「金」相場はバブルだったか?(急落を受けての相場分析)
まず世界が注目した20日、21日のFOMC声明について、おさらいをしておきます。
米連邦準備理事会(FRB)は21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金融緩和策の 強化を決めた。
FRBの資産規模を変えずに、長期国債の保有比率を高める手法である 「ツイスト・オペ」を導入し、
長期金利の一段の低下を促す。欧州の政府債務(ソブリン)危機で、米金融市場が不安定になるのを防ぐ狙いがある。
FRBは2012年6月末までに、期間が6~30年の長期国債を4000億ドル購入する一方で、期間が3年以下の国債を
同額売却する。さらに住宅金融市場を支援するために、政府機関債や住宅ローン担保証券(MBS)の償還金をMBSに
再投資することも決めた。
政策金利の誘導目標となるフェデラルファンド(FF)金利は現行の年0~0.25%で据え置く。先行きの政策金利に
ついて、前回8月の会合で決めた「少なくとも2013年半ばまで異例の低水準にすることが正当化される可能性が
高い」との表現も変更はなかった。
声明では、景気認識について「経済成長は依然としてゆっくりとしている」と表現した.
FOMCは、物価を安定させながらより力強い経済回復を促進するために利用できる政策について幅広く討議した。
今後入ってくる情報から景気見通しの評価を続けていく。適当と判断する場合には、
それらの政策を実施する準備はできている。
この決定はバーナンキ議長及びダドリー副議長を含む7人のメンバーの賛成による。
反対票を投じたのは、ダラス連銀のフィッシャー総裁、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁、フィラデルフィア連銀の
プロッサー総裁の3人で、現時点での追加緩和は支持しないとの理由によるものだ。
さて、ここまでは金融緩和策の継続を織り込んだ市場の予想を超えるものはなく、
「金」市場に於いてはニュートラルな声明だったが、これまでQEの強い刺激に慣らされた市場には何か物足りない
ようで、ひとまず噂で買ってニュースで売るごとくに僅かながら市場は反落した。
しかしながら、世界経済低迷の主因となっているギリシャ危機は1.8兆ユーロのデフォルトとなるとユーロ圏の
ポルトガル、アイルランドに連鎖し、イタリアにも飛び火すれば世界経済が大混乱し、
2008年9月のリーマンショック以上のダメージを予想する向きもあり、「金」市場を取り巻く投資家の中にも
当然3年前の悪夢が過ぎる訳で、「金」は値下がりリスクのある「リスク資産」なのか、
一方で破たんとは無縁の「安全資産」なのかという投資家の見方も割れ、方向性が定まらない状況となっており、
変動幅が日々大きくなっている。信用不安の 台頭はリスク資産の手仕舞いとなり、株式や原油商品が売られ急落し、
その損失を埋めるために、又追加証拠金の調達のために利益の乗っている「金」を売って賄う動きが9月になって
ファンド筋に出てきているようで、セリングクライマックス(売りのピーク)となったようだが、
「金」ETFの最大手であるSPDRゴールルドシェアーズの残高は9/21現在で1252.21トンと高い水準に推移して
おり、長期投資家が多いのが推定できる。短期筋は1900ドルを割り込んできたところからかなり振り落とされるように
利食いの売りがあったが、最近は下がるとSPDRの残高が増えるように1800ドル割れを買う動きも散見される。
FOMCを終えての世界の株式市場大幅に下落し、商品も大幅に下落したが、22日の下げ幅を見ると、
FOMC前の20日に比べると
金 1736ドル -3.67%
銀 36.57ドル -9.61%
プラチナ 1682ドル -4.34%
銅 8770.0 -7.32%
原油 80.51ドル -5.3%(WTI) -4.68%(ブレント)
トウモロコシ 647.50セント -5.21%
CRB商品指数 307.24 -17.61%
NYダウ平均 10733 -5.9%
これまで危機感が強まると「リスク回避」で買われていた「金」が一転売られ始めたことは、
ギリシャ危機もいよいよ最終章に近いことを予感させる。リーマンショック勃発直後に「金」は大きく売り込まれたように、
危機感もピークに達すると「金」よりキャッシュにの流れに飲み込まれ、換金売りとなったようだ。
上記は22日の終値だが、セリングクライマックスとも 見られた26日アジア市場から欧米市場にかけては、
「金」は1535ドル、銀は30ドルを割り込み、プラチナは1475ドルまで下げ、原油は79ドル台に、
CRB指数は301に下落した。
それでも商品セクターの中では「金」の下げ幅が相対的に小さいのは、中国や年金、公的機関などの長期保有者が
急落局面でヘッジ資産としての買いを粛々と入れているからであろう。
商品と通貨の二面性を持つ「金」の特性によるものと言える。
プラチナの下落幅が大きく「金」を100ドル近く下回る事は歴史的に初めてであり、
