【本年度課題で試された内容】
新試験制度の実施から３回目となる今回の試験では、過去２回以上に「試験の見直し」の方針である「建築設計を調整し、取りまとめていく基本的知識・能力」を試す内容が全面に打ち出された試験となりました。具体的には「試験の見直し」以前に頻繁に出題されていた、合否を振り分けるための「トラップ」的な条件設定などは影を潜め、建物としての構成やその計画の根拠、またプランに合わせた設備的配慮や、その設備を選択した理由の記述が、より詳しく求められました。
また、本年度課題は、新試験制度の実施以降初めて合計５面（平面図３面、断面図１面、梁伏図１面）
の作図が必要となったこともあり、当初の予測通り、例年以上に作業量が増加し、時間内に描き上げるための「時間配分」や「スピード」が必要となりました。さらに「計画の要点等の記述」については、新しい内容も多く見られ、受験生を悩ませました。
ただし、空間構成においては大変「スタンダード」な構成であり、基礎から段階を踏んだ学習を行っていけば対応できる課題であったと言えるでしょう。
結果的に、大半の受験生が答案を仕上げることができたと予想されますが、合格するためには、まず第一に、「基準階構成」の良否がポイントになるものと思われます。その上で、要求漏れの無い図面と「計画の要点等の記述」の内容の妥当性が必要になります。特に要点記述においては、例年以上に具体的な設問となっており、受験生の応用力が試されました。詳細については、以下に記載します。
１）敷地及び周辺条件の考え方
「自然光を取り入れて明るく開放的な空間となるように計画する。」との要求により、主要な室（食堂、食堂・デイルーム、レクリエーションルーム）においては、南側を意識した配置が求められました。逆に、北側は採光条件が厳しいため、療養室を含め「基準階構成」の検討には、注意が必要になりました。
２）基準階構成の考え方
基準階については、「４人室」と「個室」の要求室からも分かる通り、「従来型」タイプの施設でした。構成の検討においては、施設基準等に即した廊下幅員の確保が必要になりますが、「ツインコリダー」等でスッキリ納める事のできる、実に「スタンダード」な構成でした。
基準階タイプの年は、いかに早く、適切な「基準階構成」が出せるかが第一のポイントとなりますが、まさにその点が試される課題だったと言えるでしょう。
３）低層階構成の考え方
低層階部分には例年「面積の大きな空間」等、基準階の配置やスパン割りに影響を与えるものが必ず要求されますが、今年は「レクリエーションルーム（約１５０m2）」がそれにあたると思われます。この室は、要求にもある通り「(1)施設利用者が一同に会し、カラオケ大会や誕生日会等の行事に利用する。(2)明るく開放的な空間とする。」という使用目的に合致した配置や空間形状が求められました。
また、課題文の要求室にある「設置階」指定の中で、「１階又は２階」のどちらかを選択できる室がありましたが、ゾーニングやグルーピングに配慮した配置が求められますので、注意が必要でした。
４）設備計画の考え方
設備計画においては、空調設備が「空冷ヒートポンプマルチ型エアコン」、給水設備が「受水槽方式」と指定されるなど、より具体的な対応が求められました。特に受水槽方式においては、入所者８４名及び通所者１５名の利用に基づいた容量の算定と設置スペースの検討が必要になりました。それに加え「地震等の災害時においても、一定の機能を維持できるように配慮する。」との要求もあるため、要点記述との整合性のとれた提案とその表記が必要になりました。
５）「計画の要点等」の考え方
今回の試験では、例年以上に具体的な記述が要求されており、受験生の応用力が試される内容でした。また、今年３月に発生した「東日本大震災」の影響のためか、「設備の損傷防止」「停電」「断水」など、地震災害に対する対応も求められました。
【会社概要】
[社名] 株式会社総合資格
[本社所在地] 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル22階
[TEL] 03-3340-2801(代)
[代表者] 岸 隆司
[設立] 1987年1月
[URL] http://www.shikaku.co.jp
●本件のお問合せ：
株式会社総合資格 営業部販促企画一課 小野寺・内海
TEL：03-3340-3082 FAX：03-3340-6715
●取材等のお問合せ：
（広報窓口）株式会社アネティ 真壁・仲村
TEL：03-5475-3488 FAX：03-5475-3499
