【1】 総評
平成23年度の1級建築施工管理実地試験は、例年と比較して、問題1が例年並みの難易度、問題2、問題3、問題4、問題6がやや難しく、問題5が易しかったと思われます。特に問題1に関しては、しっかり学習してきた受験生であれば、十分な解答ができたものと思われます。全体としては、問題1以外の出題で難易度が上がったため、近年最も合格率が高かった昨年よりは難しかったものと思われます。
【2】 科目ごとの出題傾向の概要
問題1.経験記述
今回の経験記述は「品質管理」からの出題でした。平成20年の問題に類似した出題でしたが、平成20年の問題では「重要品質(今回の問題では品質の目標)」「重要品質とした理由」「管理項目」「管理項目とした理由」「実施した内容」の記述が求められていました。今回の試験では、「1.工事概要であげた工事現場で経験したこと」については、上記5項目のうち「重要品質とした理由」を除く4項目の記述が求められました。また、「2.あなたの考えを問う問題」についても、「(1)品質管理の組織的活動」については平成16年に、「(2)クレームのない建物を提供することの施工者にとっての意味」については平成20年に類似した内容が出題されています。
様々な出題のバリエーションが考えられる「品質管理」というテーマとしては、受験勉強が得点に結びつく出題であったと思われます。試験対策を行わないで試験に臨んだ受験生には難しく感じられたと思われますが、試験対策を通して「品質管理」の書き方をしっかり身に付けた受験生ならば、解答できたものと思われます。
問題2.一般記述
昨年は、災害別にそれぞれ2つずつ記述するといった従来の形式で出題されましたが、今回は「ゲート」「外部足場」「揚重機」について、設置計画に当たり留意すべき事項といった、仮設物が指定される形式で出題されました。「仮設物が指定されている」「計画上の留意事項といった条件が付いている」ことから、難易度の高い出題だったといえます。ただし、過去に出題のあった仮設物に対して、「計画上」「組立中」「使用中」別に留意事項を整理していた方には、全く歯が立たなかったということはなかったと思われます。
問題3.躯体工事
1年おきに出題形式が変わる近年の傾向のとおり、今回は完全記述式で出題されました。例年通り4問出題され、3の「コンクリートのコールドジョイント対策」が平成17年に出題された内容、また、4は比較的テキストに書いてあることがそのまま答えとなる内容でしたが、その他の2問「横矢板設置の留意事項」「スペーサー設置の留意事項」はやや難しく、問題3全体としてはやや難易度が高かったものと思われます。
問題4.仕上げ工事
今回は3つの下線部のうちから誤った語句を摘出し、適当な語句を記入する形式で出題されました。通常、仕上げ工事がこの方式で出題されると、難しかったという声が多く聞かれます。今回は8問中2と4が過去問から、7が過去問の応用からといった、この形式で出題された年としては一般的な出題でしたが、問題4全体としては難易度がやや高かったものと思われます。
問題5.施工管理法
今回もRC造のバーチャート工程表が出題され、11年続いてバーチャート工程表の出題となりました。出題内容も例年どおり、「工程に該当する作業名の穴埋め問題」「不適当な工程の摘出」「ある作業における開始日と終了日」について出題され、工程にも無理はなく、無難な出題だったといえるでしょう。1~3は全て過去に出題された内容であり、過去問を通して作業間の前後関係を理解できていた方なら、容易に解答できたものと思われます。全てが過去に出題された内容であることから、昨年同様、易しい出題だったといえるでしょう。
問題6.法規
平成14年から平成21年までは「建設業法」からの出題に限られていた問題6ですが、今回も昨年に引き続き「労働安全衛生法」から出題されました。注文者の責務に関する穴埋め問題でしたが、解答できた方は少なかったものと思われます。また「建設業法」からの出題の中にも、実地試験としては目新しい内容が含まれていました。結果的に、過去問に関連した内容は、全6問中2問といったところです。平成20年から半数ほどが目新しい出題となっていますが、その傾向が示すとおり、今回も従来と比較して難易度は高かったものと思われます。
【会社概要】
[社名] 株式会社総合資格
[本社所在地] 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル22階
[TEL] 03-3340-2801(代)
[社名] 株式会社中部資格
[本社所在地] 愛知県名古屋市中区錦1-2-22 中部資格ビル
[TEL] 052-202-1751(代)
[代表者] 岸 隆司
[設立] 1987年1月
[URL] http://www.shikaku.co.jp
[社員数] 709名 (2011年5月現在)
[資本金] 株式会社 総合資格10,000万円、 株式会社中部資格:2,000万円
[売上高] 115億円
●本件のお問合せ:
株式会社総合資格 営業部販促企画一課 小野寺、内海
TEL:03-3340-3082 FAX:03-3340-6715
●取材等のお問合せ:
(広報窓口)株式会社アネティ 真壁、仲村
TEL:03-5475-3488 FAX:03-5475-3499
