国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は本日、「環境に優しい電機メーカー・ランキング Version 15」を発表しました。このランキングは、パソコン、携帯電話、テレビ、ゲーム機器を製造・販売する日本・アジア・欧米の大手メーカー18社を対象に、各社の有害化学物質、リサイクルおよび気候変動への取り組みについて、以下の3の領域における基準を10点満点で評価したものです。
1. 有害化学物質
有害化学物質を排除することで製品をクリーンにすること
2. e-ウェイスト
古くなった製品を生産者の責任として世界規模で回収し、再利用すること
3. エネルギー
世界規模で、会社の操業および製品が気候変動(地球温暖化)に与える影響を削減すること
1. 有害化学物質
有害化学物質を排除することで製品をクリーンにすること
2. e-ウェイスト
古くなった製品を生産者の責任として世界規模で回収し、再利用すること
3. エネルギー
世界規模で、会社の操業および製品が気候変動(地球温暖化)に与える影響を削減すること
総合評価
最新版では、デル、サムスン、東芝は、PVC(塩化ビニル)とBFR(臭素化難燃剤)を排除する公約期限を撤回したことによりペナルティポイントを科せられました。前回上位にランクインしていた企業のうち、東芝は3位から14位へ、サムスンは7位から13位へと大幅に順位を落としました。東芝は2010年4月までにPVCとBFRを排除する公約を撤回したため、サムスンはPVCを排除する公約の撤回および公約を守れないことを公約の実施期限まで認めず、消費者とグリーンピースの誤解を招いたためです。その他にもLGエレクトロニクスは、エネルギースター基準適合性の無視および虚偽申告によって製品エネルギー効率に関するポイントをほとんど失い、6位から12位へと順位を落としました。
複数の企業が順位を下げる一方で、HP、アップル、ソニー・エリクソン、エイサーは電子機器業界における環境面のリーダーとして頭角を現しています。これらの企業は有害物質の排除だけではなく、さらに一歩進んで、有害物質の今後の使用を禁止する法律を支持する姿勢を見せています。
日本企業の取り組み
有害化学物質
日本企業は有害物質基準における評価が相対的に低いといえます。PVCとBFRを排除する期限の公約では、他企業と比べて排除期限が遅く、満点の3点を獲得している企業はありません。唯一、2点を獲得したシャープは、代替品が見つかることを前提に2011年3月までにPVCとBFRを全製品から排除すると公約しています。しかし、トップメーカーに求められている排除期限は2010年12月と、より厳しいものです。日本企業でPVCとBFRの両方を排除した製品を発表している企業はありません。一方、ノキア、ソニー・エリクソン、アップルといった有害物質において取り組みの進んでいる企業は、すでに全製品からPVCとBFRを排除しています。
e-ウェイスト
e-ウェイスト基準においてはサムスン、ノキア、LGエレクトロニクス、ソニーが高得点を獲得していますが、日本企業は全体的に評価が低い傾向にあります。企業による自主回収プログラムの項目(満点=3点)においては、1点を上回る企業はありませんでした。携帯電話を生産するノキアとモトローラ、そしてパソコンを生産するレノボ、アップル、デルのように単一製品のみの場合、この自主回収での得点が高い傾向にありますが、パソコンのみが対象となっている富士通や、ゲーム機のみの任天堂の評価は相対的に低いといえます。e-ウェイストにおいて総体的に評価の高いソニーは、OECD諸国以外での自主回収プログラム拡張ができなかったため本15版で得点を失い、この項目では無得点です。一方、製品全体における再資源化プラスチック使用量の項目(満点=3点)では、総使用量の10%の再資源化プラスチックを使用しているソニーが高得点を獲得しています。東芝とシャープは、再資源化プラスチックの使用量と、使用量を増やす計画とを報告したため1点を獲得しています。パナソニックは2009年度の再資源化プラスチックの使用量が前年に比べて増えていますが、使用量を増やす計画については言及していません。
エネルギー
日本企業はエネルギー基準での評価が高い傾向にあります。得点が倍増される新機種のエネルギー効率項目が主な得点源となっており、新しく発表したテレビのすべてがエネルギースター基準に適合すると報告したパナソニックとシャープは満点(3点X2)を獲得しています。 自社の操業による温室効果ガス排出量の削減項目においては、ソニーが2016年までに絶対量を30%削減する(対2001年比)ことを公約しているため満点を獲得しています。しかし、自然エネルギー使用量の項目においては全体的に評価が低くなっています。1点を獲得したのは、毎年全世界で購入される全エネルギー量の8%を自然エネルギーから調達しているソニーのみであり、他の企業は無得点です。シャープや東芝も使用量を報告していますが、得点を得るには使用量が低く、一方で富士通の報告はグローバルではなくヨーロッパのみの使用量のため、得点を得るには至っていません。