自動車の触媒需要が6割を占めるプラチナにとっては不景気がそのまま価格に反映されていることを物語る。
今回のFOMC声明で「金」市場に強く残る文言は「2013年半ばまで超低金利継続の再確認」のくだりであった。
換金売りが一巡すると、あと2年はゼロ金利が続くとのFRBの声明文がジワリ効いてくるかもしれない。
さて、1535ドルまで下落した「金」は執筆中の9月28日17時現在は、GLOBEX先物で1657ドル近辺に
戻しているが、罫線を見ると200日移動平均線が1520ドルから1530ドルを示しており、
ショートカバー(空売りの買戻し)に支えられ、戻した形のなっているが、
パニック的な売りが終焉を迎えたのかどうかは判らないが、最近「金」市場に参加して来たファンド筋や大口投機家は
かなりの分をこの急落場面で売ったと思われる。CTFC(米国商品先物取引委員会)の残高は急減しており、
先週一週間で57トン減少し468トンの残高と急減している。先月は800トンから900トンの残高があった事から、
相当量が売られたことが判る。
反面「金」ETFの最大手のSPDRゴールドシェアーズの残高は殆ど減っておらず、
長期保有の「金」はこの急落場面では逃げずに逆に買っていたことが判る。
又現物市場ではこの急落場面の1500ドル台1600ドル前半ではドバイ、香港、ムンバイ、シンガポールからの
買いに現物の金塊が足らずに現物受渡しにプレミアム価格が付いていたと市場関係者が証言していることから、
底値が見えたとする市場関係者が多いようだ。
(レポートは弊社の分析によるもので売り買いをお薦めするものではありません、ご判断は各自でお願い致します)
このレポートのお問合せは
(株)メリンダ・ダイヤモンド 担当 小野寺 靖
Tel 0120-228914(輝く石)
URL http://www.melindadiamonds.com/index.php
mail info@melindadiamonds.com
(株)メリンダ・ダイヤモンド会社概要
会社名 株式会社メリンダダイヤモンド
設立1988.7.15
代表者小野寺 靖
資本金9,000万円
本社住所〒110-0005 東京都台東区上野5-22-4リューツウ本店ビル2F
電話03-3836-2520 03-3835-3936 03-3836-2635 ファックス03-3833-2031
URL http://www.melindadiamonds.com
担当者 中村 浩徳 小野寺 仁詩 木内 努 平田栄介 片岡沙弥
取引銀行城北信用金庫上野支店 城北信用金庫王子営業部営
業時間月曜~金曜10:00~18:00
会社の目的 宝石、貴金属及びその製品に関する製造、販売及び輸出入業
免許情報東京都公安委員会/第306600607583号 古物商許可証
メリンダ・ダイヤモンドの歴史
1973年宝石卸売業を創業
1978年香港現地法人設立。海外仕入の担当社員を常駐
1979年アメリカ New Yorkに Melinda Diamonds Inc を設立、大粒ダイヤモンドの仕入を開始
DOC会員: ニューヨーク・ダイヤモンドディーラーズクラブの会員になり、日本人としてユダヤ社会の仲間入りをする
1986年マンハッタンのダイヤモンド街、13W46THにNY自社ビルを置く
同年、イスラエル現地法人としてMelinda Israelをテルアビブに設立、ファンシー、
及び小粒ダイヤモンドの仕入れを開始
1988年 台東区東上野1-11-10に東上野店を設置
2004年 御徒町駅南口前に移転
社長のブログ http://wind.ap.teacup.com/uminoko/
小野寺靖著「プロが伝授するダイヤモンドの賢い売り方・買い方】をご希望の方にお送りします
まず世界が注目した20日、21日のFOMC声明について、おさらいをしておきます。
米連邦準備理事会(FRB)は21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金融緩和策の 強化を決めた。
FRBの資産規模を変えずに、長期国債の保有比率を高める手法である 「ツイスト・オペ」を導入し、
長期金利の一段の低下を促す。欧州の政府債務(ソブリン)危機で、米金融市場が不安定になるのを防ぐ狙いがある。
FRBは2012年6月末までに、期間が6~30年の長期国債を4000億ドル購入する一方で、期間が3年以下の国債を
同額売却する。さらに住宅金融市場を支援するために、政府機関債や住宅ローン担保証券(MBS)の償還金をMBSに
再投資することも決めた。
政策金利の誘導目標となるフェデラルファンド(FF)金利は現行の年0~0.25%で据え置く。先行きの政策金利に
ついて、前回8月の会合で決めた「少なくとも2013年半ばまで異例の低水準にすることが正当化される可能性が
高い」との表現も変更はなかった。
声明では、景気認識について「経済成長は依然としてゆっくりとしている」と表現した.
