2012年02月17日 13:00

「グリフォン書店」、幻の名作が電子で復刊!『折伏鬼(シャクブクキ)』『新折伏鬼の野望』配信開始

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 iPhone/iPad/iPod Touch向けの電子書籍ストアアプリ「グリフォン書店」にて、志茂田景樹・著の『折伏鬼』と『新折伏鬼の野望』の配信が開始された。

 そのあまりに過激な内容のために長らく絶版、古書店ではプレミア価格がついていた、幻の作品がついに電子書籍となって復刻となった。
 直木賞作家の自伝的青春小説で、ある宗教団体に題材をしている。主な固有名詞は変名となっている(山口利三郎、多田皓聖、河田大介、石原敏夫、中島晃助、聖護道会、聖道新聞、暁出版、前進党、小説・生命哲学など)が、日本最大級の“あの”宗教団体の内幕を暴露しているのは、誰の目にもあきらか。
 なお、電子版の『折伏鬼』には、中篇「折伏鬼」が、『新折伏鬼の野望』には中篇「虚構の覇者」「会長の野望」が収録されている。また、『新折伏鬼の野望』では新たに執筆した電子書籍版「あとがき」が巻末に収録されており、こちらにも注目したい。
(あらすじ)
・「折伏鬼」
 むりやり連れていかれた新興宗教団体の集会で、壇上の会長は中学一年のわたしに「いつか信心することになる」と予言し、哄笑した。十年の後、まさにわたしは巨大な組織の中にいた。が、数年の激しい活動の末、わたしを捉えたのは大きな疑惑であった。傷つき絶望して、わたしはそこを去った……。
・「虚構の覇者」
 聖護道会が国立競技場で催す“新世紀の祭典”まで、あと一週間ほどだった。このセレモニー的要素の濃い大体育ショーに懸ける、会のとりわけ男女青年部の意気ごみには、まさに鬼気せまるものが感じられる。それは例年の体育祭とはちがう、ある思惑が働いているからだった……。
・「会長の野望」
 聖護道会の動静のなかでも、わたしは河田大介のそれに、執拗すぎるほどの関心を寄せて注目していた。というのは、わたしが脱会を決意するにいたった動機の大部分は、河田大介個人に対する不信の念で占められていたからで、それもただ単に不信の念というだけではかたづけることのできない底深いものであり、大げさに言えば河田を謗法者としてとらえていたのである……。

【関連サイト】
・グリフォン書店
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