で実施され、有効回収標本は1627、調査員による面接聴取法によって行われました。標本の抽出は、上記の5都市から多層式無作為抽出方法により行われています。また、日本側の有識者調査に対応するものとして、中国では北京大学が実施主体となり、学生・教員を対象としたアンケートを4月20日から5月4日の間に、北京大学、清華大学、中国人民大学、国際関係学院、外交学院の学生・教員を対象に行い、1003人から回答を得ました。
≪「東京-北京フォーラム」とは≫
本フォーラムは、2005年夏、反日デモ直後の北京で、非営利組織である言論NPO、中国4大メディアの一つ中国日報社及び北京大学が共同で立ち上げました。フォーラムは、日中間で毎年行われる共同世論調査を軸に、両国民の意識を取り入れ、日中間の課題に正面から向き合い、本音で対話する議論の舞台を民間で作り出すことを目的にしています。中国ではこれを「公共外交」の舞台とし、国務院新聞弁公室や対外友好協会が全面的にバックアップしています。これは民間対話の舞台としての役割だけでなく、政府関係者なども加わり、共通の課題解決のために討議する場という意味でもあり、トラック2と位置付けられています。参加者は両国の有識者、政治家、メディア関係者など各界を代表するオピニオンリーダーです。
【認定NPO法人 言論NPO概要】
所在地:〒103-0027 東京都中央区日本橋1-20-7
設立:2001年11月
代表者:工藤泰志
【お問合せ先】
特定非営利活動法人言論NPO
TEL:03-3548-0511 FAX:03-3548-0512
担当:吉崎・宮浦・高橋
今回の調査では、日中両国民ともに現在の日中関係は悪化傾向にあると見ており、また、両国の発展を妨げる問題として「領土問題」があると考えていることが明らかになりました。
特にに日本の対中認識が悪化しており、8割以上の世論が中国に「良くない印象」を抱いています。これは反日デモが頻発した05年を上回り、過去の調査の中でも最悪の数値です。
また、日中関係の発展の障害として、日本人の7割近く、中国人の半数以上が「領土問題」と回答しています。さらに日中双方の国民の約6割が「日中間に領土問題が存在する」と認識しており、日本では約4割、中国では約5割が領土問題を「両国間ですみやかに交渉し解決すべき」と考えています。今回の世論調査は日中の領土問題が新しい局面に入っていることを示しています。
≪第8回日中共同世論調査結果≫
■中国に対する印象が過去最悪に。日中関係の現状についても悲観的な見方が強まる
日本人の「中国に対する印象」は大幅に悪化した昨年よりもさらに悪くなり、「良くない」と考える日本世論が、昨年の78.3%から84.3%へと増加しました。この数値は、反日デモが頻発した05年の水準を上回っており、過去8回の調査の中でも最悪になっております。また、日本世論の53.7%、中国世論の41.0%が現状の日中関係を「悪い」と見ており、両国民ともに昨年よりも認識が悪化しています。
■尖閣諸島と領土問題
今回の調査では、領土問題をメインにした設問を初めて加え、「日中間に領土問題は存在しているか」と尋ねました。日本政府は以前から「日中間に領土問題はない」との立場を示していますが、日本世論の62.7%、中国世論も59.3%が「領土問題が存在している」と回答しており、日中双方の国民の約6割が領土問題の存在を感じています。また、日本世論の40.7%、中国世論の52.7%が「両国間ですみやかに交渉し解決すべき」と回答しており、領土問題の解決を国民がもとめている形になっています。
■日本と中国間での軍事紛争の懸念
今回は「東アジアの海洋で日本と中国などの間に軍事紛争は起きるか」という質問を加えました。その結果、「数年以内に起こると思う」と「将来的には起こると思う」の回答を合わせると、日本世論の27.2%、中国世論の50.2%が東アジア海洋で軍事紛争が起きると考えています。領土問題の意識の高まりとともに、日中両国民ともに軍事紛争の懸念が出始めています。
調査結果の詳細については、言論NPOのホームページ(http://www.genron-npo.net/)をご覧ください。
≪日中共同世論調査とは≫
2005年の8月、言論NPOは、反日デモ直後の北京で両国の有識者が本音で議論を行う「北京-東京フォーラム」を立ち上げました。その際、私たちが何度も中国側と交渉を重ね実現したのが、この共同世論調査です。世論調査の実現にこだわったのは、両国が最も深刻な時期での両国民の認識を明らかにしたかっただけではなく、この対話を両国民の意識を反映させながら進めることで、相互理解をより深めたいと考えたからです。
≪2012年調査概要≫
日本側の世論調査は、日本全国の18歳以上の男女(高校生を除く)を対象に4月26日から5月14日、訪問留置回収法により実施されました。有効回収標本数は1000です。回答者の最終学歴は高校卒が44.3%、短大・高専卒が19.0%、大学卒が23.6%、大学院卒が1.3%でした。
なお、この調査と別に、言論NPOは有識者へのアンケート調査を世論調査と同じ時期に日本国内で実施しています。これまで言論NPOが行った議論活動や調査に参加していただいた国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など約2000人に質問状を送付し、うち600人から回答をいただきました。回答者の最終学歴は、大学卒が69.0%、大学院卒が22.3%で合わせて91.3%となっております。
これに対して、中国側の世論調査は、北京、上海、成都、瀋陽、西安の5都市で18歳以上の男女を対象に、4月19日から5月2日の間で実施され、有効回収標本は1627、調査員による面接聴取法によって行われました。標本の抽出は、上記の5都市から多層式無作為抽出方法により行われています。また、日本側の有識者調査に対応するものとして、中国では北京大学が実施主体となり、学生・教員を対象としたアンケートを4月20日から5月4日の間に、北京大学、清華大学、中国人民大学、国際関係学院、外交学院の学生・教員を対象に行い、1003人から回答を得ました。
≪「東京-北京フォーラム」とは≫
本フォーラムは、2005年夏、反日デモ直後の北京で、非営利組織である言論NPO、中国4大メディアの一つ中国日報社及び北京大学が共同で立ち上げました。フォーラムは、日中間で毎年行われる共同世論調査を軸に、両国民の意識を取り入れ、日中間の課題に正面から向き合い、本音で対話する議論の舞台を民間で作り出すことを目的にしています。中国ではこれを「公共外交」の舞台とし、国務院新聞弁公室や対外友好協会が全面的にバックアップしています。これは民間対話の舞台としての役割だけでなく、政府関係者なども加わり、共通の課題解決のために討議する場という意味でもあり、トラック2と位置付けられています。参加者は両国の有識者、政治家、メディア関係者など各界を代表するオピニオンリーダーです。
【認定NPO法人 言論NPO概要】
所在地:〒103-0027 東京都中央区日本橋1-20-7
設立:2001年11月
代表者:工藤泰志
【お問合せ先】
特定非営利活動法人言論NPO
TEL:03-3548-0511 FAX:03-3548-0512
担当:吉崎・宮浦・高橋