新試験制度の実施から３回目となる今回の試験では、過去２回以上に「試験の見直し」の方針である「建築設計を調整し、取りまとめていく基本的知識・能力」を試す内容が全面に打ち出された試験となりました。具体的には「試験の見直し」以前に頻繁に出題されていた、合否を振り分けるための「トラップ」的な条件設定などは影を潜め、建物としての構成やその計画の根拠、またプランに合わせた設備的配慮や、その設備を選択した理由の記述が、より詳しく求められました。
また、本年度課題は、新試験制度の実施以降初めて合計５面（平面図３面、断面図１面、梁伏図１面）
の作図が必要となったこともあり、当初の予測通り、例年以上に作業量が増加し、時間内に描き上げるための「時間配分」や「スピード」が必要となりました。さらに「計画の要点等の記述」については、新しい内容も多く見られ、受験生を悩ませました。
ただし、空間構成においては大変「スタンダード」な構成であり、基礎から段階を踏んだ学習を行っていけば対応できる課題であったと言えるでしょう。
結果的に、大半の受験生が答案を仕上げることができたと予想されますが、合格するためには、まず第一に、「基準階構成」の良否がポイントになるものと思われます。その上で、要求漏れの無い図面と「計画の要点等の記述」の内容の妥当性が必要になります。特に要点記述においては、例年以上に具体的な設問となっており、受験生の応用力が試されました。詳細については、以下に記載します。
１）敷地及び周辺条件の考え方
「自然光を取り入れて明るく開放的な空間となるように計画する。」との要求により、主要な室（食堂、食堂・デイルーム、レクリエーションルーム）においては、南側を意識した配置が求められました。逆に、北側は採光条件が厳しいため、療養室を含め「基準階構成」の検討には、注意が必要になりました。
２）基準階構成の考え方
基準階については、「４人室」と「個室」の要求室からも分かる通り、「従来型」タイプの施設でした。構成の検討においては、施設基準等に即した廊下幅員の確保が必要になりますが、「ツインコリダー」等でスッキリ納める事のできる、実に「スタンダード」な構成でした。
基準階タイプの年は、いかに早く、適切な「基準階構成」が出せるかが第一のポイントとなりますが、まさにその点が試される課題だったと言えるでしょう。
３）低層階構成の考え方
低層階部分には例年「面積の大きな空間」等、基準階の配置やスパン割りに影響を与えるものが必ず要求されますが、今年は「レクリエーションルーム（約１５０m2）」がそれにあたると思われます。この室は、要求にもある通り「(1)施設利用者が一同に会し、カラオケ大会や誕生日会等の行事に利用する。(2)明るく開放的な空間とする。」という使用目的に合致した配置や空間形状が求められました。
また、課題文の要求室にある「設置階」指定の中で、「１階又は２階」のどちらかを選択できる室がありましたが、ゾーニングやグルーピングに配慮した配置が求められますので、注意が必要でした。
４）設備計画の考え方
設備計画においては、空調設備が「空冷ヒートポンプマルチ型エアコン」、給水設備が「受水槽方式」と指定されるなど、より具体的な対応が求められました。特に受水槽方式においては、入所者８４名及び通所者１５名の利用に基づいた容量の算定と設置スペースの検討が必要になりました。それに加え「地震等の災害時においても、一定の機能を維持できるように配慮する。」との要求もあるため、要点記述との整合性のとれた提案とその表記が必要になりました。
５）「計画の要点等」の考え方
今回の試験では、例年以上に具体的な記述が要求されており、受験生の応用力が試される内容でした。また、今年３月に発生した「東日本大震災」の影響のためか、「設備の損傷防止」「停電」「断水」など、地震災害に対する対応も求められました。
【会社概要】
[社名] 株式会社総合資格
[本社所在地] 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル22階
[TEL] 03-3340-2801(代)
[代表者] 岸 隆司
[設立] 1987年1月
[URL] http://www.shikaku.co.jp
●本件のお問合せ：
株式会社総合資格 営業部販促企画一課 小野寺・内海
TEL：03-3340-3082 FAX：03-3340-6715
●取材等のお問合せ：
（広報窓口）株式会社アネティ 真壁・仲村
TEL：03-5475-3488 FAX：03-5475-3499
