『ナース・ステーション』はNo.1女性漫画誌「YOU」の人気連載だったが、2002年より突然の長期中断に入る。作者・島津響子さんがパーキンソン病を告知されたからだ。その後、島津さんは頭に電極を埋め込む手術をし、2009年に手記を発表。2010年に『ナース・ステーション完結編』をYOUに連載し、アンケート1位を独走、最終回には多くの読者から感動と愛惜の声が寄せられた。文庫には、闘病を語った作者手記も収録。「同じような症状で悩む患者さんやその家族の方に、祈りを込めて…」(作者手記より)
【STORY】
さまざまな経験を経て、ベテラン看護師に育った中山桂子。ある日、元恋人・村上の父が、勤務する病院に転院してきた。破局以来8年ぶりに村上と再会した桂子は、自分の気持ちに気づき…!? 8年越しの大恋愛、ついに完結!! 看護師の揺れる心を描く、本格派ラブ・ストーリー。
【STORY】
さまざまな経験を経て、ベテラン看護師に育った中山桂子。ある日、元恋人・村上の父が、勤務する病院に転院してきた。破局以来8年ぶりに村上と再会した桂子は、自分の気持ちに気づき…!? 8年越しの大恋愛、ついに完結!! 看護師の揺れる心を描く、本格派ラブ・ストーリー。
【作者手記より抜粋】
体の異変に気づいたのは01年の初め。
手紙を書いていて便せん3枚目の最後のほうになると、手が思うように運ばず、文字が乱れて来るのだった。
そして、右手がかすかに震えていた。そう言えば、その頃、いつも体はだるいし肩は凝る。不眠、食欲不振、意欲減退、半身のしびれ…。
友人に話すと「それ、自律神経失調症だよ」と。「うつかな?」「多分、うつ」
「そうか、じゃあ2001年うつの旅に出てくるか」と、冗談を言って笑っていたのだ。(中略)
でもそれからも、気分、体調とも良くならず、今度は大きな病院の神経科に入院することになった。
そこでは、逆に精神的には問題なく、身体の病気の可能性があると告げられ、神経内科の医師を紹介されたのだった。
その医師から、ある薬を処方された。これが効いた。それまで動けなかったのが歩けるようになったのだ。
同室の人は単純に喜んでくれた。「良かった良かった」
それに私も笑顔で答える。「ありがとう」
薬が効いている時は「あれ? 動ける。震えも止まった」とびっくりしつつも、嬉しかった。
しかし、その時はあまり知識がなかったのだ。
その薬について調べるにつれ、不安というより恐怖心が出てきた。
なぜなら、その薬、つまりLドーパが効くということは、進行性の難病であるということを意味していたからだ―――
【著者プロフィール】
島津郷子(しまづ・きょうこ)
1972年、「週刊マーガレット」にてデビュー。以後、「週刊セブンティーン」「オフィスユー」などで活躍。代表作は1991年より「YOU」で連載された『ナース・ステーション』。
体の異変に気づいたのは01年の初め。
手紙を書いていて便せん3枚目の最後のほうになると、手が思うように運ばず、文字が乱れて来るのだった。
そして、右手がかすかに震えていた。そう言えば、その頃、いつも体はだるいし肩は凝る。不眠、食欲不振、意欲減退、半身のしびれ…。
友人に話すと「それ、自律神経失調症だよ」と。「うつかな?」「多分、うつ」
「そうか、じゃあ2001年うつの旅に出てくるか」と、冗談を言って笑っていたのだ。(中略)
でもそれからも、気分、体調とも良くならず、今度は大きな病院の神経科に入院することになった。
そこでは、逆に精神的には問題なく、身体の病気の可能性があると告げられ、神経内科の医師を紹介されたのだった。
その医師から、ある薬を処方された。これが効いた。それまで動けなかったのが歩けるようになったのだ。
同室の人は単純に喜んでくれた。「良かった良かった」
それに私も笑顔で答える。「ありがとう」
薬が効いている時は「あれ? 動ける。震えも止まった」とびっくりしつつも、嬉しかった。
しかし、その時はあまり知識がなかったのだ。
その薬について調べるにつれ、不安というより恐怖心が出てきた。
なぜなら、その薬、つまりLドーパが効くということは、進行性の難病であるということを意味していたからだ―――
【著者プロフィール】
島津郷子(しまづ・きょうこ)
1972年、「週刊マーガレット」にてデビュー。以後、「週刊セブンティーン」「オフィスユー」などで活躍。代表作は1991年より「YOU」で連載された『ナース・ステーション』。