FOMCは、物価を安定させながらより力強い経済回復を促進するために利用できる政策について幅広く討議した。
今後入ってくる情報から景気見通しの評価を続けていく。適当と判断する場合には、
それらの政策を実施する準備はできている。
この決定はバーナンキ議長及びダドリー副議長を含む7人のメンバーの賛成による。
反対票を投じたのは、ダラス連銀のフィッシャー総裁、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁、フィラデルフィア連銀の
プロッサー総裁の3人で、現時点での追加緩和は支持しないとの理由によるものだ。
さて、ここまでは金融緩和策の継続を織り込んだ市場の予想を超えるものはなく、
「金」市場に於いてはニュートラルな声明だったが、これまでQEの強い刺激に慣らされた市場には何か物足りない
ようで、ひとまず噂で買ってニュースで売るごとくに僅かながら市場は反落した。
しかしながら、世界経済低迷の主因となっているギリシャ危機は1.8兆ユーロのデフォルトとなるとユーロ圏の
ポルトガル、アイルランドに連鎖し、イタリアにも飛び火すれば世界経済が大混乱し、
2008年9月のリーマンショック以上のダメージを予想する向きもあり、「金」市場を取り巻く投資家の中にも
当然3年前の悪夢が過ぎる訳で、「金」は値下がりリスクのある「リスク資産」なのか、
一方で破たんとは無縁の「安全資産」なのかという投資家の見方も割れ、方向性が定まらない状況となっており、
変動幅が日々大きくなっている。信用不安の 台頭はリスク資産の手仕舞いとなり、株式や原油商品が売られ急落し、
その損失を埋めるために、又追加証拠金の調達のために利益の乗っている「金」を売って賄う動きが9月になって
ファンド筋に出てきているようで、セリングクライマックス(売りのピーク)となったようだが、
「金」ETFの最大手であるSPDRゴールルドシェアーズの残高は9/21現在で1252.21トンと高い水準に推移して
おり、長期投資家が多いのが推定できる。短期筋は1900ドルを割り込んできたところからかなり振り落とされるように
利食いの売りがあったが、最近は下がるとSPDRの残高が増えるように1800ドル割れを買う動きも散見される。
FOMCを終えての世界の株式市場大幅に下落し、商品も大幅に下落したが、22日の下げ幅を見ると、
FOMC前の20日に比べると
金 1736ドル -3.67%
銀 36.57ドル -9.61%
プラチナ 1682ドル -4.34%
銅 8770.0 -7.32%
原油 80.51ドル -5.3%(WTI) -4.68%(ブレント)
トウモロコシ 647.50セント -5.21%
CRB商品指数 307.24 -17.61%
NYダウ平均 10733 -5.9%
これまで危機感が強まると「リスク回避」で買われていた「金」が一転売られ始めたことは、
ギリシャ危機もいよいよ最終章に近いことを予感させる。リーマンショック勃発直後に「金」は大きく売り込まれたように、
危機感もピークに達すると「金」よりキャッシュにの流れに飲み込まれ、換金売りとなったようだ。
上記は22日の終値だが、セリングクライマックスとも 見られた26日アジア市場から欧米市場にかけては、
「金」は1535ドル、銀は30ドルを割り込み、プラチナは1475ドルまで下げ、原油は79ドル台に、
CRB指数は301に下落した。
それでも商品セクターの中では「金」の下げ幅が相対的に小さいのは、中国や年金、公的機関などの長期保有者が
急落局面でヘッジ資産としての買いを粛々と入れているからであろう。
商品と通貨の二面性を持つ「金」の特性によるものと言える。
プラチナの下落幅が大きく「金」を100ドル近く下回る事は歴史的に初めてであり、
自動車の触媒需要が6割を占めるプラチナにとっては不景気がそのまま価格に反映されていることを物語る。