(以上)
グリーンピースとは
グリーンピースは、「グリーン」(持続可能)で「ピース」(平和)な社会を実現するために活動する国際環境NGOです。気候変動とエネルギー問題の解決、海洋生態系の保護、遺伝子組み換えがおよぼすリスクの防止、平和と軍縮を追求する活動などを行っています。
###
本件に関するお問い合わせ先:
グリーンピース・ジャパン 広報事務局 担当: 安達
Tel: 03-5738-1673 / Fax: 03-5738-1671
最新版では、デル、サムスン、東芝は、PVC(塩化ビニル)とBFR(臭素化難燃剤)を排除する公約期限を撤回したことによりペナルティポイントを科せられました。前回上位にランクインしていた企業のうち、東芝は3位から14位へ、サムスンは7位から13位へと大幅に順位を落としました。東芝は2010年4月までにPVCとBFRを排除する公約を撤回したため、サムスンはPVCを排除する公約の撤回および公約を守れないことを公約の実施期限まで認めず、消費者とグリーンピースの誤解を招いたためです。その他にもLGエレクトロニクスは、エネルギースター基準適合性の無視および虚偽申告によって製品エネルギー効率に関するポイントをほとんど失い、6位から12位へと順位を落としました。
複数の企業が順位を下げる一方で、HP、アップル、ソニー・エリクソン、エイサーは電子機器業界における環境面のリーダーとして頭角を現しています。これらの企業は有害物質の排除だけではなく、さらに一歩進んで、有害物質の今後の使用を禁止する法律を支持する姿勢を見せています。
日本企業の取り組み
有害化学物質
日本企業は有害物質基準における評価が相対的に低いといえます。PVCとBFRを排除する期限の公約では、他企業と比べて排除期限が遅く、満点の3点を獲得している企業はありません。唯一、2点を獲得したシャープは、代替品が見つかることを前提に2011年3月までにPVCとBFRを全製品から排除すると公約しています。しかし、トップメーカーに求められている排除期限は2010年12月と、より厳しいものです。日本企業でPVCとBFRの両方を排除した製品を発表している企業はありません。一方、ノキア、ソニー・エリクソン、アップルといった有害物質において取り組みの進んでいる企業は、すでに全製品からPVCとBFRを排除しています。
e-ウェイスト
e-ウェイスト基準においてはサムスン、ノキア、LGエレクトロニクス、ソニーが高得点を獲得していますが、日本企業は全体的に評価が低い傾向にあります。企業による自主回収プログラムの項目(満点=3点)においては、1点を上回る企業はありませんでした。携帯電話を生産するノキアとモトローラ、そしてパソコンを生産するレノボ、アップル、デルのように単一製品のみの場合、この自主回収での得点が高い傾向にありますが、パソコンのみが対象となっている富士通や、ゲーム機のみの任天堂の評価は相対的に低いといえます。e-ウェイストにおいて総体的に評価の高いソニーは、OECD諸国以外での自主回収プログラム拡張ができなかったため本15版で得点を失い、この項目では無得点です。一方、製品全体における再資源化プラスチック使用量の項目(満点=3点)では、総使用量の10%の再資源化プラスチックを使用しているソニーが高得点を獲得しています。東芝とシャープは、再資源化プラスチックの使用量と、使用量を増やす計画とを報告したため1点を獲得しています。パナソニックは2009年度の再資源化プラスチックの使用量が前年に比べて増えていますが、使用量を増やす計画については言及していません。
エネルギー
日本企業はエネルギー基準での評価が高い傾向にあります。得点が倍増される新機種のエネルギー効率項目が主な得点源となっており、新しく発表したテレビのすべてがエネルギースター基準に適合すると報告したパナソニックとシャープは満点(3点X2)を獲得しています。 自社の操業による温室効果ガス排出量の削減項目においては、ソニーが2016年までに絶対量を30%削減する(対2001年比)ことを公約しているため満点を獲得しています。しかし、自然エネルギー使用量の項目においては全体的に評価が低くなっています。1点を獲得したのは、毎年全世界で購入される全エネルギー量の8%を自然エネルギーから調達しているソニーのみであり、他の企業は無得点です。シャープや東芝も使用量を報告していますが、得点を得るには使用量が低く、一方で富士通の報告はグローバルではなくヨーロッパのみの使用量のため、得点を得るには至っていません。
(以上)
グリーンピースとは
グリーンピースは、「グリーン」(持続可能)で「ピース」(平和)な社会を実現するために活動する国際環境NGOです。気候変動とエネルギー問題の解決、海洋生態系の保護、遺伝子組み換えがおよぼすリスクの防止、平和と軍縮を追求する活動などを行っています。
###
本件に関するお問い合わせ先:
グリーンピース・ジャパン 広報事務局 担当: 安達
Tel: 03-5738-1673 / Fax: 03-5738-1671