平成23年度の1級建築施工管理実地試験は、例年と比較して、問題1が例年並みの難易度、問題2、問題3、問題4、問題6がやや難しく、問題5が易しかったと思われます。特に問題1に関しては、しっかり学習してきた受験生であれば、十分な解答ができたものと思われます。全体としては、問題1以外の出題で難易度が上がったため、近年最も合格率が高かった昨年よりは難しかったものと思われます。
【2】 科目ごとの出題傾向の概要
問題1.経験記述
今回の経験記述は「品質管理」からの出題でした。平成20年の問題に類似した出題でしたが、平成20年の問題では「重要品質(今回の問題では品質の目標)」「重要品質とした理由」「管理項目」「管理項目とした理由」「実施した内容」の記述が求められていました。今回の試験では、「1.工事概要であげた工事現場で経験したこと」については、上記5項目のうち「重要品質とした理由」を除く4項目の記述が求められました。また、「2.あなたの考えを問う問題」についても、「(1)品質管理の組織的活動」については平成16年に、「(2)クレームのない建物を提供することの施工者にとっての意味」については平成20年に類似した内容が出題されています。
様々な出題のバリエーションが考えられる「品質管理」というテーマとしては、受験勉強が得点に結びつく出題であったと思われます。試験対策を行わないで試験に臨んだ受験生には難しく感じられたと思われますが、試験対策を通して「品質管理」の書き方をしっかり身に付けた受験生ならば、解答できたものと思われます。
問題2.一般記述
昨年は、災害別にそれぞれ2つずつ記述するといった従来の形式で出題されましたが、今回は「ゲート」「外部足場」「揚重機」について、設置計画に当たり留意すべき事項といった、仮設物が指定される形式で出題されました。「仮設物が指定されている」「計画上の留意事項といった条件が付いている」ことから、難易度の高い出題だったといえます。ただし、過去に出題のあった仮設物に対して、「計画上」「組立中」「使用中」別に留意事項を整理していた方には、全く歯が立たなかったということはなかったと思われます。
問題3.躯体工事
1年おきに出題形式が変わる近年の傾向のとおり、今回は完全記述式で出題されました。例年通り4問出題され、3の「コンクリートのコールドジョイント対策」が平成17年に出題された内容、また、4は比較的テキストに書いてあることがそのまま答えとなる内容でしたが、その他の2問「横矢板設置の留意事項」「スペーサー設置の留意事項」はやや難しく、問題3全体としてはやや難易度が高かったものと思われます。
問題4.仕上げ工事
今回は3つの下線部のうちから誤った語句を摘出し、適当な語句を記入する形式で出題されました。通常、仕上げ工事がこの方式で出題されると、難しかったという声が多く聞かれます。今回は8問中2と4が過去問から、7が過去問の応用からといった、この形式で出題された年としては一般的な出題でしたが、問題4全体としては難易度がやや高かったものと思われます。
問題5.施工管理法
今回もRC造のバーチャート工程表が出題され、11年続いてバーチャート工程表の出題となりました。出題内容も例年どおり、「工程に該当する作業名の穴埋め問題」「不適当な工程の摘出」「ある作業における開始日と終了日」について出題され、工程にも無理はなく、無難な出題だったといえるでしょう。1~3は全て過去に出題された内容であり、過去問を通して作業間の前後関係を理解できていた方なら、容易に解答できたものと思われます。全てが過去に出題された内容であることから、昨年同様、易しい出題だったといえるでしょう。
問題6.法規
平成14年から平成21年までは「建設業法」からの出題に限られていた問題6ですが、今回も昨年に引き続き「労働安全衛生法」から出題されました。注文者の責務に関する穴埋め問題でしたが、解答できた方は少なかったものと思われます。また「建設業法」からの出題の中にも、実地試験としては目新しい内容が含まれていました。結果的に、過去問に関連した内容は、全6問中2問といったところです。平成20年から半数ほどが目新しい出題となっていますが、その傾向が示すとおり、今回も従来と比較して難易度は高かったものと思われます。
【会社概要】
[社名] 株式会社総合資格
[本社所在地] 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル22階
[TEL] 03-3340-2801(代)
[社名] 株式会社中部資格
[本社所在地] 愛知県名古屋市中区錦1-2-22 中部資格ビル
[TEL] 052-202-1751(代)
[代表者] 岸 隆司
[設立] 1987年1月
[URL] http://www.shikaku.co.jp
[社員数] 709名 (2011年5月現在)
[資本金] 株式会社 総合資格10,000万円、 株式会社中部資格:2,000万円
[売上高] 115億円
●本件のお問合せ:
株式会社総合資格 営業部販促企画一課 小野寺、内海
TEL:03-3340-3082 FAX:03-3340-6715
●取材等のお問合せ:
(広報窓口)株式会社アネティ 真壁、仲村
TEL:03-5475-3488 FAX:03-5475-3499