今回のFOMC声明で「金」市場に強く残る文言は「2013年半ばまで超低金利継続の再確認」のくだりであった。
換金売りが一巡すると、あと2年はゼロ金利が続くとのFRBの声明文がジワリ効いてくるかもしれない。
さて、1535ドルまで下落した「金」は執筆中の9月28日17時現在は、GLOBEX先物で1657ドル近辺に
戻しているが、罫線を見ると200日移動平均線が1520ドルから1530ドルを示しており、
ショートカバー(空売りの買戻し)に支えられ、戻した形のなっているが、
パニック的な売りが終焉を迎えたのかどうかは判らないが、最近「金」市場に参加して来たファンド筋や大口投機家は
かなりの分をこの急落場面で売ったと思われる。CTFC(米国商品先物取引委員会)の残高は急減しており、
先週一週間で57トン減少し468トンの残高と急減している。先月は800トンから900トンの残高があった事から、
相当量が売られたことが判る。
反面「金」ETFの最大手のSPDRゴールドシェアーズの残高は殆ど減っておらず、
長期保有の「金」はこの急落場面では逃げずに逆に買っていたことが判る。
又現物市場ではこの急落場面の1500ドル台1600ドル前半ではドバイ、香港、ムンバイ、シンガポールからの
買いに現物の金塊が足らずに現物受渡しにプレミアム価格が付いていたと市場関係者が証言していることから、
底値が見えたとする市場関係者が多いようだ。
(レポートは弊社の分析によるもので売り買いをお薦めするものではありません、ご判断は各自でお願い致します)
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(株)メリンダ・ダイヤモンド 担当 小野寺 靖
Tel 0120-228914(輝く石)
URL http://www.melindadiamonds.com/index.php
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(株)メリンダ・ダイヤモンド会社概要
会社名 株式会社メリンダダイヤモンド
設立1988.7.15
代表者小野寺 靖
資本金9,000万円
本社住所〒110-0005 東京都台東区上野5-22-4リューツウ本店ビル2F
電話03-3836-2520 03-3835-3936 03-3836-2635 ファックス03-3833-2031
URL http://www.melindadiamonds.com
担当者 中村 浩徳 小野寺 仁詩 木内 努 平田栄介 片岡沙弥
取引銀行城北信用金庫上野支店 城北信用金庫王子営業部営
業時間月曜~金曜10:00~18:00
会社の目的 宝石、貴金属及びその製品に関する製造、販売及び輸出入業
免許情報東京都公安委員会/第306600607583号 古物商許可証
メリンダ・ダイヤモンドの歴史
1973年宝石卸売業を創業
1978年香港現地法人設立。海外仕入の担当社員を常駐
1979年アメリカ New Yorkに Melinda Diamonds Inc を設立、大粒ダイヤモンドの仕入を開始
DOC会員: ニューヨーク・ダイヤモンドディーラーズクラブの会員になり、日本人としてユダヤ社会の仲間入りをする
1986年マンハッタンのダイヤモンド街、13W46THにNY自社ビルを置く
同年、イスラエル現地法人としてMelinda Israelをテルアビブに設立、ファンシー、
及び小粒ダイヤモンドの仕入れを開始
1988年 台東区東上野1-11-10に東上野店を設置
2004年 御徒町駅南口前に移転
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小野寺靖著「プロが伝授するダイヤモンドの賢い売り方・買い方】をご希望の方にお送りします